JPS6328079Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はクリートに関する、更に詳しくは艙口
蓋を艙口縁材に締付け、艙口蓋下縁のガスケツト
を艙口縁材上のコムプレツシヨン・バーに圧接し
艙口蓋と艙口縁材との間を水密封鎖する締付装置
に関する。

本願の考案者は、さきに艙口蓋パネルの側壁上
の鈎形金具に上端を係止させた単純な直杆から成
る締付杆と、艙口縁材上縁の水平防撓材の開口を
貫通して下方に延び出す締付杆の下端に回動自在
に取付けられ水平防撓材下面に取付けられた受圧
金具にワツシヤー部材を介して圧接される偏心構
造のカム部材とから成る構造ならびに取扱いが簡
単で廉価に製作されるクリートを開発した。この
方式のクリートでは締付杆の下端に位置するトラ
ニオン金具が締付杆に直角に延在するトラニオン
（軸）を備え、これによりカム部材を支持する構
造と成され、トラニオン金具は締付杆の外側に嵌
込まれたスリーブの形態を成し、締付杆の下端に
ねぢ込まれるナツトの上面に載置されている。然
しながら、スリーブ状をなすトラニオン金具の内
径は締付杆の直径に比較してかなり大きく極めて
緩い〓をもつて締付杆に嵌込まれ非使用時には締
付杆に相対的にたやすく昇降しうるように成され
ている。従つて、締付杆１を鈎形金具１８に係止
する使用準備時、相対的にたやすく昇降しうる
為、その係止作業が一挙動にできず、手間を取る
ものであつた。トラニオン金具が非使用時に締付
杆の下端でがたつくばかりでなく、クリートが衝
撃、振動を受けるときはトラニオン金具の内面を
締付杆下端の雄ねぢに打ちあて、ねぢに損傷を起
すおそれがある。またナツトの上面とトラニオン
金具の下面との間に異物が介入するときは締付杆
の正常な作動を妨げるおそれがある。本考案は従
前のこの方式のクリートに起るこのような問題を
解決することを狙いとするものである。

本考案の目的は、締付杆の下端にスリーブ状に
嵌込まれるトラニオン金具を締付杆に対し所定位
置に錠止する機構を備え、締付杆と鈎形金具の相
対的動きからくる係止作動の手間をなくし、又締
付杆下端に刻設された雄ねぢの損傷とカム部材の
作動不良とを防止することのできるクリートを得
ることにある。

本考案によれば、艙口縁材上端の水平防撓材に
穿たれた開口に昇降自在に挿入せられ上端を艙口
蓋側壁上の鈎形金具に係止させる締付杆１と、該
締付杆の下端に隣接する位置でこれに昇降自在に
嵌込まれ弾性材を介装させているワツシヤー部材
１３と、締付杆の下端に位置するトラニオン金具
に回動自在に取付けられ前記ワツシヤー部材を水
平防撓材下面の受圧金具に強圧する締付位置とワ
ツシヤー部材を受圧金具から離脱させる開艙位置
との間で回動するカム部材１２とから成るクリー
トにおいて、前記トラニオン金具２が締付杆を貫
通させるボア部分の壁面に刻設せられ締付杆に同
心的な溝４に嵌込まれた鋼製及び樹脂性の弾性材
から成る錠止リング５を備えていることを特徴と
するクリートが得られる。

さて、本考案の装置の実施例を添付図面につい
て説明すると次の如くである。

第１及び第２図を参照するに、艙口縁材２３の
上端の水平防撓材２４に穿たれた開口１９に昇降
自在に挿入せられ上端を艙口蓋側壁２５上の鈎形
金具１８に係止させた締付杆１と、該締付杆の下
端に隣接する位置でこれに昇降自在に嵌込まれ弾
性材１７を介装させているワツシヤー部材１３
と、該締付杆の下端に位置するトラニオン金具２
に回動自在に取付けられ前記ワツシヤー部材１３
を水平防撓材２４の下面の受圧金具１４に強圧す
る締付位置とワツシヤー部材１３を受圧金具１４
から離脱させる開艙位置との間で回動するカム部
材１２とから成るクリートが示されている。締付
杆１は下端部分に刻設された雄ねぢ７を備えてい
る。締付杆１に下端から先ずワツシヤー部材１３
を嵌込み、次にスリーブ状をなすトラニオン金具
２を嵌込んだのちナツト３をねぢ込むことによ
り、ワツシヤー部材１３とトラニオン金具２とが
締付杆１に取付けられる。この場合、ワツシヤー
部材１３もトラニオン金具２も締付杆１の外径に
比べかなり大きな寸法のボアを有し、締付杆１の
長さ方向にたやすく移動する。トラニオン金具２
のスリーブをなす胴体部分から水平に延び出すト
ラニオン１１にカム部材１２が回動自在に嵌込ま
れている。カム部材１２は偏心構造のレバーであ
つて第１及び２図の実線に示す鉛直位置に置かれ
るときワツシヤー部材１３を下方から受圧金具１
４に強圧して締付杆１を下方に強く引寄せる。カ
ム部材１２が第２図の点鎖線に示す傾斜位置に置
かれるときはワツシヤー部材１３の受圧金具１４
えの圧力を低減させる。図示されていないが、実
線位置から90度回動して水平に置かれるときは、
ワツシヤー部材１３が受圧金具１４から離脱し締
付杆１に加えられる張力は零になる。この場合、
締付杆１の下端の雄ねぢ部分７の外径と、トラニ
オン金具２のボアの内径との差が大きいから、締
付杆とトラニオン金具の相対的動きからくる係止
作動の手間がかかる。トラニオン金具２もしくは
締付杆１が衝撃、振動を受けるときはトラニオン
金具２が雄ねぢ７に打ち当てられ雄ねぢに損傷を
起す。また、ナツト３の上面とトラニオン金具２
の下端との間に鉄片など異物が挿入されるときは
トラニオン金具２の位置が高くなり、カム部材１
２の正常な作動を妨げる。

第３及び第４図は締付杆１に相対的にトラニオ
ン金具２を所定位置に錠止する本考案の装置１０
を示すものである。第３図に示す如く、トラニオ
ン金具２が高さの中央部分においてボア２Ｂの壁
面に締付杆１に同心的な溝５を備えている。鋼製
及び樹脂性などの弾性体から成る錠止リング５が
溝４に充填せられ錠止リング５の内面が締付杆１
の外周の雄ねぢ７に圧着される。従つて、トラニ
オン金具２が締付杆１に対し上下方向にも放射方
向にも動くことなく所定位置に保持錠止される。
６はトラニオン１１自体の中心に穿たれた孔であ
つてトラニオン１１の端部から前記溝４に倒達
し、錠止リング５の取付取外ずしを容易にする。

第５図は第３図の装置の変形を示すもので、ト
ラニオン１１自体に穿たれた放射方向の孔６にコ
イル・スプリング８を挿入、内端を錠止リング５
に接触させ外端を止め栓９により押圧することに
より錠止リング５に局部的に圧力を加えたもので
ある。

以上に示す如く、本考案によれば、トラニオン
金具２が締付杆１に対し所定位置に保持されるか
ら、締付杆と鈎形金具の相対的な動きがあつて
も、これを保持錠止し又打撃、振動を受けても締
付杆１の下端部分の雄ねぢ７を打つことはない。
またトラニオン金具２の下端とナツト３の上端と
の間に〓を生ずることなく異物の介入を防止しカ
ム部材１２の正常な作動を妨げることもなく又、
係止作業を容易にしたことも本考案の利点であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のクリートを示す正面図、第２
図は第１図の線−に沿う断面図、第３図は第
１図の装置の要部を示す拡大断面、第４図は第３
図の線−に沿う断面図、第５図は第３図の装
置の変形実施例を示す断面図である。 １……締付杆、２……トラニオン金具、３……
ナツト、４……トラニオン金具内面の溝、５……
錠止リング、６……放射方向の孔、７……締付杆
下端の雄ねぢ、８……コイルスプリング、９……
止め栓、１０……本考案の錠止機構、１１……ト
ラニオン、１２……カム部材、１３……ワツシヤ
ー部材、１４……受圧金具、１５……鋼製ワツシ
ヤー、１６……鋼製ワツシヤー、１７……ゴム質
ワツシヤー、１８……鈎形金具、１９……開口、
２０……開口、２１……ガスケツト、２２……コ
ンプレツシヨン・バー、２３……艙口縁材、２４
……水平防撓材、２５……艙口蓋パネル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 艙口縁材上端の水平防撓材に穿たれた開口に昇
   降自在に挿入せられ上端を艙口蓋側壁上の鈎形金
   具に係止させる締付杆１と、該締付杆の下端に隣
   接する位置でこれに昇降自在に嵌込まれ弾性材を
   介装させているワツシヤー部材１３と、該締付杆
   の下端に位置するトラニオン金具に回動自在に取
   付けられ前記ワツシヤー部材を水平防撓材下面の
   受圧金具に強圧する締付位置とワツシヤー部材を
   受圧金具から離脱させる開艙位置との間で回動す
   るカム部材１２とから成るクリートにおいて、前
   記トラニオン金具２が締付杆を貫通させるボア部
   分の壁面に刻設せられ締付杆に同心的な溝４に嵌
   込まれた鋼製及び樹脂性の弾性材料から成る錠止
   リング５を備えていることを特徴とするクリー
   ト。