JPS6325203Y2

JPS6325203Y2 -

Info

Publication number: JPS6325203Y2
Application number: JP1981166809U
Authority: JP
Priority date: 1981-11-09
Filing date: 1981-11-09
Publication date: 1988-07-11
Also published as: JPS5870905U

Description

【考案の詳細な説明】従来、四輪駆動型トラクタにおけるフロントト
レツドの調節は、タイヤホイルのリム、デイスク
の反転及びオフセツト等により行つていたがトラ
クタが大型化するにつれてその重量がきわめて大
となり調節作業に多大な時間を要すると共に重労
働であつた。

また、リムとデイスクの反転等では調節範囲が
限定され、所望のトレツドが得られない場合が多
く、かつフロントアライメントがそれぞれ異つて
くるため、ハンドル操舵力、回行性及び直進性
等、走行安定性が悪化することがあつた。

本考案は前述の諸欠点を改善することを目的と
するものであつて、フロントアクスルケースを、
機体に取付けられていて外側内周面が大径の油圧
シリンダとなつたアクスルハウジングと、キング
ピンケースに連結されていてピストンロツドとし
て上記アクスルハウジングの小径部に摺動可能に
嵌挿した円筒体とで構成し、上記円筒体の外周に
装着したピストンを前記油圧シリンダー内に介装
し、前記円筒体内にボスを回転自在に支承し、分
割した車軸の端部を前記ボスに回転は伝えるが摺
動可能に嵌挿したことを特徴とするものである。

以下図面に示す実施例について説明すると、１
はデフ機構２を内装したフロントデフケースであ
つて、その両側にはそれぞれ円筒体のアクスルハ
ウジング３がボルト４…により固定してあり、該
アクスルハウジング３の外側部は内周を大径とな
して油圧シリンダー３ａに構成してある。

５は外端にキングピンケース６をボルト７…に
より取付けた円筒体であつて、ピストンロツドと
して前記アクスルハウジング３に摺動自在に嵌挿
してあり、その外周面には前記油圧シリンダー
3aの内周面に摺接するピストン８をスナツプリ
ング９，９により取付け、ピストン８の内外周に
はＯリング１０，１０を介装し、油圧シリンダー
3aの外端面にボルト１１…で固定したキヤツプ
１２の内周を、円筒体５の外周に摺接させると共
にＯリング１３を介装し、油圧シリンダー3aの
両端部のポートに油圧ポンプ及び切換弁に通ずる
ホース１４，１４を接続することにより該油圧シ
リンダー3aは複動シリンダーになつている。

また、デフ軸１５は２分割されており、それら
の分割された軸１５ａ，１５ｂをスプラインボス
１６により伸縮自在に連結し、該スプラインボス
１６はベアリング１７，１７及びスナツプリング
１８…を介して前記円筒体５に装着してあり、軸
１５ｂの外端に取付けた傘歯車１９はキングピン
ケース６内の軸２０に固定した傘歯車２１に噛合
し、軸２０の下端の傘歯車２２はフアイナル軸２
３の傘歯車２４に噛合させ、該フアイナル軸２３
にはタイヤ２５のタイヤホイール２６がボルトで
螺着してある。

そして、前記円筒体５の外端に設けたフランジ
５ａには油圧シリンダー3aの外周面に摺接する
と共に側面視で円弧状をなす前後一対の回り止め
板２７，２７の外側端がボルト２８…により固定
してあり、該回り止め板２７，２７の油圧シリン
ダー3aに摺接する部位には上下一対の長孔２９，
２９を設け、回り止め板２７，２７は長孔２９，
２９に挿通したボルト３０，３０により油圧シリ
ンダー3aに移動調節可能に締着してある。

また、前記回り止め板２７の上下の長孔２９，
２９の間には上下方向のビート３１…がプレス加
工により一定間隔をおいて多数設けてあり、この
ビート３１…はトレツド調節の目印になると共に
回り止め板２７の補強になつている。

前述の装置において、ボルト３０，３０を弛め
て油圧回路中の切換弁のスプールを中立位置から
一方に移行させてデフケース１の左右で対をなす
油圧シリンダー3a（一方のみ図示）に、デフケー
ス１側のポートから作動油を圧入すると円筒体５
はピストン８と共に外側へ押し出され、それにと
もなつて左右のアクスルトレツドが大となり、ま
た、油圧シリンダー3aの外側のポートから作動
油を圧入すると上記アクスルトレツドは小とな
る。

その際、円筒体５の軸回りの回動は回り止め板
２７の長孔２９に挿通したボルト３０…により阻
止され、トレツド調節量は油圧シリンダー3aに
対する円筒体５の出入量に相当し、通常視認によ
つては不明確であるが、前記ボルト３０に対する
ビート３１によりトレツド調節量をきわめて明確
に視認することができる。

また、軸１５ａのスプラインはトレツド調節量
に見合う長さとなつており、その回転はスプライ
ンボス１６、軸１５ｂ、傘歯車１９，２１、軸２
０及び傘歯車２２，２４を介してフアイナル軸２
３に伝達される。

本考案は前述のようにフロントアクスルケース
を、機体に取付けられていて外側内周面が大径の
油圧シリンダとなつたアクスルハウジングと、キ
ングピンケースに連結されていてピストンロツド
として上記アクスルハウジングの小径部に摺動可
能に嵌挿した円筒体とで構成し、上記円筒体の外
周に装着したピストンを前記油圧シリンダー内に
介装し、前記円筒体内にボスを回転自在に支承
し、分割した車軸の端部を前記ボスに回転は伝え
るが摺動可能に嵌挿したので、車軸の分割部をボ
スで連結支持した状態でトレツド調節を大幅に行
なうことができ、かつこのようにトレツド調節を
大幅に行ない得るものでありながら、前輪及びキ
ングピンケース等をアクスルケース及びそれに対
して進退する円筒体により強固に保持することが
できる。

また、車軸の分割部をボスにより支承し、この
ボスをフロントアクスルケースとなる円筒体に回
転自在に支持したので、前輪トレツドを大幅に拡
大しても、車軸が強固に支持され、振動を防止し
ながら確実な前輪駆動を行なうことができる。

更に、油圧シリンダがアクスルケース内にある
のでその外形が大きくなることがなく、前後方向
の支点ピンを中心として上下揺動するアクスルケ
ースを、機台前部の下部の狭いスペース内に配設
することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであつて、
第１図はトラクタの車軸駆動部の断面図、第２図
は同上斜視図である。３……アクスルハウジング、３ａ……油圧シリ
ンダー、５……円筒体、８……ピストン、１５…
…デフ軸、１６……スプラインボス。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

フロントアクスルケースを、機体に取付けられ
ていて外側内周面が大径の油圧シリンダとなつた
アクスルハウジングと、キングピンケースに連結
されていてピストンロツドとして上記アクスルハ
ウジングの小径部に摺動可能に嵌挿した円筒体と
で構成し、上記円筒体の外周に装着したピストン
を前記油圧シリンダー内に介装し、前記円筒体内
にボスを回転自在に支承し、分割した車軸の端部
を前記ボスに回転は伝えるが摺動可能に嵌挿した
ことを特徴とする四輪駆動型トラクタにおけるア
クスルトレツド調節装置。