JPS63188389A - 薄膜コ−テイング培地培養法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、培地を用いる植物の培養育成の方法に関する
ものである。

〈従来の方法〉 従来の植物の茎頂培養、カルス培養、胚培養あるいは朽
培養など、植物の細胞、組織あるいは器官の小片（以下
、幼植物片と称する）を培養して植物を生育させる方法
として、培地としては主に寒天などを置床剤とした固定
培地が用いられ、これを試験管、シャーレあるいは三角
コルベンなどで固定培地として培養する方法がとられて
いる。

培地中には寒天の他にも幼植物片が一定の植物体までに
生育するのに必要な栄養分やホルモンなどが含まれる。

培養を続けて、植物細胞の分化や植物体の形成が進むに
応じて、培養植物は順次新たな培地に移されたりして、
順化の段階を経て、最終的に通常の植物栽培のための土
壌あるいは水耕栽培であれば水耕用培地に移植される。

培養後期の培地としてはロックウールなど多孔性のもの
が用いられることもあり、さらに、多孔質ウレタンなど
を支持材として、それに液体培地を供給する方法も一部
試みられている。

く本発明が解決しようとする問題点〉 上記したような従来の寒天などをもちいた固形培地培養
による培養法では、次のような問題がある。

くイ〉植物の生長にしたがって、寒天培地からは養分、
水分、溶存酸素などが吸収されてしまい、生長に必要な
培養成分が不足欠乏してくるが、これを補給することが
できない。また、固形培地では植物の生育に応じて培地
の培養液の構成を順次変えることができない。

〈口〉一方、植物体が生長により出す外毒素などの生長
阻害物質が培地に蓄積され、植物の生長が阻害される。

これを取り除く方法としては活性炭などによる中和など
があるが、これにより培地成分の希釈や吸着が起こり、
有効培地濃度が低下することとなる。

〈ハ〉こうした問題点に対する対策として、幼植物片の
培養から植物を生長させて通常の土壌や水耕培地へ最終
移植するまでに、途中段階で成分等を変えた新培地へ順
次移植する方法もとられている。しかし、この方法では
手間が多く、植物の生長を一時阻害するようないわゆる
移植ストレスの問題が生じる。

〈二〉植物が一定生長した後にこれを無菌状態から通常
環境に移植する際には、根に付着している寒天を完全に
洗浄除去しなければならない。すなわち、この除去が不
完全であると寒天に含まれる糖分によって微生物の汚染
増殖が起き、これにより、著しい植物の生長阻害あるい
は死滅のおそれがある。

なお、寒天培地の代わりに多孔質支持体を培地とて用い
る試みもあるが、幼植物片が培地にうまく密着せず、着
床が不充分である。

〈本発明の目的〉 本発明は以上のような従来の植物培養法の問題点を解決
しようとするもので、従来の寒天などを用いる固形培地
培養法とは全く異なる植物培養育成法を提供することを
目的とする。

〈問題点を解決するための手段〉 本発明は寒天などのゲル状培地の有する幼植物片との密
着性に着目し、かつその固定培地とじての欠点を補って
流動的な培養成分の供給交換システムを作出したことに
より、なされたものである。

く本発明の構成〉 以下、図を参照して本発明について説明する。

くイ〉薄膜コーティング培地 本発明の培地は第１図に示すように再流動培地１とその
上をコートする薄膜コーティング２とからなる。さらに
、必要に応じて付属設備として培養液の散布のための装
置３が含まれる。

（１）再流動培地 本発明に使用できる再流動培地１の支持体の材料は、培
養成分の流動が可能な多孔性または繊維状のもので、滅
菌処理に耐え得るもので、植物の生育中に腐食や崩壊が
起きないものであれば広範囲のものが用いられる。

例えば、綿、プラスティックの発泡材、セラミック系フ
ァイバーボード、ロックウールなどが用いられる。厚さ
は生育植物の種類などによって−４＝ 任意である。

この再流動培地１は培養液の供給口４および排出口５を
有し、養分、水分、および酸素などを植物の生育に応じ
て供給および排出する。調整はコンピュータ制御などで
も行われる。

（２）薄膜コーティング 本発明に用いる薄膜コーティング２の材料は滅菌処理に
耐え、幼植物片の置床と埋め込みのための密着性に優れ
、薄膜が形成されるもので、好ましくは支持体との接着
が容易で加工性のよいものが用いられる。

例えば、寒天、アガロース、カラギーナン等のゲル化剤
およびろ紙等のフィルム状のものなどがある。

なお、薄膜コーティング２には主要成分としての培養成
分は含まないが、初期培養時に所定の成分が入っていた
ほうが良い場合にはそれを加える。

（３）薄膜コーティングと再流動培地支持体の接着 コーティング材料が上記したようなゲル剤である場合に
は支持体と接着性があるので自然接着がされ、特別な接
着工程を必要としない。ろ紙などのフィルム状の材料を
用いた場合にのみ、支持体となじむように上記のゲル剤
などを充填して接着を行う。

（４）培地の滅菌 本発明の薄膜コーティング培地は、無菌環境下で用いる
ものであるから、使用に先立って滅菌を行う。滅菌方法
としては高圧滅菌やガス滅菌など、培地のコーティング
剤や支持材の性質により適宜、選択される。

〈口〉幼植物片の着床および培養 幼植物片は成長点細胞や茎頂細胞のカルス、不定胚、不
定芽、豹、胚など従来の方法で寒天培養あるいは液体振
とう培養などで得たものを用いる。

幼植物片をクリーンルームあるいはクリーンチャンバー
などの無菌環境下に導入し、そこて滅菌した上記の薄膜
コーティング培地に播種する。

これを無菌環境下で温度、湿度、照度その他の培養条件
を調節し、培養する。このとき、植物の生育に応じて培
地の培養液の構成を順次変えたり、光および酸素やその
他のガスを必要に応じ供給する。

培養は植物体を別の培地に移植することなく、植物が通
常栽培地に移植できるほどに生長するまで同一の薄膜コ
ーティング培地上で続けられる。

すなわち、順化もこの培地で行うことが可能である。

なお、培養液の供給は再流動培地１からのものに耕＃≠
加えて、第１図に示すような培養液の散布を行うための
装置３を補助的に用いることも可能である。

くハ〉生長植物体の移植 生長した植物は取り出して通常環境下の土壌にあるいは
水耕栽培地に移植する。水耕栽培の場合には、生長植物
は薄膜コーティング培地ごとそのまま水耕栽培地に移し
て用いることができる。

薄膜コーティング培地上での順化培養により移植時の培
地の糖分は充分に低くなっているが、必要であれば移植
に先立って、流動培地に清浄水を還流して排水する。こ
れにより、移植後の通常環境下での微生物の汚染増殖を
十分に抑えられる。

く本発明の効果〉 くイ〉培地表面には寒天など幼植物片との密着性を有す
るゲルを薄膜コーティングするので、幼植物片の置床お
よび埋め込みが容易である。

く口〉薄膜コーティング下は有孔性の支持体または繊維
状の支持体で培養液が流動できる構成になっているので
、植物の生長に合わせた培養液や溶存酸素の供給や交換
が植物を移植することなく、タイムリーに行われる。

したがって、植物の順化培養までも行うことが可能であ
る。

〈ハ〉さらに、再流動培地システムによると、植物の生
育によって生じる生長の抑制や阻害物質を除去あるいは
希釈することも容易である。

〈二〉上記のように植物培養中に移植を必要としないの
で移植の手間および植物への移植ストレスの問題が解決
できる。

くホ〉従来の方法では、植物体の通常栽培地への移植時
には、移植後の微生物の汚染増殖を防ぐために高糖含量
の付着培地の洗浄が必須である。ところが本発明の方法
では、植物体の移植時には培地は糖含量の少ないものに
なっており、洗浄は不要か、必要でも除去洗浄は無糖培
養液の散布あるいは再流動培地への清浄水速流という簡
便な工程で行い得る。

また、通常栽培を水耕栽培で行う場合には培地ごとの移
植が可能である。

〈へ〉このように本発明の方法によると、幼植物片の置
床および培養から植物体の生長培養または順化培養まで
が単一の培地システムによって行われ、さらに生長時に
至っては煩雑な培地の除去洗浄の必要もな（通常栽培土
壌への移植が行われ、水耕栽培では培地ごとそのままで
移植栽培ができるという、−貫した効率の高い植物培養
および栽培が期待できる。

【図面の簡単な説明】

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 植物培養育成において、培地の表面を薄膜でコーティン
   グし、その下を培養液が流動できるような支持体で構成
   し、培養液の供給排出ができるようにした薄膜コーティ
   ング培地を用いて植物の培養育成を行う薄膜コーティン
   グ培地培養法。