JPS632774Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、主として金属をガス切断するに際し
て用いられるトーチで、切断酸素のもつ圧力エネ
ルギーを有効利用して火口先端で圧電スパークを
生起させて自動着火を行なえるようになしたもの
で、更に詳しくは、切断酸素流路及び可燃性混合
ガス流路を形成する内外重構造の管から構成され
る火口、前記両流路に夫々連通の流路部を有し前
記火口を取外し交換自在に固定支持するトーチヘ
ツド、前記各流路部への切断酸素及び可燃性混合
ガスの供給管群を備え、前記トーチヘツドの切断
酸素流路部内には、位置固定の圧電素子と切断酸
素圧によつて前記圧電素子側に移動しかつそれに
打撃作用する作動子とからなる圧電機構、及び切
断酸素圧の減少に伴なつて前記作動子を待機位置
に復帰させかつ位置保持する作動子引戻し機構が
内蔵され、かつ前記圧電機構の電極と前記火口先
端のスパーク電極とが互いに絶縁された導電体を
介して導電接続されている自動着火式切断用トー
チに関する。

上記のように圧電式の自動着火機構を、造形の
自由度が高くかつ耐久性に勝れたトーチヘツド内
に組入れることにより、これを口径が比較的小さ
くかつ熱的影響から早期のうちに損傷し易い火口
内に組入れる場合に比して全体構造の簡単化、製
作の容易化、それに伴なうコストダウンを図れ
る、高出力圧電素子を組入れ易くて高い着火性能
を発揮させ得る、着火機構自体の耐久性増進、と
いつた種々の利点が得られるのであるが、このよ
うにトーチヘツド内に自動着火機構、つまりは圧
電機構及び作動子引戻し機構が内蔵されたものの
先行技術に、本出願人が昭和57年２月15日付で出
願したもの実開昭58−122866号公報がある。これ
はトーチヘツド及びその内部に形成の切断酸素流
路部が火口の長手方向に対して直交又は直交する
姿勢にあり、このトーチヘツドの切断酸素流路部
の下流端相当位置に設けた開口を通じて、その切
断酸素流路部内に圧電機構及び作動子引戻し機構
を作動子引戻し機構が上流側、つまり、前記開口
からみて奥側に位置するように組込んで構成して
いたのであるが、これによる場合は、比較的小径
の割に奥行の大きい形となる前記切断酸素流路部
内への両機構の組入れ操作が非常に困難であり、
それ故にまた作動子が傾いたまま組込まれて作動
不良、着火不良を招き易いものとなり、更に着火
不良等が発生した際の組込部品の点検、補修等も
やりにくいなど構造面での欠点があつた。

本考案は、かかる実情に鑑み、トーチヘツドに
対する簡単な構造改良をもつて前述の従来欠点を
解消する点に目的を有する。

上記目的を達成すべくなされた本考案による自
動着火式切断用トーチの特徴構成は、前記圧電機
構、作動子引戻し機構を内蔵のトーチヘツドを、
前記圧電素子を固定保持する火口側ヘツド部分と
前記作動子を移動自在に収容保持する供給管群側
ヘツド部分とに分割構成し、これら分割ヘツド部
分を連結固定ならびに分割自在に構成した点に存
し、このような特徴構成によつて、前記トーチヘ
ツドの切断酸素流路部内への圧電機構及び作動子
引戻し機構の組入れ時における奥行寸法を、既記
の従来品に比べて最大で２分の１短かくすること
ができるから、両機構の組入れ作業が非常に容易
となるばかりでなく、各部品を正確な位置、姿勢
に確実に組込んで所期の起電動作、着火動作が確
実に行なえるトーチとすることができ、加えて、
部品の点検、補修、交換等のメンテナンスの面で
も非常に有利なものとすることができるに至つ
た。

以下本考案の実施例を図面に基づいて詳述す
る。

第１図、第２図においてａは火口であり、切断
酸素流路１及び可燃性混合ガス流路２を形成する
内外重構造の内側管３及び外側管４からなり、両
管３，４ともに銅を主成分とする電気の良導体か
ら構成されているとともに、前記両管３，４の間
で夫々の先端スパーク電極１１，１２を除くほぼ
全域には電気絶縁体１５が介在され、両管３，４
は完全に電気的に絶縁されている。ｂは火口ａを
前方から差し込んだうえでロツクナツト１６の締
付けにより取外し交換自在に固定支持するトーチ
ヘツドであり、これには前記切断酸素流路１及び
可燃性混合ガス流路２に夫々環状路１７，１８を
介して接続連通される流路部５及び６が形成され
ている。ｃは前記トーチヘツドｂの各流路部５，
６に切断酸素及び可燃性混合ガスを供給するよう
に、前記火口ａの長手方向に対して平行又はほぼ
平行な流線の切断酸素供給管１９と可燃性混合ガ
ス供給管２０とからなる管群である。ｄが前記ト
ーチヘツドｂの切断酸素流路部５内に組入れられ
た圧電機構であり、これは、複数の細流路２２付
絶縁性ホルダー２１に保持された圧電素子７を、
これを挾むべくホルダー２１に保持された当金２
３，２３′の一方が前記火口ａにおける内側管３
の後端、すなわち電極９に常時当接するように位
置固定状態に設けるとともに、切断酸素圧によつ
て前記の圧電素子７側に移動しかつ当方の当金２
３′に激突作用するように前記の流路部５におい
てその流線方向に往復移動自在に鉄などの重い金
属からなる作動子８を内装して構成されている。
ｅは切断酸素圧の減少に伴なつて前記作動子８を
筒状弁座２４を閉塞する所定待機位置に復帰させ
かつ位置保持する作動子引戻し機構であり、これ
は前記作動子８に埋入保持された永久磁石２５と
前記弁座２４をもつて兼用する磁性体ならびにコ
イルスプリング２６とから構成されている。

そして、前記火口ａの内側管３と前記トーチヘ
ツドｂとの対応部分には夫々絶縁体２７，２８，
２９（一体キヤツプ状のものであつても良い。）
が介在されていて、前記圧電機構ｄの電極９，１
０と前記火口ａ先端のスパーク電極１１，１２と
を導電接続するための導電体１３，１４が火口ａ
の内外管３，４で兼用するべく構成されている。

上記構成の自動着火式切断用トーチにおいて前
記圧電機構ｄ、作動子引戻し機構ｅを内蔵のトー
チヘツドｂが、前記圧電素子７側の絶縁性ホルダ
ー２１の一端近くで切断酸素の流線方向に対して
垂直な面をパーチクルラインとして圧電素子７を
固定保持する火口側ヘツド部分b₁と前記作動子８
を移動自在に収容保持する供給管群側ヘツド部分
b₂とに分割構成し、これら分割ヘツド部分b₁，b₂
を、内側壁部３０b₁，３０b₂同志が環状パツキン
３１を介して気密状態に同芯嵌合し、かつ外側壁
部３２b₁，３２b₂同志が一方に外嵌保持された袋
ナツト状締付具３３と他方の外周面に形成の雄ね
じ３４とを介して互いに螺合される状態で、連結
固定並びに分離自在に構成されている。３５はシ
ール補助部材である。尚、両ヘツドb₁，b₂のパー
チクルラインが第１図、第２図で示すように、段
付きラインに構成されている場合は、外周にオー
リング等のシール材３６を嵌着の前記シール補助
部材３５の存在も相与つて両者b₁，b₂の連結固定
作業が楽に行なえるとともに、内外両流路部５，
６間のシールを確実強力なものにできる利点があ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る自動着火式切断用トーチの
実施例を示し、第１図は一部縦断側面図、第２図
は分解状態の一部縦断側面図である。 １……切断酸素流路、２……可燃性混合ガス流
路、３……内管、４……外管、５，６……流路
部、７……圧電素子、８……作動子、９，１０…
…電極、１１，１２……スパーク電極、１３，１
４……導電体、ａ……火口、ｂ……トーチヘツ
ド、ｃ……供給管群、ｄ……圧電機構、ｅ……作
動子引戻し機構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 切断酸素流路１及び可燃性混合ガス流路２を形
   成する内外重構造の管３及び４から構成される火
   口ａ、前記両流路１，２に夫々連通の流路部５，
   ６を有し前記火口ａを取外し交換自在に固定支持
   するトーチヘツドｂ、前記各流路部５，６への切
   断酸素及び可燃性混合ガスの供給管群ｃを備え、
   前記トーチヘツドｂの切断酸素流路部５内には、
   位置固定の圧電素子７と切断酸素圧によつて前記
   圧電素子７側に移動しかつそれに打撃作用する作
   動子８とからなる圧電機構ｄ、及び、切断酸素圧
   の減少に伴なつて前記作動子８を待機位置に復帰
   させかつ位置保持する作動子引戻し機構ｅが内蔵
   され、かつ前記圧電機構ｄの電極９，１０と前記
   火口ａ先端のスパーク電極１１，１２とが互いに
   絶縁された導電体１３，１４を介して導電接続さ
   れている自動着火式切断用トーチにおいて、前記
   圧電機構ｄ、作動子引戻し機構ｅを内蔵のトーチ
   ヘツドｂを、前記圧電素子７を固定保持する火口
   側ヘツド部分b₁と前記作動子８を移動自在に収容
   保持する供給管群側ヘツド部分b₂とに分割構成
   し、これら分割ヘツド部分b₁，b₂を連結固定なら
   びに分離自在に構成してあることを特徴とする自
   動着火式切断用トーチ。