JPS6327811B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は真空開閉装置に関し、さらに詳細に
は、有底円筒状の金属タンクをセラミツクからな
る絶縁円板により閉塞して真空容器とし、この真
空容器内に一対の電極を接離自在に収納した、い
わゆるカツプ形真空インタラプタを用いた真空開
閉装置に関する。

上述したいわゆるカツプ形真空インタラプタ
は、絶縁筒の両端を金属の端板により閉塞して真
空容器を構成するとともにこの真空容器内に一対
の電極を接離自在に収納してなる一般的な真空イ
ンタラプタと比較し、その容器外径を容易に大径
化し得るので、大容量の電流の開閉が可能であ
る。また、両充電部を絶縁するための絶縁材を、
ガラスあるいはセラミツク等からなる高価な絶縁
筒に代えてセラミツクからなる安価な絶縁円板と
したので、その製作が容易であり、安価な真空イ
ンタラプタを提供できる。

斯かるカツプ形真空インタラプタを用いた真空
開閉装置を第４図，第５図に示す。絶縁フレーム
５１の上部が絶縁バリヤ５１ａ，５１ａによつて
三室に仕切られ、夫々の室には真空インタラプタ
５２が配置されている。夫々の室の下部に形成さ
れた仕切５１ｃには孔６７が設けられ、固定電極
棒５２ａに予め固定側リード５３を結合した真空
インタラプタ５２が夫々の室の上部から挿入さ
れ、可動電極棒５２ｂを孔６７へ挿通した状態
で、固定側リード５３がボルト５５とナツト５４
を介して絶縁フレーム５１の上面壁５１ｂに取り
付けられている。

一方、絶縁フレーム５１に回動自在に回動軸５
９が設けられ、回動軸５９には、水平方向へ伸び
るレバー６０の一端と鉛直方向へ伸びる可動鉄心
６１の上端とが固着されている。レバー１０の他
端は絶縁ロツド５８を介して可動電極棒５２ｂに
結合され、可動鉄心６１の下端は一対の投入電磁
石６３及びしや断ばね６４と対向している。なお
６５はストツパである。可動電極棒５２ｂは、ケ
ーブル５６を介して、絶縁フレーム５１に固定し
た可動側リード５７に接続されている。

斯かる真空開閉装置では、投入電磁石６３を励
磁すると、可動鉄心６１が投入電磁石６３に吸着
されることによつて回動軸５９が回動し、可動電
極棒５２ｂが上動して真空インタラプタ５２が投
入される。投入電磁石６３の励磁を止めると、し
や断ばね６４の働きで可動鉄心６１が投入電磁石
６３から離れ、真空インタラプタ５２がしや断さ
れる。

ところが、第５図における金属タンク５２ｃと
可動電極棒５２ｂとの間の気中沿面距離を絶縁円
板５２ｄの図中下面で測ることになるため、一般
的な真空インタラプタの沿面距離よりも短くな
り、絶縁耐力が低下して高電圧電流の開閉が困難
になるという問題がある。また、真空インタラプ
タの上部に位置する上面壁の存在によつて真空イ
ンタラプの熱が上方へ逃げにくく、真空インタラ
プタの冷却効果が十分でないという問題がある。
更に、真空インタラプタは固定側リードを介して
絶縁フレームに固定されているだけなので取り付
け強度が弱いという問題もある。

そこで本発明は、斯かる問題を解決した真空開
閉装置を提供することを目的とする。

以下、図面を用いてこの発明の実施例を詳細に
説明する。

第１図は、本発明に係る真空開閉装置の一部を
破断した正面図である。この真空開閉装置は三相
用のものであり、磁性材からなるベースプレート
１と、ベースプレート１の上に装着した高分子樹
脂からなる絶縁フレーム２と、絶縁フレーム２に
その一部分を埋設した３相分のカツプ形真空イン
タラプタ３と、各相の真空インタラプタ３を操作
するためにベースプレート１の上に装着した操作
機構４等によつて構成されている。

ベースプレート１は、真空開閉装置を図示しな
い配電盤等に取り付けるためと後述する電磁石の
磁気回路の一部を構成するためのもので、鉄等の
磁性材からなり、長方形の板状の載置部１ａとそ
の両側を下方外側へ屈曲させた取付部１ｂ（第２
図参照）とで形成されている。

ベースプレート１の載置部１ａには、注型によ
り成形されたプリミツクスあるいはエポキシレジ
ン等の高分子樹脂からなる絶縁フレーム２が載置
されている。絶縁フレーム２は、各相の真空イン
タラプタ３を支持するために水平方向へ伸びる長
方形の板状の支持部５（第３図参照）と、この支
持部５の両側（第２図において左右両側）から垂
下するとともに支持部５と一体成形した合計８本
の支持支柱６ａ，６ｂからなり、各支持支柱６
ａ，６ｂの下部端面には螺子孔付金具７が埋設さ
れている。そして、ベースプレート１の載置部１
ａを貫通したボルト８が螺子孔付金具７に螺入
し、ベースプレート１が各支持支柱６ａ，６ｂに
結合されている。

絶縁フレーム２の支持部５には、第１図，第３
図に示すように３相分の真空インタラプタ３の可
動電極棒を挿通するための貫通孔９がその水平方
向へ適宜に離隔して３ヶ設けられている。そして
支持部５上には、各相の真空インタラプタ３がそ
れぞれの貫通孔９と同軸的に配置されるとともに
その下部を支持部５に埋設して装着されている。
各真空インタラプタ３は、内外圧力差により閉作
動する自閉式のもので、第２図に示すように、カ
ツプ形の真空容器１０とこの真空容器内に配設し
た接離自在の固定，可動電極１１，１２等により
構成されている。真空容器１０は、Fe−Ni−Co
合金あるいはFe−Ni合金を有底円筒状（カツプ
形）に形成しかつその開口部付近に外側へ張出し
た段付張出部１３ａを形成した金属タンク１３の
開口部に、セラミツクからなる円板状の絶縁円板
１４を嵌合させるとともに気密ろう付けして閉塞
し、その内部を高真空に排気して構成されてい
る。真空容器１０における絶縁円板１４の中央部
には孔１５が設けられており、真空容器１０内に
同心状に収納されたFe−Ni−Co合金あるいはFe
−Ni合金からなる略円筒状のシールド１６が、
その底部中央から軸に沿う方向へ延設した取付部
１６ａを孔１５内へ嵌合することによつて取り付
けられ、その底部の一部が絶縁円板１４に気密ろ
う付けしてある。そして、シールド１６の取付部
１６ａの内側には、真空容器１０内に同心状に配
置されたステンレス鋼あるいはインコネルからな
るベローズ１７の下端の筒部１７ａが嵌合される
とともに気密ろう付けされている。ベローズ１７
の内部には、銅あるいは銅合金からなる可動電極
棒１８が挿通されており、ベローズ１７の上端内
周面と可動電極棒１８の外周面とが気密にろう付
けされている。真空容器１０内に突出した可動電
極棒１８の内端部には、同様の金属からなる前記
可動電極１２がろう付けされている。真空容器１
０の金属タンク１３の底部中央に設けた孔には、
円板状の集電用補助金具１９が嵌合されるととも
に気密ろう付けされている。補助金具１９はこれ
に接触する後述の固定側リード２４の集電効率を
高めるためのもので、銅あるいは銅合金からな
り、その中央部にはこれと同様の金属からなる固
定電極棒２０が嵌挿されるとともに気密ろう付け
されている。固定電極棒２０の内端部には、可動
電極１２が接離する銅あるいは銅合金からなる前
記固定電極１１がろう付けされている。上述した
構成の各相の真空インタラプタ３は、可動電極棒
１８を貫通孔９に挿入し、かつ絶縁円板１４およ
び金属タンク１３の段付張出し部１３ａを支持部
５に埋設した状態で取り付けられている。

支持部５の上部には、水平方向での長手方向と
直交する方向へ伸びる板状の絶縁バリヤ２１が、
夫々の真空インタラプタ３の両側に一体に成形し
て立設されている。

支持部５における各相ごとの貫通孔９から下方
へ突出した可動電極棒１８の端部には、第１図，
第２図に示すように絶縁フレーム２と同様に注型
により成形された高分子樹脂からなる絶縁ロツド
３４が、その上端に埋設した螺子孔付金具３５を
介して螺着されている。この絶縁ロツド３４に
は、沿面耐電圧を増加するためのフランジ３７が
その鉛直方向の中間位置に一体成形され、上端と
同様に螺子孔付金具３８がその下端に埋設されて
いる。そして、三相分の絶縁ロツド３４の下端
は、夫々の螺子孔付金具３８へ螺入したボルト３
９を介して磁性材からなる一本の被吸着プレート
４０に結合されている。なお、第１図，第２図に
おいて４１で示すのは、両側の支持支柱６ａ，６
ｂ間にこれらと一体成形された板状の相間バリヤ
で、各相の可動電極棒１８間における絶縁耐力を
向上するためのものであり、支持部５から絶縁ロ
ツド３４の下端部付近まで延設されている。

前記ベースプレート１には、第１図，第２図に
示すように、各相の真空インタラプタ３を同時に
開作動させる一対の操作機構４が、支持支柱６
ａ，６ｂの中間に位置して取り付けられている。
夫々の操作機構４は、円柱状の鉄心４３にコイル
４２を巻装して構成され、その上端部を前記被吸
着プレート４０と対向せしめた状態でボルト４４
を介してベースプレート１の載置部１ａに立設さ
れている。鉄心４３の上端部には、載置部１ａと
相俟つてコイル４２を挾持する円板状のコイル押
え部４３ａが一体的に設けられている。これらの
一対の操作機構４の夫々のコイル４２は、極性が
互いに異なるように励磁されるものである。従つ
て被吸着プレート４０，一方の鉄心４３，ベース
プレート１および他方の鉄心４３は、電磁石から
なる操作機構４の磁気回路を構成する。なお、第
２図において４５で示すのは、コイル４２のリー
ド端子である。

夫々の真空インタラプタ３を挟む絶縁バリヤ２
１間の中間部には、各相の真空インタラプタ３を
挟んで両側に夫々一対のリード支柱２２ａ，２２
ａが支持部５と一体成形されて立設されており、
それぞれの上端面には、螺子孔付金具２３が埋設
されている。第２図に示すように対をなす各リー
ド支柱２２ａ，２２ａには、真空インタラプタ３
の配列方向と直交する水平方向へ延伸した銅ある
いは銅合金からなる固定側リード２４が載置され
るとともに、そのボルト孔２４ａに挿通したボル
ト２５が螺子孔付金具２３にねじ込まれている。
各固定側リード２４は電源あるいは負荷と接続さ
れるもので、固定側リード２４の上方へ突出した
固定電極棒２０にナツト２６を螺合することで補
助電極１９と固定側リード２４とが接触する。な
お、各絶縁バリヤ２１は、各固定電極棒２０の上
端より上方へ適宜に突出して設けられているもの
である。

支持部５には、第１図，第２図において下方へ
突出する円柱状のリード支持部２７が、第２図に
示すように片側の前期リード支持部２２ａと対応
してその真下に一体成形されており、それぞれの
リード支持部２７の下端側にも螺子孔付金具２８
が埋設されている。各リード支持部２７には、前
記固定側リード２４と平行に延伸した可動側リー
ド２９の一端が、螺子孔付金具２８に螺入したボ
ルト３０を介して結合されている。各可動側リー
ド２９は銅あるいは銅合金からなり、その他端に
電源あるいは負荷が接続される。それぞれの可動
側リード２９の一端とボルト３０の頭部との間に
は、リング状の接続金具３２が挾持される一方、
可動電極棒１８に螺着されたロツクナツト３６と
螺子孔付金具３５との間には接続金具３３が挾持
され、接続金具３２と接続金具３３とが可撓リー
ド３１を介して接続されている。

上述した真空開閉装置では、操作機構４の各コ
イル４２を励磁すると、被吸着プレート４０が各
鉄心４３のコイル押え部４３ａに吸着され、各相
の絶縁ロツド３４および可動電極棒１８が同時に
第１図において下方へ引かれ、可動電極１２が固
定電極１１から離反して各相の真空インタラプタ
３が同時に開作動する。逆にそれぞれのコイル４
２を消磁すると、各相の真空インタラプタ３が図
示しない付勢手段による自閉力によつて閉作動す
る。

次に、固定電極棒２０と同電位の金属タンク１
３と、可動電極棒１８又は他相間との外部沿面距
離は、支持部５の外表面又は絶縁バリヤ２１の外
表面を伝つて測つた距離となり、前記の場合に比
べて著しく大きい。従つて、絶縁耐力が大きい。

一方、絶縁バリヤ２１間へ流入した空気は真空
インタラプタ３の上方へ流れるので、空気の流れ
が停滞せず真空インタラプタ３の冷却が妨げられ
ることはない。

なお、操作機構を通常の油圧あるいは空気圧を
用いたものとすることも可能である。

以上のごとく本発明は、絶縁フレームの支持部
にカツプ形真空インタラプタにおける金属タンク
の段付張出部を埋設したので、カツプ形真空イン
タラプタの気中の絶縁耐力が向上し、高電圧の電
流の開閉が可能である。また、真空インタラプタ
の固定電極棒が固定側リードを介して一対のリー
ド支柱に固定されるので、真空インタラプタの絶
縁フレームに対する取り付けが従来よりも強固で
ある。更に、真空インタラプタの上方には従来の
ような上面壁がないので、空気の流れがよく真空
インタラプタの冷却効率よい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る真空開閉装置の一部を破
断した正面図、第２図は第１図における−線
矢印断面図、第３図は本発明に係る真空開閉装置
の断面図、第４図は先行技術としての真空開閉装
置の正面図、第５図は第４図の側面断面図であ
る。 ２……支持フレーム、３……真空インタラプ
タ、４……操作機構、５……支持部、９……貫通
孔、１０……真空容器、１３……金属タンク、１
３ａ……段付張出部、１４……絶縁円板、１５…
…孔、１７……ベローズ、１８……可動電極棒、
２０……固定電極棒、２１……絶縁バリヤ、２２
ａ……リード支柱、２４……固定側リード、２９
……可動側リード。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 絶縁フレームの上部に三相分の真空インタラ
   プタを固定する一方、下部に駆動手段を固定して
   駆動手段を夫々の真空インタラプタの可動電極棒
   に連動連結し、夫々の真空インタラプタの固定電
   極棒に固定側リードの一端を結合するとともに可
   動電極棒に可動側リードの一端を結合した真空開
   閉装置において、 絶縁フレームの上部に水平方向へ伸びる支持部
   を一体成形し、支持部の上に三相分の空間を形成
   すべく直立した絶縁バリヤを水平方向での一方向
   へ等間隔に並べて支持フレームと一体成形すると
   ともに各絶縁バリヤ間における前記一方向と直角
   な他方向で相互に離れた位置に一対のリード支柱
   を支持部と一体成形する一方、 開口部に段付張出部を有する有底円筒状の金属
   タンクの開口部を絶縁円板で閉塞して真空容器を
   形成するとともに金属タンクの底部に貫通した状
   態で固定電極棒を固着し、固定電極棒と接離自在
   の可動電極棒を絶縁円板の孔にベローズを介して
   移動自在に挿通した真空インタラプタを構成し、 支持部における夫々の一対のリード支柱間に貫
   通孔を形成し、貫通孔に可動電極棒を挿通した状
   態で、一対のリード支柱間に配置した真空インタ
   ラプタの段付張出部を支持部に埋設し、固定側リ
   ードの一端側を一対のリード支柱と固定電極棒と
   に結合したことを特徴とする真空開閉装置。