JPS63246749A - 電子写真感光体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、分散系感光層を有する単層の正帯電用電子写
真感光体に関するものである。

〈従来の技術〉 これまでセレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛などの無機
光導電体を感光成分として利用した電子写真感光体がよ
く知られている。しかし、これらは感度、熱安定性、耐
湿性、耐久性等の感光体としての特性やその製造工程あ
るいは毒性において必ずしも満足し得るものではない。

例えば、電子写真感光体として最も良く利用されている
セレンは約４０℃で簡単に結晶化し、結晶化すると感光
体としての特性が低下してしまうため、製造上の温度管
理も難しい、また感光体を取り扱う際の指紋等が原因と
なり結晶化することも多（、感光体としての性能を維持
することが難しい。また硫化カドミウムや酸化亜鉛では
耐湿性や耐久性に問題がある。

近年、電子写真用感光体として、加工性がよく製造コス
トの面で有利であると共に、機能設計の面で自由度の大
きな有機感光体が使用されている。

また有機感光体を用いた電子写真用感光体の機能設計に
おいて、光照射により電荷を発生させる電荷発生機能と
、発生した電荷を移動させる電荷輸送機能とに分離する
ことにより、それぞれの機能材料を広い範囲から選択す
ることができ、またそれぞれの機能材料を積層構造にす
ることにより表面電位を高くしたり、電荷保持性を大き
くしたり、高感度化する等の試みがなされている。

この機能分離型積層感光体は、電荷輸送物質には正電荷
輸送型が多いことや表面に耐久性を持たせるため、導電
性基板の上に電荷発生層を設け、更にその上に電荷輸送
層を設けた負帯電用感光体の構造をとることが一般的で
ある。

しかしながら、このような負帯電用感光体ではコロナ放
電器による帯電時に雰囲気中にオゾンが発生し感光体の
劣化及び複写環境の汚染を引き起こしたり、また現像時
には製造が困難である正極性のトナーを必要とする等の
問題もある。

そこで、電荷発生物質と電荷輸送物質からなる単層の感
光層を有する正帯電用感光体（特開昭４７−３０３３０
）や、ペリレン顔料と光導電性ポリマーと特定の電子受
容性物質を含有する感光層を有する電子写真用感光体（
特開昭５９−２２４８４６）が提案されている。

〈本発明が解決しようとする問題点〉 しかしながら、従来の単層の分散系感光層は高密度の捕
獲準位のためキャリア寿命が短く空間電荷を形成し易い
などの問題点がある。

一方、電子受容性物質を添加した場合は電子の輸送も可
能となり感光層中で効率よく電荷の輸送を行うことがで
き、感度的には優れた感光体が得られるものの、複写プ
ロセスの繰り返しにおける表面電位の低下は改善されな
い。

く本発明の目的〉 本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、帯電
特性を低下させることなく複写プロセスの繰り返しにお
ける表面電位の低下を防ぐことができる単層の感光層を
有する正帯電用感光体を提供することを目的とする。

く問題点を解決するための手段および作用〉上記目的を
達成するため、本発明は電荷発生物質と電荷輸送物質と
バインダー樹脂とからなる分散系感光層を有する単層の
正帯電用感光体においてフェナントレンとフェナントレ
ンキノンを添加することを特徴とするものである。

フェナントレンは電子供与性物質であり感光層中で効率
よく正孔の輸送を行うことができ、フェナントレンを添
加した感光体と添加しない感光体に同じコロナ放電を施
した場合、前者の方が表面電位が高くなりフェナントレ
ンが感光体の電荷保持能を上げていることは実験により
明らかである。

またさらに、フェナントレンキノンを添加するとフェナ
ントレンの電子供与性とフェナントレンキノンの電子受
容性の相乗効果により複写プロセスの繰り返しにおける
表面電位の低下は防止されることが実験により明らかと
なった。

しかしながら、フェナントレンキノンをフェナントレン
に対して５重量部以上添加すると逆に画像濃度が不安定
になるという悪影響が現れる。

従って、フェナントレンキノンの添加量はフェナントレ
ンに対して５重量部以下が好ましい。

本発明の分散系感光層を有する単層の正帯電用感光体は
従来公知の電荷輸送物質を使用することができる。例え
ば、２．５−ジ（４−ジメチルアミノフェニル）−１，
３，４−オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合
物、９−（４−ジエチルアミノスチリル）アントラセン
等のスチリル系化合物、ポリビニルカルバゾール等のカ
ルバゾール系化合物、ｌ−フェニル−３−（Ｐ−ジメチ
ルアミノフェニル）ピラゾリン等のピラゾリン系化合物
、インドール系化合物、オキサゾール系化合物、イソオ
キサゾール系化合物、チアゾール系化合物、チアジアゾ
ール系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化
合物、トリアゾール系化合物等の含窒素環式化合物、縮
合多環族化合物等が例示される。これらの電荷輸送物質
は一種または二種以上混合して用いられる。

電荷発生物質としては、例えば、アゾ系顔料、ジアゾ系
顔料、アンサンスワン系顔料、フタロシアニン系顔料、
インジゴ系顔料、スレン系顔料、トルイジン系顔料、ピ
ラゾリン系顔料、ペリレン系顔料、キナクリドン系顔料
等が例示され、所望の領域に吸収波長域を存するよう、
一種または二種以上混合して用いられる。

バインダー樹脂としては、例えば、スチレン系重合体、
アクリル系重合体、スチレン−アクリル系共重合体、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、アイオ
ノマー等のオレフィン系重合体、ポリ塩化ビニル、塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、アルキッ
ド樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポ
リカーボネイト、ボリアリレート、ポリスルホン、ジア
リルフタレ−１・樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、
ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、フェノ
ール樹脂や、エポキシアクリレート等の光硬化型樹脂等
各種の重合体が例示できる。これらの結着樹脂は、一種
または二種以上混合して−用いられる。

また、感光層の感度を上げるために公知の電子受容体と
して例えば、ジクロロナフトキノン、無水フクル酸、ニ
トロフルオレノンなどが用いられる。

上記の如き電荷発生物質、電荷輸送物質、バインダー樹
脂及び電子受容性物質は、ＴＨＦやトルエンのような適
当な溶媒に溶解される。

この溶液を導電性基体上に一定の厚みで塗布することに
より、本発明の電子写真用有機感光体が得られる。

〈実験例〉 以下に、実験例に基づき、本発明をより詳細に説明する
。

（実施例１） ポリ−Ｎ−ビニルカルバゾール（亜南香料社製）１００
重量部に対し、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重
合体１０重量部（サランレジンＦ−３１０、数平均分子
量４３０００、重量平均分子量１２００００、旭ダウ社
製）、ペリレン（Ｎ−Ｎ″−ジ（３，５−ジメチルフェ
ニル）ペリレン−３，４，９，１０テトラ力ルボン酸ジ
イミド〕８重量部、フタロシアニン０．４重量部、２．
３−ジクロル−１，４−ナフトキノン２０重量部、シリ
コンオイル０．３重量部、フェナントレン５０重量部及
びフェナントレンキノンをフェナントレンに対して４重
量部をステンレスボールミルで２４時間混合した。

アルミニウム板上に、アルマイト層を７μｍ形成した上
に、上記混合物を乾燥後の厚さが７μｍになるようにワ
イヤーバーにて塗布し、１００℃で１時間の乾燥を行い
、感光板を得た。

この感光板を電子写真複写機ＤＣ−１９１（三田工業社
製）に適用し、黒色、灰色、白色の原稿を用意し電子写
真工程を３００回繰り返した。この感光板のエージング
回数と感光層の表面電位の関係を第１図に示す。

（実施例２） 実施例１において、フェナントレンキノンをフェナント
レンに対して４重量部添加したのに対し、３重量部添加
した以外は実施例１と同様にして感光板を作製し評価し
た。

（実施例３） 実施例１において、フェナントレンキノンをフェナント
レンに対して、２重量部添加した以外は実施例１と同様
にして感光板を作製し評価した。

（実施例４） 実施例１において、フェナントレンキノンをフェナント
レンに対して、１重量部添加した以外は実施例１と同様
にして感光板を作製し評価した。

（実施例５） 実施例１において、フェナントレンキノンをフェナント
レンに対して、５重量部添加した以外は実施例１と同様
にして感光板を作製し評価したものを第２図に示す。

（比較例１） 実施例１において、フェナントレンキノンをフェナント
レンに対して、１０重量部添加した以外は実施例１と同
様にして感光板を作製し評価したものを第２図に示す。

（比較例２） 実施例１において、フェナントレンキノンをフェナント
レンに対して、３０重量部添加した以外は実施例１と同
様にして感光板を作製し評価したものを第２図に示す。

（比較例３） 実施例１において、フェナントレンキノンをフェナント
レンに対して、全（添加しない以外は実施例１と同様に
して感光板を作製し評価したものを第２図に示す。

この感光板を電子写真複写機ＤＣ−１９１（三田工業社
製）に適用し、２００μＡ〜５５０μＡの異なった流れ
込み電流を加え、それぞれの流れ込み電流と表面電位の
関係を第３図に示す。

（比較例４） 比較例３において、さらにフェナントレンを添加しない
以外は比較例３と同様にして感光板を作製し、それぞれ
の流れ込み電流と表面電位の関係を第３図に示す。

上記第１図から明らかなようにフェナントレンキノンを
添加しない場合は、複写プロセスの繰り返しにおいて表
面電位は低下していくが、フェナントレンキノンを添加
した場合は、表面電位の低下を防止することができた。

また第１図から、フェナントレンキノンをフェナントレ
ンに対して４重量部添加した場合が、最も効果的なエー
ジング特性が得られることが言える。

しかしながら、フェナントレンキノンをフェナントレン
に対して５重量部以上添加すると、第２図から明らかな
ように、複写プロセスの繰り返しにおいて表面電位の上
昇が顕著となり、画像濃度が逆に不安定になるという悪
影響が出てくる。

また第３図から、同じコロナ放電を施した場合、フェナ
ントレンを添加した方が表面電位が高くなっており、フ
ェナントレンが電荷保持能に影響を及ぼしていることが
言える。

〈発明の効果〉 以上のように、本発明の分散系感光層を有する単層の正
帯電用感光体によれば、フェナントレンと特定量のフェ
ナントレンキノンの電子供与性と電子受容性の相乗効果
により、エージング特性の優れた電子写真感光体が得ら
れるという特有の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図はエージング回数と表面電位の関係
を表す図、第３図は流れ込み電流と表面電位の関係を表
す図である。 特許出願人　　三田工業株式会社 第１図 エージ゛シク　回敷 葛２０ ニーシン２　回４す〔。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）電荷発生物質と電荷輸送物質とバインダー樹脂と
   からなる分散系感光層を有する単層の正帯電用感光体に
   おいてフェナントレンとフェナントレンキノンを添加す
   ることを特徴とする電子写真用感光体。
2. （２）前記フェナントレンキノンの添加量をフェナント
   レンに対して５重量部以下とすることを特徴とする特許
   請求の範囲第１項記載の電子写真感光体。