JPS6321327Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、磁気選別機に係わり、特に粉粒体に
含まれる鉄分等の磁性体を分離除去することがで
きる磁気選別機に関するものである。

従来の技術 従来の磁気選別機を第３図の略示要部縦断面図
に示す。図中１は粉粒体に係わる高温の焼却灰、
鋳物砂等を導くケーシング１１の通路で、例えば
焼却炉では、焼却灰を取り出す排出口に接続す
る。２は通路１の内側に突出する突出部で、この
突出部２はその断面形状が略円弧状または略半円
形状であり、その材質は、ステンレス鋼等の非磁
性体で、耐摩耗性のあるものを使用する。３は円
筒形の磁気ドラムで、その円周面に磁力が生じる
ように、厚さ方向に磁化した複数個の永久磁石４
_１，４₂，…が配設される。そして、この磁気ドラ
ム３は、通路１の突出部２の近傍で、その通路１
の外部に若干の間隙５を設けて回転自在に設置さ
れるものである。この間隙５には外気が流入する
ので、磁気ドラム３の冷却作用を行う効果があ
る。

６は通路１の下部に仕切板７によつて分離して
設けた分離シユートで、磁気ドラム３より下方に
設置してある。８は通路１に垂下された耐熱性の
ある多数本の鎖状物で、通路１内を流下する粉粒
体が突出部２に沿つて通過するように規制するた
めのものである。

焼却炉等の前処理工程に連通した、通路１内を
流下する粉粒体は、突出部２の表面に沿つて流下
するようになる。この流下してきた粉粒体は、非
磁性体からなる突出部２のすぐ外側には磁気ドラ
ム３が回転しているので、その磁石４₁，４₂，
…，４₈の磁力が粉粒体に作用し、粉粒体中の非
磁性体はそのまま矢印Ａ方向に流下し、通路１ａ
に落下するが、粉粒体中の磁性体は磁石４₁，…
の磁力により突出部２に吸着され、磁気ドラム３
の回転に伴い、突出部２の表面を摺動しながら降
下するようになり、磁石４₁，…の磁力が作用し
なくなつた位置で分離シユート６に矢印Ｂの如く
落下するものである。

このようにして高温粉粒体中の磁性体物質は除
去されるものである。

なお、前記磁気ドラム３は、その円周面に永久
磁石４₁，４₂，…，４₈を設けた永久磁石式のも
のであるが、電磁石式のものでもよく、また、通
常の温度の粉粒体を処理する場合について述べた
が、通常の温度の粉粒体の処理に用いても、粉粒
体中の磁性体物質が除去されることは勿論であ
る。

考案が解決しようとする問題点 前述のように、粉粒体中の磁性体は磁石４の磁
力が作用しなくなつた位置で、分離シユート６に
矢印Ｂの如く落下するが、磁性体の形状が偏平な
ものは重力により落下しようとしても若干の漏洩
した磁力が作用して引き戻され、揺動して落下し
ないという問題点があつた。

本考案の目的は、粉粒体中の磁性体物質を完全
に分離シユートに落下させ、分離除去することが
できる磁気選別機を提供することにある。

問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するために本考案は、粉粒体
を導くケーシングの通路内に突出する非磁性体か
らなる略円弧状の突出部と、該突出部の下部に分
離シユートを設け、前記突出部の近傍でかつ通路
の外部に回転自在な磁気ドラムを設けた磁気選別
機において、前記突出部と分離シユートの間でか
つ前記突出部の磁気ドラムの近傍の通路側と反対
のケーシング上面に磁気ドラムからの距離が大に
なる程厚みを増加させた磁気遮蔽板を設けたもの
である。

作 用 磁気ドラムからの距離が大になる程厚みを増加
させた磁気遮蔽板を前記突出部と分離シユートの
間で、かつ前記突出部の磁気ドラム近傍の通路側
と反対側のケーシング上面に設けることにより、
磁力線を短絡させ、外部に漏洩しないようにす
る。

実施例 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図は、本考案の磁気選別機の略示要部縦断
面図、第２図は磁気遮蔽板の配設状態を示す縦断
面図である。

第１図および第２図において、第３図と同一部
分は同一の参照符号で示してある。

第１図および第２図に示すように、粉粒体を導
く通路１内の略円弧状の突出部２と、前記通路１
の下部に設けた分離シユート６の間で、かつ前記
突出部２の磁気ドラム３近傍の通路側と反対側の
ケーシング１１の上面に磁気遮蔽板９を溶接にて
固着する。ケーシング１１の材質は非磁性体（例
えばSUS304）である。磁気遮蔽板９の材質は磁
性体（例えばSS41）であり、長さの異なる数枚
（図では３枚）の板を第２図のように積層にし、
磁気ドラム３からの距離が大になる程（９ａから
９ｂにいくに従つて）厚みが増加するようにす
る。また、一体の板を削つて徐々に厚みを変化さ
せてよい。

上記構成によれば、永久磁石４₁から生じた磁
力線の殆どは磁気遮蔽板９の中を通つてとなりの
永久磁石４₂に流入するので、そこを通る磁性体
に作用する磁力は弱められる。しかも、磁気ドラ
ム３からの距離が大になる程磁気遮蔽板９の厚み
が大きくなつているので、磁気遮蔽板９の周端９
ｂでは磁性体に作用する磁力が極端に弱まり、磁
性体を確実に分離シユート内に落下せしめること
ができる。

なお、１０は補強板で、粉粒体中の磁性体がケ
ーシング１１の内面にあたりながら落下し磨耗す
るので設けたものであるが、場合によつては省略
してもよい。

考案の効果 以上の述べたように、本考案の磁気選別機は、
磁力線の漏洩を防ぐ磁気遮蔽板を備えているの
で、粉粒体中の磁性体の形状が偏平なものでも揺
動して分離シユートに落下しないということがな
くなり、完全に除去されるという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す磁気選別機の略
示要部縦断面図、第２図は磁気遮蔽板の配設状態
を示す縦断面図、第３図は従来の磁気選別機の略
示要部縦断面図である。 １……通路、２……突出部、３……磁気ドラ
ム、６……分離シユート、９……磁気遮蔽板、１
１……ケーシング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 粉粒体を導くケーシングの通路内に突出する非
   磁性体からなる略円弧状の突出部と該突出部の下
   部に分離シユートを設け、前記突出部の近傍でか
   つ通路の外部に回転自在な磁気ドラムを設けた磁
   気選別機において、前記突出部と分離シユートの
   間でかつ前記突出部の磁気ドラム近傍の通路側と
   反対側のケーシング上面に、磁気ドラムからの距
   離が大になる程厚みを増加させた磁気遮蔽板を設
   けたことを特徴とする磁気選別機。