JPS631603Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、産業車両用フロントアクスル装置に
係り、特に、小型フオークリフトトラツクなどの
フロントアクスル装置に関するものである。

本考案の目的は、大きな駆動力を必要とすると
ともに、車輪間幅（トレツド）を小さくする必要
のある小型フオークリフトトラツクなどの産業車
両用フロントアクスル装置において、トレツドを
小さくすることにともなう、フロントアクスル内
に配置された最終減速装置の潤滑油の油漏れ、あ
るいはブレーキ装置から発生するブレーキライニ
ングの摩耗粉の最終減速装置内への侵入などの問
題を合理的に解決した産業車両用フロントアクス
ル装置を提供することにある。

以下、図面に基づいて本考案の一実施例を説明
する。

図はフオークリフトトラツクのフロントアクス
ル装置を示し、図中１は、車体フレーム２により
支承され、内部にフロントアクスルシヤフト３を
収納したフロントアクスルハウジング、４は該フ
ロントアクスルハウジング１の軸方向に間隔をお
いて配設された一対のベアリング５，６を介して
回転可能に支承されたフロントアクスルハブ、７
は最終減速装置を構成する遊星歯車機構であり、
前記フロントアクスルシヤフト３の先端部に形成
された太陽歯車７Ａ、前記フロントアクスルハウ
ジング先端部にスプライン嵌合するキヤリヤ７Ｂ
および前記太陽歯車および前記キヤリヤ７Ｂにそ
れぞれ噛み合う複数の遊星歯車７Ｃから成り、遊
星歯車７Ｃの軸７Ｄが前記フロントアクスルハブ
４にリングプレート８およびボルト９を介して連
結されていることによつてフロントアクスルシヤ
フト３の駆動力が減速されてフロントアクスルハ
ブ４に伝達される。

また、１０はフロントアクスルハブ４の外周部
にボルト１１を介して固定されたホイール、１２
は該ホイール１０の外周部に装着されたタイヤで
ある。

さらに、１３はフロントアクスルハブ４の外周
部にボルト１４により固定されたブレーキドラ
ム、１５は該ブレーキドラム１３内に装着された
内部拡張式のブレーキ装置であり、前記フレーム
２にブレーキバツクプレート１６を介して固定さ
れている。なお、１７，１８はそれぞれ、フロン
トアクスルシヤフト３とフロントアクスルハウジ
ング１間およびフロントアクスルハウジング１と
フロントアクスルハブ４間のオイルシールを行う
シール部材である。

以上の構成は従来のフロントアクスル装置と大
きな相違はないが、特に本考案の特徴はフロント
アクスルハブ４の外周部にブレーキドラム１３を
配置し、フロントアクスルハブ４のフレーム側端
部がブレーキドラム１３内に配置される構成であ
り、トレツドを極力小さくする必要のある小型フ
オークリフトトラツクに有利な構成となつている
点である。

本考案は、ブレーキドラム１３内に、フロント
アクスルハブ４のフレーム側端部が配置される構
成となるため、シール部材１８から最終減速装置
７内の潤滑油が漏れ、ブレーキドラム１３に付着
すると制動力が大幅に低下し、車両の暴走を生起
する危険があるとともに、ブレーキライニングの
摩耗粉がシール部材１８に付着し、シール部材を
短期間で損耗する不具合が生じる可能性が高い。

そこで本考案の要部となる構成は、これらの不
具合を防止した合理的な構成であり、以下その構
成について第２図に基づき詳細に説明する。図中
１９は基端部がビス２０により前記バツクプレー
ト１６に固定され、自由端部が前記フロントアク
スルハブ４の外周部を被うように配設されたカバ
ー部材であり、該カバー部材１９の下部に小孔１
９Ａが穿設され、この小孔１９Ａに対してパイプ
部材２１が連通可能に連結されている。

一方、バツクプレート１６の下方位置にも小孔
１６Ａが穿設されており、該小孔１６Ａと前記パ
イプ部材２１間を、パイプ部材２１にクランプ部
材２２にて固定された連通ホース２３により連通
している。

従つて、このように構成した本考案装置におい
ては、カバー部材１９により、ライニング摩耗粉
がシール部材１８に付着するのを完全に防止でき
るとともに、シール部材１８から漏れる最終減速
装置７内の潤滑油をカバー部材１９により受け、
カバー部材１９の下方位置に穿設された小孔１９
Ａ−パイプ部材２１−連通ホース２３−バツクプ
レートの小孔１６Ａを通つてブレーキドラム外へ
排出できる。

以上のように、本考案は、フロントアクスルハ
ブのフレーム側端部のシール部をブレーキドラム
内に配置するとともに、ブレーキバツクプレート
に、自由端部にて前記フロントアクスルハブのフ
レーム側端部を被うカバー部材の基端部を固定
し、さらに該カバー部材の下方位置に小孔を形成
し、該小孔に連通ホースの基端部を固定するとと
もに該連通ホースの自由端部を前記バツクプレー
トに穿設した小孔を通してブレーキドラム外へ配
設したことにより、小型フオークリフトなどの産
業車両用フロントアクスル装置としてトレツドの
狭い有効なフロントアクスル装置を提供できる効
果を奏するとともに、最終減速装置の潤滑油の油
漏れにともなうブレーキ制動力の低下、あるいは
ブレーキライニング摩耗粉のシール部材への付着
にともなうシール部材の早期損耗を未然に防止で
きるという実用上すぐれた効果を奏するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示し、第１図は全体断
面図、第２図はその要部を示す部分断面図であ
る。 １……フロントアクスルハウジング、２……車
体フレーム、３……フロントアクスルシヤフト、
４……フロントアクスルハブ、５，６……ベアリ
ング、７……最終減速装置、１０……ホイール、
１２……タイヤ、１３……ブレーキドラム、１５
……ブレーキ装置、１６……ブレーキバツクプレ
ート、１７，１８……シール部材、１９……カバ
ー部材、２３……連通ホース。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内部にフロントアクスルシヤフトを収納したフ
   ロントアクスルハウジングの外周部に該ハウジン
   グの軸方向に間隔をおいて配設された一対のベア
   リングを介してフロントアクスルハブが回転可能
   に支承され、前記フロントアクスルシヤフト先端
   部から遊星歯車機構より成る最終減速装置を介し
   て前記フロントアクスルハブを回転駆動するとと
   もに、前記フロントアクスルハブのフレーム側端
   部の外周部にブレーキドラムを有する内部拡張式
   のブレーキ装置が、ブレーキバツクプレートを介
   して車体フレームに装着された産業車両用フロン
   トアクスル装置において、前記フロントアクスル
   ハブのフレーム側端部のシール部を前記ブレーキ
   ドラム内に配置するとともに、前記ブレーキバツ
   クプレートに、自由端部にて前記フロントアクス
   ルハブのフレーム側端部を被うカバー部材の基端
   部を固定し、さらに、該カバー部材の下方位置に
   小孔を形成し、該小孔に連通ホースの基端部を連
   通するとともに、該連通ホースの自由端部を前記
   ブレーキバツクプレートに穿設した小孔を通して
   ブレーキドラム外へ配置したことを特徴とする産
   業車両用フロントアクスル装置。