JPS6328380Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は真空管式太陽熱集熱器のように、透光
性の外管内に集熱管と集熱板とを結合した集熱部
材、及び該集熱部材を支持する支持部材を設けて
なる所謂、管式の太陽熱集熱器に関する。

(ロ) 従来技術 従来のこの種の太陽熱集熱器の基本構造は第１
図及び第２図のごとくである。図において、１は
長さが例えば２〜３ｍにも及ぶ長尺の透光性のガ
ラス外管、２はガラス外管内に収納した集熱管、
３は集熱管２を伝熱的に嵌合保持する断面Ｕ字状
の抱持部３ａを長手方向に有する集熱板、４はガ
ラス外管１の開放端面を閉塞する端蓋であり、ガ
ラス外管１内は真空引きされている。集熱管２は
例えば気液２相に変化する熱媒体を封入した銅管
からなり、端板４を貫通したガラス外管１の外方
にて図示されてない熱交換器に接続され、熱媒体
の潜熱を熱交換器を流れる水に放出して加熱する
ようにしてある。

ところで上述した太陽熱集熱器を組立構成する
に際してはガラス外管１内の真空断熱層を有効利
用するために、集熱管２及び集熱板３からなる集
熱部材をガラス外管１内で同軸的に保持すること
が必要である。

そこで、従来は第３図及び第４図に示すよう
に、集熱板３を長手方向に沿つて複数に分割して
その相互間を切欠き、この切欠箇所７に支持部材
８をそれぞれ装着している。支持部材８は伝熱性
が比較的低く、かつばね特性の良い、例えばステ
ンレス等の弾性線材を屈曲成形して形作られる。
すなわち、支持部材８はガラス外管１よりも径大
な曲率半径に彎曲し、かつ円弧角を180゜以上に設
定した支脚部８１と、該支脚部８１の両端より立
上つてほぼ中心に向けて伸びる左右の連結部８２
と、連結部８２に連ねて中心部に形成した嵌合部
８３とを有してなり、嵌合部８３はその曲率半径
を集熱管２のそれに相応して定めてある。

かかる支持部材８はその嵌合部８３が集熱管２
の外周面に嵌着結合され、かつ支脚部８１がガラ
ス外管１の内周面へ弾性的に押接されて、集熱管
２と集熱板３とからなる集熱部材をガラス外管１
内へ同軸的に支持するものである。

上述した太陽熱集熱器は集熱板３や集熱管２の
熱伸縮により支持部材８が集熱管２の軸方向へ頻
繁に移動するため、銅管からなる集熱管２がステ
ンレス等の支持部材８にて傷付けられ、逐には集
熱管２を破損する虞れがあつた。

(ハ) 考案の目的 この考案は上述した従来技術の問題点を解消す
べくなされたものであり、透光性の外管内に集熱
管と集熱板とを結合した集熱部材、及び該集熱部
材を支持する支持部材を設けたものにおいて、支
持部材が集熱管や集熱板の熱伸縮により集熱部材
を傷付けないようにすることを目的とする。

(ニ) 考案の構成 この考案では集熱板に集熱管を嵌合保持する抱
持部を設け、この抱持部には支持部材の取付溝を
設ける。支持部材は抱持部の取付溝に嵌合する嵌
合部、外管内壁と接触する一対の支脚部、及び該
両部を連結する一対の連結部を一体に屈曲成形し
た一本の弾性線材からなる。そして、支持部材の
嵌合部を集熱板の抱持部の取付溝に、集熱管とは
非接触状態にして嵌着したことを特徴とする。

(ホ) 実施例 以下、本考案の一実施例を第５図ないし第９図
を参照して説明する。集熱管２を嵌合保持する集
熱板２の抱持部３ａには絞り加工などにより支持
部材９の取付溝３ｂを設けてある。支持部材９は
抱持部３ａの取付溝３ｂに嵌合する嵌合部９１、
外管内壁と接触する左右一対の弧状の支脚部９
２，９２、及び嵌合部９１の両端と支脚部９２，
９２とを連結する一対の連結部９３，９３をステ
ンレス等の１本の弾性線材から一体に屈曲成形し
てある。尚、取付溝３ｂの深さＡは支持部材９の
線径Ｂより大とし、支持部材９の嵌合部９１の外
径Ｃは集熱板３の取付溝３ｂの内径Ｄより僅かに
大きく設定されており、支持部材９の嵌合部９１
が自己の弾性力を利用して抱持部３ａの取付溝３
ｂの内壁に密着嵌合し、かつ集熱管２の外周壁に
接触しないようにしてある。

次に、上述した太陽熱集熱器の集熱部材をガラ
ス外管１に収納支持する際の作業について述べ
る。まず、ガラス外管１の外方位置で、集熱板３
の抱持部３ａの取付溝３ｂに支持部材９の嵌合部
９１を嵌着させる。この嵌着作業は支持部材９の
連結部９３，９３を掴み、つぼめることにより、
嵌合部９１の曲率半径が小さくなるため、嵌合部
９１を取付溝３ｂに容易に嵌め込むことができ
る。そして、連結部９３，９３から手を離すと、
嵌合部９１が取付溝３ｂ内に一杯に広がり、取付
溝３ｂの内壁と接触するようになる。然る後、集
熱管２を集熱板３の抱持部３ａに嵌め込むことに
より、支持部材９は集熱管２と非接触状態で、集
熱板３の抱持部３ａの取付溝３ｂに嵌着する。こ
のように組立てされた集熱部材をガラス外管１内
に挿入すると、支持部材は支脚部９２，９２がガ
ラス外管１の内周壁に弾性的に接触して集熱部材
を支持する。従つて、支持部材９及び取付溝３ｂ
の個数を集熱板３の長さに応じて適宜設定するこ
とにより、集熱部材がガラス外管１内に同軸的に
保持される。

而して、本実施例に依れば、支持部材９が集熱
板３に一体的に結合され、かつ集熱管２と接触し
ないようにしてあるので、集熱管２や集熱板３が
熱伸縮し軸方向に移動しても、支持部材９が集熱
管３の外周面を傷付け、これを損傷させる心配が
ない。又、支持部材９は一対の連結部９３，９３
を掴み、つぼめるだけのワンタツチ操作で集熱板
３に嵌着され、組立作業性にも優れている。

尚、上述した実施例では支持部材９の嵌合部９
１の外径Ｃは集熱板３の取付溝３ｂの内径Ｄより
僅かに大としたが、取付溝３ｂの入口寸法ＥをＣ
より小さくしてあるので、Ｃ＝Ｄとしても支持部
材９が集熱板３から外れ、集熱管２に接触する心
配がない。又、Ｃ＞Ｄ、及び／又は支持部材９の
Ｆ寸法をＦ＞Ｅとすることにより、支持部材９の
嵌合部９１を取付溝３ｂの内壁に密着させ、抜け
止めを図ることができる。

第１０図及び第１１図は本考案の他の一実施例
を示すものであり、上述した実施例のものと異な
るのは、抱持部３ａの取付溝３ｂを角形に絞り加
工してあることと、支持部材９の嵌合部９１をこ
れに合わせた形状にしてあることである。この場
合も、Ｈ寸法をＧ寸法より大きくすることによ
り、嵌合部９１を取付溝３ｂの内壁に密着嵌合さ
せることができる。

(ヘ) 考案の効果 この考案は以上説明したように、透光性の外管
内に集熱管と集熱板とを結合した集熱部材、及び
集熱部材を支持する支持部材を設け、集熱部材を
外管内に同軸的に保持し、熱伝導による熱損失を
低く抑えるようにしたものに於いて、支持部材を
集熱管に接触させることなく、集熱板に嵌着させ
るものであるから、集熱部材が熱伸縮しても支持
部材が集熱部材を傷付ける心配がない。しかも、
支持部材の集熱板への取付けが容易であるなど、
組立て作業性にも優れている。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図はそれぞれ太陽熱集熱器の基
本構造を示す一部切欠平面図および横断面図、第
３図及び第４図はそれぞれ従来構造の要部を示す
横断面図及び部分縦断側面図、第５図ないし第９
図は本考案の一実施例を示すもので、第５図は太
陽熱集熱器の横断面図、第６図は同じく部分縦断
側面図、第７図は第６図の−′断面図、第８
図は支持部材の正面図、第９図は集熱板の要部断
面図、第１０図及び第１１図は本考案の他の一実
施例を示すもので、第１０図は集熱部材の要部断
面図、第１１図は支持部材の正面図である。 １……外管、２……集熱管、３……集熱板、３
ａ……抱持部、３ｂ……取付溝、９……支持部
材、９１……嵌合部、９２……支脚部、９３……
連結部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 透光性の外管内に集熱管と集熱板とを結合した
   集熱部材、及び該集熱部材を支持する支持部材を
   設けたものにおいて、集熱板は集熱管を嵌合保持
   する抱持部を有すると共に、該抱持部には支持部
   材の取付溝を設けてなり、支持部材は抱持部の取
   付溝に嵌合する嵌合部、外管内壁と接触する一対
   の支脚部、及びこれらを連結する一対の連結部を
   一体に屈曲成形した１本の弾性線材からなり、支
   持部材の嵌合部を集熱板の抱持部の取付溝に、集
   熱管とは非接触状態にして嵌着したことを特徴と
   する太陽熱集熱器。