JPS6328146Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、バツグインボツクス用の注出口に関
するもので、その目的とするところは、元蓋保証
キヤツプの上方キヤツプ部を開蓋後、再び閉蓋す
るとき、常に完全閉蓋できるようにするにある。

本出願人が、さきに提案している元蓋保証機構
を有するバツグインボツクス用の注出口にあつて
は、注出用螺筒とその下部の内袋溶着用の鍔部と
を有する注出口本体と、これに螺着する上方キヤ
ツプ部と下方係止部とよりなる元蓋保証キヤツプ
とから構成されていて、これら上方キヤツプ部と
下方係止部とは、一部において連結されると共
に、両部の対向面には、上方キヤツプ部を螺入方
向に右回転するときにのみ係止する係止突片を互
いに設け、下部係止部には、上方キヤツプ部を螺
脱方向に左回転するときは注出用螺筒の下部の係
止突片に係止する係止突片を設けると共に、外周
に、注出口本体の鍔部と協働して内袋及びカート
ンを挾着すべき鍔部を設けたものである。

この提案された元蓋保証を有するバツグインボ
ツクス用の注出口は、カートンを内袋と共に組立
てた後、内袋に内容液を充填し、元蓋保証キヤツ
プを螺着して、製品として出荷し販売するのであ
るが、使用者が上方キヤツプ部を螺脱するとき
は、上方キヤツプ部と下方係止部との対向面の係
合突起は、なんら影響せず、両者間の連結部分
は、切離されて開蓋される。

ここにおいて、再び上方キヤツプ部を再閉蓋す
る際に、連結部分の切離される部分は、完全閉蓋
前に互いに接触することにより、ややもすると、
閉蓋されたものと錯覚することがあつた。本考案
は、このような点に鑑みて案出されたもので、バ
ツグインボツクスに用いる注出口本体と元蓋保証
キヤツプとよりなる注出口において、元蓋保証キ
ヤツプの上方キヤツプ部と下方係止部との連結部
と切離した際に、下方係止部が注出口本体の下方
の鍔部方向に自由に移動ができるようにすること
により、上方キヤツプ部を再蓋した際に、連結部
の切離された部分が互いに接触することがないよ
うにしたものである。

以下、図面について説明する。

本考案のバツグインボツクス用の注出口は、注
出口本体Ａと元蓋保証キヤツプＢとより構成され
ているものである。

注出口本体Ａは、注出用螺筒１とその下端の内
袋Ｃの溶着用の鍔部２と、その内部の仮蓋３とか
らなり、注出用螺筒１の外周に螺子部４に続いて
鋸歯状係止突起５が周設されており、その下方
に、鍔部２との間に間隔をおいて庇状の傾斜突出
鍔６が設けられている。

元蓋保証キヤツプＢは、その内側に注出口本体
Ａの注出用螺筒１の螺子部４に螺合する螺子部７
とパツキング８とを有する上方キヤツプ部９と、
注出本体Ａの鋸歯状係止突起５に係止する同様の
係止突起１０と、その下方に続く突条１１とを有
する下方係止部１２とからなつており、これらの
上方キヤツプ部９及び下方係止部１２の対向面に
は、上方キヤツプ部９を螺入方向に右回転したと
きのみに互いに係合する鋸歯状係合突起１３及び
１４が突設されており、そのうちの下方よりの係
合突起１４は、その一部が上方キヤツプ部９の端
面と連結している。この連結部は、両端面よりの
別個のものであつてもよい。そして元蓋保証キヤ
ツプＢは、これを注出口本体Ａに螺着したとき、
その下方係止部１２の突条１１が注出用螺筒１の
鋸歯状係止突起５の下端にあつて、鋸歯状係止突
起１０と５とは互いに噛合つて係止しており、下
端１６は、庇状傾斜突出鍔６の傾斜面１７との間
に相当な間隔を保つようになつている。

なお、１８は固定用リングであつて、中央のリ
ング状の開口部１９には、下方に向うリング状突
出部２０があり、その内側には、リング状の係止
段部２１が、またその外側にはリング状の押圧面
２２が形成されている。

以上のような構成のバツグインボツクス用の注
出口は、次のようにして使用されるものである。
注出口本体Ａは、その注出用螺筒１の下端の鍔部
２を内装Ｃに溶着し、この注出用螺筒１をカート
ンＤの透孔２３より外方に突出させると共に鍔部
２の内袋Ｃと共に樹脂コーデングしたカートンＤ
に溶着する。さらに、注出口本体ＡとカートンＤ
との剥離を防ぐために、固定用リング１８を注出
用螺筒１を通して押込むことにより、リング状係
止段部２１を庇状傾斜突出鍔６に係止してリング
状押圧面２２にてカートンＤを押圧し機械的に固
定の役目をする。

ここにおいて、内袋Ｃと共にカートンＤを組立
て、クリーンな状態のもとにおいて、注出用螺筒
１内の仮蓋３を取除き、この注出用螺筒１より内
容液を注入充填し、元蓋保証キヤツプＢを注出用
螺筒１に螺着して閉蓋する。

この場合、上方キヤツプ部９の右方向の回転
は、上方キヤツプ部９の鋸歯状係合突起１３と下
方係止部１２の鋸歯状係合突起１４とが互いに係
合しているから、回転はそのまま下方係止部１２
に伝達されて、下方係止部１２の鋸歯状係止突起
１０は、注出用螺筒１の鋸歯状係止突起５上を滑
つて螺入され、突条１１は鋸歯状係止突起５を越
えると共に、パツキング８をもつて注出用螺筒１
の開口を密封する。

このようにして、内容液が充填密封された製品
は、出荷され販売されるのであるが、これを使用
者において、開蓋するには、元蓋保証キヤツプＢ
の上方キヤツプ部９を螺脱する左方向に回転しよ
うとすると、下方係止部１２の鋸歯状係止突起１
０は、注出用螺筒１の鋸歯状係止突起５に係止し
て回転が阻止されているから、上方キヤツプ部９
は、下方係止部１２との間の細い連結部１５より
切離されて螺脱され開蓋される。この場合、上方
キヤツプ部９の鋸歯状係合突起１３と下方係止部
１２の鋸歯状係合突起１４との間には係合関係が
ないから、螺脱には差支えがない。

開蓋後、再び上方キヤツプ部９を螺着して閉蓋
する場合には、連結部１５の切離した部分が互い
に接触しても、下方係止部１２は、その下端１６
が、注出用螺筒１の庇状傾斜突出鍔６の傾斜面１
７との間に距離があつて、自由に下方に移動でき
るから、この切離部分の接触感にとらわれること
なく、パツキング８をもつて注出用螺筒１の上端
を完全に密封することになる。

これに対して、さきに提案されたもの（第６
図）においては、元蓋保証キヤツプB′の下方係
止部１２′に、その外方に鍔部２４があつて、こ
れがカートンD′面上を押圧するようにして注出
本体A′の注出用螺筒１′に螺入されて固定されて
いる。

これがため、上方キヤツプ部９′を螺脱方向に
回転して、下方係止部１２′より、その細に連結
部１５′から切離した場合に、下方係止部１２′
は、その外周の鍔部２４のため下方向に移動する
ことができないので、上方キヤツプ部９′を再び
螺入して閉蓋するとき、切離部分の接触感にて、
閉蓋されたものと錯覚することがある。

本考案は、この点に改良したもので、元蓋保証
キヤツプを構成する下方係止部に、さきに提案し
たようなカートン部分を押圧する鍔部を設けるこ
となく、その下端が、注出用螺筒の庇状傾斜突出
鍔との間に相当の間隔を保つようにしてあるか
ら、上方キヤツプ部の螺脱方向の回転でこの上方
キヤツプ部が下方係止部より切離された場合、下
方係止部は自由に下方向に移動し得る状態とな
り、これがため、上方キヤツプ部を再び螺入して
閉蓋するとき、切離部分の接触感を完全に閉蓋さ
れたものと錯覚することはなくしたがつて中途半
ぱな閉蓋に終ることなく、完全に密封することが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第５図は、本考案のバツグインボツ
クス注出口にかかるもので、第１図は注出口を取
付けたバツグインボツクスの一部の側面図、第２
図は注出口本体の、第３図は元蓋保証キヤツプ
の、第４図は固定用リングの、第５図はこれらを
バツグインボツクスに組立てて取付けたものの、
それぞれの一部を切断した正面図、第６図は本出
願人がさきに提案したものの一部を切断した正面
図である。 符号Ａ……注出口本体、Ｂ……元蓋保証キヤツ
プ、Ｃ……内袋、Ｄ……カートン、１……注出用
螺筒、２……鍔部、５，１０……鋸歯状係止突
起、６……庇状傾斜突出鍔、９……上方キヤツプ
部、１２……上方係止部、１３，１４……鋸歯状
係合突起、１５……連結部、１７……傾斜面、１
８……固定用リング、２４……鍔部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 注出用螺筒と内袋に溶着すべき鍔部を有する
   注出本体と、上方キヤツプ部と下方係止部とが
   一部をもつて連結されていると共に、これら両
   部を注出用螺筒に螺着すべく右回転するときに
   のみ両部は係止し、螺脱すべく左回転するとき
   は、下方係止部が注出用螺筒に係止するように
   した元蓋保証キヤツプとよりなるものにおい
   て、上方キヤツプ部を螺脱すべく左回転して両
   者をその連結部より切離した際に、下方係止部
   が注出用螺筒の鍔部方向に移動が自由であるよ
   うに構成されたバツグインボツクス用の注出
   口。 (2) 注出口本体に元蓋保証キヤツプを螺着したと
   き、元蓋保証キヤツプの下方係止部の下端が、
   流出口本体の注出用螺筒の庇状傾斜突出鍔との
   間に十分な間隔を有する実用新案登録請求の範
   囲第１項記載のバツグインボツクス用注出口。