JPS6326383Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は撒物を低所にて受入れ高所に供給す
るスキツプホイストに係り、特に搬送バケツトの
転倒、復帰構造に関する。

従来のスキツプホイストは、第１図、第２図に
例示する如く、櫓１から下方に昇降軌条２円延設
しバケツト３を前後ローラ４を介して昇降自在に
昇降軌条２に装着し、櫓１に据えた巻取機５とバ
ケツト３とをロープ６を介して巻解自在に連結
し、昇降軌条２の中間並びに櫓１の上部にはロー
プ６が接する如くロープ車７，８を設ける。昇降
軌条２の上端近傍にはローラ４の前後間隔を半径
にした円弧状の分岐軌条９を設ける。始めに昇降
軌条２の下端位置Ａにバケツト３を置き撒物を受
入れ、巻取機５を回転してロープ６を巻取ると、
ロープ車７，８を迂回するロープ６がバケツト３
を引揚げ、バケツト３は前後ローラ４により昇降
軌条２に沿つて上昇する。上昇するバケツト３が
昇降軌条２の上端Ｂに来て、前ローラの上昇が不
能になつても、ロープ車８を迂回するロープ６が
バケツト３を引揚げようとすると後ローラ４が分
岐軌条９を走行して、バケツト３が転倒し、櫓１
の下にある容器１０に撒物を供給する。撒物供給
の終つたバケツト３は、巻取器５を逆転してロー
プ６を弛緩すると、バケツト３の自重により昇降
軌条２上に復帰して、昇降軌条下Ａに降下する。

しかし、バケツト３を転倒するのに正確な円弧
状分岐軌条を要し、転倒中は前ローラと後ローラ
とが共にバケツト３の転倒角並びに昇降ロープの
緊張度により、ローラ４が逆走して、バケツト３
が転落あるいは暴走する欠点があつた。

この考案は前記欠点に鑑み、バケツトの転倒角
を自由に変更し、昇降ロープの緊張度が変動して
も安全にバケツトを転動する装置を提供すること
を目的とする。

この考案の旨とするところは、バケツトの前後
ローラを支持する軌条を俯仰自在に設け、この軌
条の自由端に開閉自在に鉤を設けて、軌条をいか
に傾動してもバケツトを軌条に保持しようとする
のである。

この考案の構成を実施例の図と共に説明する。

第４図、第５図は本願実施例のバケツトを示
し、第６図は本願実施例のホイスト上部機構を示
す。図においてバケツト１２の底面に複数本のロ
ーラ軸１３を前後に平行して設け、このローラ軸
１３を介してバケツト１２の両側面に走行ローラ
１４を回転自在に装着、後方のローラ軸１３の中
程に昇降ロープ１５の一端を固定する。スキツプ
ホイストの櫓１６の一側には、前記走行ローラ１
４が自由に嵌入する一対の昇降軌条１７を立設す
る。昇降軌条１７の上方には、左右を一体に連結
した転動軌条１８を延設し、前記櫓１６の上端に
設けた巻胴１９の軸に、巻胴１９の上方に配設し
た転動軌条１８を回転自在に軸支し、巻胴１９に
昇降ワイヤ１５を巻き掛ける。昇降軌条１７の上
端には、対面する転動軌条１８の自由端の下側に
当接する如く支承板２０を固着する。転動軌条１
８の自由端上側には昇降軌条１７に当接して揺動
するように揺動鈎２１をピンで支承して設ける。
転動軌条１８の支点には巻胴１９と同心の歯車２
２を設け、この歯車２２と噛み合うラツク２３を
櫓１６に固着した駆動装置２４に連結する。転動
軌条１８により転倒したバケツト１２の下方には
容器２５を臨ませて設ける。転動軌条１８の先端
にはローラ１４を行止りにする如くリミツトスイ
ツチ２６を設け、支承板２０には転動軌条１８の
当接を検知するリミツトスイツチ２７を設ける。

前記構成の作用を次に説明する。

巻胴１９をＣ方向に回転して昇降ロープ１５を
巻取ると、昇降軌条１７内を上昇する走行ローラ
１４と共にバケツト１２が上昇し、支承板２０に
より端部を等高に支持せる転動軌条１８内にバケ
ツト１２の前後の走行ローラ１４を引込み、前の
走行ローラ１４がリミツトスイツチ２６に接する
と巻胴１９の巻取を停止する。巻胴１９の巻取を
停止した後に、俯仰駆動装置２４がラツク２３を
押し出して歯車２２をＣ方向に回転すると、歯車
２２と共に転動軌条１８を所定の迎角になるまで
回転する。転動軌条１８は、バケツト１２の前後
走行ローラ１４を保持して、ローラ軸１３の動き
を規制し、昇降軌条１７から外れると、揺動鉤２
１により転動軌条１８端を閉塞し、バケツト１２
の保持を確実にして、転動軌条１８の回転と共に
バケツト１２を所定の仰角まで転動する。バケツ
ト１２が転動して撒物を排出した後、俯仰駆動装
置２４がラツク２３を引込んで歯車２２をＣの逆
方向に回転すると、歯車２２と共に転動軌条１８
の端部が、支承板２０に向つて復帰回転する。揺
動鉤２１は復帰回転中の後部走行ローラ１４を係
止してバケツト１２の暴走を制止する。転動軌条
１８の端部が昇降軌条１７と対面するとき、揺動
鈎２１が昇降軌条１７に接して閉塞を解く。転動
軌条１８がリミツトスイツチ２７に接すると、俯
仰駆動装置２４がラツク２３の引込みを停止、転
動軌条１８の回転を止め、転動軌条１８端と昇降
軌条端１７端とが連通する如く対面する。転動軌
条１８と昇降軌条１７とが連通すると、巻胴１９
がＣの逆方向に回転して昇降ロープ１５を送り出
し、走行ローラ１４は転動軌条１８から昇降軌条
１７を通つて走降し、バケツト１２を降下する。

尚、転動軌条１８の回転中心となる巻胴１９を
転動軌条１８の前方に移動すると、歯車２２とラ
ツク２３と俯仰駆動装置２４とを省略してもバケ
ツト１２を自重復帰できる。

以上説明したようにこの考案は、昇降軌条の上
端に対面する如く係止する転動軌条を俯仰自在に
設け、転動軌条の自由端に昇降軌条に接して揺動
する揺動鉤を設けたことにより、転動軌条の自由
端を閉塞せる揺動鉤は、転動軌条と昇降軌条とが
対面するローラの通過自在に開放するから、転動
軌条は傾動中はバケツトを保持し、昇降軌条に対
面するとバケツトの出入を自由にするのである。

【図面の簡単な説明】

第１図はスキツプホイストの従来概念図、第２
図と第３図は従来のバケツトの図、第４図は本願
実施例のバケツト側面図、第５図は第４図の正面
図、第６図は本願実施例の転動部の図である。 １７：昇降軌条、１８：転動軌条、２０：支承
板、２１：揺動鉤。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. バケツト昇降軌条の上方にバケツト転動装置を
   備えたバケツトエレベータにおいて、昇降軌条を
   有する櫓の上端に巻胴を配設し、昇降軌条の延長
   上で前記巻胴に隣接して転動軌条を、前記巻胴と
   同心で転動するように櫓に支承し、前記転動軌条
   には歯車を固着し、前記歯車には駆動装置に連結
   したラツクを噛み合わせ、転動軌条端が昇降軌条
   端と対向する位置に、転動軌条端を開閉するよう
   に揺動鈎を設けたことを特徴とするバケツト転動
   装置。