JPH0213896Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 この考案は真空管式太陽熱集熱器のように、透
光性の外管内に集熱管と集熱板とを結合した集熱
部材、およびこの集熱部材を支持する支持部材を
設けてなる所謂、管式の太陽熱集熱器に関する。

(ロ) 従来の技術 この種の太陽熱集熱器として出願人は先に第７
図〜第９図に示すものを提案している（実願昭58
−102294号）。この太陽熱集熱器は透光性の外管
１内に集熱管２と集熱板３とを結合した集熱部材
４、および集熱部材４を支持する支持部材５を設
け、集熱板３は集熱管２を嵌合保持する抱持溝３
ａを有するとともに、抱持溝３ａには支持部材５
の取付溝３ｂを設けてなり、支持部材５は取付溝
３ｂに嵌合する嵌合部５１、外管１の内周面と接
触する一対の支脚部５２，５２、およびこれらを
連結する一対の連結部５３，５３を一体に屈曲形
成した１本の弾性線材からなり、取付溝３ｂの深
さを支持部材５の線径より大とし、支持部材５の
嵌合部５１の外径を取付溝３ｂの内径より僅かに
大きく設定することにより、支持部材５の嵌合部
５１が自己の弾性力を利用して取付溝３ｂの内壁
に密着嵌合し、かつ集熱管２の外周壁に接触しな
いようにしてある。

上述した太陽熱集熱器は集熱管２や集熱板３が
熱伸縮し軸方向に移動しても、支持部材５が集熱
管２の外周壁を傷付け、これを損傷させる心配が
なく、支持部材５の一対の連結部５３，５３を掴
み、つぼめるだけのワンタツチ操作で支持部材５
の嵌合部５１が集熱板３の取付溝３ｂに嵌着さ
れ、組立作業性が良いなどの長所を有する。しか
し、支持部材５の嵌合部５１が取付溝３ｂにぴつ
たりと嵌合されているため、集熱板３の熱伸縮に
より、支持部材５が集熱板３と一緒に移動し、支
持部材５の支脚部５２，５２が外管１の内周面を
傷付ける心配があつた。

(ハ) 問題点を解決するための手段 この考案の課題は熱伸縮による集熱部材の移動
に伴なつて支持部材が集熱部材を傷付けるのを防
止するために、支持部材を集熱管に接触させるこ
となく集熱板に嵌着させたものにおいて、支持部
材が外管の内周面を傷付けるのを防止することで
ある。

(ニ) 問題点を解決するための手段 上記の課題はこの考案によれば、透光性の外管
内に集熱管と集熱板とを結合した集熱部材、およ
びこの集熱部材を支持する支持部材を設け、集熱
板は集熱管を嵌合保持する抱持溝を有するととも
に、この抱持溝には支持部材の取付溝を設けてな
り、支持部材は集熱板の取付溝に嵌合する嵌合
部、外管内周面と接触する一対の支脚部、および
これらを連結する一対の連結部を一体に屈曲成形
した１本の弾性線材からなり、支持部材の嵌合部
を集熱板の取付溝に集熱管とは非接触状態にして
嵌着したものにおいて、取付溝の溝幅を、抱持溝
の最深部では支持部材の線径と略等しくし、かつ
抱持溝の最深部から開口端に向つて漸次広くする
ことにより解決される。

(ホ) 作用 このように構成すると、集熱板が熱伸縮により
移動した際、支持部材は抱持溝の最深部の取付溝
に嵌合した部分を中心に集熱板と一緒に移動しよ
うとする。しかし、取付溝は抱持部の最深部から
開口端へ向つて溝幅を広くしてあるので、支持部
材は嵌合部および連結部に倒れが生じ、外管と接
触する支脚部では回転が生じるだけで、移動が阻
止される。

(ヘ) 実施例 以下、この考案の一実施例を第１図ないし第６
図を参照して説明する。６は真空管式太陽熱集熱
器、７は両端開口を金属ステム８，９で閉塞し、
内部を真空に保持した透明なガラス製の外管、１
０はこの外管７内に同軸的に収納した集熱管１１
と、この集熱管１１を断面円弧状の抱持溝１２ａ
に結合させた集熱板１２とからなる集熱部材で、
集熱管１１の一端をステム８に取付けた連結管１
３内を貫通して突出させるとともに、集熱管１１
の他端をステム９に取付けたベローズ管１４およ
び連結管１５内を貫通して突出させ、それぞれ貫
通部分で連結管１３，１５と集熱管１１とを熔着
し、溶着部分で集熱部材１０を支持している。１
６は集熱部材１０を外管７内で支持する複数個の
支持部材で１本のピアノ線やステンレス線等の弾
性線材を平面的に屈曲加工して構成してある。１
２ｂは集熱板１２の抱持溝１２ａに設けた支持部
材１６の取付溝であり、プレスによる絞り加工で
作られている。

支持部材１６は取付溝１２ｂに嵌合する円弧状
の嵌合部１６１、外管内周面と接触する左右一対
の円弧状の支脚部１６２，１６２、および嵌合部
１６１の両端と支脚部１６２，１６２とを連結す
る１対の連結部１６３，１６３を有するととも
に、連結部１６３，１６３の嵌合部１６１近傍を
集熱板１２に沿つて張り出させ、集熱板１２と係
合する回り止め部１６４，１６４としてある。

また、取付溝１２ｂは深さが支持部材１６の線
径より大とし、支持部材１６の嵌合部１６１の外
径は集熱板１２の取付溝１２ｂの内径より僅かに
大きく設定されており、支持部材１６の嵌合部１
６１が自己の弾性力を利用して取付溝１２ｂの内
壁に密着嵌合し、かつ、集熱管１１の外周壁に接
触しないようにしてある。また、取付溝１２ｂの
溝幅を、抱持溝１２ａの最深部では支持部材１６
の線径と同じか、僅かに大きくし、かつ、抱持溝
１２ａの最深部から開口端に向つて漸次広くして
ある。なお、開口端における取付溝１２ｂの幅寸
法（内面側）Ｗは支持部材１６の取付け位置での
集熱板の最大熱伸縮量を十分に吸収し得る値に設
定されている。

本実施例によれば、空焚きなどにより、集熱管
１１や集熱板１２に温度変化が生じると、外管７
と集熱部材１０との間に相対的な位置変化が生
じ、この位置変化はベローズ管１４にて吸収され
る。このとき、支持部材１６は集熱板１２の取付
溝１２ｂに嵌着されているため、集熱板１２と一
緒に移動しようとする。しかし、取付溝１２ｂは
抱持溝１２ａの最深部から開口端へ向つて溝幅を
広くしてあるため、支持部材１６は嵌合部１６１
および連結部１６３，１６３が第６図に示すよう
に取付溝１２ｂに沿つて倒れ、外管７と接触する
支脚部１６２，１６２では回転が生じるだけで、
移動が阻止される。もちろん、集熱部材１０が常
温に戻ると、支持部材１６は元の状態になる。こ
のため、集熱板１２が熱伸縮しても、支持部材１
６が外管７の内周面を傷付けないようにできる。

なお、取付溝１２ｂの開口端の溝幅Ｗは少なく
とも支持部材１６の取付位置における集熱板の最
大熱伸縮量に支持部材１６の線径を加えた大きさ
があれば良いが、取付溝１２ｂに対する支持部材
１６の取付け状態（製造時）によつては最初の空
焚き時にのみ、支持部材１６が僅かに移動するこ
とがある。しかし、この場合でも、以後は支持部
材１６が移動しないようにできる。

(ト) 考案の効果 この考案は以上のように構成されているので、
熱伸縮による集熱部材の移動に伴なつて支持部材
が集熱部材を傷付けるのを防止するように、支持
部材を集熱管に接触させることなく集熱板に嵌着
させたものにおいて、集熱板の熱伸縮により支持
部材が外管の内周面を傷付けるのを防止でき、特
に外管の傷に弱い真空管式のものに最適である。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第６図はこの考案の一実施例を示
すものであり、第１図は太陽熱集熱器の斜視図、
第２図は同じく要部を破断して示す正面図、第３
図は支持部材を装着した集熱部材の要部拡大斜視
図、第４図は第２図の−′断面図、第５図は
第３図の−′断面図、第６図は集熱板が熱移
動したときの支持部材の状態を示す説明図、第７
図ないし第９図は従来の太陽熱集熱器の１例を示
すものであり、第７図は太陽熱集熱器の要部を破
断して示す正面図、第８図は第７図の−′断
面図、第９図は第７図の−′断面図である。 ７……外管、１０……集熱部材、１１……集熱
管、１２……集熱板、１２ａ……抱持溝、１２ｂ
……取付溝、１６……支持部材、１６１……嵌合
部、１６２……支脚部、１６３……連結部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 透光性の外管内に集熱管と集熱板とを結合した
   集熱部材、およびこの集熱部材を支持する支持部
   材を設け、集熱板は集熱管を嵌合保持する抱持溝
   を有するとともに、この抱持溝には支持部材の取
   付溝を設けてなり、支持部材は集熱板の取付溝に
   嵌合する嵌合部、外管内周面と接触する一対の支
   脚部、およびこれらを連結する一対の連結部を一
   体に屈曲成形した１本の弾性線材からなり、支持
   部材の嵌合部を集熱板の取付溝に集熱管とは非接
   触状態にして嵌着した太陽熱集熱器において、取
   付溝の溝幅を、抱持溝の最深部では支持部材の線
   径と略等しくし、かつ抱持溝の最深部から開口端
   に向つて漸次広くしたことを特徴とする太陽熱集
   熱器。