JPS6319161Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はインクリボンにインクを補給すること
が可能な補給機構を有するプリンタ等に使用され
るインクリボンカセツトの機構に関する。

第１図はインクリボンカセツトをワイヤドツト
プリンタに適用した一例を示す。

図に示すようにプラテン１には印字媒体２がセ
ツトされる。この印字媒体２に対向してキヤリア
３がスペースモータ４により送りネジ５を介して
プラテン１の軸方向に沿つて左右に移動される。
又、印字ヘツド６はキヤリア３上に搭載され、こ
のキヤリア３にはインクリボンカセツト７が設け
られ、インクリボン８を印字部、即ち印字ヘツド
６と印字媒体間に供給している。印字ヘツド６に
は複数本の印字ワイヤが設けられ、この印字ワイ
ヤはマグネツト等の駆動手段によりプラテン方向
に移動され、インクリボン８、印字媒体２を介し
てプラテン１をインパクトする。そのときインク
リボン８のインクが印字媒体２に転写され、印字
ワイヤの径に応じたドツトを形成する。ドツトプ
リンタはこのドツトの集合により文字等を表現す
る。

さて、このようなインクリボンカセツトの寿命
はインクリボンに含浸されたインク量によつて規
制されていて。このためカセツト内にインク含浸
体を設け、インクリボンのインク量の減少に伴つ
てインク含浸体からインクリボンへインクを供給
することが提案されている。ところがこのインク
含浸体へのインクの補給は、インクリボンのイン
ク量が減少した時点で、その都度インク容器によ
りインクを含浸体に注入するようにしなければな
らないために、この方法ではその注入にある程度
の時間を要し、又注入に際してインクの飛散等に
よる汚れや、そのインク容器の保管等に手間がか
かるような問題がある。

本考案はかかる問題点を解決することを目的と
し、このことは本考案によればカセツト内にはイ
ンクリボンにインクを補給する補給機構が設けら
れ、該補給機構はインクを含浸する含浸体、この
含浸体の上面の一部に設けられた切欠きに収容さ
れたインクタンク、該インクタンクに対面する上
蓋の部分に設けられた針付ボタンよりなり、イン
クタンクは薄い袋状で補給用インクが貯蔵され、
針付ボタンの針は静止状態では上蓋の孔を介して
その先端がインクタンクの上面に対面し、針付ボ
タンの押下の際、針はインクタンクを貫通する如
く取付けられていることを特徴とするインクリボ
ンカセツトによつて解決される。

以下本考案の実施例としてのインクリボンカセ
ツトを説明するが、第２図はインクリボンカセツ
トの概略斜視図、第３図はインク補給機構の要部
平面図ａ、側面図ｂ及びその拡大された詳細断面
図ｃを示し、第４図ａ，ｂは針付ボタンの他の実
施形態を示す。

第２図において、９はカセツト本体（第１図の
７に対応）であり、それは上蓋９ａ、底板９ｂ、
及び側板９ｃよりなる。これらは樹脂モールド成
型され、底板９ｂと側板９ｃとは一体に、そして
上蓋９ａは別途に製作され、上蓋９ａは底板９
ｂ、側板９ｃに対して着脱自在に取付けられる。
更に、上蓋９ａの一端に示されたカセツトの部分
９ｄにはインク補給機構の部分が示されている。
８はインクリボンを示し、カセツト本体９に略密
封状に収納され移送される。その経路の一部でイ
ンクリボン８はカセツト本体９の外部に露出され
ており、ここで印字に供される。尚、この例では
インクリボン８はエンドレスとなつているが、必
ずしもエンドレスである必要はない。

１０ａはドライブローラであり図示しない駆動
源を介して矢印に示す一定方向に回転される。１
０ｂはピンチローラであり、板バネ１１によりイ
ンクリボン８を介してドライブローラ１０ａ方向
に圧接している。このピンチローラ１０ｂはドラ
イブローラ１０ａと共同してインクリボン８を矢
印方向に移送する。尚インクリボン８の露出した
部分が印字に供されることは前記したが、印字部
において、インクリボン８が弛まないように、イ
ンクリボン８にテンシヨンを与えるためのスプリ
ング（図示せず）がインクリボン８の経路に設け
られている。

１２はインク補給機構であり、カセツト本体の
部分９ｄに収納されている。このインク補給機構
１２の機能はインクリボン８に対するインクの補
給である。その機構は、インクを含浸する含浸体
１３を有しており、それは例えばフエルトよりな
つている。この含浸体１３の周囲（例えばその１
側面を１３ｂで示す。）は底板９ｂより伸びた図
示しない壁によつて両側面と後端面は囲まれてお
り、ドライブローラに面する側は開放され、含浸
体１３の先端突部が突出し、その先端はドライブ
ローラ１０ａの表面に接触している。

更に第３図ｂ，ｃに示すように含浸体１３の一
部には切欠き１３ａが設けられ、この切欠き１３
ａのフエルト中央には薄いビニール袋等よりな
り、液状インクの充填されたインクタンク１４が
設けられている。

更にカセツト本体９の上蓋９ａには、環状の突
起状ガイド９ｅと孔１５とが設けられている。こ
の孔１５は含浸体１３に設けられたインクタンク
１４と対向するように設けられ、且つその孔１５
の上部のガイド９ｅ中にはスポンジ１７が固着さ
れている。このスポンジには針付ボタン１６の針
が図示の如く貫通して実装されており、この場合
スポンジ１７は、インク漏れ防止と針付ボタン押
下の際のダンパーの機能を有す。今、インクリボ
ンカセツトの使用途中において、印字媒体上の印
字濃度が許容範囲以下になつた場合、カセツト本
体の上蓋９ａ上に実装された針付ボタン１６を第
３図ｃの位置より更に矢印方向に押し込むと、そ
の針付ボタン１６の針１８が第３図ｂの如くイン
クタンク１４の薄いビニール袋に圧入して貫通穴
をあけその先端が含浸体１３に図の如く当たつて
から、針付ボタン１６を抜いて元に戻す。これに
よつて、タンク中のインクが孔を通つて含浸体１
３に浸み出し、インクを補給する。インクタンク
１４には補給すべき規定量のインクが貯蔵されて
いるので含浸体１３へ、ワンタツチで規定量のイ
ンクを補給することができる。

切欠き１３ａのインクタンク１４より補給され
たインクは含浸体１３に徐々に浸透し、含浸体１
３よりドライブローラ１０ａの表面に転写され、
このドライブローラよりインクリボン８にインク
が順次補給される。これによつてインクリボンカ
セツトの寿命が長くなる。

又針付ボタンの他の実施例形態として、第４図
ａ，ｂに示すようにすることもできる。即ちイン
クタンク１４の薄いビニール袋からインクを十分
に含浸体に供給出来るようにタンクを第４図ｂの
１９に示す如く圧縮することが必要な場合には、
針１８に第４図ａのような環２０を設けることも
有利である。

尚薄いビニール袋等よりなるインクタンク１４
の形状は第３図ｂ，ｃ第４図ａに限定されること
なく、他の形状でもよい。

以上実施例により説明したように、本考案によ
るインクリボンカセツトによれば、インク補給機
構の含浸体に切欠きと、その切欠きにインクタン
クとを設け、且つ針付ボタンがカセツト本体に実
装されるので、そのボタンの針で一度にワンタツ
チでインクを補給することができ、従来のように
インク補給にある程度の時間を要したのが省け、
且つインク補給時の汚染が防げ、更にインクケー
スの保管が不要となる等の利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はワイヤドツトプリンタの概略構成図、
第２図は本考案のインクリボンカセツトの一実施
例の概略斜視図で、第３図ａはインク補給機構の
要部平面図、ｂは側面図、第３図ｃはその拡大詳
細図、第４図ａ，ｂは針付ボタンの他の実施形態
を示す。 図において、１……プラテン、２……印字媒
体、３……キヤリア、４……スペースモータ、５
……送りネジ、６……印字ヘツド、７……インク
リボンカセツト、８……インクリボン、９……カ
セツト本体（第１図の７に対応）、１０ａ……ド
ライブローラ、１０ｂ……ピンチローラ、１１…
…板バネ、１２……インク補給機構部分、１３…
…含浸体、１４……インクタンク、１５……孔、
１６……針付ボタン、１７……スポンジ、１８…
…針、２０……環、２１……インク補給孔を示
す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. インクリボンカセツト内には、インクリボンに
   インクを補給する補給機構が設けられ、該補給機
   構はインクを含浸する含浸体、この含浸体の上面
   の一部に設けられた切欠きに収容されたインクタ
   ンク、該インクタンクに対面する上蓋の部分に設
   けられた針付ボタンよりなり、インクタンクは薄
   い袋状で補給用インクが貯蔵され、針付ボタンの
   針は静止状態では上蓋の孔を介してその先端がイ
   ンクタンクの上面に対面し、針付ボタンの押下の
   際、針はインクタンクを貫通する如く取付けられ
   ていることを特徴とするインクリボンカセツト。