JPS6318640Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、灯油、ガソリンその他の液体を収容
せる液体収容タンクに関するものである。

従来、斯かる液体収容タンク内の灯油等の液体
をストーブのオイルタンク等の被供給容器内に供
給する際には、主として吸上げポンプを用いてい
た。しかし、この吸上げポンプは、大気圧を利用
して液体収容タンク内の液体を他の容器内に移入
せしめるものであるから、単位時間内における液
体の供給がほぼ一定で、その供給に比較的時間が
かかり、能率的ではないとともに、自動的に連続
して供給が行われるため、容器内に所望量の供給
がなされたか否かを一々監視していなければなら
ないという使用上の不便があつた。

本考案は、斯かる点に鑑み、液体を収容せる大
型タンク内に、大型タンクと開閉弁を介して接続
する小型タンクを配置し、この小型タンクに内部
の液体を圧縮空気を利用して押圧するエアポンプ
とその液体を外部に放出する放出パイプとを設け
ることにより、エアポンプの操作により大気圧に
関係なく加えた圧力に応じて放出パイプよりの液
体の供給を行い得るようになして、前記従来の吸
上げポンプによる液体供給における難点を解消す
ることができる供給装置付き液体収容タンクを提
供することを目的とする。

別紙図面について、本考案実施の一例を説明す
る。１は内部に灯油等の液体を収容する大型タン
クで、上部外面に外部に向つて開口する嵌合孔２
が設けられている。また、この大型タンク１の上
部外面には、把手３、空気孔４、液体送入孔５が
設けられており、側面外部には内部の液体の収容
量を示すためのゲージ６が設けられている。７
は、上側筐体と下側筐体よりなる小型タンクで、
その下側筐体の外周面を前記大型タンクの嵌合孔
２内に密接に嵌合せしめて、その底面が大型タン
ク１の底面に対して微間隙を配するよう大型タン
ク１内に配置される。小型タンク７の下側筐体の
底面には、小孔８が穿設されており、この小孔８
の上面には開閉弁９が設けられている。したがつ
て、大型タンク１内の液体はこの小孔８、開閉弁
９を介して小型タンク７内に導入される。小型タ
ンク７は、その下側筐体が嵌合孔２内周面に密接
に嵌合しているが、ある程度回動することは可能
となつており、その嵌合部の上部外周面にはそれ
に沿つて断面鉤形の鍔部１０が突出形成されてい
て、この鍔部１０は嵌合孔２の上縁に載置され、
その鉤形断面により嵌合孔２を外部に対して閉塞
する状態となつている。小型タンク７の上部に
は、小型タンク７内に圧縮空気を送入するエアポ
ンプ１１が設けられている。エアポンプ１１は、
小型タンク７の下側筐体上部に蝶番を介して開閉
可能に取り付けられた筐体１２の内部にベローズ
１３を備えており、ベローズ１３の上面には、ベ
ローズ１３内と接続する空気導入孔１４を有する
操作円筒１５が固定されていて、この操作円筒１
５は筐体１２上面に設けられた嵌合孔内に上下方
向に摺動可能に嵌合されており、空気導入孔１４
には開閉弁１６が取り付けられている。筐体１２
の下面には、ベローズ１３内と接続する接続孔１
７が設けられており、接続孔１７は、小型タンク
内に配置された座板１８の中央部に設けられてい
る接続孔１９に当接し、この接続孔１９を介して
小型タンク７内と接続している。座板１８には、
液体放出パイプ２０が取り付けられており、液体
放出パイプ２０の一端部は座板１８より小型タン
ク７内に導入されており、他端部は小型タンク７
の側壁より外部に向つて延出されている。液体放
出パイプ２０の外部に向つて延出された部分は、
大型タンク１の把手３に設けられた嵌合溝２１内
に嵌合されるようになつており、またその先端部
は大型タンク１の空気孔４内に密接に嵌合し得る
ようになつていて、不使用時にはこの空気孔４を
閉塞する栓となすことができる。

しかして、上記実施例に係る供給装置付き液体
収容タンクの作用について説明する。大型タンク
１内に灯油等の液体を液体送入孔５より収容した
場合、その灯油等の液体は、小型タンクの底面に
設けられた弁９がその液体の圧力によつて開くこ
とにより、小孔８を通つて小型タンク７内に大型
タンク１と同一液位まで導入されている。このタ
ンク内に収容された灯油等の液体をストーブのオ
イルタンク等に供給する場合には、液体放出パイ
プ２０の先端部を空気孔４より抜き、また、液体
放出パイプ２０の外部延出部を把手３の嵌合溝２
１より外してその先端部をストーブのオイルタン
ク等の被供給容器内に挿入し、操作円筒１５を下
方に適宜数回繰り返して押圧する。すると、ベロ
ーズ１３が圧縮されてその内部に収容されていた
空気が押圧され、その一部は開閉弁１６を閉じる
とともに、大部分は接続孔１７，１９を通つて小
型タンク７内に進入し、小型タンク７内の空気お
よび灯油等の液体を押圧する。小型タンク７内の
灯油等の液体はその空気による押圧力によつて液
体放出パイプ２０より外部に導出され、オイルタ
ンク等の被供給容器内に供給される。開閉弁１６
は、操作円筒１５の断続的な下方への押圧動作に
伴つてベローズ１３が復元する際に空気導入孔１
４を介して大気圧により開き、空気導入孔１４よ
り、放出された灯油等の液体の容積に応じて空気
がベローズ１３内に導入される。また、小型タン
ク７内の灯油等の液体供給操作が終了すると、そ
れ迄閉じていた開閉弁９が大型タンク１内に収容
されている液体の圧力によつて押し上げられて開
き、小型タンク７内に大型タンク１内の残留液体
と同一液位まで灯油等の液体の補充がなされて、
開閉弁９は閉じる。なお、小型タンク７は嵌合孔
２の内周面に沿つて回動することができるので、
ストーブのオイルタンク等の給油口が小型タンク
７側にある場合には、液体収容タンクの向きを
一々変えなくても、第８図示の如く小型タンク７
を回動させることによつて液体放出パイプ２０の
先端部を給油口内に挿入することができる。

なお、上記実施例においては、大型タンク１内
の液体を小型タンク７に導入する開閉弁９および
小孔８を小型タンク７の底面に設けるものを示し
たが、これに限らず、これらを小型タンク７の側
壁下方部で可及的に底面に近い部分に設けてもさ
しつかえない。また、液体放出パイプ２０の外部
延出部は大型タンク１の把手３に設けた嵌合溝２
１内に嵌合し、かつ、その先端部を大型タンク１
の空気孔４内に密接に嵌合してその栓の役目も果
たすようになしたものを示したが必ずしもこれに
限定する必要はない。ただ、このようになした場
合には、不使用時における液体放出パイプ２０の
収納を整然となすことができ、先端部より灯油等
の液体が滴下して周辺部を汚損する等の不都合が
防止できる点で便利であり、また、空気孔４に対
する栓が不要となることおよび不使用時に操作円
筒１５を誤つて押す或いは何らかの圧力によつて
操作円筒１５が押圧された場合に、灯油等の液体
が外部に放出されるおそれがない点で好適であ
る。

本考案は、叙上のように、外面に嵌合孔を有す
る大型タンク内に、下側筐体上部に上側筐体を開
閉可能に取り付け上側筐体内に圧縮空気を送入す
るエアポンプを設けるとともに下側筐体内に大型
タンク内の液体を導入する弁を設けた小型タンク
を、前記嵌合孔内に回動可能かつ密接に嵌合せし
めて小型タンクの底面と大型タンクの底面とが微
間隙を配するように配置し、小型タンク内より外
部に向つて液体放出パイプを設けて供給装置付き
液体収容タンクを形成したので、次の効果を有す
る。

即ち、従来のように吸上げポンプを用いて収容
タンク内の灯油等の液体をストーブのオイルタン
ク内等に供給する場合には、大気圧を利用するも
のであるため、単位時間内における液体の供給が
ほぼ一定でその供給に比較的時間がかかり能率的
でないとともに、自動的に連続して供給が行われ
るため、容器内に所望量の供給がなされたか否か
を一々監視していなければならないという不便が
あつた。

しかるに、本考案においては、液体の供給に吸
上げポンプを用いるものではなく、エアポンプを
操作して圧縮空気をタンク内に送入し、その圧力
によつて直接タンク内の液体を外部に供給するも
のであるから、エアポンプの押圧力に比例した量
の液体の供給をなすことができ、したがつて、吸
上げポンプを用いた場合に比して単位時間内にお
ける液体の供給量を増大することができ、液体供
給作業の能率を向上せしめることができる。ま
た、吸上げポンプの場合のように液体の供給は自
動的に連続して行われず、エアポンプの押圧操作
を停止することに伴つて液体の供給も停止される
ものであるから、所望量の液体の供給が行われる
までその場を離れずに一々監視していなければな
らない必要はない。そして、灯油等の液体を収容
せる大容量の大型タンク内より直接に圧縮空気の
圧力を介して灯油等の液体を外部に放出すること
は比較的困難であるが、本考案においては、大型
タンク内に小型タンクを配置してその小容量の小
型タンク内の灯油等の液体を圧縮空気の圧力を介
して外部に放出するようになしたので、その液体
の外部放出を円滑かつ確実に行うことができる。
さらに、灯油等の液体を外部に放出するための小
型タンク、エアポンプおよび液体放出パイプは大
型タンクに備え付けられていて、これらを別に保
管する必要がないので、使用上一層好適である。
そして、小型タンクは大型タンクの嵌合孔内に密
接に嵌合されているので、小型タンクと大型タン
クとの嵌合部より内部の灯油等の液体が蒸発する
おそれはない。また、小型タンクは上側筐体と下
側筐体よりなり上側筐体は下側筐体の上部に開閉
可能に取り付けられていてこの上側筐体内にエア
ポンプが設けられているので、エアポンプと小型
タンク内の清掃、分解修理を容易に行うことがで
きる。そしてまた、小型タンクは大型タンクの嵌
合孔の内周面に沿つて回動することができるの
で、給油口等が小型タンク側にある場合には液体
収容タンク（大型タンク）の向きを一々変えなく
ても小型タンクを回動させることによつて液体放
出パイプの先端部を給油口等内に挿入することが
できる。なお、小型タンクのその嵌合孔に対する
嵌合部の上部外周面に上記実施例で示したように
断面鉤形の鍔部を設けて嵌合部の外面を閉塞する
ようにすれば、より一層嵌合部の密封効果が良好
となる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案実施の一例を示すもので、第１図
は正面図、第２図は平面図、第３図は左側面図、
第４図は右側面図、第５図は第２図のＡ−Ａ断面
図、第６図は第２図のＢ−Ｂ断面図、第７図は第
２図のＣ−Ｃ断面図、第８図は小型タンクを回動
した場合における使用説明図である。 １……大型タンク、２……嵌合孔、７……小型
タンク、８……小孔、９……開閉弁、１１……エ
アポンプ、１２……上側筐体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外面に嵌合孔を有する大型タンク内に、下側筐
   体上部に上側筐体を開閉可能に取り付け上側筐体
   内に圧縮空気を送入するエアポンプを設けるとと
   もに下側筐体内に大型タンク内の液体を導入する
   弁を設けた小型タンクを、前記嵌合孔内に回動可
   能かつ密接に嵌合せしめて小型タンクの底面と大
   型タンクの底面とが微間隙を配するように配置
   し、小型タンク内より外部に向つて液体放出パイ
   プを設けたことを特徴とする供給装置付き液体収
   容タンク。