JPS6325666B2

JPS6325666B2 -

Info

Publication number: JPS6325666B2
Application number: JP55169260A
Authority: JP
Inventors: Hiroyuki Kobayashi
Original assignee: Canon Inc
Current assignee: Canon Inc
Priority date: 1980-12-01
Filing date: 1980-12-01
Publication date: 1988-05-26
Also published as: JPS5793355A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は電子写真用キヤリア被覆組成物に関
し、詳しくは、キヤリアの核にチタンカツプリン
グ剤で中間被覆を施こし、さらにフルオロポリマ
ーにより、外被覆をしてなる電子写真用キヤリア
被覆組成物に関する。

従来より、電子写真法については米国特許
2297691号、特公昭42−23910号、特公昭43−
24748号公報等に記載されているごとく、光導電
層上にコロナ放電によつて、一様に静電荷を与
え、これに原稿に応じた光像を露光させる事によ
り露光部分の電荷を消滅させ潜像形成を行なう。
この得られた静電潜像上に微粉末検電物質、所謂
トナーを附着させることにより現像を行なうもの
である。トナーは光導電層上の電荷量の大小に応
じて静電潜像に引きつけられ濃淡を持つたトナー
像を形成する。このトナー像は必要に応じて紙又
は布帛等の支持表面に転写し、加熱、加圧又は溶
剤処理や上塗り処理など適当な定着手段を用い支
持表面上に永久定着する。またトナー像転写工程
を省略したい場合には、このトナー像を光導電層
上に定着することもできる。

前記、静電潜像の現像において、トナーは、比
較的大粒子であるキヤリアと混合され、電子写真
用現像剤として用いられる。トナーとキヤリアの
両者の組成は、相互の接触摩擦により、トナーが
光導電層上の電荷と反対の極性を帯びるように選
ばれる。また両者の接触摩擦の結果、キヤリアは
トナーを表面に静電的に付着させ、現像剤とし
て、現像装置内を搬送し、また光導電層上にトナ
ーを供給する。

現像剤の現像方法としては数多く知られてい
る。米国特許2618552号記載のカスケード現像法、
米国特許2874063号記載の磁気ブラシ法、米国特
許2895847号記載のタツチダウン法、その他フア
ーブラシ現像法等がある。特に代表的な現像法と
しては、カスケード法と磁気ブラシ法が知られて
いる。カスケード法は、ガラスビーズなど磁性の
ない粒子を用い、表面に微粉末トナーを附着させ
現像剤とする。この現像剤が静電潜像を帯びた光
導電層表面をカスケードする時、トナーが静電潜
像の帯電部分へのみ選択的に付着し、非帯電部分
へは付着しないことにより現像を行なう。また磁
気ブラシ法は、キヤリアとして、鋼、フエライト
など磁性を有する粒子を用いる。トナーと磁性キ
ヤリアとからなる現像剤は、磁石で保持され、そ
の磁石の磁界により、現像剤をブラシ状に配列さ
せる。この磁気ブラシが光導電層上の静電潜像表
面と接触すると、トナーのみがブラシから静電潜
像へ引きつけられ現像を行なうものである。タツ
チダウン現像法はウエブ、またはシートのような
支持層によつて現像剤を潜像支持表面へ運び静電
潜像に従つて現像を行なうものである。

従来の技術において、キヤリアとしてはガラ
ス、フエライト、鋼などの単一の粒子が用いられ
てきたが、かかるキヤリアでは、摩擦帯電特性、
機械的特性など要求される諸特性に対しすべてに
わたつて満足されるものはなかつた。このため、
キヤリアとして用いられた物質の表面を被覆物質
で被覆したものをキヤリアとして用いることが提
案された。たとえば特公昭39−35889号、特開昭
49−51950号、特開昭49−123037号などである。

被覆キヤリアとして満たすべき諸性質は種々あ
るが特に以下の２点が重要である。まず第１に帯
電特性である。すなわち、トナーとキヤリアの接
触摩擦により、トナーにキヤリアの持つ静電荷と
逆極性の静電荷を充分に帯電させうる表面特性を
キヤリアは持たねばならない。第２に電子写真装
置での多数枚連続複写において、キヤリアは繰返
し使用されるが、その間キヤリア粒子相互、又は
キヤリアと現像装置との多数回の衝突等の大きな
連続的な機械的衝撃により、キヤリア被覆の割
れ、欠けあるいは摩滅が生じる。このため、キヤ
リア核が表面にあらわれ、トナーの附着が起きし
だいに堆積融着する現像が生じ、キヤリアとトナ
ー相互の摩擦帯電の効率が低下する。これを防止
するには、キヤリアの被覆は充分耐摩耗性がすぐ
れ、強度の高いものでなければならない。

従来、このようなキヤリア被覆物質として、フ
ツ素樹脂及びフツ素樹脂と他の樹脂の混合物が、
好適なものとして使用されてきた。けれどもこれ
ら、フツ素樹脂等の被覆によつても上記の性質を
完全に満たす効果は得られていない。特に、多数
枚連続複写における被覆キヤリアの劣化、すなわ
ち、耐摩耗性に劣るという欠点がいまだに存在し
ている。

しかるに、本発明者は上述の欠点を克服すべく
鋭意検討の後、キヤリアの核となる物質を有機チ
タン化合物で中間被覆した上にフルオロポリマー
により、外被覆した電子写真用キヤリア被覆組成
物において、該有機チタン化合物をイソプロピル
トリイソステアロイルチタネート、イソプロピル
ジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソ
プロピルイソステアロイルジアクリルチタネー
ト、イソプロピルトリ（ジオクチルホスフエー
ト）チタネート、イソプロピルトリクミルフエニ
ルチタネート及びイソプロピルトリ（Ｎ−エチル
アミノ−エチルアミノ）チタネートからなるグル
ープから選択されるチタン系カツプリング剤とす
ることによつて、極めて優れた電子写真用キヤリ
ア被覆組成物を得た。このキヤリア被覆組成物は
従前の欠点である耐摩耗性がきわめて、好ましく
改善されたため多数枚連続複写に於いても、初期
と変らない鮮明な画像が維持され、また帯電特性
もすぐれるという事実を見い出したものである。

本発明に適用されるキヤリアの核となる物質と
しては磁性を有する物質、また有しない物質どち
らでも用いることは可能である。たとえば、鉄、
鋼、γ−フエライト、Ba−フエライト、Sr−フ
エライト、及びクロム、セリウム、マグネシウム
の各酸化物、またはジルコン、ケイ素、二酸化ケ
イ素、などがあげられる。これらのキヤリアの核
となる物質は平均粒径50〜1000ミクロンの粒子と
して用いられ、チタン系カツプリング剤中に均一
に混合され、中間被覆がなされる。さらにこの中
間被覆されたキヤリアを、フルオロポリマーで外
被覆するには、フツ素樹脂粉末を有機溶剤中に分
散した分散液を中間被覆キヤリアにスプレーする
か、あるいは分散液にキヤリアを浸漬するかなど
し、ついで乾燥により有機溶剤を蒸発後、フツ素
樹脂の融点以上の温度で焼き付けする方法が一般
的に採用される。

上記の如く、中間被覆に用いられる有機チタン
化合物は、イソプロピルトリイソステアロイルチ
タネート、イソプロピルジメタクリルイソステア
ロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイ
ルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ（ジ
オクチルホスフエート）チタネート、イソプロピ
ルトリクミルフエニルチタネート及びイソプロピ
ルトリ（Ｎ−エチルアミノ−エチルアミノ）チタ
ネートからなるグループから選択されるチタン系
カツプリング剤である。

また、これらチタン系カツプリング剤により中
間被覆されたキヤリアを外被覆するフルオロポリ
マーとしては、適当などんなフルオロポリマーも
使用可能である。典型的なフルオロポリマーとし
てはポリフツ化ビニル、ポリフツ化ビニリデン、
ポリトリフルオルエチレン、ポリトリフルオルク
ロルエチレン、ポリテトラフルオルエチレン、ポ
リパーフルオルプロピレン、の単独または混合
物。テトラフルオルエチレンとヘキサフルオルプ
ロピレンの共重合体、フツ化ビニルとフツ化ビニ
リデンとの共重合体、フツ化ビニリデンとヘキサ
フルオルプロピレンの共重合体がある。

本発明の被覆キヤリアと共に使用するトナーと
しては通常のどのようなトナーとも組合わせて用
いることができる。たとえば、コーパルゴム、ク
マロンインデン樹脂、フエノールホルムアルデヒ
ド樹脂、ロジン変性フエノールホルムアルデヒド
樹脂、メタクリル樹脂、ポリスチレン、ポリプロ
ピレン、ポリエチレン、ポリエステル、エポキシ
樹脂、およびその混合物があげられる。またこの
トナーに使用する着色剤としては、ニグロシン、
カーボンブラツク、ウルトラマリンブルー、カル
コオイルブルー、クロムイエロー、キノリンイエ
ロー、マラカイトグリーン、ランプブラツク、ス
ダンブラツクBM、シアニンブルー、シアニング
リーンと公知のいかなる染料、顔料でも可能であ
る。

次に本発明を実施例にて詳細に説明する。

実施例１平均粒径70ミクロンの還元鉄粉（日本鉄粉）を
ジクロルメタンで洗浄し、鉄粉の表面を脱脂す
る。乾燥した鉄粉500ｇは、30ｇのイソプロピル
ジメタクリルイソステアロイルチタネートを無水
メタノール100ｇに加えた溶液に混合し、激しく
振とうを30分続け、中間被覆を行なう。さらに真
空乾燥して溶剤を除き、中間被覆キヤリアを取り
出す。この時の被覆膜の厚さは1μ以下である。
次にポリフツ化ビニル分散液（20％固型分）に上
述の中間被覆キヤリアをスプレー塗布し、乾燥後
300℃で30分間焼付けし、外被覆を形成する。こ
の時全被覆物のキヤリアの核となる鉄粉の重量に
対する割合は、0.12重量％であつた。

この被覆キヤリアを、スチレン樹脂を粘着樹脂
とする黒色トナーと混合し、現像剤となし、市販
のNP−5000電子複写装置（キヤノン製）を用い
て複写した所、鮮明性がすぐれ階調性のある画像
が得られた。また１万枚連続複写後も、初期と変
らない良好な画像であつた。

ちなみに複写初期及び１万枚複写後のブローオ
フ法によるトナーの静電荷量はほとんど変化がな
く、−5.5μc／ｇと、−6.4μc／ｇであつた。

実施例２実施例１と同様に、イソプロピルトリイソステ
アロイルチタネートで中間被覆し、ポリテトラフ
ルオロエチレンで外被覆した被覆キヤリアを、ス
チレン−アクリル樹脂を結着樹脂とした黒色トナ
ーと混合し現像剤とした。

市販のNP−5000電子複写装置（キヤノン製）
を用いて、複写したところ、鮮明性の良い画像が
得られた。１万枚連続複写に於いても良好な画像
が初期から最後まで維持され、トナーの静電荷も
−6.0μc／ｇから一万枚複写後では−5.8μc／ｇと
ほとんど変化がないため、トナーと本発明の被覆
キヤリアとの相互作用は初期と同様に、キヤリア
は割れかけがなくトナー微粉の堆積のない正常の
関係が１万枚複写後も保たれていると推察され
る。

実施例３実施例１においてチタン系カツプリング剤をイ
ソプロピルトリクリルフエニルチタネートに代え
て行なつたところ、ほぼ同様の効果が得られた。

比較例１チタン系カツプリング剤で中間被覆せずにポリ
テトラフルオロエチレンのみで被覆したキヤリア
を、スチレン樹脂を結着樹脂とした黒色トナーと
混合し現像剤とした。

これを複写した所、初期においては鮮明な良好
な画像が得られたが、一万枚複写後の画像は、カ
ブリのある、階調性のとぼしいものであつた。こ
の時の静電荷は−2.4μc／ｇであり、初期の静電
荷−5.7μc／ｇにくらべてかなり低いものであつ
た。

Claims

【特許請求の範囲】

１キヤリアの核となる物質を有機チタン化合物
で中間被覆した上にフルオロポリマーにより、外
被覆した電子写真用キヤリア被覆組成物におい
て、該有機チタン化合物がイソプロピルトリイソ
ステアロイルチタネート、イソプロピルジメタク
リルイソステアロイルチタネート、イソプロピル
イソステアロイルジアクリルチタネート、イソプ
ロピルトリ（ジオクチルホスフエート）チタネー
ト、イソプロピルトリクミルフエニルチタネート
及びイソプロピルトリ（Ｎ−エチルアミノ−エチ
ルアミノ）チタネートからなるグループから選択
されるチタン系カツプリング剤であることを特徴
とする電子写真用キヤリア被覆組成物。