JPS63281741A - 金型用塗型材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 【発明の目的】

（産業上の利用分野） この発明は、例えば、アルミニウム合金鋳物の鋳造用金
型、特に鋳造用金型の鋳抜きピンに施す塗型材として好
適に利用される金型用塗型材に関するものである。 （従来の技術） 従来、シリンダヘッドのようなアルミニウム合金鋳物を
製造するにあたっては、外形を形成するための金型と、
鋳物内の空間（例えば、ウォータジャケット）を形成す
るための中子型と、から構成した鋳造用金型が使用され
ている。この場合、外形を形成するための金型は、アル
ミニウム合金溶湯が直接に接触すると合金化して焼き付
き現象を生じるため、これを防止する目的で、セラミッ
クス質系の皮膜すなわち塗型材が金型表面に必ず設けら
れる。 一方、最近においては、鋳物の加工を施すために鋳抜き
ピンが多く使用されるようになった。これは、例えばシ
リンダヘッドの場合、これをエンジンブロックにボルト
で固定するが、従来ではドリルによる機械加工によって
シリンダヘッドにボルト孔をあけていたが、その加工を
省略するために、鋳物製造時に外形を形成するための金
型にピンを取り付けてボルト孔を形成しようというもの
である。 このビンを鋳抜きビンと呼んでいるが、この鋳抜きビン
は、外形を形成するための金型よりも多くアルミニウム
合金溶湯に包み込まれるものであるため、より厳しい使
用条件下にさらされていることになる。従って、アルミ
ニウム合金鋳物の生産性は、塗型材の耐久寿命が支配的
要因と考えられており、研究開発が盛んである。 また、塗型材の寿命を延ばすことは、鋳造用金型、とく
に鋳抜きピンの補修回数が減ることを意味するものであ
り、補修期間中の交代用金型すなわち予備金型の保有量
を削減することにつながり、アルミニウム合金鋳物の製
造現場における長寿命塗型材の開発は極めて強い要望と
なっている。 従来、この種の金型用塗型材としては、例えば、水ガラ
ス、リン酸アルミニウム等の無機質結合材に、アルミナ
、ジルコン、カオリン等の耐火性骨材を混合した水溶性
のものがあり、汎用されている。その場合の使用方法は
、加熱した金型に塗型材混合液を刷毛塗りしたり、スプ
レーで吹き付けたりするなどの手段がとられている。そ
のほか、骨材として炭素質のものを用いたり、結合材と
して有機質のものを用いたりすることもあった（第３版
　「鉄鋼便覧　ＶＪ第２４頁〜第２５頁　３−２−４　
　塗型材料　昭和５７年１０月丸善株式会社発行）。 （発明が解決しようとする問題点） しかしながら、このような従来の金型用塗型材にあって
は、水ガラス、リン酸アルミニウム等の無機質結合材に
よって、アルミナ、ジルコン、カオリン等の耐火性骨材
を結合すると同時に金型表面への接着を行うものとなっ
ていたため、金型表面への接着力が小さく、特に鋳抜き
ピンのように、鋳造時にアルミニウム合金溶湯によって
包み込まれてしまうような場合においては、アルミニウ
ム合金溶湯の凝固収縮によって締め付けられ、鋳抜きピ
ンの表面に塗布した塗型材の皮膜が圧壊、厚誠し、さら
には剥離を生じ、鋳抜きピンにアルミニウム合金溶湯が
直接接触して焼付きを起こす等の不具合を生じるため、
頻繁に塗型材の補修を行う必要があるという問題点があ
った。 （発明の目的） この発明は、このような従来の問題点に着目してなされ
たもので、塗型材によって形成される皮膜内での結合力
が大であると共に、金型への接着力を向上させることが
可能であり、潤滑作用を有することによって摩滅を低減
できると共に、離型性をも大幅に向上させることが可能
である金型用塗型材を提供することを目的としているも
のである。

【発明の構成】

（問題点を解決するための手段） この発明に係る金型用塗型材は、金型表面を例えばアル
ミニウム合金溶湯の溶着から防ぐ目的でセラミックス骨
材を基本成分とし、取りはずしく製品脱型）時の抵抗を
減じる目的で固体潤滑材として弗化カルシウム（ＣａＦ
２）を１０〜５０重量％配合した構成となっていること
を特徴としているものである。 この場合、セラミックス骨材は、を来の金型用塗型材に
配合されている耐火性のものであればほとんど使用でき
るが、金型表面へ付着させる手段としてプラズマ溶射法
を用いる場合に、溶射施工時に分解等の変化を生じるも
のは好ましくない。 例えば、炭化物や窒化物系セラミックスはプラズマ溶射
する場合に不適当である。そして、アルミナ、ジルコン
、ジルコニア、チタニア、ジルコン酸カルシウム、ジル
コン酸マグネシウム等が好ましく使用できる。また、金
型に使用される鋼種（通常ＳＫＤ材）の熱膨張係数を考
慮して選択するのは当然である。 一方、固体潤滑材は、金型凸部、特に鋳抜きピンがアル
ミニウム合金溶湯等に包み込まれ、凝固収縮時に発生す
る締付は力による抜き抵抗を低減する目的で添加するも
のであり、従来の塗型材がそれ自身摩滅して抜き抵抗を
低減していたのに対して、この発明では固体潤滑材がも
つ良好な潤滑性情で対応するようにした全く異なった発
想のものである。これがため、塗型材皮膜の長寿命化（
摩滅の大幅な低減）が達成される。そこで、アルミニウ
ム合金溶湯に対して濡れ性が悪く、高温大気中（約７０
０℃〜３００℃）で良好な固体潤滑性を示し、とくにプ
ラズマ溶射法が可能なものについて鋭意研究を行った結
果見出された弗化カルシウム（ＣａＦ２）を添加するよ
うにしたものであり、かかる組成としたことによって本
発明が特徴づけられている。 （実施例） 以下、研究・実験結果について実施例をもとにさらに説
明する。 先ず、鋳抜きピンを模したテストピースによって各種塗
型材の抜き抵抗を調べた。 第１図に鋳抜きビンテストピース１の形状、鋳造用金型
２の概略を示す、この鋳造用金型２は断熱れんが３上に
設置してあり、また、鋳抜きビンテストピース１のテー
パ状（テーバ角を２°にしたもの）の部分に各種塗型材
４を形成し、鋳造用金型２に対して垂直に立て、電気炉
で約３５０℃に予熱しておき、その後、アルミニウム合
金（Ａ　Ｃ２Ａ）からなる７００℃の合金溶湯５を一定
量注湯し、注湯後一定時間（鋳抜きビンテストピース１
が約３５０℃になるまでの時間であって、この時間はあ
らかじめ調べた。）経過したあと、第２図に示すような
穴６ａをあけた支持台６にアルミニウム合金鋳物７を逆
にして固定し、鋳抜きビンテストピース１の先端１ａよ
り油圧パンチ８で荷重を加え、鋳抜きビンテストピース
１がはずれた時の荷重で抵抗を表わすことにした。そし
て、２回目以降の繰返しも同様の方法で行った。 第１表に本発明の実施例と比較例を示す。 第１表に示すように、実施例の場合においては、１０回
の緑返しでもほとんど抜き荷重が変化しないが、比較例
の従来塗型材においては、６回目より急激な抜き荷重の
増大が生じている。これは、繰返しによって塗型材皮膜
が摩滅し、局所的にアルミニウム合金がテストピースに
溶着したためである。同じ比較例であるが、固体潤滑材
を添加していないものは、抜き荷重は高い側でほぼ一定
しており、強固な塗型材皮膜であるものの、鋳物製品の
取りはずしに大きな力を必要とするため好ましいもので
はないことが確かめられた。そして、通常は３００〜３
５０℃に鋳物製品が冷却された時に鋳造用金型から取り
出すが、大きな力が加わるとアルミニウム合金は高温強
度が低いので、鋳物製品に変形を生ずる危険がある。 次に、セラミックス骨材に対する弗化カルシウム（Ｃａ
　Ｆ　２　）の添加量の効果を調べた。この場合、セラ
ミックス骨材としてジルコンを使用した。この結果を第
２表に示す。 第２表に示した結果より明らかなように、固体潤滑材に
対するＣａＦ２の添加量は、１０重量％未満ではＣａＦ
２添加の効果が小さく、抜き荷重は大きい値であった。 そして、ＣａＦ２がｌＯｇＬ量％から、従来塗型材の抜
き荷重に近くなり、その割合が増加するに従って抜き荷
重は小さくなっていくことが認められた。また、１０回
までの繰返し回数においては剥離も生じず、ＣａＦ２の
量が多いほうが良いと思われる結果となった。そこで、
次に、溶射法で形成した各配合の皮膜（厚さ０．３ｍｍ
）の金型への接着強度を調べた。この結果を第３図に示
す。 この場合、測定方法は第３図に示すように、φ２５ｍｍ
のテストピースの端面に溶射によって皮膜を形成し、Ｊ
ＩＳ　　Ｈ８６６６（１９８０）の溶射皮膜の付着力試
験法に準じて矢印方向に引張力を加えて行った。 第３図に示す結果より明らかなように、ＣａＦ２の割合
が増加するほど付着力は低下していき、５０重量％を超
えると従来塗型材の付着強度と同等となり、６０重量％
では従来塗型材を下回ることが判った。そして、塗型材
の長寿命化を図る目的において、従来塗型材より低い付
着強度では、現状以上に剥離を生ずるおそれがあるので
好ましいものではない。 以上の結果より、ＣａＦ２の添加量は１０〜５０重量％
の範囲が好ましく、特に３０重量％前後が良好である。 一方、セラミックス骨材を種々代えた場合、ＣａＦ２の
添加量の抜は荷重に対する効果はほとんど変わらなかっ
た。この理由は、恐らく溶射法で形成した塗型材皮膜の
中において、セラミックス骨材とＣａＦ２とがミクロ的
組織で各々独立していて相互作用（化合物形成などの相
互作用）が無いためと推測される。 他方、付着強度については、セラミックス骨材の種類に
よって相違が生じたが、セラミックス骨材が５０重量％
以上であれば、従来塗型材の付着強度を上回っており、
好ましい結果が得られた。

【発明の効果】

以上説明してきたように、この発明による金型用塗型材
は、弗化カルシウムを１０〜５０重量％含み、残部が実
質的にセラミックス骨材よりなるものであるから、従来
の金型用塗型材では摩滅が早く頻繁な補修を必要として
いたのに対して、この発明に係る金型用塗型材では付着
力が大きく、かつまた良好な潤滑作用を有することから
摩滅を生ずることなく抜き荷重を低減することができ、
長期にわたって使用可能であるため大幅な生産性の向上
が達成されると同時に、補修時に必要な予備金型の保有
を削減することができるという著しく優れた効果がもた
らされる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の実施例および比較例において採用し
た鋳抜きピンテストピースの形状ならびに鋳造用金をの
構成を示す概略説明図、第２図は第１図の鋳造用金型で
製造された鋳物を逆にして支持台上に固定した状態を示
す概略説明図、第３図は弗化カルシウム（ＣａＦ２）の
含有量による付着力への影響を調べた結果を示すグラフ
であ−９′ る。 代理人弁理士　　　小　　塩　　　豊 ≧１−

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）弗化カルシウムを１０〜５０重量％含み、残部が
   実質的にセラミックス骨材よりなることを特徴とする金
   型用塗型材。