JPH0468229B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、締め過ぎを防止されておりかつ子供
が開けることのできないねじ閉鎖装置に関するも
のである。子供が開けることのできないこのよう
なねじ閉鎖装置は、家庭用化学製品特に洗浄液体
用の貯蔵容器（びん）に使用されるものである。
また例えば薬品の容器などにも使用される。

従来の技術 洗浄剤貯蔵びんのための閉鎖装置であつて、ね
じキヤツプの、直径方向で互いに向き合う箇所を
押すと同時に逆時計回り方向に回すことによつて
開くようになつているものは公知である。

このような閉鎖装置の締め過ぎはねじ山の寸法
を相応に大きくすることによつて防止されてお
り、また子供が開けることができないようにする
ために、びん上にあつて、ねじキヤツプを半径方
向に拡開する係止部の背後にストツパが係合する
ようになつている。この場合ねじキヤツプは２部
分から構成されており、その外側の部分は本来
の、手の力によつて弾性的に変形可能なキヤツプ
部分であつて、ストツパを有しており、これと同
心的な内側の部分は内ねじ山保持体として構成さ
れている。

発明が解決しようとする問題点 従来のねじ閉鎖装置においては、前述のよう
に、ねじ山の寸法が大きく、このためアンダーカ
ツト部が形成されるために、ねじ閉鎖装置の製作
は専らブロー成形で行われた。

したがつて本発明の目的は、最初に述べた形式
のねじ閉鎖装置を、その機能を一層確実にしなが
ら、射出成形で製作し得るようにすることであ
る。

問題点を解決するための手段 この目的を達成するために、例えば洗浄液体貯
蔵びんのような容器用の、締め過ぎを防止されて
おりかつ子供が開けることのできないねじ閉鎖装
置であつて、容器上に配置されていて外ねじ山を
有している注出口と、半径方向の拡開作用を有し
ている係止部と、該係止部によつて拡開せしめら
れストツパを有しかつ別個の内ねじ山保持体を備
えているねじキヤツプとから成つている形式のも
のにおいて、本発明によれば、 ア 注出口が２条の外ねじ山を有しており、 イ 外ねじ山の各ねじ条の円周角が≦180°であ
り、 ウ 外ねじ山の各ねじ条は重なり合つていない
か、あるいはわずかに重なり合つているだけで
あり、 エ 半径方向の拡開作用を有している係止部と注
出口との間に突条が配置されており、 オ ねじキヤツプは内ねじ山保持体に相応する２
条の内ねじ山を有しており、 カ 内ねじ山保持体は締め過ぎを防止するために
直径方向で互いに向き合う箇所にくさび形の切
り込みを有しており、これらの切り込みは、ね
じ締められた状態で突条に当接するストツパ縁
を有している ようにした。

この場合、別個の内ねじ山保持体とは内ねじ山
を有する殊に円筒形の部分である。この円筒形部
分の頭部側に外側の外被が一体的に結合されてい
て、この外被を手の力で弾性的に押し合わすこと
によつて、係止部の背後にあるストツパが解放さ
れるようになつている。

前述の構成要件ア〜カの組み合わせによつて、
本発明のねじ閉鎖装置はアンダカツト部を有して
おらず、したがつて射出成形法で製作することが
できる。

２重の外ねじ山の各ねじ条の円周角が≦180°で
あることによつて、注出口は２つのねじ条を有し
ているにすぎず、一方のねじ条の下線上端部は他
方のねじ条の上縁下端部のほぼ上方のところに位
置している。このようなねじ山はアンダカツト部
なしに製作することができるが、ねじ山の高さを
大きくすることができないので、締め過ぎ防止作
用をもたせることはできない。

したがつて本発明によれば締め過ぎ防止作用を
ねじ機能から分離し、ストツパ縁が突条に当接す
るようにすることによつて達成した。この場合、
ねじ締めを完全に行つてキヤツプが容器壁に密着
したときにストツパ縁が突条に当接するように、
ねじ山の始端の位置及びピツチを定めておく。

ねじ山の高さは約0.5mmにするとよい。この寸
法では充分な安定性が得られると同時に、型抜き
にも支障を生じない。

射出成形で作るための材料としてはポリプロピ
レンがその材料性質の点ですぐれている。ポリプ
ロピレンを射出成形して作つた本発明によるねじ
閉鎖装置は、何回使用した後でも正確に機能し、
ばね定数ひいては開くときに必要な手の力が一定
である。機能を損なうような摩滅は生じない。

くさび形の切り込みによつて形成されるストツ
パ縁が過度に幅狭く、鋭くなつているような場合
には、突条を保護するためにストツパ縁に小板を
成形しておくのがよい。

外ねじ山は注出口に設けたリングに形成するの
が有利である。これによつてねじ面を増大させる
ことができると同時に、リングがスプレーノズル
などを取り付ける際のストツパとして役立つこと
ができる。

突条及び係止部の容器縦軸線方向の高さは約２
mm、突条の容器円周方向の幅は約１mmにしておく
のがよいが、必要に応じてこれらの寸法を増大さ
せることも可能である。

しかしこれらの寸法をこれ以上小さくすると、
ポリプロピレンを使用する場合でも機能の確実性
が損なわれることがある。

本発明によるねじ閉鎖装置は容器上方部分と一
体に製作するのがよい。容器上方部分と下方部分
とは溶接又は接着によつて結合する。

実施例 図面を参照しながら本発明の実施例を説明する
と、第１図において貯蔵びん１３上に注出口１が
設けられている。この注出口１はリング１１を有
しており、このリング１１には外ねじ山２のねじ
条が形成されており、これらのねじ条は重なり合
つていないか、あるいはわずかに重なり合つてい
るだけであり、右側のねじ条の上縁１４は左側の
ねじ条の下縁１５の上端部の下側のところから始
まつている。貯蔵びん１３の注出口１を有してい
るプレート１６上には更に係止部３及び突条４が
形成されており、突条４は係止部３の背後と一直
線を成している。

２条の外ねじ山２を有しているリング１１の上
方には固定リング１２が配置されており、スプレ
ーノズルなどを取り付けることができるようにな
つている。この場合、リング１１はストツパとし
て役立つ。

第２図は貯蔵びん上方部分の斜視図であるが、
注出口１は断面して示す。注出口１内には内容物
を注出するための孔１７がある。注出口１には、
直径方向で互いに向き合う箇所で突条４が接続し
ており、これらの突条４は係止部３に移行してい
る。これらの係止部３の前面１８は半径方向に内
方に向かつてアーチ形又はくさび形に次第に引き
込められていて、ねじキヤツプをねじはめるとき
に、ねじキヤツプの拡開キー１９（第３図及び第
４図）を半径方向で外方に向かつて押し、結局拡
開キー１９は係止部３の背後に係合し、これによ
り子供がキヤツプをねじ開けることを防止する。

第３図は貯蔵びんのためのねじキヤツプ５を示
す。このねじキヤツプ５は本来のキヤツプである
外被２０と、別個の内ねじ山保持体７とから成つ
ていて、外被２０は内ねじ保持体７の頭部と一体
的に結合されている。これにより、ねじキヤツプ
の開閉のときに外被２０は充分に弾性変形するこ
とができる。なお、符号２１は補強のためのリブ
である。拡開キー１９から90°離れた箇所におい
て外被２０の外面にグリツプ２２が設けられてお
り、ねじキヤツプをねじ開けるときにこれらのグ
リツプ２２を押し合わせると、拡開キー１９が係
止部３の背後から外されて、ねじキヤツプをねじ
開けることができるのである。

内ねじ山保持体７の下方部分内面には相応する
２条の内ねじ山６が形成されている。更に、内ね
じ山保持体７の下縁には、直径方向で互いに向き
合う箇所にくさび形の切り込み８によつてストツ
パ縁９が形成されており、これらのストツパ縁９
はねじキヤツプ５を完全にねじ締めると突条４に
当接して、それ以上の締め過ぎを阻止するように
なつている。拡開キー１９の係止縁とストツパ縁
９との円周方向間隔は突条４の幅にほぼ相応して
いる。

第４図はねじキヤツプ５を下側から見た図であ
る。

外被２０には拡開キー１９が形成されており、
これらの拡開キー１９の直径線方向の間隔はそれ
と直交する方向でグリツプ２２に加えられる押し
力によつて増大せしめられる。

内ねじ山保持体７のストツパ縁９は小板１０に
よつて補強されている。外被２０の上方部分内及
び内ねじ山保持体７の内面にはリブ２１が設けら
れている。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の１実施例を示すもので、第１図
はねじ閉鎖装置下方部分の側面図、第２図は同上
斜視図、第３図はねじキヤツプの縦断面図、第４
図はねじキヤツプの底面図である。 １……注出口、２……外ねじ山、３……係止
部、４……突条、５……ねじキヤツプ、６……内
ねじ山、７……内ねじ山保持体、８……切り込
み、９……ストツパ縁、１０……小板、１１……
リング、１２……固定リング、１３……貯蔵び
ん、１４……上縁、１５……下縁、１６……プレ
ート、１７……孔、１８……前面、１９……拡開
キー、２０……外被、２１……リブ、２２……グ
リツプ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 容器用の、締め過ぎを防止されておりかつ子
   供が開けるこのとできないねじ閉鎖装置であつ
   て、容器上に配置されていて外ねじ山を有してい
   る注出口と、半径方向の拡開作用を有している係
   止部と、該係止部によつて拡開せしめられストツ
   パを有しかつ別個の内ねじ山保持体を備えている
   ねじキヤツプとから成つている形式のものにおい
   て、 ア 注出口１が２条の外ねじ山２を有しており、 イ 外ねじ山２の各ねじ条の円周角が≦180°であ
   り、 ウ 外ねじ山２の各ねじ条は重なり合つていない
   か、あるいはわずかに重なり合つているだけで
   あり、 エ 半径方向の拡開作用を有している係止部３と
   注出口１との間に突条４が配置されており、 オ ねじキヤツプ５は内ねじ山保持体７に相応す
   る２条の内ねじ山６を有しており、 カ 内ねじ山保持体７は締め過ぎを防止するため
   に直径方向で互いに向き合う箇所にくさび形の
   切り込み８を有しており、これらの切り込み８
   は、ねじ締められた状態で突条４に当接するス
   トツパ縁９を有している ことを特徴とするねじ閉鎖装置 ２ ねじ山の高さが約0.5mmである特許請求の範
   囲第１項に記載のねじ閉鎖装置 ３ 射出成形法で作られている特許請求の範囲第
   １項又は第２項に記載のねじ閉鎖装置 ４ ポリプロピレンから作られている特許請求の
   範囲第１項から第３項までのいずれか１項に記載
   のねじ閉鎖装置 ５ ストツパ縁９に小板１０が形成されている特
   許請求の範囲第１項から第４項までのいずれか１
   項に記載のねじ閉鎖装置 ６ 注出口１の外ねじ山２がリング１１に形成さ
   れており、リング１１の上方にはスプレーノズル
   などを取付けるための固定リング１２が配置され
   ており、リング１１はスプレーノズルなどのため
   のストツパとして役立つ特許請求の範囲第１項か
   ら第５項までのいずれか１項に記載のねじ閉鎖装
   置 ７ 突条４及び係止部３の容器縦軸線方向の高さ
   が約２mmであり、突条４の容器円周方向の幅が少
   なくとも約１mmである特許請求の範囲第１項から
   第６項までのいずれか１項に記載のねじ閉鎖装
   置。