JPS6327507B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ドア、間仕切り、雨戸等に使用され
るパネル体に関し、詳しくは、表裏一対の面板を
プレス成形してなるプレス成形パネル体に係るも
のである。

従来、ドア、間仕切り等に使用されるパネル体
には、金属製面板を用い、該面板を、平板状金
型、ロール状金型等によるプレスによつて折曲形
成した所謂プレス成形パネル体が知られている
が、このプレス成形パネル体には、表面に変化性
を持たせるためカラー模様付きの金属製面板を用
いたり、プレス成形時に凹凸模様を折曲形成した
りして表面に装飾模様を施したものがあるが、前
者の場合には種々の表面模様が得られるものの、
これらは平面的であつて立体感に乏しく、また後
者の場合には立体感は多少得られるものの、プレ
ス成形による折曲であるため、単純な凹凸模様し
かできず、従つて、プレス成形パネル体にあつて
は立体感に富み意匠的にも優れたパネル体を成形
することができないことになり、木製等のパネル
体を使用しなければならない欠点があつた。

本発明は、上記の如き実状に鑑み創案されたも
のであつて、その目的とするところは、大量生産
可能なプレス成形パネル体であつても、立体感に
富み意匠的にも優れたものとすることができるプ
レス成形パネル体を提供せんとするところにあ
る。

本発明を、図面に示された実施例に基いて説明
すれば、１は本発明を実施したパネル体の一例で
あるドア本体であつて、該ドア本体１の面板２，
２はいずれも金属製薄板をプレス成形によつて周
縁部等の必要な部位を折曲し、蝶番取付孔、把手
取付孔等の切欠孔（図示せず）を穿設してなるも
のである。３は両面板２，２間に充填介装される
ペーパーコアであるが、硬質ポリウレタンフオー
ム等の発泡充填材、その他通常知られた充填材で
あつてもよいことは勿論である。４は断面形状コ
字状の枠材である。

面板２，２の表面には前記プレス成形時におい
て本実施例では溝状の凹状部５が折曲形成されて
いるが、該凹状部５には、第３図、第４図に示す
ように、押出成形されたアルミニウム製の装飾用
部材６を埋込固定してある。即ち、プレス成形で
は、凹状部５は、折曲部５ａが面板２の延びによ
つて形成されること及び金型の抜けができること
という技術的見地から底部５ｂ側ほど幅狭に形成
することが好ましく、本実施例でもこの点を考慮
し、折曲部５ａが薄くならないように傾斜状とな
るように形成してある。７，８は装飾用部材６を
面板２に固定する固定部材であつて、さらに、第
５図の斜視図で示すように、固定部材７は、頭部
の直線状のジヨイントピース７ａと、脚部のボル
ト７ｂとによつてＴ型に構成され、また、固定部
材８はく字状のジヨイントピース８ａとボルト８
ｂとによつて前者と同様に側面視Ｔ型に構成さ
れ、凹状部５の直線部、特にコーナー部等の屈曲
部において装飾用部材６の端部同志にまたがつて
接続、または固定するものである。両ジヨイント
ピース７ａ，８ａは装飾用部材６に形成した溝部
６ａにジヨイントピース７ａ，８ａの摺動を保証
すべく遊嵌状に嵌合係止され、凹状部底部５ｂの
コーナー部及び直線部適宜位置に穿設した取付孔
５ｃ，５ｄにボルト７ｂ，８ｂを貫入し、裏面か
らナツト７ｃ，８ｃを介して締付固定できるよう
になつている。また、ジヨイントピース７ａ，８
ａにはカシメ用の切欠７ｄ，８ｄが形成されてお
り、ジヨイントピース７ａ，８ａに嵌合した装飾
用部材６をカシメることによつて固定部材７，８
に装飾用部材６を摺動不能状態に固定または接続
できるようになつている。従つて、装飾用部材６
を凹状部５に埋込固定するには、あらかじめ所定
長さに切断した装飾用部材６の溝部６ａにジヨイ
ントピース７ａ，８ａを嵌入し、取付孔５ｃ，５
ｄ位置でカシメ作業をして固定部材７，８を固定
した後に取付孔５ｃ，５ｄにボルト７ｂ，８ｂを
貫入せしめナツト７ｃ，８ｃで締付固定すればよ
い。

この様に凹状部５に埋込固定される装飾部材６
は、凹状部の底面５ｂには接当するが、折曲部５
ａにはわずかな間隙を存して離間するようになつ
ており、埋込固定時における装飾部材６の浮き上
りを防止している。また、本実施例では、埋込固
定された装飾部材６は、面板２の表面よりも僅か
に没しているが、これは、ドア本体１を、ホツト
メルト系接着剤があらかじめ塗布された面板をプ
レス加工して必要な折曲及び切欠きを形成し、し
かる後に凹状部５には装飾用部材６を埋込固定
し、両面板２間にはペーパーコア３等の必要な中
間材を介装して未接着パネルを成形し、次いで未
接着パネルをホツトプレス・コールドプレス工程
で接着成形せしめる大量生産可能な方式で製造す
る場合、ホツトプレス・コールドプレス工程で用
いるプレス金型面を、殊更特殊なものとせず平滑
板状のものであつても成形できるようにしたもの
である。しかしながら、本発明では装飾部材６は
面板２表面より突出していても没入していてもよ
い。尤も、装飾部材６を面板表面よりも没入せし
めた場合には、倉庫等での保管時に、水平状態で
長期の積み重ね保管してもドア本体１の変形がな
く、また、建付時においては装飾部材６が引掛つ
たりすることもなく、また、前記ホツト・コール
ドプレス加工を、補助部材を用いることなく行な
うことができる等、都合が良い。

この様に、本発明では、面板に形成した凹状部
５に装飾用部材６を埋込固定したものであるた
め、装飾用部材６の色彩、形状等を種々選択する
ことが可能になつて立体感に富み、意匠的にも優
れたドア本体１を成形することができる。しか
も、凹状部５の折曲部５ａは、プレス成形によつ
て展延状になり肉薄で、しかも塗膜剥離状になつ
ているが、埋込固定された装飾用部材６によつて
埋込保護されるため、一層深い複雑な凹状部５を
形成することが可能となり、塩ビ鋼板に代えてプ
レス加工時に塗膜剥離を生じやすいカラー鋼板や
亀裂の入りやすい一般用鋼板を使用したプレス成
形ドア体であつても従来にない立体的模様形状を
付加することができるものである。

尚、装飾用部材６は、上記実施例では両面板２
に設けた場合について説明したが、いずれか一方
の面板のみでもよく、また、凹状部の大きさ、形
状等はプレス成形時の金型の交換によつて如何様
にも変更することができ、一方、装飾用部材６は
合成樹脂材、アルミニウム等の金属鋳物等を用い
てもよい。

また、本発明のパネル体は、上記説明したドア
本体１のみでなく、間仕切り、雨戸等、パネル体
として通常使用されている種々の分野に用いるこ
とができる。

以上要するに、本発明は、パネル体を構成する
少くとも一枚の金属製面板にプレス成形によつて
無端状の凹状部を折曲形成し、該凹状部の屈曲部
において装飾用部材の端部にまたがる固定部材を
介して装飾用部材を埋込固定したことから、装飾
用部材の接続が確実であるばかりでなく、端部に
目違いを生ずるおそれがない。さらに、大量生産
可能なプレス成形パネル体であつても、凹状部
と、該凹状部に埋込固定した装飾用部材とによつ
て立体感に富み、意匠的にも優れたパネル体を大
量にしかも安価に製造することができる。その
上、プレス成形によつて展延状の凹状部が形成さ
れるが、埋込固定された装飾用部材によつて保護
されるため、凹状部を一層深くできて立体感が一
段と富んだものにすることができる効果を併せ奏
するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は、本発明に係るプレス成形パネル体の実
施例を示したもので、第１図は全体平面図、第２
図Ａ，Ｂは第１図のＡ―Ａ及びＢ―Ｂ断面図、第
３図は要部拡大平面図、第４図は要部断面図、第
５図Ａ，Ｂは固定部材の斜視図である。 図中、１はドア本体、２は面板、３はペーパー
コア、４は枠材、５は凹状部、５ａは折曲部、５
ｂは底部、５ｃ，５ｄは取付孔、６は装飾用部
材、６ａは溝部、７，８は固定部材、７ａ，８ａ
はジヨイントピース、７ｂ，８ｂはボルト、７
ｃ，８ｃはナツト、９はワツシヤである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ パネル体を構成する少くとも一枚の金属製面
   板にプレス成形によつて無端状に凹状部を折曲形
   成し、該凹状部には、その屈曲部にまたがる固定
   部材を介して装飾用部材を埋込固定したことを特
   徴とするプレス成形パネル体。