JPS6320187B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPS6320187B2
JPS6320187B2 JP59066211A JP6621184A JPS6320187B2 JP S6320187 B2 JPS6320187 B2 JP S6320187B2 JP 59066211 A JP59066211 A JP 59066211A JP 6621184 A JP6621184 A JP 6621184A JP S6320187 B2 JPS6320187 B2 JP S6320187B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
particles
workpiece
cathode
powder particles
powder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP59066211A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6041571A (ja
Inventor
Takashi Ide
Juzo Mori
Isao Konta
Naoya Igawa
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP59066211A priority Critical patent/JPS6041571A/ja
Publication of JPS6041571A publication Critical patent/JPS6041571A/ja
Publication of JPS6320187B2 publication Critical patent/JPS6320187B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
  • Photovoltaic Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、静電的手法を利用して高速に加速
した固体の微細粉末粒子を固体の被加工物表面に
衝突させ、粒子に強変形と被加工物材料に構造変
化を与えて粒子同士及び粒子と被加工物間に強固
な付着結合を生ぜしめて、直接連続した固体膜を
製造する薄膜製造方法に関するものである。
微小単位の物質に何らかの加速手段によつて運
動エネルギを与え、これを固体材料表面に衝突、
付着堆積させて膜を製造する従来の技術として、
たとえば原子的単位のイオンの衝突に基づくもの
としては、イオン化蒸着(プラズマ法、スパツタ
リング法)やイオンビーム蒸着、またより大きな
単位の固体物質を熱的に溶融化したものの衝突に
基づくものとして溶射技術がある。前者では、比
較的良質の膜材料が得られるものの、適正な膜形
成条件の設定が難しく、またその為に必要な雰囲
気ガスの制御等の周辺技術が複雑化して装置が大
規模となる傾向があり、更にその膜の成長速度が
襲いといつた欠点があつた。一方、後者では、空
気中で溶融化した高温物質を被加工物表面に吹き
つけて肉盛りするもので、形成された膜材料の品
質劣化あるいは被加工物質に生じる熱的変質が必
然的に避けられない欠点があつた。また、減圧容
器内で静電界により帯電させた絶縁性の塗料粉末
を被加工物表面上へ輸送し、加熱処理して膜形成
してなる静電粉体塗装は、従来よく知られた塗装
方法であるが、絶縁物である塗装用粉体を静電的
に帯電させ、印加した静電界により被加工物方向
へ輸送した後、静電引力によつて該被加工物表面
上に引き寄せて密に充填させ、そして熱処理を施
して前記塗装用粉体を溶融結合して被加工物表面
上に薄膜を形成するものであるが、被加工物表面
上に付着した塗装用粉体は単に静電引力によつて
堆積しているに過ぎず、連続した膜を形成するに
は熱処理が不可欠である。また、雰囲気の圧力は
ボイドの発生等の問題により、該塗装用粉体の蒸
気圧以下の高真空度にすることは不可能である
為、1〜100Torr程度に排気した減圧容器内で行
うのであるが、この圧力では電気的な絶縁耐力が
低下するので高電界を発生させることは困難であ
り、また粉体の帯電量が電界強度に比例して増加
する事実からすると、前述の低真空度で絶縁破壊
が生じない程度の電界強度では粉体の質量に対す
る帯電量の比を大きくすることができず、被加工
物と粒子との構造変化を伴う強固な結合が達成さ
れるに十分な高速に加速することができず、この
電界の作用は単に帯電した塗料粉末を被加工物表
面上へ均一に輸送するに止まり、該粉末は当然前
述の如く単に静電引力により付着したに過ぎない
ものであり、熱処理して膜形成したとしても塗装
の域を脱しないものである。
本発明に於ける被加工物表面への固体薄膜製造
方法では、静電的加速手段を用いて高速粒子を被
加工物表面に衝突結合させて、該粒子膜を成長さ
せる点では前述のイオン化蒸着やイオンビーム蒸
着と同様の方法原理と言え、また粒子として粉末
粒子を用いる点では前述の静電塗装と同様の方法
と言えるが、加速対象がイオンよりはるかに大き
なサイズの微細な導電性の固体物質(粉末粒子)
であり、しかも該粉末粒子を高電界により高速に
加速して固体物質同士の高速衝撃現象を膜形成に
利用し、比較的膜の成長速度が速く、後処理を施
すことなく直接連続した固体膜を形成することを
特徴とする。その為、膜の形成機構あるいは形成
された膜材料の性質及び膜の成長速度は従来の方
法とは全く異なり、前述のイオン化蒸着やイオン
ビーム蒸着と静電塗装の中間に位置するものであ
る。即ち、微細な固体物質による固体材料表面へ
の高速衝撃下には高パワー密度のエネルギ供給に
基づく高温・高圧力状態の発生があり、被衝撃物
質の結晶学的な構造変化あるいは異種物質間での
化学反応が期待できる。
第1図aは、本薄膜製造方法の基本原理を示
し、単一の粉末粒子が電界中で帯電並びに静電加
速されて高速を得、被加工物表面に衝突、付着結
合するに至る経過を表す。即ち、直流高電圧電源
5に接続された平板状電極15と15はそれぞれ
陽極及び陰極を構成し、これらの電極間には、極
間の距離dとその印加電圧に依存した強さの電界
Eが加わる。最初、陽極表面近傍に存在した電気
的に中性の粉末粒子17には、電界作用によつて
電子の電界放射あるいは電極表面との接触による
電導が発生し、粉末粒子17から陽極へ電子eの
移動が起こつて正極性の帯電量が付与される。
(同図中のA)。その結果、帯電した粉末粒子17
は、図の電界Eの方向に静電加速されて高速を
得、陰極表面に衝突する直前にその速度は最高速
度vとなる。(同図中のB)。高速の粉末粒子17
は、衝突時にその運動エネルギを瞬時に開放する
ので、衝撃塑性的に強変形を受けるとともに、陰
極表面に構造変化を与え陰極表面上に強固に結合
堆積する。(同図中のC)。
第1図bは、通常その表面力により擬集集団状
態にある実際的な微細粉末粒子が、高電界中に於
いて擬集集団状態から単一の微細粉末粒子へと分
離され、前記の帯電、静電加速挙動を経て被加工
物表面付近の構成原子及び既に結合した粉末粒子
と結合するのに十分に加速された単一の微細粉末
粒子が膜形成に関与するに至る経過を示す。即
ち、擬集状態の粒子集団が陽極表面近傍で前記の
帯電機構に基づいて帯電(同図中のD)する結
果、帯電電荷同士の反発力によつてより小さな粒
子集団に静電分散される。(同図中のE)。分離し
た粒子集団は正極性の帯電量を持つので、陰極方
向に静電加速されてその表面に衝突し、ここでさ
らに衝撃力による機械的分離を受ける(同図中の
F)。陽極表面に衝突した粒子は、比較的小さな
径の集団のもので高速を得たものについてはその
表面上に結合するが、結合するに足る運動エネル
ギを持たない比較的大きな径の集団のものは、陰
極表面に接触した状態で高電界の作用により該粒
子に電子が移動して負極性に再帯電し、そして陰
極との斥力により該陰極面から離脱し陽極方向に
静電加速される。このように、対向した平板状電
極15,15間では、電極間の電界方向への往復
運動の間に静電分散及び機械的分離が繰り返され
る結果、初期の擬集集団粒子はより小さな集団粒
子を経て個々の微細な単一粒子へと分離が進む。
また、擬集集団粒子が分離されると、電極間には
多数個の帯電粉末粒子に起因する空間電荷界が形
成されるので、個々の粉末粒子はその静電力によ
つて相互に反発される。その為、電極間中の粉末
粒子は、印加電界の方向に帯電、加速を繰り返し
て往復運動しながら、均一に電極周辺部へと拡散
運動する。
平板状電極間の静電加速によつて、粉末粒子が
得る速度は理論的に、 V=(2qVa/m)1/2=(6βε0E2d/γρ01/2 (ここで、q、m、γ及びρ0はそれぞれ粉末粒子
の帯電量、質量、半径及び密度、Va、E及びd
は電極間の印加電圧、印加電界強度及び距離、β
は電荷係数、ε0は真空誘電率)で与えられ、粒子
径が小なる粉末粒子ほど、また帯電量が多いほど
高速を得ることを示している。従つて、電極間で
の往復運動の間に静電分散、衝撃力による機械的
分離により擬集集団粒子の細分化が進み、従つて
より小さな径、質量の粒子集団又は単一微細粉末
粒子となり、結合するに足る高速度を得た微細粒
子が選択的に電極(被加工物)の表面に付着結合
し、その堆積によつて緻密構造の連続固体薄膜形
成が進行することになる。第4図は、平行平板電
極間の帯電、加速に基づく往復運動の間に、初期
の擬集集団粒子が略単一の微細な粉末粒子にまで
分離されることを実証した実験結果の一例であ
る。即ち、往復運動させずに電極間から引き出し
た帯電粉末粒子の平均的な比帯電量q/m(白ヌ
キ丸)が著しく低いのに対して、往復運動させた
場合のq/m(黒丸)は単一の粉末粒子(半径
0.012μm=120Åに相当する)の理論値に近い値
を示し、引き出した粒子の速度が略前記の理論速
度にほぼ達していることを示す。このように、体
積力(質量)に対する表面力の割合が大きいこと
による擬集性の強い微細な粉末粒子を静電加速の
理論に適つた高速にまでほぼ加速できるのは、平
板状電極を用い該電極間で擬集集団粒子を往復運
動させたことの効果であり、また本薄膜製造方法
の特徴でもある。更には、粉末粒子の空間電荷界
に起因した拡散運動によつてかなり広範囲の被加
工物表面状に略一様な薄膜を形成できる特徴があ
る。尚、第1図a,bでは、陰極面上に粒子の結
合堆積が進行するものとしているが、陽極面上で
も同様のことが起こる。しかし、陰極から陽極方
向に加速される負極性の帯電粒子では、表面の集
中効果によつて粒子からの電界電子放出に起因す
る帯電量の緩和が起こつて比帯電量が小さくなり
高速に加速されないか、若しくは帯電極性の逆転
が起こり易く、その為に減速されて陽極表面に衝
突できない粒子の割合が増大すると考えられて粉
末粒子の結合量は比較的少ない。従つて、陰極側
を被加工物とする方が、膜形成の効率面に於いて
有利である。
以下、本発明を一実施例につき図面を参照して
詳説する。
第2図は本実施例に使用される薄膜製造装置の
主要部を一例として示す。膜の原材料たる粉末粒
子を高電界中へ供給する為の粒子供給系Pは、適
当に粒子供給用の細孔を配した振動板8、この振
動板を粉末充填容器7にゆるく締結支持する為の
振動板押さえリング9と例えばゴム製Oリングの
ような弾性リング10、並びに振動板8を電磁振
動させる為に設置された鉄心6と円筒状電磁コイ
ル16からなる。この粒子供給系Pとその振動板
8に対向するように配置された被加工物4(平板
状)との間には、前者を陽極性とする直流高電圧
が高電圧電源5の接続によつて印加されており、
同図では前記振動板8と被加工物4とがそれぞれ
第1図に於ける陽極と陰極とに対応する電極構成
となる。膜の形成は、前記電磁コイル16によつ
て発生する交番磁界の作用で振動板8を電磁振動
させ、粒子供給系Pに充填されていた粉末粒子1
が該振動板8の細孔より電極間に供給されて、前
記の方法原理に従つて振動板8に対向した被加工
物4の表面上に進行して固体膜3を形成する。ま
た膜形成は、粒子の帯電量緩和防止、装置構成部
品間の絶縁耐力の向上、及び吸着ガスの除去、形
成される固体膜3への不純物の混入防止等の為、
真空ポンプ11によつて高真空域(10-4Torr以
下の高真空度)にまで排気された真空容器12中
で実施される。尚、同図に示した例では真空容器
12を陽極として使用しているが、別の平板状電
極15を該振動板8直下に挿入設置し、この陽極
と被加工物4(陰極)との間に粒子供給系Pから
粉末粒子1を供給してもよい。更には、前記の電
磁振動を利用する粒子供給方式以外の方法とし
て、粉末粒子1を静電的に予備帯電させ噴霧状化
させた粒子ビームを陽極と被加工物4との間に流
入させる方法もとり得る。
第3図は、本発明の方法を実施する他の装置の
例を示し、第2図と対応する部分には同一符号を
付して重複説明を省略する。この例に於いては、
第2図の例では被加工物4を陰極として兼用して
いたものを、図の如く第一の陰極となした平板状
電極面を有する中間電極14の下方位置に分離し
て第二の陰極として近接設置し、前述の方法原理
にて電極13及び14間で帯電、加速された粉末
粒子2の一部を陰極即ち電極14の中央部に設け
た孔より引き出し、高速の粉末粒子ビームとして
被加工物4の表面に照射して固体膜3の形成を実
施するものである。尚、該被加工物4が導体の場
合にはそのまま第二の陰極となし、また該被加工
物4が絶縁体の場合には第二の陰極の前記粉末粒
子ビームの照射面側に配するものである。前記第
2図の方法では粉末粒子の帯電と加速に導電性の
平板状電極15を必要とする為、被加工物4もそ
のような材料及び形状のものに限られるのに対
し、この方法によれば、粉末粒子の加速部と膜形
成部が分離される為に被加工物4の形状的制約は
解除される。即ち、例えば、その対象となる被加
工物4は、材質的には導体、半導体はもとより絶
縁体でもよいので膜形成の適用範囲が拡張され
る。更には、引き出された帯電加速粉末粒子2に
対して、静電集束、再加速といつた制御を施すこ
とも可能である。
本薄膜製造方法の実施の一例として、電極間の
印加電圧80kV、電極間距離5mm、真空度1×
10-4Torrの形成条件に於いて、平均粒子径
0.024μmのカーボンブラツク粒子を炭素工具鋼
(SK3)表面に衝突、付着結合させた場合、粒子
径に相当する程度の微視的領域の表面粗さをもつ
平滑で、かつ緻密な炭素膜が70Å/minの形成速
度で作成できることを確認した。本炭素膜は被加
工物表面に対する良好な密着性を持つので、従来
の炭素膜形成法である真空蒸着法、イオン化蒸着
法、イオンビーム蒸着法ではこれまでに報告例の
ない厚さ数μm程度の膜形成が可能であつた。こ
の従来法に対する優位性は、固体間の高速衝撃に
よつて、粒子と被加工物材料間及び粒子材料間に
強い結合が生じるために他ならない。尚、本炭素
膜の形成は、前記の実施条件以外でも進行する
が、印加電圧が80kV以上では、擬集状態の比較
的大きな径の粒子でも結合するに足る速度を得る
ことができるので、そのような大きな径の粒子の
膜内への取り込みが生じて形成された膜材料の構
造上の均質性を欠く場合がある。また、極度に低
い印加電圧では、結合するに不十分な速度となる
ので、膜形成が進行しないことは勿論である。
尚、実験的に被加工物表面に衝突する直前の粉末
粒子の速度が約300m/s以下では、単に被加工
物表面に粉末粒子が付着した状態になり、容易に
付着した粉末粒子が剥がれ落ちる。従つて、粉末
粒子を約300m/s以上の高速に加速することが
必要になり、前記の炭素膜を形成した条件は、こ
の最低速度条件を十分満たしている。
本薄膜製造方法に於いて作製された炭素膜の特
性について、これまで確認された主要な事項とそ
の用途を列記する。先ず、電気的特性に関する知
見並びにその用途に関しては、 (a) 室温下の電気抵抗率は、103〜105Ω・mと測
定され、原材料カーボン粒子のそれ(10-3Ω・
mオーダ)に比べて著しく抵抗の高い新しいア
モルフアス半導体薄膜材料を合成できた。
(b) 抵抗率の温度依存性は、ρc=Aexp(B/T)1
/4(ここでρcは抵抗率、A、Bは材料定数、T
は絶対温度)の関係式に極めてよく適合するこ
とが、測定温度範囲80〜420Kで確認された。
本炭素膜材料が薄膜ゆえに小さな熱容量である
こと、また炭素材料本来の性質として大きな熱
伝導率を持つことを考えると、温度変化に対す
る応答性と信頼性に優れた温度計測用サーミス
タ素子への適用が可能である。
(c) 抵抗率の電界依存性としては、高電界印加時
に抵抗率の値が著しく減じる非オーム性を示し
た。即ち、このとき電流の急増現象が起こるの
で、例えば大電流制御用のバリスタ素子への適
用が考えられる。
次に、機械的特性に関する知見とその用途につ
いては、 (d) マイクロビツカース試験に於ける本炭素膜の
硬さはHV=1100〜1900と評価され、原材料カ
ーボンのそれに比べて著しく高い値を示した。
また、滑り摩擦試験に於いて、膜材料同士の摩
擦係数は約0.1であつた。これは固体間摩擦と
してはかなり低い値に部類し、良好な摩擦特性
を有することがわかつた。更には、固体間摩擦
に於ける滑り摩耗及び硬質砥粒の引つ掻きに対
するアブレツシブ摩耗に対しても優れた耐摩耗
性を示すことが判明した。これらのことは、潤
滑性を有する硬質保護膜としての機械工業分野
への各種応用を示唆し、例えば、切削性能の向
上と長寿命化を目的とした切削工具への適用、
あるいは耐摩耗性の向上を目的として摺動部を
持つ各種機械部品への適用等が考えられる。
以上の実施例に於いては、本発明によつて形成
された膜の電気的、機械的特性が原材料のそれと
は著しく異なつたものに変化することを実証し
た。この特性の変化は、カーボンブラツク粒子の
高速衝撃に於いて局所的にダイヤモンド構造への
結晶構造変換が生じたことに起因すると考えても
よい。
このように本発明によれば、微細な粉末粒子を
膜形成材料として用いているので、被加工物表面
へ衝突結合させて該粉末粒子の粒径程度の表面粗
さを有する平滑な固体膜を形成することができ、
また擬集性の強い微細粉末粒子を用いているにも
かかわらず、電極間で往復運動させて静電分散及
び衝撃力による機械的分散させて単一粉末粒子と
なし、前記被加工物表面へ強固に付着結合をして
連続な固体膜を形成し得る程度の高速に加速する
ことができ、更に被加工物の材料と異なる材料粒
子との原子レベルでの結合又は化合を容易に実現
することができ、しかも材料粒子の持つ本来の性
質とは異なつた特異な性質を持つ膜材料の合成
が、比較的簡便な装置、技術を用いて実現でき
る。また、平行平板状電極を用いたことにより、
両電極間で一様な電界を発生されることができ、
前記粉末粒子を広い範囲に均一に分散させること
ができて、かなり広い面積の固体膜を形成するこ
とができる。尚、本発明は前記実施例にのみ限定
されるものではなく、原材料粉末粒子としては、
微細径のもので、且つ高電界中で導電性を示す材
質のものであれば使用可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の基本原理を示す説明図、第2
〜第3図は本発明で用いられる薄膜製造装置の断
面説明図、第4図は平行平板電極間で擬集集団粒
子が単一粉末粒子に分離されることを示した実験
結果の表である。 1…粉末粒子、2…帯電加速粉末粒子、3…固
体膜、4…被加工物、5…高電圧電源、6…鉄
心、7…粉末充填容器、8…振動板、9…振動板
押さえリング、10…弾性リング、11…真空ポ
ンプ、12…真空容器、13…電極、14…電
極、15…平板状電極、16…電磁コイル、17
…粉末粒子。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 高真空中に配した平行平板状電極間に高電圧
    を印加して高電界を発生させるとともに、該高電
    界中に導電性の微細粉末粒子を、陽極となし外部
    に配した電磁コイルの交番磁界により振動を与え
    た振動板の細孔から供給し、表面力により擬集状
    態にある該粉末粒子集団を、陽極近傍で電子の電
    界放射あるいは電極表面との接触による電子の移
    動により、正極性に帯電させて陰極方向へ静電加
    速し、陰極となし又は陰極付近に配した被加工物
    表面と結合するのに十分な高速に達しない低速粉
    末粒子を、該陰極との衝突接触により負極性に帯
    電させて陽極方向へ静電加速し、両電極間で往復
    運動する間に帯電した該擬集集団粒子を静電分散
    並びに該電極との衝突で機械的分離し、比帯電量
    の大きな高速の単一粉末粒子となし、前記被加工
    物表面に衝突結合させて、緻密構造の連続固体膜
    を形成することを特徴とする被加工物表面への固
    体薄膜製造方法。 2 前記電極として三つに分離した平板状電極を
    用い、陽極と第一の陰極となした中間電極の間で
    微細粉末粒子を静電的に帯電並びに加速し、高速
    に加速された単一粉末粒子を前記中間電極の一部
    を通過させて粉末粒子ビームとなし、第二の陰極
    となした被加工物表面又は該陰極と中間電極間に
    配した被加工物表面に固体膜を形成してなる特許
    請求の範囲第1項記載の被加工物表面への固体薄
    膜製造方法。
JP59066211A 1984-04-02 1984-04-02 被加工物表面への固体薄膜製造方法 Granted JPS6041571A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP59066211A JPS6041571A (ja) 1984-04-02 1984-04-02 被加工物表面への固体薄膜製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP59066211A JPS6041571A (ja) 1984-04-02 1984-04-02 被加工物表面への固体薄膜製造方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP56177561A Division JPS5933670B2 (ja) 1981-11-04 1981-11-04 被加工物表面への固体薄膜製造装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6041571A JPS6041571A (ja) 1985-03-05
JPS6320187B2 true JPS6320187B2 (ja) 1988-04-26

Family

ID=13309261

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP59066211A Granted JPS6041571A (ja) 1984-04-02 1984-04-02 被加工物表面への固体薄膜製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS6041571A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0333780U (ja) * 1989-08-07 1991-04-03

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2766755B2 (ja) * 1992-11-18 1998-06-18 勲 菅井 基体の被覆方法
KR100425600B1 (ko) * 1999-12-14 2004-04-03 주식회사 포스코 정전기력을 이용한 아연분말의 부분 유동 제어방법
JP5014756B2 (ja) * 2006-12-04 2012-08-29 多津男 庄司 微粒子のコーティング方法及び微粒子コーティングシステム
DE102007029142A1 (de) * 2007-06-25 2009-01-02 3D-Micromac Ag Schichtauftragsvorrichtung zum elektrostatischen Schichtauftrag eines pulverförmigen Werkstoffes sowie Vorrichtung und Verfahren zum Herstellen eines dreidimensionalen Objektes
JP5340824B2 (ja) * 2009-06-24 2013-11-13 多津男 庄司 微粒子コーティング装置及び微粒子コーティング方法
DE102010002259A1 (de) * 2010-02-23 2011-08-25 Robert Bosch GmbH, 70469 Verfahren und Vorrichtung zum Verbinden von Partikeln mit einem Substrat

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5225837A (en) * 1975-08-20 1977-02-26 Matsushita Electric Ind Co Ltd Process and an apparatus for powder coating
JPS52105945A (en) * 1976-03-02 1977-09-06 Ise Electronics Corp Method of coating fluorescent substance

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5225837A (en) * 1975-08-20 1977-02-26 Matsushita Electric Ind Co Ltd Process and an apparatus for powder coating
JPS52105945A (en) * 1976-03-02 1977-09-06 Ise Electronics Corp Method of coating fluorescent substance

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0333780U (ja) * 1989-08-07 1991-04-03

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6041571A (ja) 1985-03-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3348154B2 (ja) 複合構造物及びその作製方法並びに作製装置
JP2022172307A (ja) 全固体電池の製造方法
JPS6320187B2 (ja)
US5382801A (en) Method for producing minute particles and apparatus therefor
JP4201502B2 (ja) 静電チャックおよびその製造方法
US20100018184A1 (en) Nano-particle field extraction thruster
US11247225B2 (en) Solid particle source, treatment system and method
JP2008308750A (ja) 同軸型真空アーク蒸着源を用いた微粒子膜の製造方法及び製造装置
Cooper et al. Surface cleaning by electrostatic removal of particles
JP2935697B1 (ja) 基体の被覆方法
JPS5933670B2 (ja) 被加工物表面への固体薄膜製造装置
JP2766755B2 (ja) 基体の被覆方法
JP4565136B2 (ja) 静電チャック
Gotoh et al. High-efficiency removal of fine particles deposited on a solid surface
JP3120112B2 (ja) 微小物の精密配置法
JP2857743B2 (ja) 薄膜形成装置および薄膜形成方法
AU657257B2 (en) Producing electrosuspensions
Trottenberg et al. Feasibility of electrostatic microparticle propulsion
JP2600097B2 (ja) 部品の製造方法
JPH11172419A (ja) 薄膜形成装置及び薄膜形成方法
KR101503385B1 (ko) 정전분체를 이용한 도전성 분말 코팅 장치 및 그에 의한 코팅 방법
JPH09108948A (ja) 帯電粒子の電気泳動現象を利用した物体の加工方法
Kousal et al. Silver and Aluminium Nanocluster Films Prepared Using Simple Gas Aggregation Source
JP2021167459A (ja) 成膜装置
JP2002206179A (ja) 構造物およびその製造方法、構造物形成用粒子並びにその製造方法