JPS63232302A - 歪取り焼鈍によって特性が劣化しない低鉄損の方向性けい素鋼板 - Google Patents

歪取り焼鈍によって特性が劣化しない低鉄損の方向性けい素鋼板

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JPS63232302A
JPS63232302A JP63025710A JP2571088A JPS63232302A JP S63232302 A JPS63232302 A JP S63232302A JP 63025710 A JP63025710 A JP 63025710A JP 2571088 A JP2571088 A JP 2571088A JP S63232302 A JPS63232302 A JP S63232302A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 鉄損の低い方向性けい素鋼板とその製造方法に関して、
この明細書に述べる技術内容は、とくに鋼板表面の被膜
を含む地鉄表層部に不均一性を付与して該表面に異張力
の働く領域を区画形成させることにより、鉄損を向上さ
せることに関連している。
方向性けい素鋼板は主として変圧器その他の電気機器の
鉄心として利用され、その磁化特性が優れていること、
とくに鉄損(Wly/s。で代表される)が低いことが
要求されている。
このためには、第一に鋼板中の2次再結晶粒の<001
>粒方位を圧延方向に高度に揃えることが必要であり、
第二には、最終製品の鋼中に存在する不純物や析出物を
できるだけ減少させる必要がある。かかる配慮の下に製
造される方向性けい素鋼板は、今日まで多くの改善努力
によって、その鉄損値も年を追って改善され、最近では
板厚0.30閣の製品でILtzs。の値が1.05W
/kgの低鉄損のものが得られている。
しかし、数年前のエネルギー危機を境にして、電力損失
のより少ない電気機器を求める傾向が一段と強まり、そ
れらの鉄芯材料として、ざらに鉄損の低い方向性けい素
鋼板が要請されるようになっている。
(従来の技術) ところで、方向性けい素鋼板の鉄損を下げる手法として
は、Si含有量を高める、製品板厚を薄くする、2次再
結晶粒を細かくする、不純物含有量を低減する、そして
(110) (001)方位の2次再結晶をより高度に
揃えるなど、主に冶金学的方法が一般に知られているが
、これらの手法は、現行の生産手段の上からはもはや限
界に達していて、これ以上の改善は極めて難しく、たと
え多少の改善が認められたとしても、その努力の割りに
は鉄損改善の実効は僅かとなるに至っていた。
これらの方法とは別に、特公昭54−23647号公報
に開示されているように、鋼板表面に2次再結晶阻止領
域を形成させることにより、2次再結晶粒を細粒化させ
る方法が提案されている。しかしながらこの方法は、2
次再結晶粒径の制御が安定していないため、実用的とは
云いがたい。
その他特公昭58−5968号公報には、2次再結晶後
の鋼板の表面にボールペン状小球により、微小歪を鋼板
表層に導入することにより、磁区の幅を微細化し、鉄損
を低減する技術が、また、特公昭57−2252号公報
には、最終製品板表面に、圧延方向にほぼ直角にレーザ
ービームを数1間隔に照射し、鋼板表層に高転位密度領
域を導入することにより、磁区の幅を微細化し、鉄損を
低減する技術が提案されている。
さらに、特開昭57−188810号には、放電加工に
より鋼板表層に微小歪を導入し、磁区幅を微細化し、鉄
損を低減する同様の技術が提案されている。
(発明が解決しようとする課題) これら3種類の方法は、いずれも2次再結晶後の鋼板の
地鉄表層に微小な塑性歪を導入することにより磁区幅を
微細化し鉄損の低減を図るものであって、均しく実用的
であり、かつ鉄損低減効果も優れているが、鋼板の打抜
き加工、せん断加工、巻き加工などの後の歪取り焼鈍や
、コーティングの焼付は処理の如き熱処理によって、塑
性歪導入による効果が減殺される欠点を伴う。なおコー
ティング処理後に微小な塑性歪の導入を行う場合は、絶
縁性を維持するために絶縁コーティングの再塗布を行わ
ねばならず、歪付与工程、再塗布工程と、工程の大幅増
加になり、コストアップをもたらす。
この発明は、上記した先行技術とは発想を異にした磁区
幅の細分化手段をもって、高温における歪取り焼鈍の後
においても特性劣化を伴わずに、製品の磁区細分化の実
効を確保し得るようにした方向性けい素鋼板を与えるこ
とを目的とする。
(課題を解決するための手段) この発明は、フォルステライト被膜を被成した方向性け
い素鋼板の地鉄表層部に、局所的に、地鉄とは組成の異
なる異物を存在させることが、製品の磁区幅の細分化に
極めてを利に寄与すること、そしてかような異物の存在
下にフォルステライト被膜に重ねて張力付与型の絶縁コ
ーティング被膜を被成すると、両者の複合作用によって
、所期した効果が一層助長されることの新規知見に立脚
する。
方向性けい素鋼板の製造工程において、最終板厚に冷間
圧延された鋼板は有害な炭素を取除くため通常脱炭焼鈍
が施される。かかる焼鈍によって鋼板は、内部に微細な
分散第2相からなる抑制剤を含有した1次再結晶集合組
織となるが、同時に鋼板表面層は微細な5iOz粒子が
地鉄内に分散したサブスケール構造となる。二〇脱炭・
1次再結晶板には、その表面にMgOを主成分とする焼
鈍分離剤を塗布したのち、2次再結晶焼鈍ついでそれに
引き続き1200°C前後での高温純化焼鈍が施される
この2次再結晶焼鈍によって鋼板の結晶粒は、(110
) (001)方位の粗大な粒になる。また高温純化焼
鈍によって鋼板内部に存在していた抑制剤の1部である
SやSeやNなどは鋼板地鉄外に除去される。
さらに、この純化焼鈍において、鉄板表層のサブスケー
ル中の5iO1と表面に塗布された焼鈍分離剤中のMg
Oとが、次式、 2Mg0 + SiO□→Mg!5i04のように反応
して鋼板表面に、フォルステライト(Mg2SiO4)
の多結晶からなる被膜を形成する。このとき、余剰のM
gOは未反応物として、鋼板と鋼板との融着を防止する
役割を果たす。そして高温純化焼鈍を終えた鋼板は未反
応の焼鈍分離剤を取除き、必要に応じて絶縁コーティン
グの上塗りやコイルセットを取除くための処理を施して
製品となすわけである。
ところで発明者らはフォルステライト被膜の役割を再調
査した結果、この被膜が張力付与型コーティングと同様
、鋼板に張力を付加し、磁区を細分化していること、し
かも鋼板の磁区幅の細分化効果は場所により微妙に異っ
ていることを見出した。そこでさらに鋼板の磁区幅の細
分化傾向につき綿密な検討を加えた結果、フォルステラ
イト被膜を含む地鉄表層部に地鉄とは組成の異なる異物
を存在させることにより一層効果的に磁区の細分化が達
成されることを突止めたのである。
この発明は、上記の知見に由来するものである。
すなわちこの発明は、地鉄表層部に塑性歪域がみられな
いフォルステライト被膜付きの方向性けい素鋼板であっ
て、該鋼板の地鉄表層部に、局所的に地鉄とは組成の異
なる異物を配置したことからなる、歪取り焼鈍によって
も特性が劣化しない低鉄損の方向性けい素鋼板である。
またこの発明は、地鉄表層部に塑性歪域がみられないフ
ォルステライト被膜付の方向性けい素鋼板であって、該
鋼板の地鉄表層部に、局所的に地鉄とは組成の異なる異
物を配置すると共に、フォルステライト該被膜上に9.
8 ×10−’1/”C以下の熱膨張係数を呈する張力
付与型の絶縁コーティング被膜をそなえることからなる
、歪取り焼鈍によっても特性が劣化しない低鉄損の方向
性けい素鋼板である。
ここに、鋼板の地鉄表層部への異物の配置とは、第1図
にa、b、cおよびdで示したように、単に地鉄中に異
物を完全に埋込んだ場合だけを指すものではなく、地鉄
とフォルステライト被膜との両者にまたがる場合および
フォルステライト被膜中のみに存在する場合を含むもの
である。
またこの発明において、素材鋼板をその内部に塑性歪域
がみられないものに限定したのは、後述するように、塑
性歪の導入による磁区の細分化方式では、歪取り焼鈍に
よって特性の著しい劣化を招くからである。
以下この発明について具体的に説明する。
さて、発明者らは実験室的に、方向性けい素鋼板の冷間
圧延途中の鋼板表面に異物としてNi粉末を局所的に付
着させ、ついで圧延を続行、完了させる手法によって鋼
板表層部に、Ni粉末を異物として埋込んで冷延鋼板を
作成した。
この冷延鋼板に、脱炭を兼ねる1次再結晶焼鈍を施し、
ついで焼鈍分離を鋼板表面に塗布したのち、2次再結晶
とそれに続< 1200°C15時間の純化焼鈍(両者
を合わせて、最終仕上焼鈍と呼称する)を施した。
その結果、Ni粉末を鋼板表層部に埋込んだ場所におい
て、Niを埋込んだ点を中心として、鋼板断面が第1図
(イ)(0)(ハ)に示されるような形状の地鉄と組成
の異なる部分が認められ、この場所において、鋼板の磁
区幅が細分化されていることが判明した。
第1図(() (0) (ハ)に示されるような形状制
御を人為的に行なうことは、この手法では、困難である
が、いずれも、磁区幅の細分化効果に対しては同等であ
った。
次に、発明者らは、地鉄表層部のかかる異物の配置形態
につき、その形状および方位などが磁区の細分化に及ぼ
す影響につき、種々の検討を加え、鉄損との関係につい
て調査した。
その結果、地鉄表層部における異物の配置形態としては
、第2図(イ)に示したような連続したまたは非連続の
線状形態がとくに鉄損低減効果において有効であること
が認められた。但し非連続の線状形態においては、点と
点との間隔が0.5 m以上離れると効果は低減した。
この点、破線のように線の一部が少しづつ抜けいていも
鉄損低減効果は線状の場合とほぼ同様であった。
次に、地鉄表層部における異物の線状形態の方向につい
ては第2図(Il+)ならびに第3図に示したように、
圧延の方向に対し60〜90“の角度とした場合がとく
に有効であった。また連続または非連続の線状形態の幅
については、第4図に示したように0.05〜2.0 
mmとくに0.8〜1.5胴の範囲で優れた効果が得ら
れた。
なお、かかる異物の配置形態は、圧延方向を横切る向き
に繰返し形成することが、鋼板全体の鉄損を下げるため
に有効で、たとえば第1図(ハ)に示したような領域間
の間隔は、第5図に示したようにl+ma〜30flI
I11の範囲とすることが望ましい。
またかかる異物の配置面は、鋼板の両面であっても、片
面にのみであっても、その効果にほとんど変わりはなか
った。
次に、地鉄表層部に上記したような異物を配置したフォ
ルステライト被膜付き鋼板に、被膜形成後に5 xlO
−’ 1 /’cの熱膨張係数を呈するコーティング処
理液を塗布、焼付けて張力付与型の絶縁コーティング被
膜を被成したのち、その鉄損を測定したところ、第6図
に示したように、単に、地鉄表層部に異物を配置した場
合に比べて、より一層の鉄損改善効果が達成されること
が判明した。
そこで熱膨張係数の異なる各種のコーティングについて
も、上述の実験に準じて、地鉄表層部に異物を配置した
フォルステライト被膜付き方向性けい素鋼板に使用して
みたところ、熱膨張係数が9.8X10−’ 1 /”
C以下であれば、満足のいく鉄損低減効果が得られるこ
とがわかった。
次に、3.0%Stを含有し、板厚0.28amのフォ
ルステライト被膜付方向性けい素鋼板につき、その地鉄
表層部に局所的に異物を配置したこの発明に従う鋼板A
と、均質な地鉄表層部と均一、均質なフォルステライト
被膜とを有する従来11[Bとを用意した。
この時、各鋼板の鉄損は、鋼板AについてはWl?/S
。・1.OIW/kg、同Bについては−、7/、。・
1.05W/ kgであった。
ついでこれらの鋼板A、Bの表面にそれぞれ被膜形成後
5.6 ×10−’1/”Cの熱膨張係数を呈する張力
付与型の上塗コーティング被膜を被成して鋼板A”、B
’ としたところ、各鋼板の鉄損は、鋼板A′について
は−1,7.。・0.96W/kg、同B′については
も、/、。・1.04W/kgとなり、この発明の張力
付与型コーティング被膜による複合作用が確認された。
さらに、鋼板B′については、従来より公知の鉄損改善
手法であるパルス状の高パワーレーザー光の照射を利用
してコーティングとフォルステライトを共に揮発させる
ことにより点の列状(点と点の間隔0 、4 mm )
の領域を形成させ、鋼板B″とした。この結果、B°の
鋼板の鉄損は0.98W/kgとなった。
しかしながら、A′、B°の鋼板について、さらに80
0″C1時間の歪取り焼鈍を施したあとの鉄損値につい
て調べたところ、鋼板A′の鉄損は−、、7.。・0.
96W/ kgと変化がなかったのに対し、鋼板B°の
鉄損は−3./、。・1.05W/kgと大幅に劣化し
、レーザー光を照射する前の水準になった。
この原因を調査した結果、鋼板B−については、歪取り
焼鈍前において、フォルステライト除去部分の直下の地
鉄表層部に塑性歪領域が形成され、この塑性歪領域の存
在ゆえに磁区の細分化が達成されていたわけであるが、
この塑性歪が歪取り焼鈍によって開放され、消滅してい
ることが突き止められた。従って、歪取り焼鈍によって
特性を劣化せないためには、鋼板地鉄表層部に塑性歪を
導入させないようにすることが肝要なわけである。
次にこの発明に係る方向性けい素鋼板の製造方法につい
て説明する。
この発明の素材は、公知の製鋼方法、例えば転炉、電気
炉などによって製鋼し、さらに造塊−分塊法または連続
鋳造法などによってスラブ(鋼片)としたのち、熱間圧
延によって得られる熱延コイルを用いる。
この熱延板は、Siを2.0〜4.0′1程度含有する
組成である必要がある。というのは、Siが2.0χ未
満では鉄損の劣化が大きく、また4、0χを超えると、
冷間加工性が劣化するからである。その他の成分につい
ては方向性けい素鋼板の素材成分であれば、いずれも適
用可能である。
次に冷間圧延により、最終目標厚とされるが、冷間圧延
は、1回もしくは中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延により
行なわれる。このとき必要に応じて熱延板の均一化焼鈍
や、冷間圧延に替わる温間圧延を施すこともできる。
さて、この発明に従い鋼板表面層部に局所的に地鉄とは
組成の異なる異物を配置する方法の一つとしては、上記
した冷間圧延の途中において、各種酸化物またはアルカ
リ金属とアルカリ土類金属とを除く他の金属や半金属の
粉末を局所的に、鋼板表面に付着させた後、圧延を続行
、完了させることによって、これらの物質を綱板表面に
埋込む方法がある。
ここに、埋込まれる物質は、上記した酸化物または金属
、半金属粉末のいずれを単独で、また複合して用いても
同等の効果が得られるが、金属粉末のうちアルカリ金属
やアルカリ土類金属については、安定性が悪いので除外
することとした。
次に最終板厚とされた冷延板は、脱炭可能な程度の酸化
性雰囲気もしくはサブスケール形成可能な程度の弱酸化
性雰囲気中で1次再結晶焼鈍が施される。
ついで、鋼板表面にMgOを主成分とする焼鈍分離剤を
塗布するが、この分離剤の塗布に先立って焼鈍板表面に
上記した如き粉末を付着させることによっても、鋼板表
層部とくにこの場合はフォルステライト被膜中のみに異
物を配置することができる。
すなわちかかる粉末を付着させてから焼鈍分離剤を塗布
したのち、2次再結晶焼鈍ついで高温純化焼鈍と続く最
終仕上焼鈍を行なうことにより、フォルステライト被膜
が形成されるわけであるが、この場合異物は該被膜中に
のみ存在することになる。
この時、上記したような粉末を配置処理した地鉄表層部
においては、配置地点を中心として、鋼板断面が前掲第
1図(() (D)および(ハ)に示されるような形状
の異物の存在が認められる。この個所は、配置された物
質の種類と量によって、(i)地鉄と同じ相であるが、
埋込み物質の固溶量の極めて高い組成であるもの、 (ii)地鉄と異なる合金鉄の相、 (ij)埋め込まれた酸化物からなる相、のいずれかと
なり、地鉄の組成とは明瞭に区別される。なお、このう
ち(1)や(11)のものの方が鉄損低減効果は(ii
i)よりも幾分価れている。
さらにこの発明では上記のように、地鉄表層部に局所的
に異物を配置したフォルステライト被膜付き方向性けい
素鋼板に、さらに被膜形成後に9.8 ×10−bl 
/”C以下の熱膨張係数を呈する張力付与型絶縁コーテ
ィング被膜を被成することによって、地鉄表層部に異物
を配置した効果とコーティング被膜による張力付与効果
とが相乗した極めて低い鉄損値の方向性けい素鋼板を製
造することができる。
コーティングの種類としては、鋼板とコーティング被膜
との熱膨張係数の差によって表面張力を付与するのであ
るから、ある程度該係数に差があるものでなければなら
ないが、この点9.8 ×10−b1/’C以下の熱膨
張係数を有するものであれば、地鉄表層部に異物の存在
領域を形成させた効果とコーティング被膜による表面張
力付与効果との相乗効果により満足のいく低鉄損値が得
られることが確められている。
ところで地鉄表層部における異物の配置形態としては、
連続的な線状をなすものがとりわけ有効であるが、その
他罪連続すなわち点の列で置き替えることもできる。し
かしながらかかる非連続の線状の場合は、点と点との間
隔が0.5 m以上離れていると効果が小さくなる。ま
たかような線状の異物配置幅としては、0.05〜2.
01程度が特に効果が大きい。
さらに線状の異物配置の向きは圧延方向に対して60〜
90°の角度範囲がとくに好ましい。圧延方向に並行な
方向の場合は効果がなく、圧延方向と直角方向で最大の
効果が得られる。こうした鋼板圧延方向に対する角度は
とくに重要で、異物の存在領域の幅が広すぎる場合や、
孤立した点の場合に鉄損低減効果が弱まるのは、その方
向性が不明瞭になるためと思われる。
こうした連続または非連続の線状該領域は圧延方向に対
して異なる形状、幅、角度のものも含めて繰返し存在す
ることが好ましく、この時の領域と領域との間隔は1.
0〜30mの範囲がとりわけ有効である。
また、地鉄表層部の異物の存在領域は鋼板の両面に存在
しても片面のみに存在していてもその効果にほとんど変
りはなかった。
以上述べたようにして、地鉄表層部に地鉄とは組成の異
なる異物を局所的に形成させた方向性けい素鋼板は、通
常の方向性けい素鋼板と同様にそのまま製品として使用
される場合、またさらに張力付与型の上塗り絶縁コーテ
ィングを施して製品として使用される場合のいずれにお
いても、実際の機器に使用された場合良好な特性を示す
ここにこの発明に従い地鉄表層部に、地鉄とは組成の異
なる異物を配置することによって鉄損特性が、改善され
る理由は、地鉄表層部にかかる異物を配置したことによ
り、鋼板表面には異張力領域が生じるが、この異張力に
よって鋼板に弾性歪が導入され、その結果、磁区幅が有
効に細分化されるためであろうと考えられる。
さらに、異物の配置形態として、(i)地鉄に特定元素
を固溶させたもの、(ii)地鉄と異なる合金鉄の相か
らなるものについては、(iii)酸化物からなる相の
場合とは異なり、金属部分が鋼板表層部に連続しており
、磁性体であるので磁気抵抗が小さく、磁束は通過する
が、透磁率の不連続性によって磁区がさらに細分化され
る効果が加算されたため、鉄損低減効果が大きかったも
のと思われる。
このような異張力弾性歪を附加した方向性けい素鋼板に
おいては、鋼板の地鉄表層部に塑性歪領域やレーザー照
射痕のような高転位密度領域を存在させる従来法の場合
と異なり、人為的な塑性歪領域の導入がみられないので
、通常800°C前後で1分間から数時間にわたって施
される歪取り焼鈍を施しても鉄損の劣化がほとんどない
という特筆すべき利点がある。前者の場合は、地鉄表層
部の塑性歪が高温によって消滅されていくので鉄損の劣
化が生じるという致命的な欠点を有するが、この発明の
場合は歪取り焼鈍の有無にかかわらず良好な鉄損を示す
さらに、この発明の鋼板においては、形状変化部が少な
いため、占積率を低下させることはほとんどない。
(実施例) 叉旌■上 St : 3.3%を含有するけい素鋼素材を、常法に
従って厚み0.28mmの冷延鋼板とするに際し、最終
冷間圧延の途中において、鋼板を2分割し、一方はその
まま、0.28mmの厚みの冷延板に仕上げ脱炭・1次
再結晶焼鈍したのち、MgOを主成分とする焼鈍分離剤
を塗布し、ついで2次再結晶焼鈍と1200℃、5時間
の純化焼鈍とからなる最終仕上げ焼鈍を施して比較例と
した。
一方、他の鋼板は、鋼板表面にCe 50%、 La2
5%他はNdなどを含有する希土類金属粉末を付着幅=
1閣、圧延方向となす角度:90°、圧延方向における
繰返し間隔:2anの条件下に付着させた後、最終冷間
圧延を続行し、0.28+amの厚みの冷延板に仕上げ
た。ついでこの鋼板も上記と同様に、脱炭・1次再結晶
焼鈍したのち、MgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布
してから最終仕上げ焼鈍を施して製品とした。この結果
、前者は、鋼板地鉄表層は均質な組成であったが、後者
においては、希土類金属を埋め込んだ領域については地
鉄表層部に、希土類金属を高く含有する第2相が形成さ
れていた。
これらの製品の鉄損値は下記のとおりであった。
比較例 −8,7,。= 1.05 W/kg実施例 
W+tzso = 1.00 H/kg次にかような鋼
板の上に第1表に示される■〜■のコーティング処理液
をそれぞれ塗布ついで焼付けることにより、上塗り絶縁
被膜を形成した。
得られた製品の鉄損値は第2表に示したとおりでった。
ついでさらに800°C12時間の歪取り焼鈍を施した
後の鉄損値について調べ、その結果を第2表に併記した
第2表より、地鉄表層部に異物を配置したもの主熱膨張
件数が9,8 ×10−’ 1/’Cよ゛り小さいコー
ティング被膜の存在によて鉄損の著しい改善が達1され
ていることがわかる。
ユ旌五l Si : 3.0%を含有するけい素鋼素材を、常法に
遭って厚み0.30mの冷延鋼板とするに際し、最終1
間圧延の途中において鋼板を、C,DおよびE二3分割
し、鋼板Cについては、そのまま0.30mmつ厚みの
冷延板に仕上げついで脱炭・1次再結晶1鈍したのち、
MgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布してから、2次
再結晶焼鈍と1200°C23時間つ純化焼鈍とからな
る最終仕上げ焼鈍を施して比変例とした。
一方、鋼板りについては、鋼板表面に^120.粉天を
、また綱板已については、鋼板表面にNi粉末3、それ
ぞれ付着幅:IM、圧延方向となす角度90℃、圧延方
向における繰返し間隔:3I1mの条手下に付着させた
のち、最終冷間圧延を続行し1.30mの厚みの冷延板
に仕上げた。ついでこれらの鋼板り、Hについても、鋼
板と同様、脱炭・1次再結晶焼鈍したのち、MgOを主
成分とする焼鈍分離剤を塗布してから最終仕上げ焼鈍を
施した。
この結果、鋼板Cについては鋼板地鉄表層は均質な組成
であったが、鋼板り、EについてはそれぞれA1.(h
粉末とNi粉末とを埋込んだ地鉄表層の位置において、
鋼板りではAhOsの相がまた鋼板EではNiを高く含
有する領域がそれぞれ得られていた。なお、鋼板りにお
ける^hO,の領域の幅は1.5園で圧延方向における
繰返し間隔は4.5−であり、また鋼板已におけるNi
の高含有領域の幅は1.1閣で圧延方向における繰返し
間隔はやはり4.5−であった。
これらの鋼板C,DおよびEの鉄損値は下記のとおりで
あった。
鋼板C(比較例) ’Iil’l/%。・1.08 W
/kg鋼板D(実施例)賀3./口・1.04 W/k
g鋼板E(実施例) Ltzs・・工、02何/kg次
にかような鋼板C,DおよびEの上に第1表の■に示さ
れる張力付与型コーティングを施して得た鋼板C’ 、
D’およびE′の鉄損について調べたところ、それぞれ
下記のとおりであった。
鋼板C′賀1.7.。・1.071/kg鋼板D′Wl
tyso = 1.00 H/kg鋼板E’ Ltzs
。・0.98 W/kgさらに、これらの試料に800
℃、5時間の歪取り焼鈍を施した場合の鉄損値について
調べてみたが、変化はなかった。
(発明・の効果) かくしてこの発明によば、歪取り焼鈍を施した場合であ
っても特性が劣化しない低鉄損の方向性けい素鋼板を得
ることができ、有利である。
【図面の簡単な説明】
第1図(イ) (Il+)および(ハ)はそれぞれ、地
鉄表層部における地鉄とは異なる組成の異物を含む鋼板
の断面図、 第2図(() (D)および(ハ)はそれぞれ、鋼板表
層に区画形成した異物存在領域の形状、圧延方向に対す
る傾き具合および間隔の測定要領を示した図、第3図は
、線状異物存在領域が圧延方向となす角度が、鉄損特性
に及ぼす影響を示したグラフ、第4図は、!fw4域の
幅と鉄損値との関係を示したグラフ、 第5図は、該領域の間隔と鉄損値との関係について示し
たグラフ、 第6図は、張力付与型コーティング被膜を被成した場合
と被成しない場合とにおける、異物存在領域の幅と鉄損
値との関係をそれぞれ比較して示したグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、地鉄表層部に塑性歪域がみられないフォルステライ
    ト被膜付きの方向性けい素鋼板であって、該鋼板の地鉄
    表層部に、局所的に地鉄とは組成の異なる異物を配置し
    たことを特徴とする、歪取り焼鈍によって特性が劣化し
    ない低鉄損の方向性けい素鋼板。 2、地鉄とは組成の異なる異物の配置形態が、連続また
    は非連続の線状形態をなすものである特許請求の範囲第
    1項記載の方向性けい素鋼板。 3、連続または非連続の線状形態が、鋼板の圧延方向に
    対し60°〜90°の角度をなすものである特許請求の
    範囲第1または2項記載の方向性けい素鋼板。 4、地鉄表層部に塑性歪域がみられないフォルステライ
    ト被膜付き方向性けい素鋼板であって、該鋼板の地鉄表
    層部に、局所的に地鉄とは塑性の異なる異物を配置する
    と共に、フォルステライト被膜上に9.8×10^−^
    6l/℃以下の熱膨張係数を呈する張力付与型の絶縁コ
    ーティング被膜をそなえることを特徴とする、歪取り焼
    鈍によって特性が劣化しない低鉄損の方向性けい素鋼板
    。 5、地鉄とは組成の異なる異物の配置形態が、連続また
    は非連続の線状形態である特許請求の範囲第4項記載の
    方向性けい素鋼板。 6、連続または非連続の線状形態が、鋼板の圧延方向に
    対し60°〜90°の角度をなすものである特許請求の
    範囲第4または5項記載の方向性けい素鋼板。
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