JPS6323147Y2

JPS6323147Y2 -

Info

Publication number: JPS6323147Y2
Application number: JP6557581U
Authority: JP
Priority date: 1981-05-08
Filing date: 1981-05-08
Publication date: 1988-06-24
Also published as: JPS57177740U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は印刷機においてインキ壷内に蓄えられ
たインキを一定量ずつ流出させるインキ壷装置に
関するものである。

輪転印刷機の印刷ユニツトは、印刷用の版が装
着された版胴と、この版胴へインキを供給するイ
ンキ装置を備えている。第１図は従来におけるこ
の種の印刷ユニツトの概要構成図であつて、印刷
ユニツト１のフレームに軸架された版胴２の上方
には、全体を符号３で示すインキ装置が配設され
ており、また、版胴２の側方には給水装置４が配
設されている。そして、インキ装置３の上端部に
は、第２図ないし第４図に詳細を示すインキ壷装
置５が設けられており、このインキ壷装置５から
流出するインキは、図に実線と鎖線で示すように
往復動する移しローラ６によつてインキ元ローラ
７から振りローラ８へ転移される。さらに、移し
ローラ８上のインキは、多数のローラ群９間を転
移する間に各方向へならされ、インキ着ローラ１
０によつて版胴２上の版へ供給される。また、水
舟１１に蓄えられた湿し水は、移しローラ１２と
振りローラ１３を経て水着ローラ１４により版へ
供給される。

概略以上のように構成された従来の印刷ユニツ
ト１におけるインキ壷装置５の構成をさらに第２
図に基いて説明すると、フレームに支架された支
軸１５には壷ステー１６が回動自在に支持されて
おり、印刷作業中は第２図に示す位置で固定され
ている。そして、この壷ステー１６の上面には、
薄銅板で形成されたブレード１７がブレード台１
８を介して取付けられており、このブレード１７
と、その両端縁に添接されたインキせき１９、お
よび図に矢印Ａで示す方向に回転するインキ元ロ
ーラ７の周面とでインキ壷２０が形成されてその
中にはインキ２１が蓄えられている。そして、イ
ンキ２１は、水元ローラ７の回転とともにその周
面とブレード１７の先端とのすき間から流出して
インキ元ローラ７の周面に付着するとともに、こ
のインキ２１の流出量は、調節ねじ２２を進退さ
せてインキ元ローラ７とブレード１７の先端との
すき間を変えることによつて調節される。

そして、印刷作業終了時や色替え時には、イン
キ２１を排出させたのち、壷ステー１６を固定す
るボルトを弛め、インキ元ローラ７を除いたイン
キ壷装置５全体を第２図に示す位置から第３図に
示す位置へと回動させ、ボルト２３がストツパ２
４に当接したところで固定してインキ壷２０およ
びその周辺の洗浄が行なわれる。

ところが、このような従来のインキ壷装置５に
おいては、印刷作業中、第４図に示すようにイン
キ元ローラ７とブレード１７の先端との間から流
出するインキ２１は、インキ元ローラ７の表面に
インキ皮膜２５を形成すると同時に、その一部が
ブレード１７先端の裏側に回り込んで固化しイン
キかす２６として付着する。そこで、前記洗浄時
には、ウエスやスポンジ等に洗浄液を含浸させ、
ブレード１７の先端をしごくようにしてインキか
す２６を除去する作業が行なわれるが、この場
合、インキかす２６が洗浄液で溶解し、しかもウ
エスなどで調節ねじ２２の先端部を弾くことにな
るので、洗浄液や溶解したインキが調節ねじ２２
のねじ部に流れ込むことが多い。そして、これが
溶剤の気化によりねじ部で再び固化し、印刷作業
中に侵入した塵埃などと混り合つたりして調節ね
じ２２の回動が重くなり、円滑な調節ができなく
なることがある。そこで、この場合には、調節ね
じ２２を壷ステー１６から外して洗浄しなければ
ならず、多大の労力と時間を必要としていた。

本考案は以上のような点に鑑みなされたもの
で、ブレード用すき間調節ねじの先端無ねじ部を
圧入させる透孔を備えた遮蔽板を調節ねじの並列
方向に延設してブレードと調節ねじのねじ部とを
遮断することにより、運転中やブレード洗浄時等
にインキかすや洗浄液、塵埃等が調節ねじのねじ
部へ侵入するのを防止して、ブレードすき間調節
の円滑化と洗浄労力の軽減を計つた印刷機のイン
キ壷装置を提供するものである。

以下、本考案の一実施例を図面に基いて詳細に
説明する。

第５図ないし第７図は本考案に係るインキ壷装
置の一実施例を示し、第５図はその側面図、第６
図は要部の一部破断斜視図、第７図は遮蔽板の斜
視図である。そして、このインキ壷装置を実施し
た印刷ユニツトの構成は第１図に示す従来のもの
と同じであるからその説明を省略し、このあと必
要あるときは同図を用いて説明する。図におい
て、インキ壷装置３１は、支軸３２に回動自在に
支持され運転位置と洗浄位置とで固定可能な壷ス
テー３３を備えており、この壷ステー３３の上面
には、薄鋼板で形成された長尺のブレード３４が
ブレード台３４ａを介して取付けられている。そ
して、このブレード台３４の先端は、その斜め上
方に軸架されて図に矢印Ｂで示す方向へ回転する
水元ローラ３５の周面に対接されている。また、
ブレード３４とインキ元ローラ３５の両端面には
三角形状に形成されたインキせき３６が添接され
ていて、このインキせき３６とブレード３４およ
びインキ元ローラ３５の周面とでインキ壷３７が
形成されており、このインキ壷３７内にはインキ
３８が蓄えられている。

そして、壷ステー３３には、複数個の調節ねじ
３９が先端をブレード３４の先端部に臨ませて螺
入されており、これを進退させることによりブレ
ード３４の先端とインキ元ローラ３５の周面との
すき間ｔが、インキ壷３７の長手方向における各
ゾーンごとに調節されるように構成されている。
４０は、第３図で説明したようにインキ壷３７を
洗浄位置へ回動させたときにボルト４１を当接さ
せるストツパである。

そして、ブレード３４の先端部と壷ステー３３
の調節ねじ３９突出面との間には遮蔽板４２が設
けられている。この遮蔽板４２は、耐油性を有す
る弾性材の一例として示す合成ゴムによつて壷ス
テー３３とほぼ同長に形成されており、くの字状
に折曲された押え板４３で押えられてボルト４４
で壷ステー３３の段部に固定されている。そし
て、この遮蔽板４２は、押え板４３で押えられる
ことにより折曲された上半部を調節ねじ３９の並
列方向に延在させているとともに、この箇所に穿
設した透孔４４には調節ねじ３９の先端無ねじ部
が圧入されており、ブレード３４の先端部と調節
ねじ３９のねじ部との間を遮断している。

以上のように構成されたインキ壷装置３１にお
いて、インキ壷３７内のインキ３８は、矢印Ｂ方
向へ回転するインキ元ローラ３５の周面とブレー
ド３４とのくさび作用で両者のすき間ｔから流出
してインキ元ローラ３５に持ち回りされたのち、
第１図に示すローラ群を経て版胴２上の版へ連続
的に供給される。そして、インキ壷装置３１にお
けるインキ３８の流出量は、印刷物の絵柄にした
がいそれぞれの調節ねじ３９を進退させてすき間
ｔを長手方向の各ゾーンごとに変化させることに
よつて調節される。そして、作業終了時や印刷色
を変更する色替え時には、前述したようにインキ
３８を排出しボルトを弛めたのち、インキ元ロー
ラ３５を除くインキ壷装置３１全体を、ボルト４
１がストツパ４０に当接するまで回動させてイン
キ壷３７を開放する。そして、ブレード３４とイ
ンキせき３６との内面を洗浄液で洗浄するととも
に、前述したようにブレード３４の先端裏側に第
４図に符号２６で示すインキかすが付着している
ので、ウエスやスポンジなどに洗浄液を含ませて
ブレード３４先端部をしごくことによつてこれを
除去する。この場合、洗浄液およびこれで溶解し
たインキかすが調節ねじ３９のねじ部へ流れ込も
うとする。しかしながら、この装置３１において
は、調節ねじ３９の先端を圧入させる遮蔽板４２
を設けたことにより、洗浄液や溶解したインキか
すなどがこれで遮断され、ねじ部へ流入すること
がない。そして、これは洗浄時のみでなく、印刷
作業中においても塵埃やインキかすなどが調節ね
じ３９のねじ部へ侵入しようとするのを遮断する
ので、ねじ部には終始異物の侵入がなく回動が円
滑に行なわれる。また、遮蔽板４２を弾性材で形
成したことにより、調節ねじ３９を回動させた場
合、遮蔽板４２は、ブレード３４と押え板４３と
で移動を規制されていても、適宜に弾性変形する
ので調節ねじ３９の回動を妨げることがない。な
お、通常の印刷においてブレード３４の先端すき
間ｔは０〜0.5mmの範囲で調節すればよいのであ
つて、調節ねじ３９がこの程度進退してもその動
きは遮蔽板４２の弾性で吸収され、たとえ透孔４
４と調節ねじ３９との間にすべりがあつたとして
もきわめてわずかである。したがつて、当初弾性
で圧入しておけば、ここから洗浄液などが流入す
ることがない。

第８図ａ，ｂはそれぞれ本考案の他の実施例を
示す遮蔽板の斜視図であつて、図ａに示す遮蔽板
４２Ａには隣接する透孔４４間にスリツト４５が
設けられており、図ｂに示す遮蔽板４２Ｂではス
リツト４６が遮蔽板４２Ｂの端縁へ開口するよう
に設けられている。こうすることによつて、遮蔽
板４２Ａ，４２Ｂはスリツト４５，４６のないも
のよりも弾性変形が容易になり、ことに調節ねじ
３９ごとの変形が容易になるので、絵柄に対応し
た各ゾーンごとの調節が円滑に行なわれる。

さらに、第９図は本考案の他の実施例を示すイ
ンキ壷装置要部の一部破断側面図であつて、調節
ねじ４７にはその遊隙を消去するための圧縮コイ
ルばね４８が付設されているとともに、遮蔽板４
９は、前記実施例のような押え板４３を用いたも
のでなく、壷ステー３３の斜面に押し付けられて
両端縁部を止ねじ５０で壷ステー３３に固定され
ている。こうすることにより遮断効果がさらに増
大するとともに、前記実施例と同様に調節ねじ４
７の回動を妨げることがない。

なお、前述したように、調節ねじ４７は０〜
0.5mmの範囲でしか動かないので、遮蔽板４９の
弾性による力が調節ねじ４７に全然働かないかあ
るいは働いたとしてもきわめて小さい力が働くよ
うに設定しておけばこれよりも強い圧縮コイルば
ね４８の弾発力により調節ねじ４７の進退が正確
に先端部に加わる力を常に圧縮コイルばね４８の
弾発力方向と同じ方向にしておけば、ねじ部の進
退動が先端部へ正確に伝達される。

以上の説明により明らかなように、本考案によ
れば印刷機のインキ壷装置において、ブレードと
そのすき間調節ねじのねじ部との間に、調節ねじ
の先端無ねじ部を圧入させる透孔を備えた遮蔽板
を調節ねじの並列方向に延設し、ブレードと調節
ねじのねじ部との間を遮断することにより、運転
中やブレード先端部の洗浄時等において塵埃やイ
ンキかす、洗浄液などが調節ねじのねじ部に侵入
することがないので、ブレードのすき間調節のた
めの調節ねじの回動が常時きわめて円滑に行なわ
れ、印刷物の絵柄に対応したインキ出し量の調節
が適切に行なわれるとともに、調節ねじの洗浄作
業をなくすことができるので、洗浄作業の労力が
軽減される。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は従来における印刷機のイ
ンキ壷装置を示し、第１図は印刷ユニツトの概要
側面図、第２図はインキ壷装置の断面図、第３図
は同じく洗浄時の状態を示す側面図、第４図はブ
レード先端部近傍の側面図、第５図ないし第９図
は本考案に係る印刷機のインキ壷装置を示し、第
５図はその側面図、第６図は要部の斜視図、第７
図は遮蔽板の斜視図、第８図ａ，ｂはそれぞれ本
考案の他の実施例を示す遮蔽板の斜視図、第９図
はさらに本考案の他の実施例を示す要部の一部破
断側面図である。３１……インキ壷装置、３４……ブレード、３
７……インキ壷、３８……インキ、３９，４７…
…調節ねじ、４２，４２Ａ，４２Ｂ，４９……遮
蔽板、４４……透孔。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

ブレード３４の先端部下面に先端を当接させた
すき間調節ねじ３９の先端無ねじ部を圧入させる
透孔４４を備え前記調節ねじ３９のねじ部とブレ
ード３４との間を遮断する弾性材からなる遮蔽板
４２を、前記調節ねじ３９の並列方向に延設した
ことを特徴とする印刷機のインキ壷装置。