JPS6316879Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はポンプ装置に関するもので、特に軸
とロータの中心と偏心した筒状の内壁を持つハウ
ジングを有した偏心型ベーンポンプに関するもの
である。

まずこの種の従来のポンプ装置を第１図第２図
について説明する。

１は図示しない自動車用交流発電機のブラケツ
トであるエンドフレーム、２は上記エンドフレー
ム１から軸受３を介して支持され、かつ図示しな
い自動車用交流発電機によつて駆動される軸であ
り２ａはこの軸２に設けられたスプライン部であ
る。４はこの軸２のスプライン部２ａにスプライ
ン嵌合により固定されたロータであり４ａはその
スプライン部である。このロータ４には放射状に
複数個（図では４個）のベーン５が径方向に摺動
可能に挿入されている。６は上記軸２及び上記ロ
ータ４の中心と偏心した筒状の内壁を持つハウジ
ング、７は上記ハウジング６と上記軸２と共にポ
ンプの作動室１５を構成する為のプレート、８は
上記ハウジング６と上記プレート７との気密を保
つパツキン、９は上記プレート７に固定され上記
軸２に接触しポンプの作動室１５内の気密を保つ
シールである。上記ハウジング６とプレート７は
ピン１０により固定されポンプとして構成し、取
付ボルト１１により交流発電機の上記エンドフレ
ーム１に組付けられる。１２，１３，１４は上記
ハウジング６に設けられた吸入口、排出口、給油
口であり、上記吸入口１２は図示していない真空
タンクに、又、上記給油口１４も図示していない
油ポンプに接続されている。

次に動作について説明する。

軸２が矢印の方向へ回転すると、ベーン５に生
ずる遠心力によりベーン５は外方向へ飛び出しハ
ウジング６の内壁を摺動しながら回転し、これに
より、吸入口１２から真空タンク内の空気を吸入
し排出口１３から排出しポンプ作用を行う。又、
給油口１４からハウジング６内に供給された油は
ベーン５とロータ４の摺動面の潤滑を行ない排出
口１３から排出される。

ところで、このようなポンプ装置を補修用とし
て供給する場合、あるいは交流発電機と異なる工
場で製作した後一体に組み立てる場合、ポンプ装
置単体を搬送する必要が生ずるが、上述したよう
な従来のポンプ装置においては、ロータ４が交流
発電機の軸２に嵌合されていないため、搬送時に
ロータ４がハウジング６とプレート７で囲まれた
作動室１５内を自由に移動し、この移動によりベ
ーン５が損傷を受ける欠点があつた。

この考案は上述のような欠点を解消するためな
されたもので、プレートを介してハウジングに取
付け可能な自動車用交流発電機のブラケツトエン
ドフレームに軸受を介して支承され、ロータに対
して軸方向に摺動自在で該ロータに脱着可能に設
けられ、自動車用交流発電機により駆動されて上
記ハウジングの内周面の中心から偏心して回転す
る駆動軸と、上記ロータに上記プレートの内周端
部と一定の〓間を介して対向する如く軸方向に延
長して設けられ、上記ロータの位置規制用の突出
部とを備えたポンプ装置を提供するものである。

このように突出部を設けたことにより、ポンプ
装置を単体輸送する際、ロータの突出部がプレー
トの内周端部に係合されてロータの位置が規制さ
れることになり、ロータによりベーンを損傷する
欠点を解消することができる。

以下、この考案の実施例を第５図、第６図につ
いて説明する。

まず、第５図において、１６は上記ハウジング
６の内周面と偏心して設けられ上記複数個のベー
ン５を径方向に摺動可能に支承するロータ、１６
ａはこのロータ１６に上記軸２のスプライン２ａ
と嵌合可能な如く設けられたスプライン部、１６
ｂは上記ロータ１６に上記プレート７の内周端部
と対向する如く延長して設けられ、上記ロータ１
６の位置決めを行なう筒状の突出部で上記ロータ
１６と一体に形成されている。又、このロータ１
６の突出部１６ｂは軸２と嵌合した状態で上記プ
レート７の内周端部との間に一定の〓間を有する
ように形成されている。

即ち、以上の様に構成された実施例にあつては
ロータ１６に延長した筒状の突出部１６ｂを設け
る事によりポンプ単体時におけるロータ１６の動
きは、突出部１６ｂとプレート７の内周端部との
係合により規制する事ができるので、ポンプ単体
で搬送する場合にロータ１６でベーン５を破損す
る事がなく、発電機に組み込む際の互いのスプラ
イン２ａ，１６ａの嵌合が容易となり、シール９
を軸２により損傷する不具合も解消できる。

又、突出部１６ｂとプレート７の内周部とに一
定の〓間を設ける事により、発電機に組み込んだ
後には、突出部１６ｂとプレート７とは摺接する
事なく、従来のポンプ装置の動作と同様となる。

なお、上記実施例では突出部１６ｂをロータ１
６と一体で形成したが、第６図の筒状の突出部１
７の様にロータ１６と別体で形成しても同様の効
果を奏する。

又、上述ではロータ１６の突出部１６ｂ，１７
を各々円筒状に形成したものを例示したが、突出
部１６ｂ，１７は筒状でなくともよく、ロータ１
６よりプレート７の軸方向側に数ケ所のみ突出し
ていてもよく、要は、プレート７と係合してロー
タ１６の動きを規制するものであればよい。

以上の様にこの考案によれば、ロータの軸方向
端にプレートの内周端部と所定の〓間を介して対
向する突出部を設けることにより、ポンプ装置単
体の搬送時におけるロータの動きを規制すること
ができ、ロータの移動によるベーンの損傷を防止
することができる。また、突出部はプレートとの
間に〓間を介しているため、交流発電機に組み込
んだ場合に、プレートと摺接することがなく、し
かも、駆動軸を支承する軸受を設ける必要がない
ため、簡単で摩耗や騒音の少ない信頼性の高いポ
ンプ装置を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のポンプ装置を示す側断面図、第
２図は第１図における−線での切断面図、第
３図は従来のポンプ装置においてポンプ単体とし
た場合の側断面図、第４図は第３図の右側面図、
第５図は本考案の一実施例を示すポンプ装置の側
断面図、第６図は本考案の他の実施例を示すポン
プ装置の側断面図である。 図において、１はエンドフレーム、２は軸、２
ａは軸２のスプライン部、３は軸受、４はロー
タ、４ａはスプライン部、５はベーン、６はハウ
ジング、７はプレート、８はパツキン、９はシー
ル、１０はピン、１１は取付ボルト、１２は吸入
口、１３は排出口、１４は給油口、１５は作動
室、１６はロータ、１６ａはスプライン部、１６
ｂ，１７は突出部である。なお、図中同一符号は
同一又は相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 吸入口と排出口とを有し筒状に形成された内周
   面をもつハウジングと、このハウジングに固着さ
   れ作動室を構成するプレートと、上記作動室内で
   回転駆動されるロータと、このロータに径方向に
   摺動可能に装着されると共に上記ハウジングの内
   周面に常に摺接して上記吸入口から上記排出口へ
   流体を圧送し得るベーンと、上記プレートを介し
   て上記ハウジングに取付け可能な自動車用交流発
   電機のブラケツトエンドフレームに軸受を介して
   支承され、上記ロータに対して軸方向に摺動自在
   で上記ロータに脱着可能に設けられ、上記自動車
   用交流発電機により駆動されて上記ハウジングの
   内周面の中心から偏心して回転する駆動軸と、上
   記ロータに上記プレートの内周端部と一定の〓間
   を介して対向する如く軸方向に延長して設けら
   れ、上記ロータの位置規制用の突出部とを備えた
   ポンプ装置。