JPS632086Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は内燃機関のオイルフイルタに関する。

従来、内燃機関のオイルフイルタは第１図に示
すように、ケース１に載置された円筒状のエレメ
ント２をセンタボルト３によつてケース１に取付
け、矢印に示すように図示しないオイルポンプか
らのオイルを入口通路４からエレメント２の外周
に導き、エレメント２を求心方向に通過させてダ
ストをろ過し、エレメント２内方に連通する出口
通路５を介して、図示しないシリンダブロツクに
導くようになつている。このエレメント２には、
経時的にろ過したダストが付着するので定期的に
交換する必要があり、その作業の当初において、
入口通路４に螺合するドレンプラグ６をゆるめ、
オイルフイルタ内のオイルを外部にその都度設け
たオイル受けに鎖線矢印のように排出している。
これは手間のかかることであり、またオイルがオ
イル受けから飛散して附近をよごす等作業性がよ
くない。更に、ドレンプラグ６を締め忘れて、運
転再開時にオイル吹出し等の可能性もある。

本考案は上記した不具合を解消するためのもの
で、オイルフイルタのセンタボルトに連動させた
ドレン通路によつて、オイルパンにオイルを回収
するようにして、エレメントの交換作業性を向上
し、オイルの飛散を防止する内燃機関のオイルフ
イルタを提供することを目的としている。

以下実施例を図面にもとづいて説明するが、第
２〜５図において、第１図と同一のもの、または
等価のものは、同一符号を付して説明する。

第２〜３図に示すように、入口通路４の下方に
はドレン通路７が設けられ、その連通部８には入
口通路４側から筒状弁１１が着座する弁座９が設
けられており、ドレン通路７は図示しないオイル
パンに連通するようになつている。

センタボルト３は、入口通路４を直角に貫通
し、その端部は前記連通部８に挿入されている。

そのセンタボルト３の端部内孔１０には、筒状
弁１１が密接摺動可能に挿入されており、その頂
部とセンタボルト３内孔１０底部との間に介設さ
れたスプリング１２によつて、前記弁座９に着座
するように付勢されている。

入口通路４がセンタボルト３を受け入れる部分
は、第４図ａに示すように、センタボルト３のま
わりにオイルが流れるような環状スペース４Ａを
形成している。

センタボルト３および筒状弁１１の外周には第
４図ｂに示すように、入口通路４を筒状弁１１の
内孔１３を介してドレン通路７に連通させる同心
状の一対の油孔１４および１５が穿設されてお
り、また筒状弁１１には第５図ａに示すように、
センタボルト３の直径方向に固設されたピン１６
を受け入れるようなスリツト１７が刻設されてい
る。

このピン１６およびスリツト１７と前記油孔１
４および１５との関係を第４〜５図にもとづいて
説明する。センタボルト３をケース１に締付けて
エレメント２をケース１に取付けた状態において
は、第５図ａに示すように、ピン１６はスリツト
１７の時計方向回転端部に当接しており、そのと
き油孔１４および１５は第４図ａに示すように、
その中心線が直交して筒状弁１１の内孔１３は入
口通路４に対し閉鎖されている。

次に、第５図ｂに示すように、センタボルト３
を筒状弁１１に対して反時計方向に90゜回動した
位置では、上述とは逆にピン１６はスリツト１７
の反時計方向端部に当接し、そのとき油孔１４お
よび１５は第４図ｂに示すように一致し、筒状弁
１１の内孔１３は入口通路４と連通状態になる。

このようにスリツト１７は、ピン１６を受け入
れ、ピン１６の回動を90゜に規制し、油孔１４お
よび１５を開閉するような形状に形成されてい
る。

次に作用について説明する。

エレメント２を交換するために、センタボルト
３を若干回動してゆるめても、筒状弁１１はスプ
リング１２によつて弁座９に圧着されており、摩
擦力によつて着座状態を保持するので、センタボ
ルト３のみが回動してピン１６が第５図ｂに示す
ように、スリツト１７の反時計方向端部に当接
し、油孔１４，１５は第４図ｂの状態になる。従
つて、ケース１上部および入口通路４内に溜つて
いるオイルは、矢印のように油孔１４，１５を介
し筒状弁１１内孔１３からドレン通路７を経てオ
イルパンに回収されるので、外部に飛散すること
はない。

更に、センタボルト３を回動して引き上げる
と、筒状弁１１はスプリング１２に下方に付勢さ
れ、スリツト１７の上辺でピン１６に係止された
状態でセンタボルト３とともに移動する。なお、
オイルフイルタ内に残留したオイルは、連通部８
からドレン通路７を経て排出される。

次に、エレメント２を交換しセンタボルト３を
ケース１に締込むと、先ず筒状弁１１の端部が弁
座９に着座し、引続きセンタボルト３を介してエ
レメント２を締付けると、筒状弁１１はスプリン
グ１２に付勢されて、弁座９に圧着され閉弁状態
を保持する。なお着座後はセンタボルト３のみが
回動し第５図ａに示すように、ピン１６がスリツ
ト１７の時計方向端部に当接し、油孔１４，１５
は第４図ａに示す位置となつて、入口通路４とド
レン通路７の連通は遮断され、オイルポンプから
のオイルは矢印に示すようにセンタボルト３のま
わりを流れる。このように、ドレン通路７はセン
タボルト３の締込みによつて自動的に閉鎖され
る。

以上説明したように本考案によれば、センタボ
ルト端部に設けた筒状弁を介して、センタボルト
のゆるめ、締付けによつて、オイルパンに連通す
るドレン通路を自動的に開閉するようにしたの
で、エレメントの交換作業性が向上し、またオイ
ルの飛散が防止される効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のオイルフイルタを示す側断面
図、第２図は本考案の一実施例を示す側断面図、
第３図は第２図の筒状弁附近を示す側断面図、第
４図は第３図の油孔の関係位置を示すもので、同
図ａは閉鎖時、同図ｂは開放時をそれぞれ示す第
３図のＡ−Ａ矢視断面図、第５図は第３図のピン
とスリツトの関係位置を示すもので、同図ａは油
孔の閉鎖時、同図ｂは開放時をそれぞれ示す第３
図のＢ−Ｂ矢視断面図である。 １……ケース、２……エレメント、３……セン
タボルト、４……入口通路、５……出口通路、６
……ドレンプラグ、７……ドレン通路、８……連
通部、９……弁座、１０……センタボルトの内
孔、１１……筒状弁、１２……スプリング、１３
……筒状弁の内孔、１４，１５……油孔、１６…
…ピン、１７……スリツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 入口通路と出口通路を備えたケースと、そのケ
   ースに載置されたエレメントと、そのエレメント
   を貫通してケースに螺合しエレメントをケースに
   固定するセンタボルトとを備え、入口通路からの
   オイルをエレメントでろ過し出口通路に導くよう
   にした内燃機関のオイルフイルタにおいて、入口
   通路の下方にドレン通路を形成し、この連通部に
   設けた弁座にセンタボルトの先端内孔に摺動自由
   に挿入した筒状弁を着座するように付勢し、セン
   タボルトと筒状弁とに対して、これらが相対的に
   回動したときに入口通路を筒状弁の内孔を介して
   ドレン通路に連通させる油孔と、前記相対的な回
   動を一定範囲で規制する手段を設けたことを特徴
   とする内燃機関のオイルフイルタ。