JPS6321256Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、ミシン針を停止することなく、２
種類のラベルを被縫製生地に縫付けることのでき
るミシンの布押え装置に関するものである。

〔従来の技術〕

第１図は従来のミシンの布押え装置を示す斜視
図であり、図において、１は外押え、２はこの外
押え１に一体成形されたラベルハウジング部、３
はラベル押え板であつて、反転軸４を枢軸支持し
ている取付台５にネジ６で取付けられている。
又、上記外押え１前部には、ラベルガイド部１５
が切断加工されている。

次に動作について説明する。第２図に示すよう
に、被縫製生地７に、通常ラベル８を縫い重ね
て、他のラベル９（付加ラベル）を縫い合わせる
場合には、まずミシン針１０の上下縫製運動開始
前に、ミシンの縫製域に外押え１によつて、被縫
製生地７を押圧挟持する。この状態で、該外押え
１に一体成形され、かつ縫製されるラベル８を収
納するラベルハウジング部２内に、ラベル８を収
納し、しかる後に、反転軸４の下降作動が与えら
れる。これに伴つて該反転軸４を枢軸自在に支持
した取付台５にネジ６によつて取付けられている
ラベル押え板３が下降し、ラベル８を被縫製生地
７上に押圧挟持する。

次いで、ミシンの始動スイツチ（図示せず）を
ONとすれば、ミシン針１０が上下動を行ない、
ラベル８の縫付けが行なわれる。そして、ミシン
針１０がラベルガイド部１５に接近した時点でミ
シン針１０がラベルガイド部１５に接近た時点で
ミシン針１０の運動を停止させ、第３図の矢印ａ
で示すように、付加ラベル９を被縫製生地７とラ
ベル８との間に挿入して位置決めを行なう。この
後、ミシン針１０の運動を再開させ、付加ラベル
９をラベル８と共に被縫製生地７に縫付けること
により所望のラベル縫製が完結する。

なお、ラベル縫製の最終段階に於いては、ミシ
ン針１０が反転軸４との接触を避けるために第４
図に矢印ｂで示した如く反転し、最終の縫目を完
成するように図示しない制御装置で制御されてい
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

従来のミシンの布押え装置は以上のように構成
されているので、付加ラベル９の縫付けを行なう
場合には、ミシン針１０の運動を一旦停止させな
ければならず、縫製能率が低下するという問題点
があつた。

また、付加ラベル９の位置決めはラベルガイド
部１５によつて行なわれるが、確実な保持が行な
われているわけではないので、送り機構（図示せ
ず）により付加ラベル９がミシン針１０へ送られ
るまでにズレが発生してしまうという問題点もあ
つた。

この考案は上記のような問題点を解消するため
になされたもので、縫製能率の向上を図ることが
できるとともに、ズレを生じさせずに付加ラベル
の縫付けを行なうことができるミシンの布押え装
置を得ることを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案に係るミシンの布押え装置は、付加ラ
ベルの挿入を案内する挿入ガイド部を外押えの底
面部に設け、さらに、挿入ガイド部に挿入された
付加ラベルを所定位置に押圧保持するための板バ
ネをこの底面部に取付け、付加ラベルの押圧保持
がこの板バネによりなされた後に、ラベルハウジ
ング部に収納されたラベルをラベル押え板により
押圧するようにしたものである。

〔作用〕

この考案における板バネは、外押えの底面部で
付加ラベルを確実に押圧保持しているので、ミシ
ン針は停止することなく連続して縫付けを行なう
ことができ、また、付加ラベルにもズレが発生す
ることがない。

〔考案の実施例〕

以下、この考案の一実施例を図について説明す
る。第５図乃至第６図において、１は被縫製生地
を押える外押えであつて、前部底面には、付加ラ
ベル９の挿入ガイド部１２が形成されている。そ
して、この挿入ガイド部１２には、外押え１の孔
１ａに螺着したネジ１３により固定された板バネ
１４が取付けられ、挿入ガイド部１２と板バネ１
４との間に付加ラベル９を挿入支持可能となつて
いる。２はラベルハウジング部であり、上記外押
え１と一体成形されており、ラベル８の収納位置
決めが行なわれる。３は上記ラベルハウジング部
２内に収納されたラベル８を、ミシンの縫製中、
押圧するラベル押え板であつて、ラベル８の最終
縫目完結段階で、運針方向に反転する反転軸４の
一端を枢軸自在に支持した取付台５にネジ６で取
付けられている。

次に動作について説明する。まず、板バネ１４
をバネ力に抗してやゝ下方に押し下げ、第６図の
矢印イに示すよううに、付加ラベル９を挿入ガイ
ド部１２に挿入し、その後この付加ラベル９を板
バネ１４により押圧保持する。次いで、外押え１
により被縫製生地７を押圧し、第６図の矢印ロで
示すように、ラベル８をラベルハウジング部１２
に収納すれば付加ラベル９の上にラベル８が重な
つた状態となる。

続いて、押え駆動機構（図示せず）を作動させ
る事によつて、該押え駆動機構に連結されている
反転軸４に下降作動が与えられる。そして、上記
反転軸４の一端を枢軸自在に系合保持している取
付台５およびラベル押え板３も同時に下降作動
し、上記の如く位置決め保持されたラベル８及び
付加ラベル９の上面に落下する。したがつて、上
記被縫製生地７上面を該ラベル押え板３の底面が
押圧する事になり、上記ラベル８及び付加ラベル
９は、上記被縫製生地７の所望するラベル縫い付
け位置に押圧挟持され、ミシンの運針前の準備が
完了する。ここで、ミシンの始動スイツチがON
されれば、第７図ａに示すように、ミシン針１０
が矢印ｃの如く運針する様に、外押え１及びラベ
ル押え板３等で構成される押え装置全体が駆動制
御され、ラベル８の縫目が完結する最終段階で第
４図と同じ様に反転軸４の退避部１１が運針方向
に反転する。

したがつて、ミシン針１０は途中停止すること
なくラベル８及び付加ラベル９の縫付けを行うこ
とができるので、縫製能率が向上することにな
る。また、付加ラベル９は板バネ１４により確実
に保持されているので、縫製動作中にズレが生じ
ることがなく、第７図ｂに示すように正確な縫付
けを行なうことができる。

〔考案の効果〕

以上のように、この考案によれば、付加ラベル
の挿入を案内する挿入ガイド部を外押えの底面部
に設け、さらに、挿入ガイド部に挿入された付加
ラベルを所定位置に押圧保持するための板バネを
この底面部に取付け、付加ラベルの押圧保持がこ
の板バネによりなされた後に、ラベルハウジング
部に収納されたラベルをラベル押え板により押圧
するように構成したので、縫製能率の向上を図る
ことができるとともに、ズレを生じさせずに付加
ラベルの縫付けを行なうことができるという効果
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のミシンの布押え装置を示す斜視
図、第２図は第１図のミシンの布押え装置により
縫製された２種類のラベルを示す平面図、第３図
は第２図の２種類のラベルを示す分解斜視図、第
４図は第１図のミシンの布押え装置の動作を示す
斜視図、第５図はこの考案の一実施例によるミシ
ンの布押え装置を示す分解斜視図、第６図は第５
図のミシンの布押え装置に２種類のラベルを配置
する手順を説明するための斜視図、第７図ａは第
５図のミシンの布押え装置の動作を説明するため
の斜視図、第７図ｂは第５図のミシンの布押え装
置により縫製された２種類のラベルを示す平面図
である。 １は外押え、２はラベルハウジング部、３はラ
ベル押え板、７は被縫製生地、８はラベル、９は
付加ラベル、１２は挿入ガイド部、１４は板バネ
である。なお、図中、同一符号は同一又は相当部
分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 被縫製生地に縫付けられるラベルを収納するた
   めのラベルハウジング部が形成されると共に、該
   ラベルと同時に縫付けが行なわれる付加ラベルの
   挿入を案内する挿入ガイド部が底面部に設けら
   れ、上記被縫製生地の押圧を行なう外押えと、上
   記外押えの底面部に取付けられ、上記挿入ガイド
   部に挿入された付加ラベルを所定位置に押圧保持
   する板バネと、上記付加ラベルの押圧保持後に上
   記ラベルハウジング部に収納されたラベルを押圧
   するラベル押え板とを備えたミシンの布押え装
   置。