JPS6323751Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、アツプライト型電気ピアノ等の電気
鍵盤楽器に関する。

本考案者等は先に、第１図及び第２図示のよう
に構成された可撓性の優れた電気ピアノを提案し
た。

第１図において、ａは張弦フレームでこの前面
の上部にはブラケツトｂを介してアクシヨン機構
ｃが装着され、その下部にはブラケツトｂを介し
て鍵盤部ｄが回転自在に軸支されている。この張
弦フレームａはその両側面の突起部ｅでねじ止め
された脚部材ｆで地上より浮かせて、また鍵盤部
ｄは前脚ｇで水平状態にそれぞれ支持されてい
る。第２図において、ｈはケースで、張弦フレー
ムの後面部を収納するケース部材h₁，h₂、アクシ
ヨン機構部を収納するケース部材h₃及び直立させ
た鍵盤部ｄを収納するケース部材h₄より成り、そ
れらは結合部材ｉで連結するようにしている。

このものは運搬時に鍵盤部ｄをケース部材h₄内
に収納すると共に脚部材ｆを一旦張弦フレームａ
から取外し再びこれをケースｈと重なるように張
弦フレームａにねじ止めすると小型になりケース
ｈが脚部材ｆで保護できる利点があるが、この電
気ピアノは総重量が例えば50Kgであり、以上のよ
うな収納作業又は組立作業を１人で行なうには困
難である。

本考案は、以上の電気ピアノを更に改良し、ワ
ンタツチで組立、収納ができるようにすることを
その目的とするもので、楽器本体を脚部材により
地上より浮かせて支持する電気鍵盤楽器におい
て、前記楽器本体の所定の位置に回動軸を設け、
該回動軸に前記脚部材を連結し、該脚部材を前記
回動軸を中心に回動して前記楽器本体を地上に降
ろすようにしたことを特徴とする。

以上本考案の実施例を図面につき説明する。

第３図乃至第６図は本考案の一実施例を示す。
第３図は脚部材を除いた楽器本体１を示す。２
Ａ，２Ｂ，２Ｃ，２Ｄはケース部材で、張弦フレ
ーム３の後面部、前面部を覆い、それぞれ結合具
４で連結され、その側面には上、中及び下部に張
弦フレーム３の突出部５を露出させる切欠部６が
設けられている。７は張弦フレーム３の中央突出
部５に一端を固定された回転保持部材で、その他
端には回動軸８が取付けられている。この回動軸
８に第５図Ａ，Ｂ及び第６図に示すように、脚部
材９の橋絡片９Ａの孔が嵌入されつまみ１０が蝶
合される。第５図Ａ，Ｂに示す組立状態において
は、脚部材９の橋絡部片９Ｂの孔と回転保持部材
７の一端の孔１１につまみ１２のねじを螺入して
しめつけ、また回動軸８に螺合したつまみ１０も
しめつけて脚部材９を楽器本体１に固着する。こ
の鍵盤楽器を収納するときは、鍵盤部１３をケー
ス部材２Ｂ内に収納し、つまみ１０及び１２をゆ
るめ及びはずして後、楽器本体１を片手で支持
し、もう一方の手で第５図Ａに矢印に示すように
脚部材９を回転軸８を中心にして回転する。180
度回転した状態で脚部材９は第６図示のように楽
器本体１と重なるようにしてあり、脚部材９の橋
絡片９Ｃ，９Ｂの孔から張弦フレーム３の上部及
び下部突出部５，５の孔につまみ１４，１５のね
じを螺合してしめつけ固定する。かくて鍵盤楽器
は運搬時小型になりキヤスタ１６，１６で容易に
運搬することができる。

前記実施例では脚部材９の橋絡片は水平に設け
たが垂直に設けてもよい。

第７図、第８図及び第９図は、前記回転保持部
材７の張弦フレーム３に対する支持を強化した他
の実施例で、回転保持部材７を張弦フレーム３の
中央及び下部突出部５，５の２点で支持し、その
中間位置に回動軸８を設けている。回動軸８は該
軸が回転しないようにダブルナツト１７で締めつ
けている。回転保持部材７の両端部及び張弦フレ
ーム３の突出部５，５にはつまみ１２Ａ，１２Ｂ
を螺合する孔１１Ａ，１１Ｂも明けられており、
この孔１１Ａ，１１Ｂへの螺合を介してつまみ１
２Ａ，１２Ｂにより脚部材９が楽器本体１に固定
される。

第１０図及び第１１図は本考案の他の実施例を
示す。このものは脚部材９の上部に取つ手１８が
ケース２から露出する張弦フレームの突出部にね
じ１９で止められている。またケース２の中央及
び下部の切欠部から突出する張弦フレームの突出
部には、中央部に回動軸８を取着した回転保持部
材７の両端が固定され、この回動軸８と脚部材９
の橋絡片９Ａとは回転子２０で連結されている。
第１０図示の組立状態から第１１図示の収納状態
にするには、前脚２１を外して鍵盤部１３をケー
ス２内に収納し、取つ手１８を片手で持つて他の
片手で第１０図示の矢印のように回動軸８の周り
に脚部材９を回動する。この場合には脚部材９は
回転しないから、組立時脚部材９の下部にキヤス
ター１６を設けると演奏中移動しやすいので、ケ
ース２の下部にキヤスター１６を設けた土台２２
を固定する。

第１２図及び第１３図はキヤスター１６を回転
保持部材７の下方に一体に延設した水平部７Ａに
取付けた変形例を示す。

第１４図乃至第１７図は脚部材９を楽器本体１
を正面から見て左又は右へ開く方向に回動させる
本考案の他の実施例を示す。張弦フレーム３の側
面の下方の突出部５へ固着する回転保持部材７に
は、回転子２０Ａが枢着されその先端は脚部材９
の橋絡杆９Ｄに連結されている。

第１７図において２３は脚部材９をロツクする
ロツクピン嵌入孔を設けた耳片である。

第１４図及び第１５図に示す組立状態におい
て、脚部材９の上部橋絡片９Ａはつまみ１２によ
り張弦フレーム３の突出部５にねじ止めされ、脚
部材本体は、ロツクピン２４により回転保持部材
７にロツクされる。この組立状態から第１６図示
のような収納状態にするには、前脚２１を外し鍵
盤部１３をケース２内に収容して後、一方の手で
上部の取つ手１８を持ち、つまみ１２及びロツク
ピン２４をとる。そして他方の手で脚部材９を矢
印に示すように回動させながら上方に移動し、完
全に上つた状態でつまみ１２を張弦フレーム３の
中央突出部５にねじ止めし、ロツクピン２４をは
める。

第１８図乃至第２０図は脚部材９を楽器本体１
の正面から見て左又は右へ開くように回転させる
本考案の他の実施例を示す。

脚部材９は上部及び下部橋絡片９Ｂ，９Ｃと張
弦フレーム３の中央及び下方突出部５，５とをつ
まみ１４，１５でねじ止めすることにより固定さ
れた脚部材９Ｕと、この脚部材９Ｕの枠体に回転
自在に軸着された脚部材９Ｖとより成り、第１８
図及び第１９図示の組立時では脚部材９Ｖは下方
に回転されて楽器本体１を地上から浮かした状態
で支持するようにし、ロツクピン２４でロツクさ
れる。第２０図示のような収納状態にするには、
ロツクピン２４を外して脚部材９を上方に180度
回転する。

第２１図及び第２２図は脚部材９を楽器本体１
の前後面部に回動するようにした本考案の実施の
一例を示す。

２５は中央及び下部の橋絡片２５Ａ，２５Ｂを
張弦フレームの中央及び下方突出部につまみでね
じ止めすることにより楽器本体１に固着した枠体
で、この中央部に脚部材９が枢着されている。第
２１図示の組立状態から第２２図の収納状態にす
るには左右の脚部材９，９を内方に回動し、左右
両枠体を連結する土台２２に脚部材９，９の下端
をねじ止めする。脚部材９と枠体２５との間に引
張スプリング等を設けておけば枠体２５を持ち上
げるだけで脚部材９が自動的に直立する。

このように本考案によるときは、楽器本体の所
定位置に回動軸を設け、該回動軸に脚部材を連結
し、該脚部材を回動軸を中心に回動して前記楽器
本体を地上に降ろすようにしたので、鍵盤楽器を
運搬時小型にできると共にその収納及び組立作業
がワンタツチ又はそれに近い状態で行なうことが
できる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は先に提案された電気ピアノ
の斜視図（ケースを除く）及び側面図、第３図乃
至第６図は本考案の一実施例を示し、第３図は、
楽器本体の側面図、第４図はその要部の側面図、
第５図Ａ及び第５図Ｂは組立状態の側面図及び一
部正面図、第６図は収納状態の側面図、第７図乃
至第９図は回転保持部材を変形した他の実施例を
示し、第７図は脚部材を除いた正面図、第８図は
要部の側面図、第９図は一部正面図、第１０図乃
び第１１図は第３の実施例を示し、第１０図は組
立状態の側面図、第１１図は収納状態の側面図、
第１２図及び第１３図は本考案の第４の実施例の
側面図（脚部材を除く）及び収納状態の一部正面
図、第１４図乃至第１７図は第５の実施例を示
し、第１４図及び第１５図は組立状態の側面図及
び一部正面図、第１６図は収納状態の側面図、第
１７図は要部の斜視図、第１８図乃至第２０図は
本考案の第６の実施例を示し、第１８図及び第１
９図は組立状態の側面図及び一部正面図、第２０
図は収納状態の側面図、第２１図及び第２２図は
本考案の第７の実施例の組立状態及び収納状態の
斜視図である。 １……楽器本体、２……ケース、３……張弦フ
レーム、７……回転保持部材、８……回動軸、９
……脚部材、１３……鍵盤部、１８……取つ手、
２１……前脚。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 楽器本体を脚部材により地上より浮かせて支持
   する電気鍵盤楽器において、前記楽器本体の所定
   の位置に回動軸を設け、該回動軸に前記脚部材を
   連結し、該脚部材を前記回動軸を中心に回動して
   前記楽器本体を地上に降ろすようにしたことを特
   徴とする電気鍵盤楽器。