JPS63213604A - アルミニウム合金部品の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、強度と耐摩耗性が共に要求されるアルミニ
ウム合金部品、例えば、荷重と摩擦を同時に受けるベー
ンポンプのロータやベーン、歯車ポンプの歯車ロータ、
スクリューフィーダのスクリュと云った部品の製造方法
に関する。

〔従来の技術とその問題点〕

周知の鋳造Ａｆ−３ｔ合金は、シリコン粒子が大きいの
で耐摩耗性はある程度良かったが、強度、靭性は低く、
加工性も悪い。また、急冷粉末Ａ１−Ｓｉ系合金は、急
冷効果により、優れた強度、靭性を示すが、シリコン粒
子が微細なため、耐摩耗性は必ずしも充分でない。

このように、耐摩耗性と強度・靭性が相反する関係にあ
るのは何もアルミニウム合金に限ったことではないが、
軽量化の面から強度と耐摩耗性の両特性に優れたアルミ
ニウム合金で作るのが望ましい部品は、首記したものの
ほかにも数多くある。

しかし、そのような材料が存在しないため、要求に応え
得ないのが実情である。

この発明は、かかる現状技術に鑑みてなされたもので、
耐摩耗性と強度・靭性とを両立させたアルミニウム合金
部品を実現することを目的としている。

Ｃ問題点を解決するための手段〕 上記の目的を達成するこの発明の方法は、第１図に示す
ように、シリコン粒子の平均粒径が２０μｍ以上５０μ
ｍ以下であるＡｊ−Ｓｉ系合金粉末を外筒部とし、シリ
コン粒子の平均粒径が１０８ｍ以下であるＡｌ−Ｓｉ系
合金粉末を芯部２とした粉末成形体３を熱間押出加工に
より固化成形し、表層部に耐摩耗層を創出することを特
徴とする。

かかる方法によれば、耐摩耗性の要求される部品の表層
部が外筒部１の材料で形成され、その表層部４（第２図
参照）は、マトリックス５中の粒径の大きなシリコン晶
６を含む組織となって優れた耐摩耗性を発揮する。

一方、芯部２の材料で形成される部品の内層部７はマト
リックス８中に平均粒径が１０μｍ以下の微細なシリコ
ン晶９を含み、優れた強度・靭性を発揮する。

また、表層部４と内層部７は、粉末熱間押出法の特徴で
ある強塑性加工によって成形と同時に強固に接合され、
このために、破損と摩耗の少ない耐久性の良い部品が得
られる。

ここで、外筒部１の材料のシリコン粒子径を特定したの
は、第５図から明らかなように、２０μｍ以下では耐摩
耗性が不足し、一方、５０μｍ以上では引張り強さが、
大きく低下することによる。

なお、外筒部１と芯部２に用いるＡｌ−Ｓｉ系合金は、
表層部と内層部の接合の信頼性等を考えると化学組成が
同一のものが望ましい、急冷Ａｌ−Ｓｉ合金であると、
外筒部材料中のシリコン粒径を、５００℃以上の非酸化
性雰囲気下で焼鈍して２０μｍ以上に成長させることが
できるので、原料粉末は同じものでよく、経済性にも優
れる。

さらに、第２図の表層部４は、薄いと摩滅しきるまでの
時間が短かくなり、逆に、厚すぎると強度・靭性が不足
する。従って、外筒部１と芯部２ｄ。

の径比の望ましい値は、第１図の□−０．９〜０．６ｄ
。

である。

〔実施例１〕 シリコン粒子の平均粒径が８ｐｍの空気アトマイズＡｌ
−２０３１−３Ｃｕ−０，５Ｍｇ合金粉末Ａと、この粉
末を５２０℃の高純度Ｎ家ガス雰囲気下で２０時間焼鈍
してシリコン粒子を平均粒径２５μｍに成長させた材料
Ｂとを用いて、Ｂ粉末による外筒部１の外径ｄ、■２２
０＋ｅ＋＊　、長さｊ−３００ｓ■、Ａ粉末に芯部２の
直径ｄヨー１８０ｓｔ鵬、密度７５％の静水圧成形体を
作成した。その後、そのプリフォームを４５０℃、押出
比２０：１で押出し、高さｌＯ■Ｘ巾１０鶴×長さ５０
鶴の棒状の試料を得た。

また、比較のため、ＡＳＢの両粉末をそれぞれ同一条件
で押出し、同一形状寸法の試料を得た。

そして、これ等の試料の特性評価を行った。その結果を
第１表に示す。

〔実施例２〕 先の粉末Ａに代えて、シリコン粒子の平均粒径が３５μ
ｍの空気アトマイズＡｌ−３０Ｓｉ合金粉末Ｃを、また
粉末Ｂに代えてシリコン粒子の平均粒径が６ｐｍの空気
アトマイズＡｊ！　　１７Ｓｉ−５Ｎｉ粉末りを用い、
他の条件は同じにして実施例１と同様の３種の試料を得
た。それ等の特性評価結果を第２表に示す。

〔実施例３〕 上の粉末Ｃ（外筒１用）及びＤ（芯部２用）を用いて、
外径ｄ　＋　＝２２０ｍ＋ｗ　、長さｌ　−３００ｍｍ
　、芯部直径ｄｚ　＝２０Ｏｎ＋ｍ　、密度７５％の静
水圧成形体を作成した。そして、プリフォームを熱間押
出し加工し、第４図に示すベーンポンプ用のロータ１０
と、第３図に示すベーン１１を得た。このロータとベー
ンは、内層部７の押出し方向端面を除く部分に硬質の表
層部４が存在する。

また、比較のため、粉末Ａのみを押出したロータとベー
ンも作成した。

これ等のロータとベーンを、組合せを代えて２００時間
の耐久テストに供した結果を第３表に示す。

表内の数値は摩耗量を表わしている。

〔効果〕

この発明は、以上説明したように、内側と外側でシリコ
ン粒子径の異なる複合粉末成形体を弾塑性加工して表層
部が耐摩耗性に、内層部が強度・靭性に優れ、しかもそ
れ等２つの層が強固に一体化したＡｊ−Ｓｉ合金部品を
得るようにしたものであるから、荷重と摩擦を同時に受
ける部品であっても、実用上不足のない信顛性と耐久性
を確保することができ、アルミニウム合金の使用範囲を
首記の部品は勿論、その他各方面の部品にも広げて各種
の機器装置の軽量化の促進に寄与することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は静水圧成形体を示す斜視図、第２図は部品の断
面を拡大して示す図、第３図及び第４図はこの発明の方
法で得られる部品の具体例を示す断面図、第５図はシリ
コン粒子の大きさと耐摩耗性、引張り強度の関係を示す
グラフ、第６図は焼鈍温度とシリコン粒子の成長径の関
係を示すグラフ、第７図は、芯部の直径及び体積変化を
外筒部との比率で示すグラフである。 １・・・・・・外筒部、２・・・・・・芯部、３・・・
・・・成形体、４・・・・・・部品の表層部、５・・・
・・・マトリックス、６・・・・・・シリコン晶、７・
・・・・・内層部、８・・・・・・マトリックス、９・
・・・・・シリコン晶、１０・・・・・・ベーンポンプ
用ロータ、１１・・・・・・ベーン。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. （１）シリコン粒子の平均粒径が２０μｍ以上５０μｍ
   以下であるＡｌ−Ｓｉ系合金粉末を外筒部とし、シリコ
   ン粒子の平均粒径が１０μｍ以下であるＡｌ−Ｓｉ系合
   金粉末を芯部とした粉末成形体を熱間押出加工により固
   化成形し、表層部に耐摩耗層を創出することを特徴とす
   るアルミニウム合金部品の製造方法。
2. （２）前記外筒部のＡｌ−Ｓｉ系合金粉末が、急冷Ａｌ
   −Ｓｉ系合金粉末を５００℃以上の非酸化性雰囲気中で
   焼鈍してシリコン粒子を２０〜５０μｍに成長させたも
   のであることを特徴とする特許請求の範囲第（１）項記
   載のアルミニウム合金部品の製造方法。
3. （３）前記粉末成形体の芯部直径を、外筒部外径の９０
   〜６０％に設定することを特徴とする特許請求の範囲第
   （１）項又は第（２）項記載のアルミニウム合金部品の
   製造方法。
4. （４）前記外筒部と芯部に用いるＡｌ−Ｓｉ合金は、化
   学組成が同一であることを特徴とする特許請求の範囲第
   （１）項乃至第（３）項のいずれかに記載のアルミニウ
   ム合金部品の製造方法。