JPS6317986B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は浮上、輸送可能なパツケージ形発電設
備に関する。

従来、火力発電所の建設にあたつては、発電所
建設地点の土木工事から始まり、タービン発電機
の基礎台の建設、タービン建屋の建設、ボイラー
鉄骨の建設、ボイラーのドラム上げ、各機器の据
付等主要構成機器を土木、タービン建屋の工事の
進行に合せて据付けていた。現場据付条件の悪い
現場においてはこれら据付工事に長期間を要し、
かつ発電所建設価格に大きな影響を与えている。
また発電所の構成機器を各要素毎に据付時期に合
せ輸送、搬入することが肝要であり、これに伴い
輸送費もかさむことになる。特に、低開発地域に
建設する発電所にあつては、熟練技術の確保も問
題となつている。これに対し、最近ボイラ、ター
ビン発電機、変圧器およびそれらの付属設備等の
発電所構成機器およびタービン建屋を浮上可能な
船台上に据付け、一つの巨大なパツケージにして
工場内で製作組立し、このパツケージを潜水可能
式バージに搭載することにより発電所建設現場近
くまで海上、河川等の水路を利用して一体輸送
し、あらかじめ用意された基礎土木工事の完了し
た設置場所に曳航し、上記船台に設けたバラスト
タンクに注水することにより着床させ、周囲を埋
め戻しの上、パツケージ外の電気、水、燃料設備
と接続することにより現場据付工事時期を大幅に
短縮させ、工場内で充分に品質管理のいき届いた
発電設備を製作ならしめるパツケージ形発電プラ
ント方式が考えられている。

以下図面を用いてパツケージ形発電設備を説明
する。第１図はその一部切截平面図、第２図は第
１図の直線―に沿う断面図（側面図）、第３
図は第１図の直線―に沿う断面図（正面図）
である。図に於て、１は船台で、この船台１の船
底部にはバラストタンク１′が配置されており、
この船台１は通常の船舶と同様に工場内のドツク
内で製作される。また、船台１には、発電所の構
成機器であるボイラー２、タービン３、発電機
４、起動変圧器６、所内変圧器５、主要変圧器７
等の主要機器をはじめ、これらの附属機器である
押込通風機８、煙突９、復水器１０、循環水ポン
プ１１、デイアレーター１２、コンプレツサー設
備１３、給水ポンプ設備１４、さらに水素ガス発
生装置１５、蓄電池設備１６、制御室１７、クレ
ーン及びホイスト設備１８、非常用発電設備１９
等の発電所構成機器の大部分が搭載され、１つの
巨大パツケージＰを構成する。尚図中の２０は、
これらの機器保護の為のタービン発電機建屋であ
る。発電パツケージを構成するこれらの各機器
は、工場において厳密な管理のもとに短時間の間
に製作し、船台１上に組立搭載される。第４図
は、発電パツケージＰの水上輸送状態を示す図で
あり、図においてＰは発電パツケージであり、Ｂ
はこの発電パツケージＰを搭載する為の潜水可能
式バージである。またＴは、この潜水可能式バー
ジＢを曳航する為の曳航船、Ｓは水路例えば海で
ある。このように曳航船Ｔにより発電所建設現場
近くまで発電パツケージＰは曳航される。

この様にパツケージ形発電プラントは発電プラ
ント設備およびそれを収納する建屋を製造者の任
意の場所で一括製作、組立し、また水上輸送可能
の所であれば世界の如何なる所でも設置すること
ができる。

しかしながら、パツケージ形発電プラントをコ
ンパクトな形で構成するためには、従来、屋外に
設置されていた油入りの変圧器をパツケージ内に
搭載することが必要である。従来、油入りの変圧
器を建屋内に設置できなかつたのは効果的なスペ
ースの利用、火災防止、防音効果、効果的な保守
点検作業等の技術的諸問題の解決が困難であつた
為である。

本発明は、上述の如き不具合に鑑みてなされた
もので、パツケージ形発電設備の一つを構成する
油入りの変圧器をパツケージ内に搭載し、スペー
スの有効利用を図るとともに保守点検作業を効果
的に可能ならしめることになる。その為、本発明
では、船台の船底部に配置されたバラストタンク
の一部を冷却器室に区画し、さらにバラストタン
クおよび冷却器室と分離区画し、その上段位置に
変圧器室を配置し、この変圧器室に配置された主
要変圧器、起動変圧器、所内変圧器のうち、少な
くとも一つ以上の変圧器と、上記冷却器室に配置
した冷却器とを配管で接続する構成にしたもので
ある。

以下本発明を第５図及び第６図に示す一実施例
について説明する。図において、５〜７は主要変
圧器、起動変圧器、所内変圧器であり、２０は発
電機建屋、２１は発電機建屋の一部に構成された
変圧器室、１′はパツケージのバラストタンク、
２２はバラストタンク１′の一部を区画した冷却
器室、２３は上記変圧器用の冷却器である。通
常、パツケージ形発電設備の一つを構成する変圧
器は、防音効果及び消火装置の効果を有効ならし
めるため密閉された変圧器室の内に収納される
が、密閉することにより、保守点検作業が屋外に
設置されていたときと比べ非常に困難性を伴う。
特に変圧器室を火災防止の為にガス封入等してい
るときに、冷却器の水もれ事故等が起ると保守点
検が不可能となる。又、限られたスペースに上記
変圧器及びこれらの附属品を配置するため、配線
配管が複雑となり、保守点検もさることながら誤
配線、誤配管による事故にもなりかねない。さら
に、複雑な配置構造になる為、据付作業において
も困難が多い。そこで本発明に於ては、発電パツ
ケージＰを構成する船台１の船底部に位置するバ
ラストタンク１′の一部に、上記変圧器用の冷却
器２３を収納する冷却器室２２を設ける。バラス
トタンク１′および冷却器室２２の上段位置には、
バラストタンク１′および冷却器室２２とは分離
区画して変圧器室２１を設ける。そして、変圧器
室２１には起動変圧器、所内変圧器、主要変圧器
５〜７を配設する。これら変圧器５〜７のうち、
少なくとも一つ以上は、冷却器２３と配管で接続
する。変圧器を少なくとも一つ以上としたのは、
例えば起動変圧器６と主要変圧器７とを兼ねる場
合があるからである。

こうして、変圧器室２１と冷却器室２２を別々
に区画する構成は、保守点検もさることながら、
誤配線、誤配管の防止に役立ち、さらにコンパク
トな配置にすることができ、据付作業も容易とな
る。

尚、本発明においては、バラストタンクスペー
スに冷却器室を設けた実施例を示しているが、発
電パツケージ内の階段下等、通常、機器の配置と
して利用しにくい場所等に冷却器室を設けてもよ
い。

以上説明したように、本発明を使用すれば、発
電パツケージ内部に設置されている変圧器室と冷
却器室とを分離し、分離された冷却器室をバラス
トタンク内に設け、冷却器室とバラストタンクを
共用させることにより、スペースの有効な活用が
図れる。その結果、防音の向上、消火の容易化、
据付の簡易化と相まつて、保守点検作業をも容易
に可能ならしめることができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は船台上に組立製作した発電パツケージ
の一部欠截断面図、第２図は第１図の直線―
に沿う断面（側面）図、第３図は第１図の直線
―に沿う断面（正面）図、第４図は発電パツケ
ージの輸送の一例を説明するための図、第５図及
び第６図は本発明の一実施例を示す変圧器及びそ
の冷却器の設置を説明するための図である。 １…船台、１′…バラストタンク、２…ボイラ
ー、３…タービン、４…発電機、５…所内変圧
器、６…起動変圧器、７…主要変圧器、２１…変
圧器室、２２…変圧器用冷却器室、２３…冷却
器、Ｐ…発電パツケージ、Ｂ…バージ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 船台の船底部にバラストタンクを有する浮上
   輸送可能なパツケージ形発電設備において、上記
   バラストタンクの一部を冷却器室に区画するとと
   もに、上記バラストタンクおよび冷却器室と分離
   区画して、その上段位置に変圧器室を配置せし
   め、この変圧器室に配設された主要変圧器、起動
   変圧器、所内変圧器のうち、少なくとも一つ以上
   の変圧器と、上記冷却器室に配設された冷却器と
   を配管によつて接続することを特徴とするパツケ
   ージ形発電設備。