JPS6160646B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は複数のユニツトを多段に収納する閉鎖
配電盤の母線装置に係り、特にその母線絶縁構造
に関する。

この種の閉鎖配電盤は、第１図に示すように、
箱状の盤フレーム１内を棚板２により上下に複数
段に仕切つて複数個のユニツト室３を構成し、こ
れら各ユニツト室３内にユニツト（図示せず）を
引出し可能な状態で収納している。また各ユニツ
ト室３の後方には母線室が設けられており、この
母線室は母線カバー４，５により仕切られてい
る。

母線カバー４，５は第２図に示すように、それ
ぞれたて方向にのびる凹部溝４ａ，５ａをそれぞ
れ３相分形成した絶縁板からなり、互いに凹部溝
４ａ，５ａを対向させかつその間に分岐母線６を
収納してこれを支持絶縁するように前後に重ねて
設けられ、その両側縁部を盤フレーム１側面の内
側に取付けた取付板７，８に取付けている。また
ユニツト室３を構成する棚板２は、盤フレーム１
取付板７，８、負荷側断路部取付板９、母線カバ
ー５、ユニツト扉１０にそれぞれほぼ接する大き
さを有しており、この棚板２上に図示しないユニ
ツトが引出し可能な状態で収納される。そしてユ
ニツトは接触子が母線カバー５に形成した貫通穴
１１を通して分岐母線６と接触することにより電
力が供給される。

ここで母線カバー５と棚板２との間は母線カバ
ー５に凹凸があるために凹部溝５ａの側方に空間
ができこのままではこの空間を介して上下のユニ
ツト室３，３間が連通し、一方のユニツト室の事
故が他方に波及したり部品が落下したりして事故
が発生する虞がある。そこで仕切板１２を設けて
前記の空間を仕切るようにしている。しかしなが
らこの仕切板１２はＬ字形に形成し、２枚の母線
カバー４，５を固定する締付ネジ１３を利用して
母線カバー４，５に取付けていたので、このよう
な構造では３個の部材を同時に締付ネジにより締
付ける作業が必要となつて組立工数が増加するば
かりか、締付ネジ１３が分岐母線６の近くに位置
することによつて対地絶縁、相間絶縁の絶縁破壊
を誘発したり、ユニツト室３内で発生したアーク
がつながつたりして事故発生の原因となる虞れが
あつた。

本発明の目的は、母線カバーと棚板との間を仕
切るために別途製作する仕切板の使用をなくし、
また分岐母線の近くでの締付ネジの使用をなくし
て、組立工数を低減すると共に事故発生を有効に
防止できる閉鎖配電盤の母線装置を提供すること
にある。

以下本発明を図面に示す一実施例を用いて説明
する。第３図は本発明の閉鎖配電盤の母線装置を
示す分解斜視図である。図において、盤フレーム
１の側面内側には取付板１４，１５が設けられて
おり、この取付板１４，１５に、たて方向にのび
る凹部溝１６ａを３相分形成した主母線カバー１
６が凹部溝１６ａを前面側に向けて取付けられて
いる。そしてこの主母線カバー１６の各凹部溝１
６ａ内には分岐母線１７が収納され、さらにこの
主母線カバー１６の前面側に前面部母線カバー１
８が取付けられる。この前面部母線カバー１８
は、その幅寸法Ｘが主母線カバー１６に形成され
た３相分の凹部溝１６ａを含む全幅寸法Ｘと略同
じに形成されその両側縁部分にそれぞれ主母線カ
バー１６側に向つて直角に折曲げた曲げ部１９，
２０が形成されている。また前面部母線カバー１
８の上下縁部には前面側に向つて階段状に形成し
た仕切部２１，２２が形成してある。この仕切部
２１，２２の前面側への曲げ寸法Ｙは、棚板２の
後縁部２ａと主母線カバー１６の前面１６ｂとの
間に生じる空間Y′の距離とほぼ等しくし、また
仕切部２１，２２相互間の上下寸法Ｚは、１つの
ユニツト室寸法（棚板間の寸法）とほぼ等しくす
る。さらに下部の仕切部２２の両側には前面側に
突出する板状の突起部２３，２４が形成されてい
る。なおこの前面部母線カバー１８は可とう性を
持つた絶縁物で形成し、中間部下方にはユニツト
接触子の貫通穴１１を形成しておく。

このように構成した主母線カバー１６、分岐母
線１７、前面部母線カバー１８等を組合せた状態
を第４図及び第５図に示す。第４図は上部から見
た断面図であり、第５図は側方から見た断面図で
ある。図において、前面部母線カバー１８は主母
線カバー１６に前面側から装着され、この場合、
曲げ部１９，２０が主母線カバー１６に形成され
た３相分の凹部溝１６ａのうち両側のものの内側
面に係合して左右方向に位置決めされる。また、
前面部母線カバー１８は各ユニツト室に設けられ
ることにより、上下の仕切部２１，２２が夫々隣
接する前面部母線カバー１８と互いに前後方向で
重なり合い、前後方向及び上下方向の位置決めが
なされる。この仕切部２１，２２は棚板２の後縁
部２ａに接することによつて上下ユニツト相互間
の仕切りを行つている。

従つてこのように構成すれば、前面部母線カバ
ー１８は裏面の平たん部が第５図で示すように主
母線カバー１６の前面と接してこれを押しつける
ように取付けられるので、主母線カバー１６の凹
部溝１６ａ内に設けられた各相分岐母線１７の相
分割を従来のように締付ネジを用いることなく行
える。前面部母線カバー１８の下部に設けた突起
部２３，２４は棚板２上に係止していることによ
り振動および重力による前面部母線カバー１８の
落下を防止することができる。

なお前面部母線カバー１８は可とう性のある絶
縁物で形成しているので、取付けにあたつて少々
曲げるなど変形させることにより、主母線カバー
１６の前面側に装着可能であり、寸法誤差による
ガタツキなどに対しても常時反発力を働かせるよ
う寸法関係を取つて装着することにより解消でき
る。しかも１ユニツト室に１前面部母線カバー１
８を設けるので、ユニツト室に対応した前面部母
線カバーの選定、メンテナンスが容易に行える。

このように本発明の閉鎖配電盤の母線装置によ
れば、ユニツト室の後方に設ける母線カバーの取
付けに締付ネジを用いないことにより、電気的安
全性が高まり事故の発生を防止できる。また上下
のユニツト室間は専用の仕切板を用いることなく
仕切ることができ部品点数の削減、コストダウン
がはかれる他、前記の締付ネジが不要となること
と合わせて組立作業の効率化がはかれる。

【図面の簡単な説明】

第１図は一般的な閉鎖配電盤の斜視図、第２図
は従来の母線装置を示す平面断面図、第３図は本
発明による閉鎖配電盤の母線装置の一実施例を示
す分解斜視図、第４図は本発明の母線装置を示す
平面断面図、第５図は第４図の−線側面断面
図である。 １……盤フレーム、２……棚板、２ａ……後縁
部、３……ユニツト室、４，５……母線カバー、
４ａ，５ａ，１６ａ……凹部溝、６，１７……分
岐母線、７，８，１４，１５……取付板、１０′
……ユニツト扉、１１……貫通穴、１６……主母
線カバー、１８……前面部母線カバー、１９，２
０……曲げ部、２１，２２……仕切部、２３，２
４……突起部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 盤フレーム内に、たて方向にのびる複数の凹
   部溝を形成した主母線カバーを前記凹部溝を前面
   側に向けて取付け、この主母線カバーの前記凹部
   溝内に分岐母線を収納し、前記主母線カバーの前
   方に複数の棚板により上下に仕切つて形成した複
   数段のユニツト室を設け、この各ユニツト室内に
   おける前記主母線カバーの前面に前記複数の凹部
   溝を一括して覆う大きさを有し、可とう性の絶縁
   物からなる前面部母線カバーを圧接させて取付け
   てなり、この前面部母線カバーはその上下縁部に
   形成され棚板の後縁部と前記主母線カバー前面と
   の間に介在してこの間を上下に仕切る仕切部を有
   するとともにこの仕切部の少なくとも一方に、対
   応する棚板と係合して上下方向の位置決めをする
   突起部を有していることを特徴とする閉鎖配電盤
   の母線装置。