JPS6318492Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車輛用燃料タンクにおける給油口の構
造に関する。

第１図に示すように車輛用燃料は燃料タンク１
に給油チユーブ２を介して取付けられた給油口３
から給油されるようになつており、常時はキヤツ
プ４によつて密閉されている。

第２図は本考案の改良対象となつた従来の給油
口構造を示す断面図であり、図に示すように給油
チユーブ２の開口部２ａに蛇腹状螺筒５を取付
け、該蛇腹状螺筒５にキヤツプ４の螺栓４ａを螺
合締付し密閉を図るようになつている。この蛇腹
状螺筒５は図示のように、その基端に連成した取
付筒部５ｂを上記給油チユーブ２の開口部２ａの
外側に挿合させ、該取付筒部５ｂの一端に連成し
た螺筒部５ａを上記拡大開口部２ａの内側に曲げ
込み、該曲げ部でキヤツプシール用傾斜受口部５
ｃを形成すると共に、同他端に車輛ボデイへの取
付鍔５ｄを連成して成る。

然るに上記構造は螺筒部５ａの蛇腹加工後、螺
筒部５ａの外側に取付筒部５ｂを絞り加工しなけ
ればならず加工性、材料歩どまりにおいて劣り、
重量が重くなつて車輛軽量化の方針に反する。

又給油チユーブの口径変更や、キヤツプ４の寸
法変更に応じ取付筒部５ｂ、螺筒部５ａの口径を
設計変更しなければならないが、従来のものは上
記構造上、例えば給油チユーブ２の口径変更に対
処するため取付筒部５ｂの口径を大きくしたり、
小さくするとこれに追随して取付筒部５ｂと螺筒
部５ａの曲げ部で形成したキヤツプシール用傾斜
受口部５ｃの長さや最大口径部に変化を来たすこ
ととなり、従前のキヤツプ４の使用が困難とな
る。

同様にキヤツプ４の寸法が変化した場合にも、
螺筒部５ａの口径は給油チユーブ２の開口部の口
径に制限を受け、これを自由に拡大することがで
きず、縮小の場合には上記と同じく受口部５ｃの
長さが長くなり、キヤツプ４との密着係合が困難
となる。又螺筒部５ａと取付筒部５ｂとが給油チ
ユーブ２の内外に二重になつて開口部内で螺筒部
５ａの口径を確保しなければならないため、給油
チユーブ２の開口部口径の拡大加工率を大きくし
なければならず、過拡大加工によつて亀裂を生ず
る恐れがあつて給油口の正常な機能を阻害する恐
れがある。

而して、本考案は上記従来品の構造に起因する
欠点を改善すると共に、キヤツプの螺合締付性、
密閉性能においても優れた給油口構造としたこと
を特徴とし、第３図、第４図はその実施例を示
す。

即ち、本考案は燃料タンクの給油チユーブの開
口部に板加工して成る蛇腹状螺筒を取付け、該蛇
腹状螺筒にキヤツプを螺合締付けし、密閉を図る
燃料タンクの給油口構造において、図示する如く
蛇腹状螺筒１０は給油チユーブ２に内挿せずに、
同チユーブの開口部２ａから先方へ突設する。該
蛇腹状螺筒１０と給油チユーブ２とは該螺筒開口
部端縁と給油チユーブ２の開口部端縁とを嵌合し
一体とする。即ち蛇腹状螺筒１０の基端開口部の
端縁を拡開して同螺筒内径より大径の筒口１０ｂ
を形成し、該筒口１０ｂ内に給油チユーブ２の開
口部端縁を嵌合付け（ろう付け等）し、該嵌合付
け部から蛇腹状螺筒１０を同チユーブ開口部先方
へ突設する。更に該蛇腹状螺筒１０の螺筒部１０
ａ開口部の自由端周縁を断面逆八字形に開いて傾
斜受口部１０ｃを連成し、該傾斜受口部１０ｃに
よつてキヤツプ螺栓４ａの基部周囲に配した弾性
リング取付面４ｂと密着させシーリングを図るよ
うに構成すると共に、該キヤツプシール用傾斜受
口部１０ｃの自由端周縁を螺筒外側に向け折曲し
て返し鍔部１０ｄを連成し、傾斜受口部１０ｃの
キヤツプ４締付に対抗する強度付加と、密着性向
上を図つたものである。

車輛ボデイ取付鍔部１０ｅは図示の如く、螺筒
基端から嵌め付け用筒口１０ｂと連成して側方に
張り出す。

本考案の上述した構造により、キヤツプ４の螺
合締付において、螺筒部自由端に形成されたキヤ
ツプシール用傾斜受口部１０ｃに図中矢印イ、ロ
で示す如く伸縮方向と開閉方向の適度な弾性が与
えられ、締付力に抗する復原弾性にてキヤツプ４
との良好な密着が得られ、密閉効果とキヤツプ締
付強度の向上を図ることができる。

又螺筒部１０ａは給油チユーブ２の開口部の口
径に制限されることなく、その口径を拡大又は縮
小することが可能で、随時キヤツプ４の螺栓部４
ａの太さ変更に適合した加工ができる。同様に給
油チユーブ２の口径変更の場合にも、螺筒部１０
ａの口径を変更することなく螺筒部１０ａ基端の
口径を変更するのみで、これに対処でき、従前の
キツプはそのまま使用できる。

殊に本考案によれば、従来のように取付筒部と
螺筒部とを二重にする加工が不要で、打抜板の中
央部に螺筒加工部をプレスで曲げ出し、これに蛇
腹加工するのみで製造でき、加工性、生産性の向
上、単純化が望めると共に、二重構造にせずに蛇
腹状螺筒１０の開口部端縁を拡開し、これに給油
チユーブの開口部端縁を嵌合付けする構成とした
から使用素材の可及的削減、重量軽減が可能とな
り、コストダウンを図り得る。又従来のように螺
筒部を給油チユーブの開口部に内包させつつ、キ
ヤツプ螺栓に適合せる螺筒部口径を設定する構造
と異なり、給油チユーブの開口部を過度に拡管加
工することを要せず、拡管加工に伴なう亀裂発生
等を有効に防止し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は車輛燃料タンクの一般例を示す同斜面
図、第２図は従来の同給油口構造を示す断面図、
第３図、第４図は本考案の実施例たる同給油口構
造を示す断面図で、第３図はキヤツプ螺合締付過
程、第４図は同締付状態を示す。 １０……キヤツプ螺合締付用の蛇腹状螺筒、１
０ａ……同螺筒部、１０ｂ……同嵌め付け用筒
口、１０ｃ……キヤツプシール用傾斜受口部、１
０ｄ……返し鍔部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 燃料タンクの給油チユーブの開口部に板金製の
   蛇腹状螺筒を取付け、該蛇腹状螺筒にキヤツプを
   螺栓を以つて螺合締付し、密閉を図る燃料タンク
   の給油口構造において、上記キヤツプ締付用の蛇
   腹状螺筒を給油チユーブの開口部から先方に突設
   し、該蛇腹状螺筒基端の開口部端縁に形成した拡
   大筒口内に給油チユーブの開口部端縁を嵌合付け
   し、該拡大筒口端部から車輌ボデイ取付鍔部を連
   成すると共に、該蛇腹状螺筒開口部の自由端縁を
   逆ハ字形に拡開してキヤツプシール用傾斜受口部
   を連成し、該キヤツプシール用傾斜受口部の自由
   端周縁を蛇腹状螺筒の外側へ折曲して返し鍔部を
   連成したことを特徴とする給油口の構造。