JPS6317580Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、例えば銅管などの被溶接部材同志
を、通電による電気抵抗熱を利用して溶融される
ろう付け材を介して溶接する場合に用いられるも
ので、詳しくは、ろう接電極の固定保持用ホルダ
ー部をその先端に有するアームを備えた電気ろう
付け機用クリツプに関する。

従来から一般的に知られている前記ろう接電極
固定保持用ホルダー部の構造は、概ね第６図イ，
ロで示すようなものであつた。つまり、ほぼ直方
体形状のカーボンろう接電極０１に断面形状がコ
の字形の薄板構造の固定保持用ホルダー部０２を
前記電極０１の長手方向に沿つた一辺側の全部又
はほぼ全部が露出するように外嵌させるととも
に、このホルダー部０２及び前記電極０１に横方
向に貫通するように設けた孔０８に挿通させたボ
ルトナツト０９を介して両者０１，０２を締付け
固定していたが、このような従来構造のものにお
いては次のような欠点があつた。

即ち、電極０１は、カーボン粉末をバインダー
を介して接着成形されたものであるから、バイン
ダーの耐熱性が比較的低い（例えば300℃上限）
ことと、ろう付け使用中の酸化作用とによつて、
電極０１表面が短期のうちに剥落し、接当不良、
不整合が原因で所期のろう付けが行なえなくな
る。この傾向は前記ホルダー部０２に被覆されて
いない部分において顕著であり、被覆された部分
は剥落もほとんどなく、十分使用可能である。に
も拘わらず、上記従来のものでは、前記電極０１
のうち被溶接部材０４に対する接当面０１ａ以外
で接当面０１ａとして未だ十分使用出来る部分も
露出していたため、前記接当部０１ａの剥落が起
つた段階では全長に亘つて剥落が進行しており、
ろう接電極の交換を余儀なく行なわなければなら
ず、ランニングコストの面でロスが大きかつた。

本考案は、かかる実情に鑑み、簡単な構造改良
により、従来と同じ大きさの電極を用い乍らもろ
う接電極の交換頻度を極力少くし（つまり寿命を
引延し）得る電気ろう付け機用クリツプを提供す
ることを目的とする。

上記目的を達成すべくなされた本考案に係る電
気ろう付け機用クリツプの特徴構成は前記ろう接
電極のうち、少なくとも被溶接部材に対する接当
面以外の全面を被覆するカバー部が前記ろう接電
極の露出接当面長さをろう接電極との相対移動に
より変更可能な状態で設けられている点にある。

このような特徴構成を有する本考案の作用効果
は次の通りである。

つまり、前記カバー部を介してろう接電極の露
出部分を、被溶接部材に対する接当面といつた必
要最小限に制約しつつ、その露出した最小接当面
が剥落等によつて使用不能になつたとき、前記カ
バー部との相対移動により新しい接当面を露出さ
せることを繰返すことによつて、一つのろう接電
極のライフサイクルを著しく高めることができ
る。従つて、前記のようなカバー部を設けるとい
う簡単な改良で、従来と同じ大きさ、形状の電極
を用い乍ら、その交換頻度を従来に比して非常に
少なくし、ランニングコストを著しく有利なもの
にできるに至つた。

以下、本考案構成の実施例を図面に基いて説明
する。

第１図に示すように電気ろう付け機は、電源装
置Ｂと、一対のカーボン製ろう接電極１，１を固
定保持するホルダー部２，２をその先端に有する
アーム３，３を備えたクリツプと、前記電源装置
Ｂと前記アーム３，３との間に亘つて配設された
通電用ケーブル６，６とから構成されている。

前記クリツプは、第２図に示すように前記ろう
接電極１の肉厚内への差し込みにより、ろう接電
極１を固定保持するホルダー部２に、前記ろう接
電極１のうち、被溶接部材４に対する接当面１ａ
以外の全面を被覆するカバー部５が、前記ホルダ
ー部２に外嵌する筒状取付部５ａ及びビス５ｂを
介して電極１及びホルダー部２に対し相対移動並
びに固定可能に保持されていて、その相対移動に
より、電極１の露出接当面１ａの長さを変更可能
に構成してある。

以下別実施例について説明する。

第３図及び第４図に示すように、前記カバー
部５にフランジ部５ｄを設け、電極１の露出接
当面１ａの長さを、前記フランジ部５ｄに設け
たビス・ナツト５ｅの締付け解除及び締付けに
よつて、変更可能に構成したものであつてもよ
い。この場合、カバー５とホルダー２が一体に
接合されたものであつてもよい。

第５図に示すように、ホルダー部２の先端部
に箱筒状カバー部５を一体連結し、このカバー
部５内に電極１を抱持固定状態に内嵌させて、
電極１をカバー部５の前方に順次引出して、露
出接当面１ａの長さを変更可能に構成しても良
い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る電気ろう付け機用クリツプ
の実施例を示し、第１図は電気ろう付け機の全体
構成図、第２図は縦断側面図、第３及び第５図は
夫々別実施例を示す側面図、第４図は第３図にお
ける正面図、第６図イ，ロは従来例を示し、イは
断正面図、ロは側面図である。 １……ろう接電極、１ａ……接当面、２……固
定保持用ホルダー部、３……アーム、４……被溶
接部材、５……カバー部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ろう接電極１の固定保持用ホルダー部２をそ
   の先端部に有するアーム３を備えた電気ろう付
   け機用クリツプであつて、前記ろう接電極１の
   うち、少なくとも被溶接部材４に対する接当面
   １ａ以外の全面を被服するカバー部５が前記ろ
   う接電極１の露出接当面１ａ長さをろう接電極
   １との相対移動により変更可能な状態で設けら
   れている電気ろう付け機用クリツプ。 前記ろう接電極１が前記ホルダー部２の前記
   ろう接電極１肉厚内への差し込みにより固定保
   持されたものである実用新案登録請求の範囲第
   項に記載の電気ろう付け機用クリツプ。