JPS6318403B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は複数の単位箱体からなる配電盤を構成
するに適した単位箱体フレームに関する。

従来コントロールセンタなどの閉鎖配電盤は、
第１図および第２図に示すように、多数の単位装
置１，１を上下に積重ねるようにして配設した単
位配電盤２を複数個、横方向に一体的に並設する
ことによつて構成されている。各単位配電盤２の
外ケースである単位箱体６は、側面板３，３、背
面板４および前面板５などによつて構成されてお
り、この単位箱体６内に種々の電気機器を組込ん
だ単位装置やそれを支持する部材が取付けられ
る。これら部品を取付けるにあたつて、単位箱体
６を構成する側面板３，３等は平板状であり、強
度が弱くまた構造上収納機器の取付けが難しいの
で、第３図に示すような保持板１２を設ける構成
とし、この保持板１２に種々の部品を取付けるよ
うにしていた。すなわち、第１図で示す如く保持
板１２を側面板３，３の内面に２個づつ取付け、
さらに対向する保持板１２，１２の上下部を連結
板５１で連結して構成していた。保持板１２に形
成された取付片１３は単位箱体６の奥行方向中間
部に４個対向配置され、この部分を単位箱体６の
中央部に配置される図示しない垂直母線や水平母
線の絶縁支持に用いたり、その他単位装置１，１
の棚板の支持等に用いていた。

しかしながら、上記のように構成された従来の
配電盤においては、単位箱体６の内面に取付けた
保持板１２と連結板５１が図示の如く両者の突き
合せ部を単にボルト、ナツトで結合しているだけ
なので、突合せ面ですべりが生じ、ねじり変形に
対し強度的に不十分であり種々の補強を要した。
また各単位配電盤２が独立した単位箱体６を用い
て構成されているので、これが図示の如く数面並
設された、いわゆる列盤構成になると、これら盤
相互間が側面板３により閉鎖されるので、盤相互
の換気ができず、中間に位置する単位配電盤は放
熱面積が小さいため温度上昇が著しく高くなる問
題があつた。更に異なる単位配電盤２に収納され
ている単位装置１，１相互の配線も困難であつ
た。

本発明の目的は、箱体自身の強度を増し、棚板
が充電部保護カバー等の取付けが容易で製作も容
易になるほか、単位配電盤として構成された後並
設された場合でも相互に隣接する単位配電盤間の
換気および配線が自由にできる配電盤用単位箱体
フレームを提供することにある。

以下本発明の一実施例を第４図ないし第８図を
参照して説明する。第４図において、符号１４は
区画板を示し、この区画板１４は板材の幅方向
（横方向）ほぼ中央部に縦方向に沿つてのびる流
通孔１６を形成するとともにその流通口１６の幅
方向両側縁を切り起して一対のほぼ平行な取付片
１３，１３を形成する。また区画板１４の幅方向
両側縁部には強度増大のために断面Ｕ形のリブ１
５，１５を縦方向に沿つて形成する。このリブ１
５は取付片１３の突出方向と同方向に突出形成
し、夫々３つの面５３，５４，５５には縦方向に
沿つて多数の取付孔６０を形成して種々の部品の
取付部を構成する。また取付片１３，１３にも縦
方向に沿つて多数の取付孔５９を形成しておく。
区画板１４の各リブ１５，１５の上下端には連結
材５２を連結するためのＵ形の切欠き１７を形成
し、また区画板１４の上下端にはこれを補強およ
び固定するためにリブ１５や取付片１３と同方向
に折り曲げた折曲片１８を形成する。そして上記
のように構成した一対の区画板１４，１４を、取
付片１３，１３やリブ１５，１５が互いに向き合
う如く対向配置し、これらを連結材５０，５２に
て相互に連結して単位箱体フレーム６１を構成す
る。

ここで、連結材５２は断面コの字形をなし開口
を有しない面の両端部にＬ字形の取付金物５２ａ
が取付られており、この連結材５２と区画板１４
とは第５図に示すごとく連結材５２の端部が切欠
き１７に挿入されて切欠き１７と連結材５２との
当接する部分が溶接されるとともに取付金物５２
ａがリブ１５にボルト、ナツトにより係合固定さ
れて一体に構成される。また連結材５０もその両
端部が流通孔１６の上端または下端に嵌合され取
付片１３や折曲片１８に固定されて区画板１４と
一体に構成される。

そしてこのように構成した単位箱体フレーム６
１は第６図および第７図に示すように、背面板
４、前面板５、図示しない天井板等が取付られて
単位箱体となり、内部に単位装置１が収納されて
単位配電盤２として構成される。この単位配電盤
２を複数個（実施例ではNo.１、No.２、No.３の３
個）並設し、隣接する区画板１４，１４どうしを
ボルト、ナツトで連結すれば単位配電盤を並設し
た配電盤を構成することができる。なお、従来単
位配電盤間を閉鎖していた側面板３，３は隣接す
る単位配電盤間には設けずに片側に設置される単
位配電盤の外面側にのみ設ける。

従つてこのように構成すれば、単位箱体フレー
ム６１は、区画板１４自体、リブ１５，１５や折
曲片１８，１８を有していて強度が向上している
ことに加えて区画板１４に作用する重量やねじり
を直接連結材５０，５２で受けることができるの
で、全体の強度を向上することができる。特に連
結材５２は断面コの字形をなし、両端部の３つの
面が区画板１４のＵ形の切欠き１７に嵌合して当
接していることによつて、区画板１４の前後方
向、上下方向の変形を抑制する一方、取付金物５
２ａが区画板１４のリブ１５と当接していて区画
板１４の図示左右方向の変形を抑制するので、単
位箱体フレーム６１は全体の剛性が向上し、特に
ねじり変形に対して強くなる。

また列盤構成とした場合、隣接する単位配電盤
２，２間においては、区画板１４，１４の流通孔
１６，１６が相互に対向して位置し、各単位配電
盤２，２内部の空間は上記流通孔１６，１６を介
して相互に連通することになる。これにより、外
気と接する放熱面が少ない真中のNo.２盤でも、発
生した熱が両側のNo.１およびNo.３盤に拡散し、第
８図に黒点で示すように、各盤ともに均等の温度
になる。これに対し従来の構造を採る配電盤は、
第８図に三角印で示すように、真中のNo.２盤の温
度が他の盤より上昇する。

更に、異なる単位配電盤２，２の単位装置１，
１間も流通孔１６を通して容易に配線でき、しか
もその導体も縦方向のいずれの位置でも自由に配
置できる。

また、区画板１４は流通孔１６の幅方向両側に
平板部があり、この平板部が箱体に収納される単
位装置に面するので、事故時、単位装置から発生
するアークをしやへいして隣接する単位配電盤に
事故が波及するのを防止することができる。

一方、リブ１５の３つの面５３，５４，５５に
は多数の取付孔６０が形成してあり、また取付片
１３にも多数の取付孔５９が形成してあるので、
これら取付孔５９，６０を利用して単位箱体内部
に棚板や充電部保護カバー等を容易に取付けるこ
とができる。この場合、取付片１３やリブ１５は
板材からなる区画板１４を切り起したり、突出し
たりして形成したものであるので、部品点数が増
加せず、従つて箱体の製作が容易である。

以上の説明から明らかなように、本発明は、箱
体自身の強度が増し、棚板や充電部保護カバー等
の取付けや製作が容易で、しかも単位配電盤とし
て構成された後並設された場合でも相互に隣接す
る単位配電盤間の換気および配線が容易にできる
配電盤用単位箱体フレームを提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の配電盤の一例を示す一部断面し
た平面図、第２図は第１図の一部を断面して示す
平面図、第３図は保持板の斜視図、第４図は本発
明による単位箱体フレームの一実施例を示す分解
斜視図、第５図は第４図の主要部を拡大して示す
詳細図、第６図は本発明による単位箱体フレーム
を用いて構成した配電盤を示す一部断面した平面
図、第７図は第６図の一部を断面して示す正面
図、第８図は本発明の効果を示す各単位配電盤の
温度のグラフである。 １……単位装置、２……単位配電盤、３……側
面板、４……背面板、５……前面板、１２……保
持板、１３……取付片、１４……区画板、１５…
…リブ、１６……流通孔、１７……切欠き、５
０，５２……連結材、５２ａ……取付金物、５
９，６０……取付孔、６１……単位箱体フレー
ム。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 板材の幅方向ほぼ中央部に縦方向に沿つての
   びる流通孔をあけ、その流通孔の幅方向両側縁を
   切り起して一対のほぼ平行な取付片を形成すると
   ともにこの板材の幅方向両側縁部に縦方向に沿つ
   てのびる断面Ｕ形のリブを上記取付片の突出方向
   と同方向に突出形成してこれら取付片及びリブに
   夫々多数の取付孔を形成し、また前記板材の上下
   端に折曲片を前記リブの突出方向と同方向に折曲
   形成するとともに前記リブの上下端にＵ形の切欠
   きを形成して区画板とし、この区画板を２枚、前
   記取付片及びリブが互いに向い合う如く対向さ
   せ、この間を、両端部に取付金物を有しその両端
   部が前記２枚の区画板の対向するＵ形切欠きに係
   合固定されるとともに前記取付金物が前記リブに
   係合固定された断面ほぼコの字形の連結材及び両
   端部が前記２枚の区画板の対向する取付片または
   折曲片の少なくとも一方に係合固定された連結材
   によつて夫々連結して構成したことを特徴とする
   配電盤用単位箱体フレーム。