JPS6317459Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、例えば関節腔内等の狭い部位にも安
全に穿刺できるようにしたトラカール閉塞子に関
する。

近年、体腔内に細長の挿入部を挿入することに
より、体腔内臓器等を観案したり、必要に応じ鉗
子チヤンネル内を挿通した鉗子を用いて生体内組
織を採取して患部を詳しく診断したりすことので
できる医療用内視鏡が広く用いられている。

上記内視鏡には口腔等から挿脱できるように、
挿入部が軟性で、湾曲できる構造の軟性内視鏡
と、挿入部が硬性で略直線状の硬性内視鏡があ
る。

この硬性内視鏡はトラカールの刺入に案内され
て腹腔内等に挿入される。

つまり、トラカール外套管にトラカール内針を
装着した状態で、患者の体壁を貫通するように刺
入し、その後トラカール内針を抜去して硬性内視
鏡の挿入部を先端側から挿入し、例えば腹腔内の
肝臓等の臓器、或は関節等狭い部位に刺入して関
節腔内を観察したり、治療処置等するものであ
る。

上記トラカール内針は先端が鋭く尖つている穿
刺用の部材であるため、観察部位が深部である
と、体壁を貫通するように刺入した後は、内部臓
器等を損傷しないようにトラカール内針を抜去
し、開口する端部が体腔内臓器にくい込んで損傷
したりすることを防止するためにトラカール閉塞
子でトラカール外套管を閉塞するように装着して
さらに深部に挿入する。

又、観察部位を移動する場合、例えば気腹用の
気体が逃げないようにトラカール閉塞子を装着し
て行う場合もある。

従来のトラカール閉塞子は、第１図に示すよう
に半球面状の先端部１をなし、トラカール閉塞子
自体に穿刺性がなかつた。

このため、トラカール外套管が体壁を貫通する
までは、トラカール内針を用い、貫通後において
トラカール閉塞子を用いるようにしていた。

しかしながら、関節腔内等狭い部位あるいは浅
い部位に用いる場合には、トラカール内針が体壁
を貫通した瞬間、先端部で靭帯あるいは軟骨等を
損傷させてしまうという場合があり、安全性に欠
けるものであつた。

本考案は上述した点にかんがみてなされたもの
で、トラカール閉塞子の先端部を放物面状、双曲
面状あるいは楕円面状に形成することにより、関
節腔内等狭い部位にも安全に挿入できるトラカー
ル閉塞子を提供することを目的とする。

以下、図面を参照して本考案を具体的に説明す
る。

第２図及び第３図は本考案の一実施例に係り、
第２図は一実施例を示し、第３図は一実施例を使
用する様子を示す。

第２図において、一実施例のトラカール閉塞子
２は、中空のトラカール外筒管内に挿通される外
径を有する柱状部３と、該柱状部３の一方の端部
を該端部側が（球面状の場合よりも）次第に細径
となる放物面、（長軸側の）楕円面若しくは双曲
面状に成形した先端部４と、柱状部３の他方の端
部側を前記トラカール外筒管の内径より段部状に
太径にして、該太径の端部に形成した円盤状のフ
ランジ部５とから構成されている。

上記トラカール閉塞子２は、その先端部４が上
述のように先細状にしてあるので、中空のトラカ
ール外筒管を閉塞するように装着してフランジ部
５を前方に押圧することにより、穿刺して挿入で
きる機能を有するように形成してある点が一実施
例の特徴となつている。

このように構成された一実施例を用いて体腔内
に挿入する様子を第３図を参照して説明する。

同図Ａに示すように表皮６、皮下脂肪組織７、
筋層８で被覆されている関節等に、トラカール外
套管９にトラカール内針１０を装着して刺入す
る。この場合、筋層８内側は図示しない軟骨、靭
帯等が筋層８からあまり離れていない箇所に存在
する場合には、鋭く尖つた刃先部を有するトラカ
ール内針１０によつて筋層８を完全に貫通しない
部位まで穿刺し、該トラカール内針１０を抜去し
て、一実施例のトラカール閉塞子２を装着する。

この状態でトラカール閉塞子２の後端のフラン
ジ部５を押圧すれば、トラカール閉塞子２は穿刺
機能を有するように形成してあるので、第３図Ｂ
に示すようにトラカール外套管９と共に筋層８に
刺入し、さらに該筋層８を貫通させることができ
る。

この場合トラカール閉塞子２は、トラカール内
針１０のように鋭く尖つた刃先部が形成されてな
いので、筋層８が貫通した際、先端が軟骨等に当
接しても、軟骨等を損傷するには至らない。つま
り、関節腔内等、狭い部位あるいは体壁に近い浅
い部位等において使用すれば、軟骨、臓器等を損
傷することなく安全に刺入できる。

従つて、上述のように筋層８を貫通した後に、
トラカール閉塞子２を抜去して、硬性内視鏡を挿
入すれば、目的とする部位を観察あるいは診断等
することができる。

尚、トラカール閉塞子２の先端部４の外形が、
柱状部３の中心軸を回軸対称の軸とする回転対称
の曲面となるように、放物面、楕円面、若しくは
双曲面状に形成する場合に限定されるだけでな
く、柱状部３の中心からずれた軸を中心として上
述のような曲面状に形成しても良い。

又、端部側を次第に小径となるようにして先端
部４を形成する場合、例えば楕円面状のものにつ
いても鋭角状で穿刺機能の大きなものから鈍角状
の穿刺機能の小さいものまで種々のものを揃えて
おけば、目的とする部位に応じて適切に対処し得
るようにできる。他の放物面、双曲面状にした場
合についても同様である。

以上述べたように本考案によれば、トラカール
閉塞子の先端部を穿刺機能を有する放物面、楕円
面若しくは双曲面状に形成してあるので、トラカ
ール外套管を閉塞して関節腔内等狭い部位にも腔
内の軟骨等を損傷することなく安全に刺入するこ
とができるという利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のトラカール閉塞子の先端部の形
状を示す概略側面図、第２図及び第３図は本考案
の一実施例に係り、第２図は一実施例のトラカー
ル閉塞子を示す概略側面図、第３図は一実施例を
使用する様子を示す説明用の概略断面図である。 ２……トラカール閉塞子、３……柱状部、４…
…先端部、５……フランジ部、６……表皮、８…
…筋層、９……トラカール外套管、１０……トラ
カール内針。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中空のトラカール外套管を閉塞するように該ト
   ラカール外套管に装着して体腔内等に挿入される
   トラカール閉塞子において、放物面、楕円面若し
   くは双曲面状の先端部を有することを特徴とする
   トラカール閉塞子。