JPS6328979B2 - - Google Patents
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- JPS6328979B2 JPS6328979B2 JP478481A JP478481A JPS6328979B2 JP S6328979 B2 JPS6328979 B2 JP S6328979B2 JP 478481 A JP478481 A JP 478481A JP 478481 A JP478481 A JP 478481A JP S6328979 B2 JPS6328979 B2 JP S6328979B2
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Description
本発明は鋳造割れ性の改善された高力アルミニ
ウム合金及びその製造法に関するものである。な
お本明細書中において%(百分率)は特に断らな
い限り重量百分率を表わすものとする。 従来高力高靭性のアルミニウム合金としてはア
ルミニウム―銅―マグネシウム系のAU5GT合金
(フランス規格)が知られている。この合金は高
い引張強さと靭性とを有しているが鋳造時に、割
れを生じ易い欠点がある。この解決策としてこれ
にチタン又はチタン及び硼素を添加する事が行な
われているが、鋳造割れを十分に防止するには到
つていない。 本発明者らは、このような実情に鑑みアルミニ
ウム―銅―マグネシウム系合金の高力高靭性を保
持し、しかも鋳造割れ性の改善された合金を得る
べく鋭意検討を重ねた結果、アルミニウム―銅―
マグネシウム系合金に特定の元素を添加すること
により、鋳造割れ性が改善されることを見出し本
発明に到達した。 即ち、本発明は鋳造割れ性の改善された高力ア
ルミニウム合金及びその製造法を提供することを
目的とし、この目的は銅4.0〜5.5%、マグネシウ
ム0.20〜0.50%、鉄0.15%以下、シリコン0.15%
以下、チタン0.010〜0.10%、チタンに対して2
〜20%の硼素、及び希土類0.020〜0.30%、また
必要によりマンガン0.2〜0.8%を含み、残部は実
質的にアルミニウムからなる高力アルミニウム合
金によつて容易に達成される。 本発明の合金はアルミニウム溶湯に各元素源を
所定量添加し溶製したのち鋳造することによつて
製造されるが、この際、溶湯に希土類元素源をほ
ぼ完全に溶解させた後にチタン源及び硼素源を添
加することによつて良好な性質の合金を製造する
ことができる。 以下に本発明について詳細に説明する。 本発明に係る合金の添加成分のうち、銅は合金
に高い機械的強度を与えるために不可欠の成分で
ある。銅の含有量は4.0〜5.5%であり、含有量が
4.0%より少ないと所望の高い強度が得られず、
また、5.5%より多いと合金の伸びが低下する。 マグネシウムは銅と共存して合金の強度を向上
させる。マグネシウムの含有量は0.20〜0.50%で
あり、含有量が0.20%より少ないと強度向上効果
が少なく、また0.50%より多いと合金の靭性が低
下し、かつ鋳造割れを生じ易い。 不可避不純物として混入する鉄及びシリコンは
靭性の確保及びバーニングの防止のために、各々
0.15%以下とする必要がある。 チタン及び硼素は結晶粒を微細化し、鋳造割れ
を防止する効果がある。チタン及び硼素を共存さ
せる場合、チタンの含有量は0.010〜0.10%で十
分である。チタンの含有量が0.010%より少ない
と鋳造割れ防止効果は殆んどなく、また0.10%よ
り多くても効果の向上は、わずかであるので0.10
%以上の添加は経済的でない。硼素はチタンの2
〜20%含有させる。硼素がチタンに対して2%よ
り少ないと鋳造割れ防止効果が殆んどなく、また
チタンに対して20%より多く含有させても鋳造割
れ防止効果の向上はわずかである。過多量の硼素
の存在は硼素とチタンとが溶湯中で化合物を形成
して沈降し易くなり均質な鋳造を困難にするので
好ましくない。 希土類元素はアルミニウムに殆んど固溶せず、
凝固時に粒界に晶出するが、この現象が凝固収縮
による欠陥発生を緩和し鋳造割れの防止に寄与す
るものと考えられる。希土類元素の鋳造割れ防止
効果はチタン及び硼素の共存を必要とする。本発
明において希土類元素とはスカンジウム、イツト
リウム、及びラシタノイド元素をいうが、好まし
くはセリウムである。希土類元素は1種でも2種
以上の混合物の形で添加しても良い。本発明にお
いて希土類元素の含有量は0.020〜0.30%である。
含有量が0.020%より少ないと鋳造割れの防止効
果がなく、また含有量が0.30%より多くなると強
度と伸びが低下する。 本発明においては必要によりさらにマンガン
0.2〜0.8%を添加することにより他の特性を損な
うことなく合金の強度を向上させることができ
る。 上記各成分を含有する本発明の合金を製造する
場合、各成分元素の添加方法(順序)によつては
合金中に粗大なAl―Ti―Ce系化合物の結晶を生
じ、合金の機械的性質を劣化させることがある。
このような不都合を防止するために、本発明の合
金の溶製にあたつては希土類元素源をアルミニウ
ム溶湯にほぼ完全に溶解させた後に、チタン源及
び硼素源を溶湯に添加するという溶解手順をとる
のが望ましい。 本発明の合金は、アルミニウム―銅―マグネシ
ウム系合金の有する高い強度と靭性を保有し、し
かも鋳造割れ性が改善されるているので自動車の
ブレーキ用部品等の高強度を要する鋳造製品の鋳
造に有用である。 以下に実施例により本発明をさらに具体的に説
明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以
下の実施例によつて限定されるものではない。 実施例 1 第1表に示す組成のアルミニウム合金をNo.1〜
8の合金は第1図に示す溶製条件にて、またNo.9
の合金は第2図に示す溶製条件にて溶製した後、
得られた溶湯をそれぞれ730℃でJIS舟金型に鋳込
みJIS4号試験片を作成した。得られた試験片を
530℃で5時間加熱したのち水焼入れし、室温で
5日間時効処理したものについて、引張り強さ、
0.2%耐力及び伸びを測定した。結果を第2表に
示す。ただし、合金No.1、4〜7及び9は比較の
ためのものである。
ウム合金及びその製造法に関するものである。な
お本明細書中において%(百分率)は特に断らな
い限り重量百分率を表わすものとする。 従来高力高靭性のアルミニウム合金としてはア
ルミニウム―銅―マグネシウム系のAU5GT合金
(フランス規格)が知られている。この合金は高
い引張強さと靭性とを有しているが鋳造時に、割
れを生じ易い欠点がある。この解決策としてこれ
にチタン又はチタン及び硼素を添加する事が行な
われているが、鋳造割れを十分に防止するには到
つていない。 本発明者らは、このような実情に鑑みアルミニ
ウム―銅―マグネシウム系合金の高力高靭性を保
持し、しかも鋳造割れ性の改善された合金を得る
べく鋭意検討を重ねた結果、アルミニウム―銅―
マグネシウム系合金に特定の元素を添加すること
により、鋳造割れ性が改善されることを見出し本
発明に到達した。 即ち、本発明は鋳造割れ性の改善された高力ア
ルミニウム合金及びその製造法を提供することを
目的とし、この目的は銅4.0〜5.5%、マグネシウ
ム0.20〜0.50%、鉄0.15%以下、シリコン0.15%
以下、チタン0.010〜0.10%、チタンに対して2
〜20%の硼素、及び希土類0.020〜0.30%、また
必要によりマンガン0.2〜0.8%を含み、残部は実
質的にアルミニウムからなる高力アルミニウム合
金によつて容易に達成される。 本発明の合金はアルミニウム溶湯に各元素源を
所定量添加し溶製したのち鋳造することによつて
製造されるが、この際、溶湯に希土類元素源をほ
ぼ完全に溶解させた後にチタン源及び硼素源を添
加することによつて良好な性質の合金を製造する
ことができる。 以下に本発明について詳細に説明する。 本発明に係る合金の添加成分のうち、銅は合金
に高い機械的強度を与えるために不可欠の成分で
ある。銅の含有量は4.0〜5.5%であり、含有量が
4.0%より少ないと所望の高い強度が得られず、
また、5.5%より多いと合金の伸びが低下する。 マグネシウムは銅と共存して合金の強度を向上
させる。マグネシウムの含有量は0.20〜0.50%で
あり、含有量が0.20%より少ないと強度向上効果
が少なく、また0.50%より多いと合金の靭性が低
下し、かつ鋳造割れを生じ易い。 不可避不純物として混入する鉄及びシリコンは
靭性の確保及びバーニングの防止のために、各々
0.15%以下とする必要がある。 チタン及び硼素は結晶粒を微細化し、鋳造割れ
を防止する効果がある。チタン及び硼素を共存さ
せる場合、チタンの含有量は0.010〜0.10%で十
分である。チタンの含有量が0.010%より少ない
と鋳造割れ防止効果は殆んどなく、また0.10%よ
り多くても効果の向上は、わずかであるので0.10
%以上の添加は経済的でない。硼素はチタンの2
〜20%含有させる。硼素がチタンに対して2%よ
り少ないと鋳造割れ防止効果が殆んどなく、また
チタンに対して20%より多く含有させても鋳造割
れ防止効果の向上はわずかである。過多量の硼素
の存在は硼素とチタンとが溶湯中で化合物を形成
して沈降し易くなり均質な鋳造を困難にするので
好ましくない。 希土類元素はアルミニウムに殆んど固溶せず、
凝固時に粒界に晶出するが、この現象が凝固収縮
による欠陥発生を緩和し鋳造割れの防止に寄与す
るものと考えられる。希土類元素の鋳造割れ防止
効果はチタン及び硼素の共存を必要とする。本発
明において希土類元素とはスカンジウム、イツト
リウム、及びラシタノイド元素をいうが、好まし
くはセリウムである。希土類元素は1種でも2種
以上の混合物の形で添加しても良い。本発明にお
いて希土類元素の含有量は0.020〜0.30%である。
含有量が0.020%より少ないと鋳造割れの防止効
果がなく、また含有量が0.30%より多くなると強
度と伸びが低下する。 本発明においては必要によりさらにマンガン
0.2〜0.8%を添加することにより他の特性を損な
うことなく合金の強度を向上させることができ
る。 上記各成分を含有する本発明の合金を製造する
場合、各成分元素の添加方法(順序)によつては
合金中に粗大なAl―Ti―Ce系化合物の結晶を生
じ、合金の機械的性質を劣化させることがある。
このような不都合を防止するために、本発明の合
金の溶製にあたつては希土類元素源をアルミニウ
ム溶湯にほぼ完全に溶解させた後に、チタン源及
び硼素源を溶湯に添加するという溶解手順をとる
のが望ましい。 本発明の合金は、アルミニウム―銅―マグネシ
ウム系合金の有する高い強度と靭性を保有し、し
かも鋳造割れ性が改善されるているので自動車の
ブレーキ用部品等の高強度を要する鋳造製品の鋳
造に有用である。 以下に実施例により本発明をさらに具体的に説
明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以
下の実施例によつて限定されるものではない。 実施例 1 第1表に示す組成のアルミニウム合金をNo.1〜
8の合金は第1図に示す溶製条件にて、またNo.9
の合金は第2図に示す溶製条件にて溶製した後、
得られた溶湯をそれぞれ730℃でJIS舟金型に鋳込
みJIS4号試験片を作成した。得られた試験片を
530℃で5時間加熱したのち水焼入れし、室温で
5日間時効処理したものについて、引張り強さ、
0.2%耐力及び伸びを測定した。結果を第2表に
示す。ただし、合金No.1、4〜7及び9は比較の
ためのものである。
【表】
【表】
実施例 2
第1表のNo.1〜8の合金を実施例1と同様に溶
製した後、得られた溶湯をそれぞれ第3図にその
断面図を示すような室温の鋳鉄製リングモールド
に750℃で鋳込み、リング状の鋳物を製造した。
この鋳物に発生した鋳造割れの割れ長さと割れ幅
とを測定して割れ性を調べた。結果を第3表に示
す。
製した後、得られた溶湯をそれぞれ第3図にその
断面図を示すような室温の鋳鉄製リングモールド
に750℃で鋳込み、リング状の鋳物を製造した。
この鋳物に発生した鋳造割れの割れ長さと割れ幅
とを測定して割れ性を調べた。結果を第3表に示
す。
【表】
実施例 3
第4表に示す組成のアルミニウム合金溶湯を第
1図に示す溶製条件で溶製した後、半連続鋳造法
により鋳造温度690℃で直径200mm、長さ550mmの
鋳塊を製造した。鋳造速度を変化させて、割れを
生じない最大鋳造速度を測定した。結果を第4表
に示す。なお、合金No.10、11は比較のためのもの
である。
1図に示す溶製条件で溶製した後、半連続鋳造法
により鋳造温度690℃で直径200mm、長さ550mmの
鋳塊を製造した。鋳造速度を変化させて、割れを
生じない最大鋳造速度を測定した。結果を第4表
に示す。なお、合金No.10、11は比較のためのもの
である。
第1図は実施例1及び実施例2におけるNo.1〜
8の合金の溶製条件を示す図であり、第2図は実
施例1におけるNo.9の合金の溶製条件を示す図で
ある。第3図は実施例2で用いた鋳鉄製リングモ
ールドの断面図である。各部分の寸法(単位:
mm)は下記の通りである。 a:96.5、b:58.4、c:38.1、d:19.1、
e:2.0、f:7.5、g:27.4、h:37.8。
8の合金の溶製条件を示す図であり、第2図は実
施例1におけるNo.9の合金の溶製条件を示す図で
ある。第3図は実施例2で用いた鋳鉄製リングモ
ールドの断面図である。各部分の寸法(単位:
mm)は下記の通りである。 a:96.5、b:58.4、c:38.1、d:19.1、
e:2.0、f:7.5、g:27.4、h:37.8。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 銅4.0〜5.5%、マグネシウム0.20〜0.50%、
鉄0.15%以下、シリコン0.15%以下、チタン0.010
〜0.10%、チタンに対して2〜20%の硼素、及び
希土類元素0.020〜0.30%を含み、残部は実質的
にアルミニウムからなる高力アルミニウム合金。 2 銅4.0〜5.5%、マグネシウム0.20〜0.50%、
鉄0.15%以下、シリコン0.15%以下、マンガン0.2
〜0.8%、チタン0.010〜0.10%、チタンに対して
2〜20%の硼素、及び希土類元素0.020〜0.30%
を含み、残部は実質的にアルミニウムからなる高
力アルミニウム合金。 3 アルミニウム溶湯に各元素源を所定量添加し
て、銅4.0〜5.5%、マグネシウム0.20〜0.50%、
鉄0.15%以下、シリコン0.15%以下、チタン0.010
〜0.10%、チタンに対して2〜20%の硼素、及び
希土類元素0.020〜0.30%を含み、残部は実質的
にアルミニウムからなるアルミニウム溶湯を得、
該溶湯を溶製した後鋳造することにより高力アル
ミニウム合金を製造するにあたり、溶湯に希土類
元素源をほぼ完全に溶解させた後にチタン源及び
硼素源を添加することを特徴とする高力アルミニ
ウム合金の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP478481A JPS57120649A (en) | 1981-01-16 | 1981-01-16 | High strength aluminum alloy and its manufacture |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP478481A JPS57120649A (en) | 1981-01-16 | 1981-01-16 | High strength aluminum alloy and its manufacture |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS57120649A JPS57120649A (en) | 1982-07-27 |
JPS6328979B2 true JPS6328979B2 (ja) | 1988-06-10 |
Family
ID=11593428
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP478481A Granted JPS57120649A (en) | 1981-01-16 | 1981-01-16 | High strength aluminum alloy and its manufacture |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS57120649A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6122932B2 (ja) * | 2014-11-13 | 2017-04-26 | 有限会社ベルモデル | 高靭性アルミニウム合金鋳物 |
CN109913708A (zh) * | 2019-03-20 | 2019-06-21 | 东莞旭光五金氧化制品有限公司 | 一种新型6系铝合金及其制备方法 |
-
1981
- 1981-01-16 JP JP478481A patent/JPS57120649A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS57120649A (en) | 1982-07-27 |
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