JPS6316737B2 - - Google Patents

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JPS6316737B2
JPS6316737B2 JP53042487A JP4248778A JPS6316737B2 JP S6316737 B2 JPS6316737 B2 JP S6316737B2 JP 53042487 A JP53042487 A JP 53042487A JP 4248778 A JP4248778 A JP 4248778A JP S6316737 B2 JPS6316737 B2 JP S6316737B2
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toner
image
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electrostatic
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JP53042487A
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English (en)
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Yasuyuki Tamura
Masashi Kiuchi
Tooru Takahashi
Yasuo Mihashi
Seiji Tomari
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Canon Inc
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Publication date
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Priority to GB7912846A priority patent/GB2022468B/en
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Priority to US06/241,973 priority patent/US4430411A/en
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、記録体上の静電潜像を、一成分現像
剤を用いて可視化する為の画像形成装置に関す
る。
従来、各種公知の電子写真法あるいは静電記録
法等で形成された静電潜像を現像する方式とし
て、カスケード現像法及びマグネツトブラシ現像
法が広く実用に附されている。この両現像法はト
ナーと呼ばれる微細な着色粒子と、キヤリアと呼
ばれる比較的粗大な粒子を適当な割合で混合した
2成分現像剤を使用し、キヤリアとの摩擦接触に
より摩擦帯電したトナーを、静電潜像に選択的に
付着せしめるという点で、共通した特徴を有して
いる。しかしながら又同時に、両現像方法は上記
した共通の特徴に根ざす重大な問題点も有してい
る。
第1は現像剤の補給に関する問題である。即ち
上記した2成分現像剤においては、トナーとキヤ
リアの混合比が常にある一定の値であることが、
現像時における地かぶりの防止、また適正な画像
濃度を得るため必要である。一方、現像に際し、
記録体上に付着し、現像像を形成して消費される
のは、トナーのみである。従つて常に一定の混合
比を維持するためには複雑なトナー補給装置を必
要とするが、充分に満足のゆくトナー補給装置は
いまだ実用化されていない状況である。
第2は現像剤の劣化の問題である。即ち現像剤
を長期間使用すると、キヤリア粒子表面に、トナ
ーの樹脂成分の被膜が形成され、トナーとキヤリ
アとの摩擦帯電特性が劣化する。そのため現像剤
そのものを煩瑣に交換しなければならない。
上記した問題は、2成分現像剤を使用する限り
必然的につきまとうが、トナーを摩擦帯電させる
為の前述のキヤリアを含まない1成分現像剤を使
用すれば回転することができる。
米国特許第2895847号明細書には1成分現像剤
を使用する現像方法が記載されている。即ち、ウ
エブ、シート等よりなるトナーを支持部材上に一
様なトナー層(1成分現像剤層)を形成し、電子
写真感光板上に形成された静電潜像に接触させて
現像を行なうものである。この方法においてはト
ナー粒子は電気的に絶縁性であり、トナー支持部
材との摩擦により所定極性に帯電する。
しかしながらこの現像方法は、トナー粒子の帯
電にトナー支持部材との摩擦帯電を利用するため
に充分な電荷を得ることが難しく、また帯電した
トナー粒子は互いに凝集しやすく均一なトナー層
形成が困難となる結果、現像ムラが発生する等の
問題点がある。更に、トナー支持部材表面がトナ
ーの樹脂成分により汚染され摩擦帯電特性が劣化
するという問題もある。この現像方法が、前記し
たカスケード現像、マグネツトブラシ現像に付随
する問題点を回避し得るにもかかわらず、いまだ
実用化に至つていない最大の理由は、上記の新た
な問題点の解決が極めて困難な為である。
上記した絶縁トナーを使用する1成分現像方式
の問題点の主たる要因が、トナー粒子の帯電に摩
擦帯電機構を利用していることにあることは前述
の説明より理解される。
米国特許第3909258号明細書には、電気的に導
電性を有するトナーから成る1成分現像剤を使用
し、トナー粒子を帯電させるため静電誘導現象を
利用する1成分現像方法が記載されている。この
方法において、導電性トナーは、磁性体成分をも
有しており、静電潜像の形成された記録体表面と
一定の間隔をもち回転可能に設けられた円筒状の
非磁性・導電性スリーブ上を、円筒内部に設けた
磁力発生手段の磁力により現像位置まで支持搬送
され、静電潜像と接触せしめられる。この際、現
像部において、導電性一成分現像剤により記録体
表面とスリーブ表面との間に電気的な導電路が形
成され、この導電路を経て導電性トナー粒子が静
電誘導的に帯電される。
この導電性・磁性トナーを使用する1成分現像
方式は上述の2成分現像方式にまつわる問題点、
及び絶縁性トナーを使用する1成分現像方式の不
都合な点を回避し、比較的安定に均一な現像を行
なえる点で、すぐれた特徴を有しているが、現像
した像を記録体から、例えば紙のような最終的な
支持部材へ転写する必要がある場合において、ト
ナーの導電性に起因する不都合が生じる。即ち、
トナーの導電性故に紙面との急速な電荷交換が生
じて、トナーにかかる静電的な転移力が小さくな
る結果、満足のゆく転写が行なわれないという不
都合である。これは原因がトナーの導電性にある
という点で、この現像方式の致命的な欠点であ
る。
上述の2成分現像方式、絶縁性1成分現像方
式、及び導電性1成分現像方式にそれぞれ固有の
問題点を解決しようと試みた現像方式も種々提案
されているが、実用に耐え得る満足のゆく技術は
いまだに確立されていない。例えば、特開昭53−
31136号公報には、高電場のもとで定常状態(静
電的状態)にあるときは全体として絶縁性である
1成分現像剤のトナーが、適当な物理的混合手段
により急速でかつ乱流的な状態におかれ、かつ高
電圧の印加された電極と急速にかつくり返し接触
する状態にあるときは、導電性ナトーと同等の電
荷輸送特性を示すという現象を利用する現像方法
が記載されている。この現像方法における絶縁性
トナーの帯電及び電荷輸送機構は、上記公報の記
載によれば、高電圧の印加された電極との接触に
より絶縁性トナー粒子に直接注入又は付与された
所定極性の電荷が、物理的混合作用によるトナー
粒子相互の接触により次々と隣接するトナー粒子
に転移し、ついには記録体上の静電潜像と隣接す
るトナー粒子を帯電せしめるか、あるいはまた高
電圧の印加された電極との接触により帯電したト
ナー粒子自身が、物理的混合作用により静電潜像
面と接触し得る位置に移動するというものであ
る。しかしながら、この電極から注入された電荷
の転移による電荷輸送機構を利用する現像方法も
次の様な問題点を有している。
第1に、電極からの注入によりトナー粒子に電
荷を付与する方式であるため、現像が進行するに
つれて、トナー層全体に電荷が蓄積され、トナー
層平均電位が変動し、これがかぶり電位を越える
と地かぶりの原因となるという点である。
第2に、この現像方法によると細線画像の再現
性に欠けるという点である。この原因は、電極か
ら注入あるいは付与される電荷の潜像面までの電
荷輸送または、電極より電荷注入をうけたトナー
粒子の潜像面までの移動に、ある程度時間がかか
る為と考えられる。従つて、電荷を持つたトナー
が記録体面に達した時には細線の潜像は既にそこ
から去つてしまつている。
第3に、太線、又は帯状画像の現像に所謂掃き
寄せ現象(帯像の、記録体進行方向に関しての先
端縁側の濃度が低く、後端縁側が濃くなる現象)
が生じ、かつ像の後端縁に鉤裂き状の乱れが生ず
るという点である。この原因も上記第2の欠点と
同じと考えられ、像の先端部に付着するトナー量
が少なく、後端部に付着するトナー量が過多にな
る為である。
本発明は上述の公知技術の種々の欠陥を除去す
べくなされた発明であつて、その主たる目的とす
るところは、地かぶりがなく画像再現性にすぐ
れ、かつ良好に転写可能な現像像を形成可能とす
る一成分現像剤使用の画像形成装置を提供するこ
とにある。
而して本発明は上記目的を達成するもので、静
電像担持体の静電像を一成分磁性現像剤で現像
し、現像された像を転写紙に静電的に転写して画
像を形成する画像形成装置であつて、上記一成分
磁性現像剤として表面に絶縁性の主領域を持ち、
この主領域に電荷移動の可能な導電領域を散在さ
せた粒子であつて、静的状態で全体として
104V/cmの電界中で1014Ωcm以上の体積抵抗率を
有する絶縁性一成分磁性現像剤を使用し、上記静
電像を現像する現像部において、この磁性現像剤
を撹乱して見掛上1011Ωcm以下まで下げるために
用いられる可動マグネツト部材と、この磁性現像
剤を現像部領域で担持する表面が絶縁性でありこ
の可動マグネツト手段を内側に有する現像剤担持
手段と、上記静電像の画像部に吸引されない極性
の電荷を持つた現像剤の電荷を現像部の後で除電
する除電手段と、この除電手段で除電された現像
剤を回収すると共に、上記現像剤担持手段にこの
磁性現像剤を現像のために供給する供給手段と、
を備え、この磁性現像剤の導電領域に静電像の電
荷のみによる分極を生じさせて静電像を現像し、
現像された現像像を転写紙に静電的に転写するこ
とを特徴とする画像形成装置である。
以下本発明における現像メカニズムの原理、好
ましい実施例等について図面を参照しながら説明
する。
第1図は本発明装置を適用できる転写式電子写
真複写装置の一例の概略図である。1は電子写真
感光ドラムで、周囲には導電層、光導電層、透明
絶縁層を順に層合して成る電子写真感光体1′が
設けられ、モータ等不図示力源により矢印方向に
回転駆動されている。感光体1′はまずD.C.コロ
ナ放電器2により表面に均一な帯電を受けるが、
その帯電極性は上記光導電層がN型半導体の場合
は正、P型の場合は負である。感光体1′は、次
に可動原稿台や可動鏡等によつて走査されている
所望の被複写原稿の光像(結像レンズ3によつて
感光体1′上に原稿像が結像される)のスリツト
露光を受け、これと同時にコロナ放電器4によつ
てA.Cコロナ放電、又は放電器2とは逆極性のD.
C.コロナ放電を受ける。以上によつて感光体1′
上には原稿像に応じた電荷パターンが形成される
が、更にランプ5により全面均一な露光を受ける
ことによつて原稿の高コントラストの静電潜像が
形成される。この潜像は本発明に係る後述の乾式
現像器Dによつて絶縁性一成分現像剤で現像、可
視化される。感光体1′上に形成された現像々、
即ちトナー像は、不図示供給手段から供給され、
感光体1′表面に接触せしめられる転写紙P(一般
的に普通紙が使用される)に転写される。即ち、
転写紙Pは感光体周速と同速で搬送され、感光体
1′と接する位置で裏面、即ちトナー像の転写す
るとは反対の面にコロナ放電器6からのD.C.コロ
ナ放電を受ける。放電器6の放電極性は感光体
1′に付着したトナー、即ち現像々を形成するト
ナーの帯電極性とは逆極性である。斯様な転写紙
Pの裏面帯電により形成された転写電界により、
感光体1′上のトナーは転写紙Pの表面に移転す
る。この転写電界は、この種の電子写真、静電記
録等の分野においては一般的に104V/cm程度、
又はそのオーダーである。かくしてトナー像の転
写された紙Pは、適当な剥離手段7によつて感光
体1′から剥離され、不図示の定着装置に搬送さ
れてトナー像の定着処理を受ける。一方、転写後
感光体は表面に摺接したゴムブレード等クリーニ
ング手段8によつて残留トナーのクリーニング作
用を受け、再び以上の画像処理サイクルに投入さ
れる。
第2図は、前記第1図の現像装置Dの現像メカ
ニズムの原理説明図である。1′は第1図の感光
体、即ち静電像担持体とする。この裏面導電層は
例えば図のように電気的に接地されている。9は
一成分現像剤、即ちトナーを担持して感光体1′
の表面に接触させる現像剤担持体である。現像剤
担持体9は導電性部材9′とその表に貼着された
絶縁層9″から構成されており、導電部材9′は例
えば電気的に接地されている。
現像剤担持体9に担持されたトナーT1〜T8
担持体9上に現像剤層を形成するが、その表層部
分が感光体1′の表面に接触する。トナーT1〜T8
は、絶縁性の表面を有する絶縁性基体(合成樹脂
等で作られる)T′と、その表面に露出した、電
荷が内部を移動できる導電体T″とから成る。導
電体T″には例えばカーボンブラツク等が良好で
あるが、いずれにせよトナーの表面は絶縁性の主
領域(絶縁基体T′の露出表面)中に電荷移動の
可能な導電性領域(導電体T″の露出面)が散在
した形となつている。しかしながらトナー層全体
としては、即ちトナーの集積したものとしての一
成分現像剤としては、静的状態において、全体と
して絶縁性である。この為には、トナー表面の
夫々電気的に孤立した導電性領域の隣り合つたも
のどうしの平均間隔が、各導電性領域の最長径の
平均より大であることが好ましい。本発明に使用
するに好ましい現像剤の抵抗特性については後に
詳述する。
第2図で、感光体1′には静電像が形成されて
いるが、その画像部A(現像剤が付着して着色可
視化されるべき領域)の電位極性が、今正である
とする。非画像部B(現像剤が本来付着すべきで
ない領域。例えば白地に黒色文字の原稿のポジ像
複写物を得ようとする場合、静電潜像の原稿黒文
字に対応する部分が画像部、白地に対応する部分
が非画像部である)の電位は零であるとする。従
つて第2図では、感光体1′と現像剤担持体9と
の間には、静電像画像部Aの領域においてこの画
像部Aの電荷によつて静電界が形成される。この
電界中のトナー層の内で、例えばトナーT1とT2
とは夫々の導電体T″1,T″2が接触している。こ
の時2つの導電体T″1,T″2は1個の導電体と等
価であり、それ故画像部Aの電位の作用による静
電誘導によつて、画像部Aに近い側のトナーT1
の導電体T″1中には負の誘導電荷が蓄積され、一
方画像部Aから遠いトナーT2の誘電体T″2中には
正の誘導電荷が蓄積される。換言すればトナー
T1は画像部Aに吸引される、画像部Aとは逆極
性の電荷状態となり、トナーT2は画像部Aに反
撥される、画像部Aと同極性の電荷状態となる。
従つて、今トナーT1,T2を何らかの力で分離し
てやれば、即ち双方の導電体T″1とT″2を離して
やれば、トナーT1は全体として負に帯電した状
態となつて画像部A方向に移行し、ここに吸着さ
れ、他方のトナーT2は全体として正に帯電した
状態となつて画像部Aから遠ざかり、静電界の作
用によつて現像剤担持体9方向に移行しようとす
る。ところで、一般に画像部A近傍には極めて多
量のトナーが存在し、従つて相互に表面導電性領
域同士で接触しているトナーの量も多量であるか
ら、静電像画像部の電位によつて、前記導電体部
分の静電誘導現象により画像部と逆極性の電荷状
態になるトナー量も多い。そしてこの画像部と逆
極性への電荷付与は、感光体表面の極近傍の多量
のトナーになされるから、これらトナーが感光体
表面に到達するに要する時間は極短時間である。
よつて、細線も適正な濃度で均一に、断続等なく
忠実に現像され、黒ベタ、太線、帯等もはき寄せ
や鉤裂き様の現象もなく適正な濃度で、一様、均
一に忠実に現像されるのである。尚、感光体付近
で発生した画像部と同極性の電荷状態になつたト
ナーは、感光体1′から遠ざかり担持体9に近づ
いて行くが、一部はその途中で、担持体9近傍で
前記画像部電位により画像部と逆極性の誘導電荷
を与えられて感光体方向に移動して行くトナーと
接触して放電する。残りは現像剤担持体9の絶縁
層9″上に集まるが、これは後述の除電手段によ
つて各々有する電荷を放電し、トナー層は全体と
して無電荷状態に復する。
一方、静電像の非画像部Bに対応する領域で
は、感光体1′と現像剤担持体9の間には静電界
が形成されないから、この領域中にあるトナー層
内では、例えトナーT5,T6のように表面導電性
領域同士で接触していても静電誘導現象は生ぜ
ず、それ故このトナー層内では正、負に帯電した
トナーは発生しない。
尚、表面導電領域の接触したトナー粒子相互の
間の上記静電像電位による静電誘導現象での電荷
の移動は、静電像担持体1′と現像剤担持体9の
間の電位差が十分に有る場合には、静電像の近く
以外の、即ち担持体9近傍のトナー粒子相互間で
もおこる。しかしこうして画像部と逆極性に帯電
したトナー粒子は静電像の細部を現像するにはほ
とんど寄与しない。なぜならば、はげしく撹乱さ
れている多量のトナー粒子中で、電荷を蓄積した
トナー粒子が遠方から静電像の画像部にまで接近
するためにはある程度の時間を必要とする。した
がつて静電像の画像の細線(これは例えば巾50μ
程度である)が現像部にさしかかつた時、この細
線潜像電位によつて現像剤担持体近傍で細線潜像
と逆極性の電荷を蓄積したトナー粒子が現像剤層
の表面に移動した時には、すでに静電像の上記細
線潜像は該トナー粒子の達した位置から移動し遠
ざかつていると考えられる。
一般に例えば事務用複写装置等では良好な画像
を得るためには、少なくとも5本/mm以上、望ま
しくは10本/mm以上の解像力を要求される。この
時、画像細線の巾は100μ〜50μである。かかる細
線の十分に良好な現像をするためには、静電像の
画像部の近くで静電像の画像部と逆極性の電荷を
有するトナー粒子を発生させる以外は不充分であ
る。ただし画像部の面積が比較的広い場合には静
電像の画像部から比較的遠方の現像剤担持体近く
で前記静電誘導により生じた静電像画像部と逆極
性のトナーも現像に寄与しうる。又これらの静電
像画像部と逆極性の電荷を有するトナー粒子は容
易に静電像の画像部の近くで生じた静電像の画像
部と同極性の電荷を有するトナー粒子とぶつかり
合い、画像部と同極性の電荷を消去するのに役立
つ。
ところで、本発明では、静電像を現像する為
に、静電像の電位を用いて形成した静電界中で、
2つのトナーを表面導電性領域同士でまず接触さ
せ、これによつて静電誘導により一方のトナーの
上記導電性部分に負の誘導電荷を蓄積させ、他方
のトナーの上記導電性部分に正の誘導電荷を蓄積
させ、そして次にこの2つのトナーを離してやる
ことが必要である。従つて本発明では上記電界中
で、少なくとも静電像担持体表面近傍では、現像
剤に撹乱運動を与えてやることが必要である。こ
れは、例えば、トナーを磁性トナーとし、そして
静電像担持体1′に現像剤が接触せしめられる所
(即ち現像部)に磁界を形成し、そしてこの磁界
を変動させてやれば実現できる。この時、担持体
9の導電体9′、絶縁体9″は非磁性体であること
が好ましい。第2図では上記磁界を変動させる為
に、マグネツト10を現像剤担持体9の裏側に配
置しており、そしてこのマグネツト10を現像剤
担持面に平行に移動させている。これによつて現
像部の磁界は変動し、トナーは撹乱運動する。こ
こで、本発明に使用するトナーは表面の導電性領
域が絶縁性主領域よりも比較的小さい為、トナー
が相互に夫々の導電性領域で接触する確率は小さ
い。従つて、静電像の電位を利用して、前記のよ
うに導電体の静電誘導により所望極性電荷を有す
るトナーを発生させる本発明では、そのトナーを
多量に発生させる為には、極めて高速度でトナー
層を撹乱し、トナー相互の接触回数を増大するこ
とが望まれる。従つて、上記マグネツト10の移
動速度は十分高速であることが望ましい。マグネ
ツトの速度については後に詳述する。
現像部での如上のトナー層撹乱は、可動マグネ
ツトを使用するのでなく、現像剤担持体9を動か
すことによつても達成される。しかし、担持体9
を動かすだけでは一般に十分な撹乱は得にくく、
従つて画像部と逆極性の電荷状態になるトナー量
も少なくなる故、高速可動マグネツトを使用する
のが本発明をより良好に実施する上では好まし
い。
また、マグネツトを使用する他の利点は、この
マグネツトの運動によつて現像剤を供給部から現
像部を通つて収容部に搬送できること、及び、現
像部で静電像担持体表面に前述のようにして形成
された静電像画像部と同極性に帯電したトナー
を、静電的反撥力に加えて磁力によつても現像剤
担持体側に吸引できることである。
ここで、後述の実施例にも関係するので磁界変
動と磁性トナーの運動について一言しておく。現
像剤担持体が非磁性円筒であるとし、この円筒中
で多極マグネツトロールを回転させるとする。上
記円筒は非回転に固定しておくとする。この円筒
表面に1つの磁性トナーを与えれば、マグネツト
を回転した場合円筒状の磁性トナー粒子はマグネ
ツトの磁極の移動とともに円筒状で自転運動を
し、円筒上を転がる事によつてマグネツトの磁極
の移動方向と逆方向に移動する。そして理想的な
磁性トナーのモデルを考えれば、マグネツトの磁
極がN極からS極へ又はS極からN極へ1回変る
たびにトナーは1/2回転する。このことから、上
記円筒状に磁性トナー層を与えてやれば、マグネ
ツトの回転によつてトナー層が撹乱され、個々の
トナー同士が接触、離間を繰り返すとともに、ト
ナー層全体がマグネツトの回転方向と逆方向に円
筒周面上を移動して行くことが判る。
尚、以上の説明ではトナー粒子表面の電荷移動
可能な領域は導電体T″で形成したが、T″は半導
体でもよい。またT″として半導体を用いたトナ
ーと導体を用いたトナーとを混合した一成分現像
剤を使用してもよく、或いは1つのトナーの
T″に導体、半導体の両者を与えた現像剤も使用
できる。いずれにせよ、T″は電界中で内部を電
荷が移動し得る物質であることが必要である。
以下に本発明の実施例と実験例を述べる。
第3図は本発明の一実施例の説明図である。
1は第1図で説明した感光ドラムで、電子写真
感光体1′を周面に設けた導電性金属ドラム1″は
電気的に接地されている。ドラム1は矢印方向に
定速回転せしめられる。
11は現像剤を担持搬送する為の円筒で、本図
例では非回転に固定されている。円筒11は導電
性非磁性金属円筒11′を基体とし、その周面の
一部に非磁性絶縁層11″を設けて成るものであ
る。この絶縁層11″は、円筒11に担持された
現像剤が感光体1′に接触する領域、即ち現像部
と、及び円筒11の周方向について、現像部の両
側に延長した所にまで張り出されており、現像部
で撹乱運動中の現像剤が金属円筒11′の導電性
表面に接触することのないように設けられてい
る。
12は絶縁性磁性トナーから成る絶縁性一成分
現像剤Tを収容する容器で、収容した現像剤を円
筒12の金属表面部に接触させるように配置され
ている。これによつて、現像部で電荷を帯び、そ
のままどこにも放電することなく容器12に戻つ
て来たトナーがいくらか存在しても、そのトナー
の金属筒11′への放電を促進でき、現像剤の電
位状態を尚一層安定化することができ、より良好
な現像像を得ることを可能にする。尚、容器12
が金属(非磁性であることが好ましい)である場
合はこれも電気的に接地等して円筒11と同電位
にし、円筒11との間に電界を形成しないように
することが現像剤の電位状態を安定する上で望ま
しい。そして容器12の現像剤Tに接触する側の
面が金属面であれば、上記円筒11の金属面と同
様電荷を帯びたトナーの放電を促進するから、上
記効果をより大ならしめるので好都合である。
13は絶縁性材料で形成されたブレードで、円
筒11と小間隔をおいて配置されている。このブ
レード13は円筒11上を現像部に向つて移動し
て行く現像剤の量を規制し、過剰の現像剤をそき
止め、除去する。尚、このブレード13が導電性
金属であれば接地等して円筒11と同電位にし、
円筒11との間に電界を形成しないようにするこ
とが現像剤の電位状態安定の為に好ましい。尚、
図ではブレード13は円筒11の絶縁表面に対向
しているが、金属表面に対向させてもよい。
14は多極(図では12極)マグネツトロールで
図示矢印方向に不図示のモータ等により高速回転
駆動される。このマグネツトロール14の回転に
より、磁性トナーより成る現像剤は容器12から
円筒11周面に沿つて持ち出され、ロール14の
回転方向と反対方向に移動し、まず前記ブレード
13に層厚規制された後現像部に達して感光体
1′表面に画像部でも非画像部でも接触し、一部
が感光体1′に形成された静電画像部領域に付着
して消費され、残つたものは更に円筒周面に沿つ
て移動して再び容器12中に戻る。
上記現像部においては第2図で説明した原理に
より静電像が現像可視化される。即ち、マグネツ
トロール14の回転によつて円周11周囲の磁界
は激しく変化するから、当然現像部でも磁界が激
しく変化し、それによつて磁性トナーは現像部で
も激しい撹乱運動をして現像剤層中のトナー同
士、接触、離間を繰り返す。一方、現像部では感
光体1′の担持した静電像画像部の電位によつて、
円筒11の金属部分11″と感光体間に強い静電
界が形成されるから、トナーの絶縁性表面に散在
露出した導電体部分のこの電界中での静電誘導現
象により、第2図で説明した通り、静電像画像部
と逆極性の電荷状態となつたトナーと、同極性の
電荷状態となつたトナーとが多量に形成される。
そして上記静電像画像部と同極性の電荷状態とな
るトナーは感光体表面と現に接触しているもの、
及びこの近傍範囲内に多量に存在するから、静電
像は急速に、従つて忠実に現像されるのである。
一方、前記静電誘導現象により静電像画像部と
同極性に荷電されたトナーは、一部は静電像画像
部と逆極性に荷電されたものの現像には消費され
なかつたトナーと接触した際持てる電荷を放電す
るが、残余のものをそのまま放置すると現像剤全
体の電位状態が静電像画像部と同極性の方に上昇
して行き、この為現像が進行し、或いは回数が増
えるにつれて、静電像画像部に付着するトナー量
が次第に減少して行く。即ち、現像像の濃度が現
像時間経過とともに低下して行く。これは現像像
コントラストの低下となり、或いは広面積の画像
部であれば現像時間の経過した後部は前部よりも
低濃度となるといつた不都合となる。そしてま
た、静電像の非画像部の表面電位が画像部のそれ
と逆極性であれば、画像部と同極性のトナーが増
大するとカブリの量もまた増大して行くことにな
る。更にまた、帯電したトナーは容器中等で塊を
形成しやすく、これが為現像剤の流れに支障が生
ずる等の不都合もある。
如上の不都合を解決する為に、第3図例では、
現像剤の搬送径路に関して現像部の後の位置であ
つて、かつ容器12の前の位置で、容器12に戻
る現像剤を円筒11の金属部分11′の表面に接
触させ、これによつて前記静電像画像部と同極性
に帯電したトナーを放電させるようになつてい
る。マグネツトロール14が高速回転して現像剤
層を撹乱運動させているから、層中のトナーは満
遍なく上記金属表面に接触し、静電像画像部と同
極性の電荷をもつているトナーは勿論、逆極性の
電荷をもつていて現像に消費されずに残つたトナ
ーも、この金属表面に電荷を放出する。これによ
つて現像剤の電位状態を安定でき、前記不都合も
生ぜず良好な現像を永続できるものである。
第4図は本発明の他の実施例の説明図である。
円筒11を非磁性金属円筒11′の全周に非磁性
絶縁層11″を設け、そして除電電極15を円筒
11と別に設けたこと等の他第3図例とほぼ同じ
構成である。従つて同一構成、同一作用のものに
ついては煩雑を避ける為、必要ない限り説明を省
く。
即ち、本図例では円筒11は電気的に接地され
た導電性金属円筒11′の全周に絶縁層11″を設
けた。この利点は円筒周面にトナー粒子が不動状
態に付着するようなことが減少することである。
更に、第4図では円筒11を回転しても現像部に
導電性部分が位置するようになることがない為、
円筒11を回転駆動できる利点もある。
そして、円筒11をマグネツトロール14と逆
方向に回転すれば現像剤の搬送速度をより向上す
ることができる。また円筒11をマグネツトロー
ル14と同方向に、即ち、現像剤の搬送方向と逆
方向に、マグネツトロール14より充分低速(例
えばロール14の1/50程度の回転数)で回転すれ
ば、現像部において感光体と円筒11との間に現
像剤が過剰に挾圧されるのを防止する効果があ
る。もし感光体と円筒11間に過剰の現像剤が挾
圧されれば、トナー粒子の撹乱運動が低下して第
2図で説明したようなトナー荷電現象の発生量も
減少し、或いは感光体や円筒11上に現像剤塊が
固着するといつた不都合が生じやすい。無論円筒
11は第4図例においても第3図例と同様非回転
に固定しておいてもよく、これにより遠心力等に
起因するトナーの円周外への飛散を防げる。その
際上記挾圧現像剤の生ずるのを防止するにはブレ
ード13と円筒11間の間隔を一層精密に調整す
るようにすることが好ましい。
第3図では帯電トナーの除電用電極は現像剤担
持用の円筒11の金属部11′が兼ねたが、第4
図例では除電電極15は円筒11とは刻設されて
いる。即ち、電気的に接地され円筒11の金属部
分11′と同電位に保持された(従つて円筒11
との間に電界を生じさせない)電極板15(針状
電極等でもよい)は、現像剤搬送径路に関し、現
像部の後であつて、かつ容器12の前の位置に、
円筒11に保持され、移動する現像剤層と接触す
るように配置されている。マグネツト14の回転
により電極15の位置でもトナーは撹乱され、静
電像画像部と同極性の電荷を有しているトナー
は、或いは逆極性の電荷を有しているトナーも、
電極15表面に接した際、各々持てる電荷を放出
し、これによつて現像剤の電位状態が安定して前
述の不都合がなくなる。
尚、第3図例にも第4図に示した除電電極15
を更に付加することができる。また、第4図で、
現像剤層に直接接触する除電手段の代りに、A.
C.コロナ放電、又は静電像画像部と逆極性のD.C.
コロナ放電によつて前記荷電トナーを除電するよ
うにしてもよい。この為のコロナ放電器は、言う
までもなく、現像剤搬送径路に関して現像部の
後、容器12の前の位置において、現像剤にコロ
ナ放電を印加するように配置される。このコロナ
放電器による現像剤除電法は第3図例にも利用し
てよい。
また、第3,4図例とも現像剤担持円筒11の
導電性円筒11′を電気的に接地したが、静電像
非画像部に残留した電荷によるカブリ現象をなく
する為に、導電性円筒11′に静電像の画像部の
表面電位と非画像部のそれとの間の電圧を印加し
てやることもよい。この場合にも、現像部におい
て円筒11表面と感光体1′表面との間には静電
像画像部の電位で強い静電界が発生するから、第
2図で述べた現像原理が進行する。
次に本発明の効果を証明する実験例について述
べる。
実験は第3図、第4図に夫々示した現像装置
を、キヤノン株式会社製で市販されている普通紙
転写式電子写真複写機、キヤノンNP5000に組み
込んで行なつた。この装置で、感光ドラムの外径
は160mm、回転周束は18.4cm/secである。円筒1
1は外径が50mm、絶縁層11″はポリエステルで
厚さ25μ、金属筒は非磁性ステンレス鋼であり、
接地したマグネツトロール14は12極で周面にN
極、S極が交互に並んでいる。円筒11表面での
磁束密度は約700ガウスである。円筒11とブレ
ード13(アルミニウムを25μ厚のポリエステル
で被覆したナイフ状のもの)の間隔は0.6mm、円
筒11と感光体1′の間隔は0.4mmである。現像部
での感光体1′への現像剤接触長は感光体周方向
について1.5〜2cm程度である。
使用した一成分磁性現像剤トナーの組成を重量
%で示せば、トナーAはエキポシ樹脂49.2%、マ
グネタイト49.3%、カーボンブラツク1.5%であ
り、トナーBはエポキシ樹脂50%、マグネタイト
50%、カーボンブラツク0%であり、トナーCは
ポリエチレン18%、エチレン酢酸ビニル共重合体
11%、マグネタイト64%、カーボンブラツク7%
である。トナーA,Cは、占有面積率は相違する
が、粒子表面に良好な導電性を有するカーボンブ
ラツクが露出散在しているものである。トナー
A,B,Cの平均粒径は夫々11、11、20μであ
る。
尚、感光体に形成する静電像の画像部の表面電
位を+600V、非画像部のそれを0Vに調整した。
まず、第4図装置でマグネツトロール14を非
回転にしておき、円筒11を現像剤搬送方向に
115r.p.m.で回転させた。トナーA,Bではとも
に極めて薄い現像像しか得られなかつた。トナー
Cではやや濃い像が得られたがまだ不充分であつ
た。これは円筒11の回転だけではトナーの十分
な撹拌ができない為と考えられる。しかるに更に
円筒速度を増すと、遠心力によりトナーが飛散し
てしまう。従つて現像剤担持円筒11を回転させ
てトナーを撹拌するだけでは、本発明を効果的に
実施できないことが解る。
次に第3図、第4図の装置で夫々円筒を非回転
に固定し、マグネツト14を図示矢印方向に回転
駆動して現像を行なつた。まずマグネツトロール
14を200r.p.m.で回転させたが、両装置でトナ
ーA,Bではともに極めて薄い現像像しか得られ
なかつた。一方、両装置でトナーCでは良好な濃
度の高い現像像が得られたが、像に感光体周方向
についてピツチ4〜5mm程度で周期的に濃度の濃
淡模様が生じた。これはマグネツトロール14の
磁極境界部が交互に現像部を通過する時生ずるも
のである。
次に、マグネツトロール14を500r.p.m.で回
転した。両装置では、トナーAではかなり濃度が
向上したが、トナーBでは向上濃度は低いもので
あつた。トナーCでは良好な濃度の現像像が両装
置で得られ、かつ上記の周期的濃度むらもなくな
り、実用に供せるものになつていた。そこで高湿
状態(35℃、湿度85%)で普通紙(20℃、湿度65
%で体積抵抗率が2.9×1011Ωcm)に転写してみ
たところ、転写率は10%と低いもので、薄い転写
像しか得られなかつた。尚、転写電界は通常この
種の装置で使用されていると同様の104V/cm程
度である。
更にマグネツトロール14を700r.p.m.で回転
したところ、両装置でトナーAについては十分実
用に供せる濃度の現像像が得られた。トナーBで
は両装置とも少しは濃度が向上したが、まだ実用
に供せる程度のものではなかつた。そこでトナー
Aを前記と同条件で前記普通紙に転写したとこ
ろ、転写率は70%に及び、濃い実用的な転写像が
得られた。トナーCでは両装置とも感光体上の現
像像濃度は適正であつたが、やはり転写率は10%
程度で実用的転写像は得られなかつた。
更にマグネツトロール14を1000r.p.m.で回転
したところ、両装置でトナーAについては申し分
ない濃度の現像像が得られ、前記条件での普通紙
への転写率もやはり70%程度で、全く適正な濃度
の転写像が得られた。トナーBではロール14を
700r.p.m.で回転したときよりも更に濃度が向上
していることは認められたが、まだ実用に供し得
る程度のものではなかつた。しかしマグネツトロ
ールの回転速度を増すに従つてトナーBでも現像
像濃度が向上していることが認められるので、マ
グネツトロールの極数を増大させるか、及び、又
は、回転数を更に増大すれば、実用に供せる濃度
の現像像が得られることが判る。念の為トナーB
の現像像を前記と同条件で同じ普通紙に転写した
ところ、トナーAと同じく転写率は70%程度で、
良好であつた。尚、ロール14を1000r.p.m.で回
転した際にもトナーCは両装置で良好な現像像を
形成したが、転写率は前記条件でやはり10%程度
であり、転写像濃度は実用にならない低いもので
あつた。
ここで、除電電極の効果を確認する為、第4図
の装置で電極15を除去し、マグネツトロール1
4を1000r.p.m.で回転させて現像を行なつたとこ
ろ、最初の細線像については電極15がない場合
と同様の現像像が得られたが、地にむら状にカブ
リを生じた。次の広面積画像部は、前端から数cm
の領域については電極15がない場合と同様の現
像像が得られが、その後に続く領域では次第に濃
度が低下して行き、そして広面積画像部の後端か
ら後に数cmの範囲にわたつて濃い地カブリが生じ
た。これらの不都合は、静電像画像部と同極性に
帯電したトナー量の増大により、現像剤の電位状
態が同極性側に偏倚したために生ずるものであ
る。
さて、前記実験において、各トナーで適正濃度
の現像像を得ることのできるマグネツトロールの
回数速度に夫々違いがあるのは、各トナーで、動
的状態(撹乱状態)における見掛け上の抵抗率が
異なつているからである。即ち、第2図で説明し
たように、本発明では、撹乱状態にあるトナーの
内の2つが表面に露出した導電性部分同士で接触
した際、静電像の電位により一方のトナーの上記
導電性部分に静電像画像部に吸引される極性の誘
導電荷が生じ、他方のトナーの上記導電性部分に
これと逆極性の誘導電荷が生じ、両者が変動磁界
の撹拌力により離間せしめられた際、前者のトナ
ーが静電像側へ移動し吸着され、後者のトナーが
静電像から遠ざかる方向に移動して最終的に現像
部後方の除電電極に放電する。現像濃度が高くな
るということは、静電像画像部と逆極性に帯電し
て感光体上に移動吸着するトナーとそれと反対極
性に帯電して除電電極に放電するトナーの量が多
くなるということであり、これは見掛け上現像剤
層を流れる電流量が増大することと等価である。
即ち、絶縁性一成分現像剤の動的状態において見
掛け上の抵抗が下がれば下がる程、濃度の高い現
像像が得られるものである。
一方、各トナーで転写率が相違するのは、静的
状態においての各トナーの抵抗率の相違に起因す
る。静的状態においての抵抗率が高ければ高い
程、転写率が高くなるものである。
そこでトナーA,B,Cについて動的状態の体
積抵抗率と、静的状態の体積抵抗率とを測定し
た。
まず動的状態の体積抵抗率の測定は、第4図の
装置を、前記キヤノンNP5000の感光ドラムのア
ルミニウムドラムに、感光体1′に代えて、ポリ
エステル絶縁フイルムを裏打ちしたアルミニウム
フイルムを貼り付けて構成したものを使用させる
ものに組み込んだ。上記アルミニウムフイルムに
は+500Vの直流電圧を印加した。その他の諸元
は前記と同様である。このアルミニウムフイルム
と除電電極15に測定メータの端子を取り付け、
現像剤層を流れる電流を測定し、動的状態での体
積抵抗率を算出した。マグネツトロール14は
0r.p.m.から1200r.p.m.まで変化させ、円筒11は
トナーの上記ドラムと円筒11間への挾圧を防止
する為、マグネツトロール14と同じ向きにこれ
の1/50の回転数で回転駆動した。尚、上記測定法
で第4図の円筒11をアルミニウムだけで構成す
る等、全周にわたつて表面まで導電性とし、この
円筒と前記アルミニウムフイルムとに測定メータ
の端子を取り付けてもよい。動的状態での現像剤
の体積抵抗率の低下は、その担持手段の導電性、
絶縁性によるのでなくその撹乱の程度に依存する
から、どちらの方法でも実質的に同じ測定結果が
得られる。得られた結果を第5図に示す。縦軸に
体積抵抗率Ωcm、横軸にマグネツトロール14の
回転数r.p.m.をとつた。トナーAが実用に供せる
濃度の現像像を形成するマグネツトロール14の
回転数700r.p.m.で、トナーAの現像部における
動的状態での体積抵抗率はほぼ1011Ωcmにまで低
下している。トナーCのそれが1011Ωcmになるの
はマグネツトロールの回転数が25r.p.m.付近であ
り、トナーBはマグネツトロールが1200r.p.m.の
回転をしても尚1012Ωcmの体積抵抗率にまでしか
下らない。以上のことから、マグネツトロールは
トナーの現像部における動的状態での体積抵抗率
を1011Ωcm以下に下げる程度まで回転し、現像剤
を強く撹拌する必要があることが判る。これによ
つて良好な現像濃度の、かつ潜像に忠実な像が得
られる。
次にトナーA,B,Cについての静的状態での
体積抵抗率の測定は、測定部面積が100mm×100mm
のアルミニウム製電極を1.0mmの間隙をもつて設
け、電極周囲から約5mmの間隔でガード電極を設
け、テフロン部材で電極を絶縁した構成の測定装
置を用い電極間に試料を充填して行なつた。
結果を第6図に示した。両対数グラフであり、
縦軸に体積抵抗率Ωcm、横軸に直流電場V/cmを
とつた。通常の転写電界104V/cmで転写率の良
いトナーA,Bとも1016Ωcm程度の高絶縁性を示
すが、転写率の極めて悪いトナーCは2×1012Ω
cmと抵抗率が低い。
尚、転写に適するトナーの静的状態での体積抵
抗率の限界を知る為に、重量%で樹脂40、マグネ
タイト59、カーボンブラツク0.6の組成のトナー
D(平均粒径18μ)を用いて実験を行なつた。こ
のトナーDの体積抵抗率は第6図の通りである。
マグネツトロール14を1000r.p.m.としたとこ
ろ、良好な現像像が得られたが、転写率は、35
℃、湿度60%では75%と良好であるけれども、35
℃、湿度85%で約40%に低下してしまい、実用に
供せない。但し、転写電界は104V/cmである。
この電界強度でのトナーDの体積抵抗率は第6図
から3×1013程度である。これと、及び後述の実
験からも判るように、従つて実用に併せる濃度の
転写像を得るには現像剤の静的状態での体積抵抗
率は104V/cmの静電界中で1014Ωcm以上あること
が必要になる。
尚、上記2つの体積抵抗率の測定にはYHP製、
YHP4329A High Resistance Meterを主に用
い、菊水model104標準電源及びμA Meterを併
用して電流値から算出する方法を用いた。
次に、キヤノンNP5000に第3図、第4図の装
置を組んだ前述の実験装置で、トナーAを使用
し、マグネツト14の回転数を300r.p.m.から
1200r.p.m.まで100r.p.m.宛増加させ、感光体上に
形成された現像画像の反射濃度を測定した。両装
置で結果はともに近似していた。ここでは第3図
装置についての結果を第7図に示す。縦軸に反射
濃度、横軸にマグネツトロールの回転数を示し
た。実用に供せる反射濃度1.0に対応するロール
14の回転数はほぼ700r.p.m.であり、先の実験
結果によく合致する。
更に、上記両装置で、マグネタイトとエポキシ
樹脂とを同一重量パーセントとし、カーボンブラ
ツクの添加重量%を変化させて、感光体上に得ら
れる現像像の反射濃度と35℃、湿度85%の条件で
前述の普通紙に転写(転写電界104V/cm)した
像の反射濃度を測定した。マグネツトロール14
の回転数は1000r.p.m.である。両装置ともやはり
結果は近似しているので、ここでは第4図装置に
ついての結果を第8図に示す。縦軸は反射濃度、
横軸は添加カーボンブラツクの重量%である。破
線aは感光体上の画像反射濃度、実線bは転写紙
上に転写された画像反射濃度である。ここでカー
ボン量0%、1.5%、3%、4%における転写率
は夫々約75%、約80%、約55%、約20%となり、
又この時の静的な体積抵抗率(104V/cm)は
夫々1.6×1016Ωcm、1.1×1016、3.0×1014、1.8×
1013Ωcmとなつた。この事は、104V/cmの電界中
で1014Ωcm以上の体積抵抗率がないと転写率が大
巾に低下することを示している。
尚、静電像の電荷分布に忠実な、かつ実用に供
せる適正な濃度の現像像を得るのに必要なマグネ
ツトロールの回転数はロールの磁極数によつて変
化する。一般に磁極数が増えれば回転数を減少で
きる。
一方、マグネツトロールの回転数が小さいと、
前述の周期的濃度むらが現像像に生ずる。このむ
らが無視できるようになるのは、マグネツトロー
ルの回転数が200Vp/N〔r.p.m.〕程度(ただし
Vpは静電像担持体の周速、Nはマグネツトロー
ルの磁極数)であることが実験的に確認された。
しかるに本発明で静電像に忠実、かつ適正濃度の
現像像を得るには一般に言つてマグネツトロール
を450Vp/N〔r.p.m.〕以上で回転させるのが適
当であることを実験的に確認した。
以上述べたように本発明によれば第2図で説明
した現像メカニズムを使用することにより、一成
分現像剤で地カブリがなく、静電像に忠実かつ高
濃度の、静電的に高い転写率で転写できる現像を
可能にし、当産業分野に極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の適用できる電子写真複写装
置、第2図は本発明の原理、第3図、第4図は本
発明の実施例、第5図乃至第8図は実験結果、を
夫々説明する為の図にして、1′は感光体、11
は現像剤担持円筒、11′はその金属部、11″は
絶縁層、12は絶縁性磁性一成分現像剤Tの容
器、13はブレード、14は回転多極マグネツト
ロール、15は放電電極である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 静電像担持体の静電像を一成分磁性現像剤で
    現像し、現像された像を転写紙に静電的に転写し
    て画像を形成する画像形成装置であつて、 上記一成分磁性現像剤として表面に絶縁性の主
    領域を持ち、この主領域に電荷移動の可能な導電
    領域を散在させた粒子であつて、静的状態で全体
    として104V/cmの電界中で1014Ωcm以上の体積抵
    抗率を有する絶縁性一成分磁性現像剤を使用し、 上記静電像を現像する現像部において、この磁
    性現像剤を撹乱して見掛上1011Ωcm以下まで下げ
    るために用いられる可動マグネツト部材と、 この磁性現像剤を現像部領域で担持する表面が
    絶縁性でありこの可動マグネツト手段を内側に有
    する現像剤担持手段と、 上記静電像の画像部に吸引されない極性の電荷
    を持つた現像剤の電荷を現像部の後で除電する除
    電手段と、 この除電手段で除電された現像剤を回収すると
    共に上記現像剤担持手段にこの磁性現像剤を現像
    のために供給する供給手段と、を備え、 この磁性現像剤の導電領域に静電像の電荷のみ
    による分極を生じさせて静電像を現像し、現像さ
    れた現像像を転写紙に静電的に転写することを特
    徴とする画像形成装置。
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