JPS632095Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 加圧式葉状過機を使用するには、数多くの
葉を内蔵する加圧槽内に、先づ原水を充満し、更
に原水を圧力をもつて押込む。原水は葉の両面
に張られた布面を通過し、両布面が金網を挾
む空間を通つて、集合管内へ流入することにより
過される。過分離されたケーキは布表面に
層状に付着する。ケーキ層が厚くなるに従て過
能力が減ずるため、一定時間若しくは原水が一定
圧力に達したときは、過工程を終り逆洗工程に
切替えられる。

逆洗には水（又は空気）を集合管より２面の
布の間に送り加圧すれば、水は布を圧力をもつ
て外方に膨らせると同時に、原水とは逆方向に通
過し、布の目づまりを洗うと共に、布外面に
付着しているケーキの層を剥離させる。かくして
布は再び過能力を取戻し、過作業が継続さ
れる。

この逆洗工程に於て布が外方へ膨れることに
より、二つの欠点が生ずる。その第一は隣接する
葉の布も同時に膨らむので、その間に過ケ
ーキを挾み込み、ケーキの剥離を妨害し従つて
布の再生度を低下させ、ひいては過能力を低下
することである。

その第二は、布の膨れ方の曲率の問題であ
る。即ちその膨れの断面を円弧とみなし、その円
の半径が大きい程、同じ圧力であつても、その円
弧にかかる張力は大きくなる。このことは内圧容
器の計算式で判然としている。従つて逆洗時に
布が膨れて、布の外周の縫糸が切れたり、布
が破損したりすることが時々起り、過作業を混
乱させ、又は葉取替などの時間的損失を生じさ
せる。

本考案は上記二つの欠点解決に関するものであ
るが本考案によつてこれらを一つの手段で解決し
ている。即ち布面を十字形又は井字形に、若し
くは他の直線の組合わせた形状に区分し、その区
分線に沿つて布を、金網に線状材料をもつて縫
合し、固定したことである。

この固定によつて布は大きく膨らむことがで
きず、従つて隣接の布との間に過ケーキを挾
み込むことがなくなると同時に、区分線により分
割された面積の布の膨らみの曲率半径を小さく
して布の張力を減小させている。

布の張力を小さくする点のみから考えれば、
布を固定する区分線の数は縦横共になるべく多
く、且つ区切られた部分は正方形に近い方が、
布の膨らみの曲率半径を小さくするので、理論的
には望ましい。

次に図面について説明する。第１図は加圧式葉
状過機の側面断面図であつて、１は過槽で内
部圧力に耐える様に製作されている。過槽１の
内部には葉２が多数平行に並べられており、各
葉２の下部のニツプル３により集合管４に連結
されている。

第２図は従来品の葉２の正面図である。葉
２は葉枠７に金網６を張りその両面を布８で
覆つて構成され、枠７の下辺中央部に取付けられ
たニツプル３で、“Ｏ”リング５を介して前記集
合管４に挿入される。

第３図は第２図のＡ−Ａ線断面図であるが、従
来は以上のように布８が、単に金網６を覆つて
取付けられていたため、逆洗工程において逆洗水
が集合管４から葉２の下部のニツプル３を通つ
て、両面の布８が作る袋の中に充満すると、
布８は第３図に示す如く膨れ、隣接の膨れた布
８と接触する部分でケーキを挾み込んでしまうた
め、ケーキは剥離することなく、逆洗が終つても
付着したままとなり、過能力を低下させるとい
う前述の欠点があつた。

次に本考案による実施例を図面について説明す
る。第４図は葉２の正面図である。なお、従来
のものと同一の部品には同一の参照数字を付して
ある。本考案の葉２に於ては縦横各２本の区分
線１１を以つて、葉２の面を、ほぼ等面積で且
つ正方形に近い面積に９分割し、その区分線１１
に沿つて縫糸９にて布８を金網６に固定してい
る。なお、前記縫糸９の代りに細い針金を用いて
もよい。第５図は第４図のＢ−Ｂ線断面図、第６
図は区分線部の詳細図で、縫糸９によつて布８
が金網６に縫合されている状況を示す。１０は
布８と金網６との縫合部である縫目を覆つて設け
られたバンドで、このバンド１０は縫目からの
液の漏洩を防止するものである。前記バンド１０
は過機能を有する材料よりなり、例えば帯状の
布よりなるのが好ましく、両耳を布８に縫い
付けられている。

上記の如き構造の葉２を逆洗する場合は、
布８は第５図に示す如く、その膨れ方が小さいの
で、隣接の葉の布に接触することはなく、ケ
ーキは完全に剥離し落下する。布８の膨らみの
曲率半径も従来品に比し著しく小さいので、破損
することは極めて少くなる。

本考案による効果は、上述の如く、ケーキの剥
離がよくなり又布にかかる張力の減小によつ
て、布の破損及び縫糸の切断等の事故が少くな
り、従つて作業の混乱及び補修による時間的損失
が減少し、過機の能力を高めて経済性を向上さ
せることである。

【図面の簡単な説明】

第１図は加圧式葉状過機の側面断面図、第２
図は従来品の葉正面図、第３図は第２図のＡ−
Ａ線断面図、第４図は本考案の実施例に係る葉
正面図、第５図は第４図のＢ−Ｂ線断面図及び第
６図は縫合部分の詳細図である。 尚、図中６は金網、８は布、９は金網と布
縫合の縫糸、１０はバンド、１１は区分線を示
す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 葉枠に金網を張り、その両面を布で覆つ
   た葉において、前記布と金網とを線状材料
   をもつて、縦横夫々一本又は数本の区分線に沿
   つて縫合した加圧式葉状過機の補強葉。 (2) 前記線状材料を縫糸とした実用新案登録請求
   の範囲第１項記載の加圧式葉状過機の補強
   葉。 (3) 前記布と金網との縫合部を覆う様に、バン
   ドを布に縫付けて、縫合部からの液の漏洩
   を防止した実用新案登録請求の範囲第１項記載
   の加圧式葉状過機の補強葉。 (4) 前記バンドは過機能を有する材料よりなる
   実用新案登録請求の範囲第３項記載の加圧式葉
   状過機の補強葉。