JPS632227B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、籾を脱機構によつて脱し、次い
で玄米のみを選別して取り出すようにした籾摺選
別装置に関するものである。

〔従来の技術〕

従来この種の籾摺選別装置は、玄米の選別に揺
動式の選別機構を採用しているのが多かつたが、
この揺動式の選別機構は、大型であると共に振動
及び騒音が大きい等の欠点を有することから、先
行技術としての特開昭49−24745号公報は、脱
後の混合米からの玄米の選別に、内周面に多数個
のくぼみを形成した横向きの回転選別筒体内に玄
米受樋を備えて成る回転式選別機構を使用するこ
とを提案している。

そして、この公報に記載された籾摺選別装置
は、脱部で脱した混合米を籾殻と共に前記回
転式選別機構における選別筒体内に導入し、選別
筒体内において混合米中の籾殻を風と一緒に吸引
選別すると同時に玄米を選別するようにしてい
る。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかし、前記回転式選別機構は、選別筒体内に
供給された混合米が選別筒体の回転によつて或る
高さまで掻き上げられたのち底部に落下する流動
を繰り返し、流動層を形成しながら排出側に移動
する途次において、混合米のうち玄米はくぼみに
嵌まつた状態で比較的高い位置まで持ち上げられ
たのち落下し、混合米のうち籾は前記玄米よりも
低い位置から落下する運動を行うことを利用し
て、高い位置から落下する玄米を玄米受樋に受け
て取り出すものであるから、この選別筒体内にお
いて混合米中の籾殻を風と一緒に吸引選別するこ
とは、選別筒体内における流動状態及び持ち上げ
高さが変化することに加え、籾殻がくぼみに入
り、くぼみに入る玄米の数が低減するので、玄米
に対する選別精度及び選別能力が低下するのであ
つた。

本発明は、籾摺脱後の混合米を、風選別にて
籾殻を除去したのち回転式選別機構に供給するこ
とにより、前記の不具合を防止するにおいて、脱
後の混合米中の籾殻を選別するための風選部
と、脱機構と、回転式選別機構との配置関係、
及び回転式選別機構への動力伝達機構の設置に工
夫を施すことにより、籾摺選別装置全体のコンパ
クト化を図る一方、前記動力伝達機構の耐久性の
向上を図つたものである。〔問題点を解決するた
めの手段〕 このため本発明は、籾の脱機構と、内周面に
多数個のくぼみを形成した横向きの回転選別筒体
内に玄米受樋を備えた回転式選別機構とから成る
籾摺選別装置において、前記脱機構からの混合
米を前記回転式選別機構に供給する以前において
風選するようにした風選部を長方形状の箱体内に
設け、該長方形状箱体の上面に、前記脱機構と
前記回転式選別機構とを並設する一方、前記脱
機構と回転式選別機構との間に形成される空間部
に、前記脱機構から回転式選別機構への動力伝
達機構を設け、且つ、該動力伝達機構の近傍に前
記風選部への大気空気の吸気口を開口した構成に
したものである。

〔発明の作用・効果〕

このように構成すると、脱機構において脱
された混合米は風選部において籾殻が選別除去さ
れたのち回転式選別機構における選別筒体内に供
給されるから、前記先行技術のように選別筒体内
において籾殻を風と一緒に吸引選別する場合のよ
うに、選別筒体内における流動状態及び玄米の持
ち上げ高さが変化することがないと共に、選別筒
体内面におけるくぼみに籾殻が入ることによつ
て、くぼみに入る玄米の数が低下するようなこと
がなく、玄米に対する選別精度及び選別能率を向
上できるのである。

しかも本発明は、前記風選部を長方形状の箱体
内に設け、脱機構と回転式選別機構とを、前記
長方形状箱体の上面に並べて配設したことによ
り、風選部を収納した箱体の上面を、脱機構と
回転式選別機構との設置に有効に利用することが
できる一方、脱機構から回転式選別機構への動
力伝達機構を、互いに並設した脱機構と回転式
選別機構との間に形成される空間部に設置したこ
とにより、前記空間部を回転式選別機構に対する
動力伝達機構の設置に有効に利用できると共に、
当該動力伝達機構の長さを短くして小型化できる
のである。

従つて、本発明によると、前記風選部を内蔵し
た長方形状箱体の上面を脱機構と回転式選別機
構との設置に利用すること、脱機構と回転式選
別機構との間の空間部を回転式選別機構に対する
動力伝達機構の設置に利用すること、及び前記動
力伝達機構を小型化できることの三者が相俟つ
て、籾摺選別装置の全体をコンパクトにして小型
化できるのである。

しかし、脱機構と回転式選別機構との間の空
間部には、籾摺り及び選別に際して発生する塵埃
が侵入すると共に、大気空気が殆ど流通しないの
で、当該空間部に前記のように動力伝達機構を設
置した場合には、この動力伝達機構には塵埃が付
着堆積すると共に、動力伝達機構に熱が篭つて、
その耐久性が低下することになる不具合がある。

これに対して本発明は、前記風選部への大気空
気の吸気口を、前記動力伝達機構の近傍に開口し
たもので、前記空間部に設置した動力伝達機構の
周辺には、風選部に向かう空気の流れが発生する
から、動力伝達機構を強制的に冷却できると共
に、動力伝達機構に塵埃が付着堆積するのを防止
できるのである。

従つて、本発明によると、回転式選別機構に対
する動力伝達機構を、脱機構と回転式選別機構
との間の空間部に設置することによつて、籾摺選
別装置の全体をコンパクトにして小型化する場合
において、前記空間部に動力伝達機構を設置する
ことで当該動力伝達機構の耐久性が低下するのを
確実に回避できる効果を有する。

〔実施例〕

次に本発明を、実施例の図面について説明する
と、第１図は籾摺選別装置全体の縦断正面図を示
し、この籾摺選別装置は、長方形状の箱体Ｄと、
該長方形状箱体Ｄの上面の右側に搭載した脱機
構Ａ、及び前記長方形状箱体Ｄの上面の左側に搭
載した回転式選別機構Ｃとによつて全体が構成さ
れている。

前記脱機構Ａは、籾供給タンク１と、２本一
対の軸８，９に嵌着した脱ロール２，２とから
なり、前記長方形状箱体Ｄ内には、前記脱機構
Ａの略真下の部位に脱後の混合米から籾殻を風
選するための風選部Ｂが内蔵されている。この風
選部Ｂには、前記長方形状箱体Ｄの右端に位置し
て長方形状箱体Ｄの左端に開口する吸気口５及び
前記脱機構Ａと回転式選別機構Ｃとの間の空間
部７に開口する吸気口４から大気空気を吸引する
ようにした吸引排塵フアン３を備えると共に、風
選後の混合米に対する混合米コンベヤ１０、二番
物コンベヤ１１及び玄米コンベヤ１３を備えてお
り、前記混合米コンベヤ１０には混合米スロワー
５１が、玄米コンベヤ１３には玄米スロワー５７
が各々連接されている。

前記脱機構Ａ及び風選部Ｂは、前記長方形状
箱体Ｄの左側内に設けたモータ６によつて駆動さ
れる。

すなわち、該モータ６の出力軸に嵌着したプー
リ１５と、前記混合米コンベヤ１０におけるプー
リ１６と、脱軸８に嵌着したプーリ１７との間
にベルト１４を巻掛けして、混合米コンベヤ１０
及び脱軸８をモータ６にて回転駆動する一方、
前記混合米コンベヤ１０における別のプーリ１
６′と、前記吸引排塵フアン３の軸１２における
プーリ２０、二番物コンベヤ１１におけるプーリ
１９と、玄米コンベヤ１３におけるプーリ２１と
の間にベルト１８を巻掛けして、吸引排塵フアン
３、二番物コンベヤ１１及び玄米コンベヤ１３を
混合米コンベヤ１０にて回転駆動するように構成
されている。

前記回転式選別機構Ｃは、脱風選された混合
米（玄米と籾との混合物）を、玄米と籾とに選別
するもので、箱状ケースC′内に上下二段に横設し
た一次選別筒体２２と二次選別筒体２３とを備
え、該両選別筒体２２，２３は、いずれも両端開
放型で、その内面には玄米が嵌まる程度の大きさ
のくぼみが多数個形成され、且つ、これら両選別
胴２２，２３は、その軸線が前記脱機構Ａにお
ける脱ロール２，２の軸線と直交し、箱体Ｄの
長手方向に延びるように横設されて、前記脱機
構Ａに近い側が排出側Ｙに、脱機構Ａより遠い
側が供給側Ｘに各々構成されている。この場合、
一次選別筒体２２は、前記箱状ケースC′内の左右
両側に回転自在に軸支された一対の回転軸３７，
３７に嵌着の複数個のローラ２４……の上面に回
転自在に載置され、また、二次選別筒体２３も同
様に、前記箱状ケースC′内の左右両側に回転自在
に軸支された一対の回転軸３９，３９に嵌着の複
数個のローラ２５……の上面に回転自在に載置さ
れている。

前記一次選別筒体２２内には、当該選別筒体の
軸線方向に延びる上面開放型の玄米受樋２８と、
移送樋２７とが、その両端を前記箱状ケースC′に
固着するようにして設けられ、前記移送樋２７内
には、当該移送樋２７の排出側Ｙの一端部内に前
記混合米スロワー５１からホツパー５２を介して
流入する混合米を、供給側Ｘに移送して一次選別
筒体２２内に供給するようにした螺旋コンベヤ２
６が設けられ、玄米受樋２８内には、当該玄米受
樋２８内に入る玄米を供給側Ｘに移送するように
した螺旋コンベヤ２９が設けられ、玄米受樋２８
における供給側Ｘの出口端はシユート５３，５４
を介して前記二次選別筒体２３における供給側Ｘ
内に連通しており、更に、一次選別筒体２２の排
出側Ｙは受け樋５８を介して前記脱機構Ａにお
ける籾供給ホツパー１に連通している。

また、前記二次選別筒体２３内には、当該選別
筒体の軸線方向に延びる上面開放型の玄米受樋３
２がその両端を前記箱状ケースC′に固着するよう
にして設けられ、該玄米受樋３２内には、当該玄
米受樋３２内に入る玄米を排出側Ｙに移送するよ
うにした螺旋コンベヤ３３が設けられ、玄米受樋
３２における排出側Ｙの出口端は通路５９を介し
て前記玄米コンベヤ１３に、二次選別筒体２３の
排出側Ｙは受けシユート６０を介して前記混合米
コンベヤ１０に各々連通している。

なお、一次選別筒体２２内における玄米受樋２
８及び二次選別筒体２３内における玄米受樋３２
には、これらに出来る丈玄米のみが入るように調
節するための回動式の調節仕切板５５，５６が設
けられている。

前記一次選別筒体２２における両回転軸３７、
二次選別筒体２３における両回転軸３９、及び両
玄米受樋２８，３２における螺旋コンベヤ２９，
３３の軸３０，３４とを供給側Ｘにおいて、これ
ら軸に嵌着のプーリ３６，３８，３１，３５に巻
掛けしたベルトｂにて互いに動力伝達するように
構成され、一次選別筒体２２の移送樋２７におけ
る螺旋コンベヤ２６には、玄米受樋２８における
螺旋コンベヤ２９の軸３０から歯車４０を介して
動力伝達するように構成されている。

そして、前記長方形状箱体Ｄの上面には、脱
機構Ａと回転式選別機構Ｃとの間の空間部７に互
いに噛合するウオーム４１とウオームホイール４
２とを内蔵した動力伝達機構ａを設け、該動力伝
達機構ａにおけるウオーム４１の軸４３に嵌着し
たプーリ４４と、前記脱機構Ａにおける脱軸
８に嵌着したプーリ４５とにベルト４６を巻掛け
する一方、前記回転式選別機構Ｃにおける螺旋コ
ンベヤ３３の軸３４における排出側Ｙの端部を脱
機構Ａ側に突出し、この軸３４の突出端に嵌着
したプーリ４９と、動力伝達機構ａにおける出力
軸４７に嵌着したプーリ４８との間にベルト５０
を巻掛けして、回転選別機構Ｃに動力伝達するよ
うに構成し、且つ、この動力伝達機構ａの近傍に
前記吸気口４を位置して成るものである。

しかして、作業時に籾供給ホツパー１に籾を供
給すると、脱機構Ａで脱された混合米は、混
合米に対する風選部Ｂにおいて、吸気口５，４か
ら吸引排塵フアン３に向かつて吸引される大気空
気の流れにより籾殻が除かれるのであり、この場
合、吸引排塵フアン３への大気空気の吸気口５，
４のうち、一方の吸気口４を、脱機構Ａと回転
式選別機構Ｃとの間の空間部７に設けた動力伝達
機構ａの近傍に開口したことにより、動力伝達機
構ａの周辺には、吸引排塵フアン３に向かう空気
の流れが発生するから、動力伝達機構ａを強制的
に冷却できると共に、動力伝達機構ａに塵埃が付
着堆積するのを防止できる。

このようにして籾殻が選別除去された混合米は
混合米コンベヤ１０に入り、混合米スロワー５１
の上端からホツパー５２及び移送樋２７を介して
一次選別筒体２２内の供給側Ｘに供給され、一次
選別筒体２２の回転により或る高さまで掻き上げ
られたのち底部に落下する流動を繰り返し、流動
層を形成しながら排出側Ｙに向かつて移送され
る。

この流動移送中において、混合米中の玄米は、
一次選別筒体２２の内面におけるくぼみに嵌まつ
た状態で比較的高い所まで持ち上げられたのちく
ぼみから落下することにより、玄米受樋２８内に
は主として玄米が入る。

そして、前記のように一次選別筒体２２内にお
いて玄米が玄米受樋２８に除かれた後の混合米
は、当該一次選別筒体２２の排出側Ｙに移送され
るにつれて籾の量が多くなり、排出側Ｙから矢印
イで示すように受け樋５８を介して脱機構Ａに
おける籾供給ホツパー１に送られて、再び脱作
用が行なわれる。一方、一次選別筒体２２におけ
る玄米受樋２８に入つた玄米は、シユート５３，
５４を介して二次選別筒体２３内の供給側Ｘに送
られて、ここで再度選別される。

すなわち、二次選別筒体２３内に供給された玄
米は、前記と同様に流動をしながら排出側Ｙに移
送される途次において、玄米のみが玄米受樋３２
に入るように選別されたのち、排出側Ｙから受け
シユート６０を介して混合米コンベヤ１０に流出
して、再度前記一次選別筒体２２に送られる循環
を繰り返す一方、玄米受樋３２に入つた玄米は、
通路５９を介して矢印ロで示すように玄米コンベ
ヤ９に入つたのち玄米スロワー５７にて機外に取
り出されるのである。

なお、前記実施例において、回転式選別機構Ｃ
に対する動力伝達機構ａを、動力の伝達を兼ねた
変速機構とすることもできる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示し、第１図は籾摺選
別装置全体の縦断正面図、第２図は第１図の―
視平断面図、第３図は第１図の―視側面図
である。 Ａ……脱機構、Ｃ……回転式選別機構、Ｂ…
…風選部、Ｄ……箱体、３……吸引排塵フアン、
４……吸気口、２２，２３……選別筒体、２８，
３２……玄米受樋、ａ……動力伝達機構。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 籾の脱機構と、内周面に多数個のくぼみを
   形成した横向きの回転選別筒体内に玄米受樋を備
   えた回転式選別機構とから成る籾摺選別装置にお
   いて、前記脱機構からの混合米を前記回転式選
   別機構に供給する以前において風選するようにし
   た風選部を長方形状の箱体内に設け、該長方形状
   箱体の上面に、前記脱機構と前記回転式選別機
   構とを並設する一方、前記脱機構と回転式選別
   機構との間に形成される空間部に、前記脱機構
   から回転式選別機構への動力伝達機構を設け、且
   つ、該動力伝達機構の近傍に前記風選部への大気
   空気の吸気口を開口したことを特徴とする籾摺選
   別装置。