JPS6321042Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は例えば交通整理等に用いる携帯用の合
図灯に関する。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

この種の合図灯として、筒状をなした握り部に
透光性の外被チユーブを連設し、この外被チユー
ブ内に直管形のけい光ランプを挿通配置するとと
もに、握り部内にけい光ランプを始動点灯させる
ための高周波点灯回路および電源としての電池を
一体的に収容したものが本考案者らによつて開発
されている。

ところが、上記高周波点灯回路は小形軽量で点
灯効率も高い等の利点を有するものの、その高周
波変換回路を構成する回路素子、特に主電流が流
れる出力トランスや限流トランスの磁気コイルか
ら一般に電波として利用されている周波数に近い
放射ノイズが発生するので、電波障害を招来する
問題がある。

また上記構成によると、握り部内の限られた空
間内に高周波点灯回路と電池とが一体的に収容さ
れるので、電気配線を行うためのスペースが充分
に得られず、電気配線が煩雑となる難点がある。

〔考案の目的〕

本考案はこのような事情にもとづいやなされた
もので、高周波点灯回路から発生する放射ノイズ
をシールドすることができ、通信障害等の周囲機
器に対する悪影響が少なくなり、しかも握り部内
での配線構造も簡略化できる携帯用合図灯の提供
を目的とする。

〔考案の概要〕

すなわち、本考案は上記目的を達成するため、
握り部内に回路基板を設け、この回路基板の外被
チユーブとは反対側の面に高周波点灯回路の各種
回路素子を配置するとともに、これら各種回路素
子の周囲を覆う導電性の回路容器を被冠し、この
回路容器はその先端頂部と上記握り部の底面との
間で電池を挾持固定するとともに、この電池の端
子に接触されて電池と高周波点灯回路とを電気的
に接続する通電回路部を形成することを特徴とす
る。

〔考案の実施例〕

以下本考案の一実施例を、第１図ないし第５図
にもとづいて説明する。

図中１は合成樹脂製の握り部であり、一端が閉
塞されるとともに、他端が開口された円筒形状を
なしている。握り部１内には収納室２が形成され
ており、この収納室２に連なる握り部１の他端開
口周縁には、雄ねじ部３が突設されている。

また４は外被チユーブであり、この外被チユー
ブ４は一端が閉塞されるとともに他端が開口され
た長尺な中空円筒状をなし、例えばポリカーボネ
ート等の透光性を有する合成樹脂材料によつて形
成されている。外被チユーブ４の開口端部には、
中空円筒状のホルダ部材５が取着されており、こ
のホルダ部材５の外被チユーブ４とは反対側の内
周面には、上記雄ねじ部３がねじ込まれる雌ねじ
部６が形成されている。そして雌ねじ部６の終端
には周方向に連続する段部７が形成され、この段
部７の端面８に雄ねじ部３のねじ込み先端面９が
対面されるようになつている。したがつて、握り
部１と外被チユーブ４とは、雄ねじ部３を雌ねじ
部６にねじ込むことによつて相対的に着脱可能に
接続され、全体として１本の棒状をなしている。

なお、外被チユーブ４の内周面には、例えば赤
色の着色シート１０が被着されている。

一方、上記雄ねじ部３の先端面９と段部７の端
面８との間には、円板状をなした回路基板１１の
外周縁部が挾持固定されている。この回路基板１
１は握り部１内と外被チユーブ４内とを区画して
おり、この回路基板１１によつて区画された外被
チユーブ４内には、光源として耐振性に優れ、し
かも瞬時点灯が可能な直管形冷陰極けい光ランプ
１２が全長に亘つて挿通配置されている。このけ
い光ランプ１２は管形バルブ１３の両端部内に電
極１４，１４を有し、これら電極１４，１４は管
形バルブ１３の両端部に導出された棒状の口金１
５，１５に接続されている。そして口金１５，１
５には、例えばリン青銅板等の導電性材料からな
るソケツト金具１６，１７が着脱可能に嵌め込ま
れており、一方のソケツト金具１６は上記回路基
板１１の外被チユーブ４側の面の中央部に半田付
け等により直付けされている。また外被チユーブ
４の先端側に位置する他方のソケツト金具１７に
は、第５図に示したように例えばスパイラル状を
なしたサポートリング１８の一端が取付けられて
おり、このサポートリング１８の他端側は外被チ
ユーブ４の内周面に弾性的に接触されて、上記け
い光ランプ１２の他端側を外被チユーブ４に対し
同軸的に位置決め保持している。なお、けい光ラ
ンプ１２の管形バルブ１３内には、所定量の水銀
と不治性ガスが封入されているとともに、内面に
はけい光体が被着されている。

上記回路基板１１の握り部１側の面には、高周
波点灯回路１９の各種回路素子２０……、つまり
その高周波変換回路を構成する出力トランスや限
流トランスおよびその他抵抗、トランジスタ、コ
ンデンサ等が取付けられており、これら回路素子
２０……相互は回路基板１１の外被チユーブ４側
の面に設けた図示しないプリント配線によつて接
続されている。そして回路基板１１には、上記回
路素子２０……の周囲を覆い隠す有底円筒状の回
路容器２１が被冠されている。回路容器２１は例
えばアルミニウム等の電性材料によつて形成され
ており、上記回路基板１１上のプリント配線を通
じて高周波点灯回路１９のプラス側と電気的に接
続されているとともにその先端底面２１ａを収納
室２の底面側に向けた姿勢でこの収納室２内に収
納されている。

また収納室２内には、電源としての複数の乾電
池２２……が収納されており、これら乾電池２２
……は回路容器２１の先端底面２１ａと収納室２
の底面との間に直列状態で挾持されている。回路
容器２１の先端底面２１ａには、上記握り部１と
外被チユーブ４に連なるホルダー部材５とのねじ
込みに伴つて乾電池２２……のプラス端子２３に
接触する通電端子２４が取付けられており、した
がつてこの回路容器２１は、乾電池２２……のプ
ラス端子２３と高周波点灯回路１９のプラス側と
を電気的に接続する通電回路部２５としての機能
を兼ねている。上記乾電池２２……のマイナス端
子２６には、スイツチ２７およびスプリング２８
を介して帯状の通電金具２９が接続されており、
この通電金具２９は収納室２の内面に沿つて雄ね
じ部３側に導びかれるとともに、その先端部は外
向きに直角に屈曲されて雄ねじ部３の先端面９に
導出されている。この通電金具２９の導出先端部
３０が位置された先端面９と回路基板１１との間
には、リング状の給電端子３１が同軸的に介装さ
れており、この給電端子３１と上記回路容器２１
とは、回路基板１１上において互に絶縁されてい
る。この給電端子３１は上記握り部１と外被チユ
ーブ４に連なるホルダー部材５とのねじ込みに伴
つて回路基板１１のプリント配線に接触され、高
周波点灯回路１９のマイナス側との電気的な接続
がなされるとともに、その周面の一部が上記導出
先端部３０に対して接触するようになつている。
したがつて、高周波点灯回路１９と乾電池２２…
…とは、上記ねじ込みによつて接続状態となり、
高周波点灯回路１９は乾電池２２……の出力電圧
を高周波電圧に変換して出力するようになつてい
る。そしてこの高周波点灯回路１９の出力端に、
上記一方のソケツト金具１６が直接半田付けされ
ているとともに、他方のソケツト金具１７がリー
ド線３２を介して接続されている。

このような構成によれば、高周波点灯回路１９
の回路素子２０の周囲を、導電性の回路容器２１
により完全に覆つたので、回路動作中に限流トラ
ンスや出力トランスから発生する磁界を上記回路
容器２１の内側に遮蔽することができる。したが
つて、外方への放射ノイズの漏洩が低減され、電
波障害等の周囲機器に対する悪影響を少なく抑え
ることができる。

また回路容器２１は、磁界を遮蔽するばかりで
なく、乾電池２２……と高周波点灯回路１９とを
電気的に接続する通電回路部２５としての機能も
兼ねるので、握り部１内の限られたスペース内に
乾電池２２……と高周波点灯回路１９とを接続す
る格別な配線を引き回す必要もなく、握り部１内
での配線を簡略化することができる。さらに、上
記回路容器２１に乾電池２２……を機械的に固定
する機能を兼用させることがきる。

なお、上述した実施例では、光源としてけい光
ランプを用いたが電球等、他の光源を用いてもよ
い。

また上記実施例では高周波点灯回路１９と乾電
池２２……のマイナス端子２６に連なる通電金具
２９とを、別体の給電端子３１を介して接続した
が、例えば第６図に示したように回路容器２１の
回路基板１１側の周縁部に径方向外側に張り出す
フランジ部４１を形成し、このフランジ部４１を
通じて高周波点灯回路１９と通電金具２９とを接
続する一方、回路容器２１の先端底面２１ａと乾
電池２２……のプラス端子２３に連なる通電端子
２４との間には絶縁材４２を介装し、この通電端
子２４と高周波点灯回路１９のプラス側とをリー
ド線４３によつて接続しても良い。

さらに回路容器もアルミニウム製に限らず、例
えば回路容器全体を合成樹脂製とし、その内面又
は外面に導電性の被膜を被着したものであつても
良い。

〔考案の効果〕

以上詳述した本考案によれば、高周波点灯回路
を構成する各種回路素子の周囲を導電性の回路容
器で覆つたので、回路動作中に生じる磁界を回路
容器の内側に遮蔽することができ、このため外方
への放射ノイズの漏洩が低減され、電波障害等の
周囲機器に対する悪影響を少なく抑えることがで
きる。しかも回路容器は電池と高周波点灯回路と
を電気的に接続する通電回路部としての機能も兼
ねるので、部品点数の削減はもちろん、握り部内
の限られたスペース内に引き回す配線を減らすこ
とができ、握り部内での配線を簡略化できる利点
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第５図は本考案の一実施例を示
し、第１図は全体の斜視図、第２図は全体の断面
図、第３図は第２図中部を拡大して示す断面
図、第４図は分解斜視図、第５図は第２図中−
線に沿う断面図、第６図は本考案の他の実施例
を示す断面図である。 １……握り部、４……外被チユーブ、１１……
回路基板、１２……光源（冷陰極けい光ランプ）、
１９……高周波点灯回路、２０……回路素子、２
１……回路容器、２２……電池（乾電池）、２３，
２６……端子（プラス端子、マイナス端子）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 筒状をなした握り部と、この握り部に連設され
   た透光性を有する外被チユーブと、この外被チユ
   ーブ内に収容された光源と、上記握り部内に収容
   され、上記光源を点灯させるための高周波点灯回
   路および電源としての電池とを具備し、上記握り
   部に回路基板を設け、この回路基板の外被チユー
   ブとは反対側の面に上記高周波点灯回路の各種回
   路素子を配置するとともに、これら各種回路素子
   の周囲を覆う導電性の回路容器を被冠し、この回
   路容器はその先端頂部と上記握り部の底面との間
   で上記電池を挾持固定するとともに、この電池の
   端子に接触されて電池と高周波点灯回路とを電気
   的に接続する通電回路部を形成することを特徴と
   する携帯用合図灯。