JPS6317542Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はトランスフアプレスのフイードバーの
位置調整装置に関するものである。

フイードバーはアドバンス・リターンあるいは
クランプ・アンクランプ等の運動をして、ワーク
を搬送するバーである。フイードバーは型交換の
際に、分割されて、ムービングボルスタの走行動
作を利用して、トランスフアプレスから搬出さ
れ、あるいはトランスフアプレス内に搬入され
る。フイードバーが搬出されるときは、トランス
フアプレスのフレームであるコラムと干渉しなな
いように、フイードバーを分割する前に両コラム
間の真中、すなわち、アドバンス又はリターンの
中点に止めることが必要となる。更に、この止め
る位置は次に搬入されたフイードバーの連結を容
易に行なうため正確でなければならない。この理
由から、従来は、トランスフアプレスには緩速装
置を設け、フイードバーをゆつくりと運動させ、
アドバンス又はリターンの中点で、作業者が目視
によつて止める方式が採用されている。

しかしながら、プレス全体を運動させながら行
なうので熟練者でも時間がかかつた。

本考案はこの欠点を除きフイードバーを容易に
アドバンス又はリターンの中点に位置させる装置
を提供するものである。以下、本考案の一実施例
である図面に基づいて説明する。

第１図において、トランスフアプレスのフレー
ムであるコラム３及びベツド部にはトランスフア
装置が設けられ、ワーク搬送用のフイードバー
１，１はトランスフア装置に連結されてアドバン
ス・リターン（矢印Ｘ）あるいはクランプ・アン
クランプ（矢印Ｙ）の運動をする構造になつてい
る。フイードバー１，１は分割形式で、トランス
フアプレスから搬出される部分１ａと残る部分１
ｂより成り、１ｂに立設されているピン１ｃで連
結自在となつている。フイードバー１，１と連結
されて、フイードバーにアドバンス・リターンの
運動を伝達するスライダ２はトランスフア装置の
フレーム部に両端を保持されているガイド７，７
によつて摺動自在に案内されている。

第２図、第３図において、駆動軸１５はトラン
スフアプレスの回転軸に連結されアイドルギヤ
ー、減速ギヤー等を介して遊星歯車機構１７に連
結されている。遊星歯車機構１７の太陽ギヤー１
７ａと噛合い太陽ギヤー１７ａの回りを公転する
と共に自転する遊星ギヤー１７ｂにはクランク軸
１７ｃが固設されクランク軸１７ｃのクランクピ
ン部にはスベリ子１７ｄがはめ込まれている。太
陽ギヤー１７ａと同心に回転自在にアーム１６が
設けられアーム１６の半径方向の溝には前記スベ
リ子１７ｄが適合している。アーム１６の上面部
にはピン４が突設され、これにはめ込まれたスベ
リ子５がアーム１６と共に不等速な円運動を行な
う。

前述のスライダ２には、ピストン１１をその長
さの中央部に有するピストンロツド１０が、ガイ
ド７と平行な方向を向けてその両端部を保持され
た状態で設けられ、このピストンとピストンロツ
ド部に、スライダ２内に設けられた移動体１４の
両端に設けられたシリンダ９が適合している。

すなわち、移動体１４はスライダ２内で、アド
バンス・リターン方向に移動できる構造になつて
いる。ピストンロツド１０には、両端面から中心
穴を設け、夫々の中心穴の先端がピストン１１の
両側近傍でピストン１１とシリンダ９とによつて
形成された室に通じた油路が設けられている。両
油路には夫々開口１２，１３が設けられ、この両
開口には圧油を供給するための配管が接続されて
いる。移動体１４の下面部には、アドバンス・リ
ターン方向と直角方向に溝が設けられ、この溝に
前記スベリ子５が適合している。従つて、ピン４
の円運動は溝とスベリ子５を介してアドバンス・
リターン方向の運動だけが移動体１４に伝えられ
る。

スライダ２の上面部には、フイードバー受８が
アドバンス・リターン方向と直角方向に摺動自在
に設けられ、フイードバー受８にはピン６が立設
され、このピン６にフイードバー１の穴が適合し
ている。ピン６はフイードバー１が３次元送りを
する時に、フイードバー１，１がフイードバー受
８から離脱するのを防止する十分な長さをもつて
いる。

第１図及び第４図において、スライダ２には突
起１８が設けられ、これに対応して、トランスフ
ア装置のフレームに、スライダ２がアドバンス又
はリターンの中点に来たとき、突起１８と対向す
る位置に、検出器１９が固設されている。すなわ
ち、スライダ２が前記の中点に来たときに検出器
は突起により動作する。検出器の信号はシリンダ
９部の圧油の制御をする構成になつている。本実
施例においては、検出器１９は近接スイツチが用
いられているが、リミツトスイツチとこれに対応
するカムでもよい。

以下、作用について説明する。

第５図は、トランスフアプレスのクランク角度
に対するフイードバー１のアドバンス、リターン
のタイミングを示す。クランク角度0゜の前後Ａか
らＢまではアドバンス、90゜前後ＢからＣまでは
休止、180゜前後ＣからＤまではリターン、270゜前
後ＤからＡまでは休止となつている。休止の時
に、フイードバーはクランプ・アンクランプある
いはリフト・ダウンの動作をする。クランク角度
が0゜の時がアドバンスの中点となつている。プレ
ス運転中は第３図において、開口１２に圧油を供
給しておき、スライダ２に移動体１４を固定した
状態にしておく。この状態で、フイードバー１，
１は遊星歯車機構１７により、移動体１４、スラ
イダ２を介してアドバンス・リターン運動とす
る。所望のプレス加工が終了して、金型交換をす
る場合は、トランスフアプレスを第５図におい
て、クランク角度0゜の直前Ｅで停止させる。この
停止した状態では、フイードバー１，１はアドバ
ンス中点より若干前にある。前述のピストンロツ
ド１０の開口１２の圧油を排出させると共に、開
口１３に圧油を供給するとスライダ２は、移動体
１４が停止しているから、アドバンス方向に移動
する。前記突起１８が検出器１９を作動させると
検出器１９の信号により、両開口の圧油をロツク
する。この状態でフイードバー１，１はアドバン
スの中点にある。よつて、フイードバー１，１を
ムービングボルスタの上昇動作を利用して分割
し、走行動作を利用して、フイードバーの搬出さ
れる部分１ａ，１ａは、コラムに干渉することな
く搬出される。

新たなフイードバーが搬入されたとき、ムービ
ングボルスタを着床させると、残されていた部分
１ｂ，１ｂに連結される。開口１３の圧油を排出
させると共に開口１２に圧油を供給すればフイー
ドバーを交換する前の状態に復帰する。これで次
のプレス運転が可能となる。なお、本実施例にお
いては、トランスフアプレスをアドバンス中点の
手前をねらつて停止させた方が、アドバンス中点
の直後、リターン中点の直前あるいはリターン中
点の直後としても全く同様である。

本考案は以上のような構成であるので、従来の
ような緩速装置が不要となり、作業者が目視によ
ることがないので作業者の負担が軽くなり、フイ
ードバーの搬入、搬出が自動的に行なえると共
に、スライダの調整すべき距離が比較的短かくで
きるので段取時間を短縮することができる、など
の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は上面図、第２図はトランスフア装置の
要部を断面とした正面図、第３図はスライダの要
部を断面とした平面図、第４図は検出器の側面
図、第５図はタイミングの説明図。 １はフイードバー、２はスライダ、３はコラ
ム、４はピン、５はスベリ子、６はピン、７はガ
イド、８はフイードバー受、９はシリンダ、１０
はピストンロツド、１１はピストン、１２は開
口、１３は開口、１４は移動体、１５は駆動軸、
１６はアーム、１７は遊星歯車機構、１８は突
起、１９は検出器である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 トランスフアプレスの分割式フイードバーをア
   ドバンス又はリターンの中点位置に位置調整する
   装置において、 フイードバー１を連結し、アドバンス・リター
   ン方向を向けてトランスフア装置のフレーム部に
   摺動自在に設けたスライダ２と、 スライダ２に内装され、アドバンス・リターン
   方向と直交する溝を有し、これに適合するスベリ
   子を介してトランスフア装置の駆動機構に連結さ
   れた移動体１４と、 移動体１４にアドバンス・リターン方向を向け
   て設けられ、その内径部に適合するピストン１１
   から両側に等長に伸び、その両端面板を摺動自在
   に貫通するピストンロツドの両端をスライダ２に
   固定したシリンダ９と、 トランスフア装置のフレームに設けられ、スラ
   イダ２のアドバンス又はリターンの中点位置を検
   出してシリンダ９を制御する検出器１９と、 を具備することを特徴とするフイードバーの位置
   調整装置。