JPS6328419B2 - - Google Patents

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JPS6328419B2
JPS6328419B2 JP61284881A JP28488186A JPS6328419B2 JP S6328419 B2 JPS6328419 B2 JP S6328419B2 JP 61284881 A JP61284881 A JP 61284881A JP 28488186 A JP28488186 A JP 28488186A JP S6328419 B2 JPS6328419 B2 JP S6328419B2
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JP
Japan
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lysine
malic acid
crystals
neutral
neutral salt
Prior art date
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JP61284881A
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English (en)
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JPS62174043A (ja
Inventor
Ichiro Senhata
Akihiko Washimi
Hiroshi Ito
Osamu Ootsuki
Nozomi Izutsu
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tanabe Seiyaku Co Ltd
Original Assignee
Tanabe Seiyaku Co Ltd
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Publication date
Application filed by Tanabe Seiyaku Co Ltd filed Critical Tanabe Seiyaku Co Ltd
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  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明はL−リジン2モルとL−リンゴ酸1モ
ルとからなる新規中性L−リジン・L−リンゴ酸
塩結晶およびその製法に関する。 L−リジンは栄養強化添加物として、あるいは
医薬品として非常に広い用途を有する化合物であ
るが、遊離塩基として結晶状に単離することは著
しく困難である。例え単離しても空気中の炭酸ガ
スを吸収しやすく耐湿性も悪く極めて組成変化が
起りやすいなどの理由により、通常塩酸塩の形で
用いられている。しかしながら、経口栄養摂取が
困難で経静脈栄養法に頼らねばならない場合、L
−リジンを塩酸塩の形で投与することは塩素イオ
ンの影響によりアシドーシス症状を惹き起こす恐
れがある。また塩素イオンを多く含む輸液を腎疾
患患者に注入することは望ましくなく、このため
塩素イオンを含まないアミノ酸輸液に対する要望
は最近特に強くなつてきている。 一方、アミノ酸含有製剤を経口摂取する場合で
もアミノ酸を塩酸塩として含むアミノ酸混合物は
苦味が強いため味が悪く、このことは塩基性L−
アミノ酸を主成分とする製剤において特に著し
い。 アミノ酸混合物を唯一の窒素源とする化学食餌
では各種フレーバーを添加して味に変化をつけ少
しでも飲食し易いように工夫されているが、塩基
性L−アミノ酸の塩酸塩に由来する苦味の根本的
な解決法はまだ得られていない。 本発明者らは、塩素イオンを含まない結晶性の
L−リジン塩を取得すべく種々研究を重ねた結
果、生体内で代謝されやすくかつ医薬的効果をも
有するL−リンゴ酸にL−リジンを水性溶媒中で
反応させれば、該L−リンゴ酸はL−リジンと
1:2モル比で中性塩を形成すること、並びに生
成した塩の結晶を育晶晶析させれば、結晶状態で
湿気に対して安定でかつ水に対する溶解度も非常
に大きい高純度結晶として採取し得ることを見出
し、本発明を完成するに到つた。 本発明のL−リジン2モルとL−リンゴ酸1モ
ルからなる中性塩(以下、単に中性塩と称する)
としては例えば中性L−リジン・L−リンゴ酸
塩・1水和物結晶があげられる。この中性塩は新
規物質であり、結晶アミノ酸輸液、特に塩素イオ
ン含量を減少あるいは皆無にした輸液を調製する
にあたり、非常に有用な物質である。またアミノ
酸輸液を静脈に注入した場合高アンモニア血症に
なつた症例が報告されているが、L−リンゴ酸は
肝機能を改善する作用を有し、アンモニア中毒の
予防に有効であることが知られているので、高ア
ンモニア血症を予防する意味でも、本発明の中性
塩結晶は単にL−リジンの補給だけでなく、L−
リンゴ酸が有する効能を併せて利用できるという
性質も備えており、医学的に極めて有用である。 更に中性塩はほとんど無味であり、しかも無臭
であるため経口投与に最適である。 本発明の中性塩結晶は、L−リジンとL−リン
ゴ酸を水性溶媒中で中和反応させてL−リジン2
モルとL−リンゴ酸1モルとからなる中性塩を生
成させ、反応液を濃縮して濃縮液中の中性塩濃度
が20〜70%となるように調整した濃縮液に、メタ
ノールを加えて晶析系の溶媒の含水率が約10〜50
%となるように調整するか、又はエタノールを加
えて晶析系の溶媒の含水率が約10〜40%となるよ
う調整することにより結晶として析出させること
ができる。 水性溶媒中に該中性塩を生成させるには、遊離
のL−リジンを含有する水性溶液(例えば水溶
液)に、該水性溶媒中のL−リジン2モルに対し
てL−リンゴ酸を約0.8〜1.2モル、好ましくは1
モル溶解し、その液性をPH約6.0〜8.5、とりわけ
6.5〜7.5付近に調整するとよい。 尚、L−リンゴ酸を過剰に用いると塩基性アミ
ノ酸1モルとL−リンゴ酸1モルとが結合した酸
性塩も併産してくるので好ましくない。 上記で得られた中性塩含有水性溶液から該中性
塩を析出させるには、該溶液中にメタノール又は
エタノールを添加する方法、該溶液をメタノール
又はエタノールに添加する方法、あるいはこれら
を組み合わせた方法(例えば、該溶液中にメタノ
ール又はエタノールを添加して一部結晶を析出さ
せたのち、この結晶含有混合液をメタノール又は
エタノールに添加する方法)などを採用すること
ができる。しかし反応終了液を単に濃縮するだけ
では、該中性塩自体が水に対して極めてよく溶解
するので非結晶性のグリース状の生成物が生じ易
く、また母液の粘度も高く、固液分離が困難とな
つて品質良好な結晶を得ることができない。 析出操作に用いられる中性塩含有水性溶液の濃
度は、約20〜70%、とりわけ50〜70%程度が好ま
しく、これより高い濃度では析出晶がブロツク状
になりやすい。 晶析操作は室温下でも実施することができ特に
限定されないが、一般に冷却下に実施すれば中性
塩の収率を向上せしめ得る場合が多いので望まし
い。 上記晶析操作を更に詳細に説明すれば次の通り
である。すなわち、L−リジンとL−リンゴ酸と
の中和反応液を該反応液に含まれる中性塩の濃度
が約20〜70%となるように濃縮し、ついでこの濃
縮液にメタノール又はエタノールを適量加えるか
あるいは該濃縮液を適量のメタノール又はエタノ
ール中へ注入して該中性塩結晶を析出させるのが
好ましい。これらの場合、例えばメタノールを用
いるときは晶析系の溶媒の含水率が約10〜50%と
なるように調整し、またエタノールを用いるとき
には該含水率が約10〜40%となるように調整する
のが好ましい。 また上記濃縮液にメタノール又はエタノールを
少量添加して中性塩結晶の析出を誘起させ、つい
でこの溶液を大量のメタノール又はエタノール中
へ注入することによつても析出させることができ
る。この場合も上記と同様に親水性有機溶媒とし
てメタノールを用いるときには最終の晶析系の溶
媒の含水率を約10〜50%程度に調整し、またエタ
ノールを用いるときには含水率を約10〜40%程度
に調整するのが好ましい。 以下、本発明を実施例により更に詳細に説明す
る。 実施例 1 遊離Lリジン水溶液200ml(L−リジン0.45モ
ル含有)にL−リンゴ酸結晶30.16g(L−リジ
ンに対して0.5モル比)を撹拌下に徐々に加え中
和反応を行なう。反応液を減圧濃縮して中性L−
リジン・L−リンゴ酸塩の50%溶液(液量約170
ml)を調製する。この溶液にメタノール200mlを
撹拌下に徐々に加え、結晶を析出させる。ついで
別途の撹拌槽にメタノール470mlを入れ、撹拌下
に前記晶析混合液を加え、室温にて約4時間撹拌
し結晶を充分析出させる。析出晶を濾取し、メタ
ノールで洗浄したのち、40℃で一夜通風乾燥する
ことにより、無色針状乃至柱状晶として中性L−
リジン・L−リンゴ酸塩・1水和物結晶91.9gを
得る。 収率:92.5% 融点 216℃(分解) 比旋光度 〔α〕20 D:+19.42゜(C=8、6N−HCl) 赤外線吸収スペクトル(KBr法) 第1図の通り L−リジン、L−リンゴ酸および結晶水の含量 第1表の通り。
【表】 元素分析値(C6H14N2O22・C4H6O5・H2O 計算値:C、43.24;H、8.16;N、12.16 実測値:C、43.46;H、8.22;N、12.79 熱分析 示差熱分析(昇温10℃/分、窒素気流中)およ
び熱重量分析の結果、53℃よりの吸熱現象および
重量減少が観察され、同温度において4.01%の重
量減少を示した。この重量減少がカールフイツシ
ヤー法による水分測定値4.03%とよく一致するこ
とおよび上記元素分析値より本結晶がL−リジン
2モル、L−リンゴ酸1モルおよび結晶水1モル
からなる中性L−リジン・L−リンゴ酸塩・1水
和物であることが確認された。 メタノール水溶液に対する溶解度(10℃) 第2図の通り。 水に対する溶解度(10℃) 192.6(g/100g水) 10%水溶液のPH 6.8 臨界湿度(40℃) 66%RH なお、本結晶を65℃にて一夜通風乾燥すると結
晶水をもたない中性L−リジン・L−リンゴ酸塩
結晶となつたが、室温にて空気中に放置すると1
時間以内に1水和物に相当する水分を吸収し、そ
の後は結晶水分の変動は認められなかつた。 実施例 2 遊離L−リジン水溶液200ml(L−リジン0.558
モル含有)にL−リンゴ酸結晶36.52g(L−リ
ジンに対し0.5モル比)を撹拌下に徐々に加え中
和反応を行なう。反応液を減圧濃縮し全量214ml
とする。この水溶液にメタノール250mlを撹拌下
に加えて結晶を析出させ、更に30分間隔にてメタ
ノール55ml宛10回添加し、充分に結晶を析出させ
る。析出した結晶を濾取し、以下実施例1と同様
に処理することにより、無色針状乃至柱状晶とし
て中性L−リジン・L−リンゴ酸塩・1水和物結
晶115.3gを得る。 収率95% 本品の物理化学的性状は実施例1で得た結晶の
それと一致した。 実施例 3 実施例1と同様にしてL−リジン・L−リンゴ
酸塩の濃度が50%である水溶液185.3gを得る。
ついでエタノール500mlを入れた撹拌槽へ前記中
性L−リジン・L−リンゴ酸塩溶液を徐々に加
え、結晶を充分に析出させる。析出した結晶を濾
取し、40℃にて1夜通風乾燥することにより中性
L−リジン・L−リンゴ酸塩・1水和物結晶94g
を得る。 収率93.0g 本品の物理化学的性状は実施例1で得た結晶の
それと一致した。
【図面の簡単な説明】
第1図は中性L−リジン・L−リンゴ酸塩・1
水和物結晶の赤外線吸収スペクトル、第2図は中
性L−リジン・L−リンゴ酸塩・1水和物結晶の
10℃におけるメタノール水溶液に対する溶解量を
示す線図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 L−リジン2モルとL−リンゴ酸1モルとか
    らなる中性塩結晶。 2 中性塩結晶が中性L−リジン・L−リンゴ酸
    塩・1水和物である特許請求の範囲第1項記載の
    結晶。 3 L−リジンとL−リンゴ酸を水性溶媒中で中
    和反応させてL−リジン2モルとL−リンゴ酸1
    モルとからなる中性塩を生成させ、反応液を濃縮
    して濃縮液中の中性塩濃度が20〜70%となるよう
    に調整した濃縮液に、メタノールを加えて晶析系
    の溶媒の含水率が約10〜50%となるよう調整する
    か、又はエタノールを加えて晶析系の溶媒の含水
    率が約10〜40%となるよう調整することにより、
    該中性塩を結晶として析出させることを特徴とす
    るL−リジン2モルとL−リンゴ酸1モルとから
    なる中性塩結晶の製法。
JP28488186A 1986-11-28 1986-11-28 中性l−リジン・l−リンゴ酸塩結晶およびその製法 Granted JPS62174043A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5277011A (en) * 1975-12-23 1977-06-29 Ajinomoto Co Inc Preparation of l-malate

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