JPS631592B2 - - Google Patents
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- JPS631592B2 JPS631592B2 JP10800480A JP10800480A JPS631592B2 JP S631592 B2 JPS631592 B2 JP S631592B2 JP 10800480 A JP10800480 A JP 10800480A JP 10800480 A JP10800480 A JP 10800480A JP S631592 B2 JPS631592 B2 JP S631592B2
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Landscapes
- Liquid Crystal (AREA)
- Liquid Crystal Display Device Control (AREA)
Description
本発明は、いわゆるp型コレステリツク液晶を
使用する記憶型液晶表示装置において、該液晶の
特性を利用して表示された画像を電気的に部分的
に書換える方法に関する。 液晶表示装置は、低電圧、低消費電力という利
点を有する受光型の表示装置として近年広く実用
化され、また更に改良ならびに応用のための開発
研究が活発に進められている。特にコレステリツ
ク型液晶は、記憶作用、すなわち電界を取除いた
のちにも長時間表示を保持する能力を有する。こ
のため、この型の液晶を使用すれば、表示電力の
一層の低下が期待されるほか、マトリツクス型の
液晶表示装置に使用するときに画像のちらつきを
防止するために画面をリフレツシユする必要がな
くなり、また同時に表示できる走査線の数の制約
が飛躍的に緩和されるなどの特徴を有している。
なかでもp型すなわち正の誘電異方性を有するネ
マチツク液晶とコレステリツク液晶あるいはカイ
ラルネマチツク物質等の旋光性物質との混合物で
あるいわゆるp型コレステリツク液晶は、n型す
なわち負の誘電異方性を有するネマチツク液晶と
コレステリツク液晶との混合物であるいわゆるn
型コレステリツク液晶に比べて、コントラスト比
が高く、書き込み時間が短いなどの特長を有する
ため、マトリクス型液晶表示セルを中心としてそ
の利用が広く期待されている。 本発明は、このp型コレステリツク液晶を用い
る記憶X―Yマトリクス型液晶表示装置において
一対の対向電極板にそれぞれ形成された電極列
(本明細書では、各電極板に設けられた電極列を、
便宜的にX―電極列およびY―電極列と称する)
の交叉部分に形成される複数の表示部の一部を選
択的に電気的に書換える方法に関する。このよう
なX―Yマトリクス型液晶表示装置の部分的書換
のための適当な方法は従来、知られていなかつ
た。それは、一対の帯状X―電極とY―電極の交
叉点からなる特定表示部の書換、すなわち消去お
よび書込に際しては当該X―電極とY―電極に電
位変化が与えられて特定表示部に電圧が印加され
るが、この電位変化が上記特定表示部以外にも上
記の当該X―電極およびY―電極と接する他の表
示部に対しても必然的に電圧変化を生ずるため、
他の表示部における表示の変化を伴わずには特定
表示部の書換ができないと考えられたからであ
る。しかしながら、本発明者の研究によれば、こ
のようなp型コレステリツク液晶を用いる記憶X
―Yマトリクス型液晶表示装置において、異なる
状態にある液晶の印加電圧に対する応答特性の差
異を適切に利用すれば、このようなマトリクス型
液晶表示装置の部分的書換が可能であることが見
出された。 より詳しくは、本発明の記憶型液晶表示装置の
部分的書換方法は、複数の離間した帯状電極から
なるX―電極列とY―電極列とをそれぞれ表面に
有する一対の垂直配向処理した電極基板を、X―
電極列とY―電極列とが交叉するように対向さ
せ、該一対の電極基板間に正の誘電異方性を有す
るネマチツク液晶と旋光性物質を含む混合液晶を
挾持させてなり、該X―およびY―電極列の電極
交叉部を単位表示部とする記憶X―Yマトリクス
型液晶表示装置を、まず基底状態の液晶からなる
透明表示部とフオーカルコニツク状態の液晶から
なる光散乱部とで形成される低電圧表示状態にお
き、次いで下記の段階を含む操作を行うことによ
りX―電極列に含まれる帯状電極群の一部の帯状
電極に対応する表示を書き換えることを特徴とす
るものである。 (イ) 前記準安定フオーカルコニツク状態の液晶を
ホメオトロピツク状態に移行させるに充分な電
圧をX―電極列中の書換電極とY―電極列中の
対向電極との間に印加し、X―電極列中の非書
換電極には対向電極とほぼ同電位を印加して、
前記書換電極に接する表示部の液晶を選択的に
ホメオトロピツク状態にして消去する段階、 (ロ) 前記X―電極列中の書換電極の少くとも一部
を走査電極と定め、Y―電極列中の少くとも一
電極を書込電極と定めて、各電極間を以下の電
圧関係に保持する段階、 a X―電極列中の非書換電極に零電位を設定
する、 b 走査電極にはフオーカルコニツク状態の液
晶とホメオトロピツク状態の液晶とがともに
安定ないしは準安定に存在し得る電圧Vに相
当する電位を設定する、 c Y―電極列中の書込電極には作動電極とほ
ぼ同電位を、非書込電極には走査電極と同じ
大きさの逆電位をそれぞれ設定する、 上記a,b,cの関係は、前記書込電極と走査
電極とで挟持される被書込表示部に液晶のグラン
ジエン状態が形成されるに充分な時間だけ行う。 (ハ) 前記走査電極を零電位とし、前記被書込表示
部の液晶に電圧Vを印加してグランジエン状態
の液晶がフオーカルコニツク状態へ転移するに
充分な時間保持する段階。 但し、前記段階(ロ),(ハ)の合計時間は、液晶が電
圧Vの印加のもとで底状態からフオーカルコニツ
ク状態に相転移するに要する時間内とする。 以下、本発明を更に詳細に説明する。 本発明に使用される記憶型液晶装置ならびにそ
の基本的作動原理は既知である(たとえば、電子
材料、1975年11月号第28―33頁)が、本発明法の
理解のために簡単に繰り返す。 第1図は、本発明に使用される記憶型液晶表示
装置の一例の概念的断面図であり、これは帯状の
X―電極列1xおよびY―電極列1yをそれぞれ
一面に設けた少くとも一方が透明な一対の電極基
板1の電極面に垂直配向処理をしてから、その間
にp型コレステリツク液晶2を挾持させ更に両電
極を交流ないし直流電源3に結合して、液晶2に
電界を印加可能に構成したものである。なお電極
配置ならびにその結線の詳細の図示は省略する。 第2図は、p型コレステリツク液晶の光透過率
―電圧特性を示すものである。p型コレステリツ
ク液晶を垂直配向処理した一対の電極基板に最初
に挾持した状態においては、液晶は図のSで示す
基底状態にある。このS状態は顕微鏡観察の結果
から渦状状態ともいわれ、垂直配向処理の結果と
して、電極基板の表面近傍では液晶分子が基板表
面に垂直に配向し、一方表面から離れるに従いp
型コレステリツク液晶固有のらせん状態(グラン
ジエン状態)、すなわち液晶分子が基板表面とほ
ぼ平行に配向し、基板表面から離れるに従いその
分子軸の方向が徐々に変わつている状態を形成し
た複合状態と考えられている。このような分子配
向の結果として、S状態においては液晶は実質的
に透明である。 このS状態にある液晶に、電圧を印加し、それ
を上昇して行くと、液晶は第2図の実線に沿つて
矢印の方向に進み、あるしきい値電圧VLを越え
て、図のFで示すフオーカルコニツク状態に変化
する。このF状態では液晶は光を散乱して白濁し
ている。更に印加電圧を上げると液晶はしきい値
電圧VHを過ぎて、図のHで示すホメオトロピツ
ク状態に移る。このH状態では、液晶分子は加え
られた電界により強制的に電極基板に垂直に配向
され、その透明度は最大となる。ただし、肉眼で
はこのH状態の透明度とS状態のそれとは殆んど
区別がつかない程度である。 次いでH状態にある液晶について印加電圧を
徐々に低下して行くと、ヒステリシスを示し、し
きい値電圧VHを過ぎてもホメオトロピツク状態
が継続し(図のH′状態)、ある電圧値VH′を過ぎ
てF状態へと移行する。F状態から更に電圧を低
下すると、今度はVLを過ぎてもS状態には戻ら
ず、電圧0においてフオーカルコニツク状態のま
ま準安定化する。図にF′で示すこの準安定フオー
カルコニツク状態の液晶は、非常に長時間おけば
徐々にS状態へ移行するが、数日ないし数カ月の
程度では安定であると見なされる。 一方HまたはH′状態にある液晶に対し、印加
電圧を急激に0ボルト近傍まで低下し、ここで一
定の緩和時間THG以上保持すると、今度はF状態
にはならず、コレステリツク液晶固有のグランジ
エン状態に似たらせん構造を持つG′状態(本明
細書ではこれをグランジエン状態と称する)にな
る。このG′状態の液晶を緩和時間τGS以上印加電
圧0の状態に保持すると基底のS状態に戻るが、
ここでVH′<V<VHの条件にある電圧Vを印加し
て、緩和時間τGF以上保持すると液晶は、再びフ
オーカルコニツク状態になる。ここで各種の状態
変化に伴う緩和時間には、以下の関係が成立する
ことが実験的に確認されている。 τSF=200〜300mS τHG=1〜2mS τGF=5〜50mS τHF=τHG+τGF≒30mS≪τSF 第2図を用いて説明したp型コレステリツク液
晶の光透過率―電圧特性を利用して記憶表示が行
われる。すなわち、一旦全体の液晶をHまたは
H′状態まで移行したのち、表示部については電
圧を徐々に低下してF状態を経てOV近傍で光散
乱状態のF′状態とし、非表示部についてはHまた
はH′状態から電圧を急激に低下して透明なS状
態に移行させると、この両状態は比較的長時間そ
のまま安定表示を続ける。 記憶表示は別の方法により行うこともできる。
これは電圧VH′とVHの間でF状態とH′状態がと
もに安定し得ることならびにH′状態にある液晶
をある相転移に充分な時間すなわち緩和時間τHG
以上0Vに落し再びVH′とVHの間の電圧に戻すと
F状態で安定化するという事実を利用するもので
ある。すなわち、一旦全液晶要素をH′状態とし、
次いで表示部の要素のみを時間τHG以上0Vに落し
てからVH′とVHの間の電圧に戻すことにより、F
状態とH′状態で表示を行うことができる。この
F状態とH′状態は電圧を急激に低下すればそれ
ぞれF′およびS状態に移行する。この方法によれ
ば前記方法に比べて記憶表示が迅速化する利点が
ある。 さて、本発明に従う、マトリクス型液晶表示装
置の部分的書換え方法は、前述した各種状態変化
に伴う緩和時間の差異、特に τHF<τSF の関係を利用して行われる。以下、その方法の実
施例をX―Yマトリクス型液晶表示装置の一例に
ついて説明する。 X1〜X5の5つの帯状電極からなるX―電極列
と、Y1〜Y3の3つの帯状電極からなるY―電極
列が対向基板上に設けられ、各電極の交叉部に15
の表示部が形成された第3図に示すような平面マ
トリクス配置の液晶表示装置を用いるものとす
る。以下の説明では、たとえば、電極X4と電極
Y3との交叉部に形成される表示部をD43と表示す
る。 今、第4図aに示すような表示状態(斜線で示
した表示部が光散乱状態、その他の表示部は透明
状態)にある表示装置中のX3〜X5の電極を書換
電極と定めて書換操作を行い、最終的に第4図b
の表示状態にするものとする。第4図aの状態で
は、全ての電極列中の電位が同等(典型的には0
電位)で、各表示部の液晶にかかる電圧は0であ
る。 本発明に従い、まず各電極に第5図aのような
電位を与える。ここで欄外に示した値が各電極に
与えられる電位であり、各表示部に示した値はそ
の表示部の液晶に印加される電圧(Y電極の電位
―X電極の電位)である。ここで電圧Vは、フオ
ーカルコニツク状態の液晶とホメオトロピツク状
態の液晶がともに安定ないしは準安定に存在し得
る電圧(VH′<V<VH′)であり、2Vは準安定フ
オーカルコニツク状態の液晶をホメオトロピツク
状態に移行させるに充分な電圧(2V>VH)とな
る。この状態で時間τSH以上保持すると第5図b
の表示状態、すなわち書換電極X3〜X5の構成す
る表示部D31〜D53の消去が得られ、その時の各
表示部の液晶の状態は第5図cに示す通りであ
る。 次いで電極X3を走査電極と定め、電極Y3を書
込電極と定めて、各電極に第6図aに示す電位を
与え、時間t1(τHG<t1≪τSF)保持する。この結果、
第6図cに示すように表示部D33にはG′状態(グ
ランジエン状態)が形成されるが、表示部D11,
D12,D21,D22は電圧Vの印加時間t1がt1≪τSFと
短いためS状態に止まり、第6図bの表示状態
(表示部D33の点斜線はG′状態に相当して透明度
の幾分低下した状態を示す)が得られる。なお液
晶にかかる電圧はその絶対値のみが問題であり、
方向性は問題でない。したがつて、表示部D13等
にかかる−Vの電圧は電圧Vと全く同じ作用を
し、第6図aに示す各電極の電位の符号を全て逆
にしたときにも、全く同様に第6図b,cの表示
状態が得られる。 ここで第7図aに示すように走査電極Y3を0
電位に落し、時間t1′(>τGF)保持すると、第7図
b,cに示すように表示部D33はF状態に変化
し、書込が行われる。ここで操作時間t1,t1′はt1
+t1′<τSFの条件が満されるように設定する。 上記一連の操作は、本発明方法の最も基本的な
実施態様であり、第4図aから第7図bの表示状
態へと部分的な書換が行われたことを意味する。
そして、従来は、上記操作の過程で、第6図aな
らびに第7図aの状態で非書換表示部中のS状態
にあるD11等の光透過性表示部が電圧Vの印加に
より光散乱状態へと変化するため、このようなX
―Yマトリクス型液晶表示装置の部分的書換は不
可と考えられていたのに対し、本発明では、非書
換表示部への印加電圧VをτSFより短い時間だけ
保持することにより非書換表示部の変化を伴うこ
となく選択的な書換え(この場合、表示部D31〜
D53を消去して、表示部D33への書込)が行える
ようになつたのである。なお、このように部分的
に書換えの行われた画像の記憶画像への変換につ
いては後述する。 既に述べたように上記一連の操作により、本発
明法の実施は一応完結する。しかし、第4図bの
表示状態へと書換を行うためには更に以下の操作
を行う。すなわち、第6図の状態から、第7図の
状態を経ずに、今度は電極X4を走査電極と定め、
電極Y2を書込電極と定めて、各電極に第8図a
の電位を与え、時間t2(τHG<t2≪τSF)保持する。
これにより第8図b,cで表わす表示状態が得ら
れる。すなわち、電極X3は電位Oとなり表示部
D33についてG′状態からF状態への変化、すなわ
ち書込が行われ、一方、走査電極X4に対応して
表示部D42ではG′状態への変換、すなわち書込予
備操作が行われていることになる。 更に電極X5を走査電極と定め、電極Y1Y2を書
込電極と定めて、各電極に第9図aの電位を与え
時間t3(τHG<t3≪τSF)保持する。これにより第9
図b,cの表示状態が得られる。ここにおける変
化は第8図において説明したと実質的に同じであ
る。 次いで第10図aに示すように走査電極X5の
電位を0として時間t3′(>τGF)保持すれば、第7
図を用いて説明したように表示部D51およびD52
に書込が行われ第10図b,cの表示状態が得ら
れる。なお第8図、第9図において保持時間t2,
t3がτGFより大でないと表示部D33(第8図b,c)
や表示部D42(第9図b,c)はG′状態に止まり、
図示の状態変化が起つていない可能性がある。し
かし、いずれにしても、その後の操作でこれら表
示部には電圧Vが印加されるので時点の差はあ
れ、F状態への変化は確保される。 このようにして得られた書換画像を記憶画像と
して定着させるためには、X−電極列およびY―
電極列の表示に関与する電極間を第11図aに示
すように同電位(典型的には0電位)とすればよ
い。これにより第11図b,cのような表示状態
の記憶画像が得られる。なお第7図に図示の表示
状態を記憶画像として定着することも同様に行う
ことができる。 以上で第4図aから第4図b、すなわち第10
b、の表示状態への一連の書換操作が行われたこ
とになる。これら一連の操作において、第6図〜
第10図により説明した過程では、非書込電極に
接するD11の表示部にも絶えず電圧Vが印加され
ている。したがつて、一連の操作時間の合計t1+
t2+t3+t3′をτSFより短い時間としてこれら表示部
の変化を防止せねばならない。この際の走査の最
大数NはN×τHG+τGF<τSFよりτN<τSF−τGF/
τHGで与 えられる。このため、多列表示部を有する表示装
置については、一連の操作時間がτSFに近づいた
ら第10図(あるいは第7図)と第11図で説明
した定着操作を挿入し、その後、更に書換操作を
継続することが必要である。 上記においては、平行直線状の帯状X―,Y―
電極の組合せからなる直交マトリクス型液晶表示
装置について説明した。しかしながら、帯状電極
の形状は任意であり、斜交マトリクスはもちろん
曲線帯状X―,Y―電極の組合せからなる7セグ
メント・デイジタル表示マトリクス等についても
適用できることは容易に理解できよう。 なお、電極間に印加する電圧は、交流電圧でも
直流電圧でもよい。但し、VH,VH′等のしきい値
電圧ならびに緩和時間は多少交流と直流とで異り
得る。一般的に云つて、実際には直流では容量成
分の影響を受けて応答緩和速度が遅くなる傾向に
ある。上述した数値は30Hz〜10KHz程度の交流の
値である。 上述したように、本発明で用いるp型コレステ
リツク液晶はp型ネマチツク液晶と旋光性物質と
の混合液晶であり、ここで旋光性物質とはコレス
テリツク液晶に加えてネマチツク液晶の分子鎖に
不斉炭素を有するカイラル・ネマチツク物質を含
むものであり、ネマチツク液晶にらせんを誘導す
る効果を持つ他の光学活性物質も使用できる。 本発明で用いる混合液晶は、一般には旋光性物
質を5〜35重量%含み残部が実質的にp型ネマチ
ツク液晶であつて、らせんピツチが約1〜約5μm
のものが好ましく用いられる。らせんピツチが上
限を超えると、らせんピツチが大きすぎるため、
電極間隙が10μ程度の表示装置では充分なコント
ラストが得られず、また記憶時間も短くなり、実
用性に乏しい。電極間隙が15μを超える表示装置
ではピツチ5μ以上のものが用いうるが、応答速
度の低下、電圧の上昇が著しく実用性に乏しい。
また下限未満ではコントラストは高く、記憶時間
は長くなるが、HまたはH′状態からのS状態へ
の移行に時間がかかりすぎ実用性に乏しい。電極
間隙が3μより薄い表示装置はコントラストが低
くまた製作技術の点からも均一な厚みのコントロ
ールが困難で実用性に乏しい。 適当な混合液晶の一例として以下の組成(重量
比)を有するものが挙げられる。
使用する記憶型液晶表示装置において、該液晶の
特性を利用して表示された画像を電気的に部分的
に書換える方法に関する。 液晶表示装置は、低電圧、低消費電力という利
点を有する受光型の表示装置として近年広く実用
化され、また更に改良ならびに応用のための開発
研究が活発に進められている。特にコレステリツ
ク型液晶は、記憶作用、すなわち電界を取除いた
のちにも長時間表示を保持する能力を有する。こ
のため、この型の液晶を使用すれば、表示電力の
一層の低下が期待されるほか、マトリツクス型の
液晶表示装置に使用するときに画像のちらつきを
防止するために画面をリフレツシユする必要がな
くなり、また同時に表示できる走査線の数の制約
が飛躍的に緩和されるなどの特徴を有している。
なかでもp型すなわち正の誘電異方性を有するネ
マチツク液晶とコレステリツク液晶あるいはカイ
ラルネマチツク物質等の旋光性物質との混合物で
あるいわゆるp型コレステリツク液晶は、n型す
なわち負の誘電異方性を有するネマチツク液晶と
コレステリツク液晶との混合物であるいわゆるn
型コレステリツク液晶に比べて、コントラスト比
が高く、書き込み時間が短いなどの特長を有する
ため、マトリクス型液晶表示セルを中心としてそ
の利用が広く期待されている。 本発明は、このp型コレステリツク液晶を用い
る記憶X―Yマトリクス型液晶表示装置において
一対の対向電極板にそれぞれ形成された電極列
(本明細書では、各電極板に設けられた電極列を、
便宜的にX―電極列およびY―電極列と称する)
の交叉部分に形成される複数の表示部の一部を選
択的に電気的に書換える方法に関する。このよう
なX―Yマトリクス型液晶表示装置の部分的書換
のための適当な方法は従来、知られていなかつ
た。それは、一対の帯状X―電極とY―電極の交
叉点からなる特定表示部の書換、すなわち消去お
よび書込に際しては当該X―電極とY―電極に電
位変化が与えられて特定表示部に電圧が印加され
るが、この電位変化が上記特定表示部以外にも上
記の当該X―電極およびY―電極と接する他の表
示部に対しても必然的に電圧変化を生ずるため、
他の表示部における表示の変化を伴わずには特定
表示部の書換ができないと考えられたからであ
る。しかしながら、本発明者の研究によれば、こ
のようなp型コレステリツク液晶を用いる記憶X
―Yマトリクス型液晶表示装置において、異なる
状態にある液晶の印加電圧に対する応答特性の差
異を適切に利用すれば、このようなマトリクス型
液晶表示装置の部分的書換が可能であることが見
出された。 より詳しくは、本発明の記憶型液晶表示装置の
部分的書換方法は、複数の離間した帯状電極から
なるX―電極列とY―電極列とをそれぞれ表面に
有する一対の垂直配向処理した電極基板を、X―
電極列とY―電極列とが交叉するように対向さ
せ、該一対の電極基板間に正の誘電異方性を有す
るネマチツク液晶と旋光性物質を含む混合液晶を
挾持させてなり、該X―およびY―電極列の電極
交叉部を単位表示部とする記憶X―Yマトリクス
型液晶表示装置を、まず基底状態の液晶からなる
透明表示部とフオーカルコニツク状態の液晶から
なる光散乱部とで形成される低電圧表示状態にお
き、次いで下記の段階を含む操作を行うことによ
りX―電極列に含まれる帯状電極群の一部の帯状
電極に対応する表示を書き換えることを特徴とす
るものである。 (イ) 前記準安定フオーカルコニツク状態の液晶を
ホメオトロピツク状態に移行させるに充分な電
圧をX―電極列中の書換電極とY―電極列中の
対向電極との間に印加し、X―電極列中の非書
換電極には対向電極とほぼ同電位を印加して、
前記書換電極に接する表示部の液晶を選択的に
ホメオトロピツク状態にして消去する段階、 (ロ) 前記X―電極列中の書換電極の少くとも一部
を走査電極と定め、Y―電極列中の少くとも一
電極を書込電極と定めて、各電極間を以下の電
圧関係に保持する段階、 a X―電極列中の非書換電極に零電位を設定
する、 b 走査電極にはフオーカルコニツク状態の液
晶とホメオトロピツク状態の液晶とがともに
安定ないしは準安定に存在し得る電圧Vに相
当する電位を設定する、 c Y―電極列中の書込電極には作動電極とほ
ぼ同電位を、非書込電極には走査電極と同じ
大きさの逆電位をそれぞれ設定する、 上記a,b,cの関係は、前記書込電極と走査
電極とで挟持される被書込表示部に液晶のグラン
ジエン状態が形成されるに充分な時間だけ行う。 (ハ) 前記走査電極を零電位とし、前記被書込表示
部の液晶に電圧Vを印加してグランジエン状態
の液晶がフオーカルコニツク状態へ転移するに
充分な時間保持する段階。 但し、前記段階(ロ),(ハ)の合計時間は、液晶が電
圧Vの印加のもとで底状態からフオーカルコニツ
ク状態に相転移するに要する時間内とする。 以下、本発明を更に詳細に説明する。 本発明に使用される記憶型液晶装置ならびにそ
の基本的作動原理は既知である(たとえば、電子
材料、1975年11月号第28―33頁)が、本発明法の
理解のために簡単に繰り返す。 第1図は、本発明に使用される記憶型液晶表示
装置の一例の概念的断面図であり、これは帯状の
X―電極列1xおよびY―電極列1yをそれぞれ
一面に設けた少くとも一方が透明な一対の電極基
板1の電極面に垂直配向処理をしてから、その間
にp型コレステリツク液晶2を挾持させ更に両電
極を交流ないし直流電源3に結合して、液晶2に
電界を印加可能に構成したものである。なお電極
配置ならびにその結線の詳細の図示は省略する。 第2図は、p型コレステリツク液晶の光透過率
―電圧特性を示すものである。p型コレステリツ
ク液晶を垂直配向処理した一対の電極基板に最初
に挾持した状態においては、液晶は図のSで示す
基底状態にある。このS状態は顕微鏡観察の結果
から渦状状態ともいわれ、垂直配向処理の結果と
して、電極基板の表面近傍では液晶分子が基板表
面に垂直に配向し、一方表面から離れるに従いp
型コレステリツク液晶固有のらせん状態(グラン
ジエン状態)、すなわち液晶分子が基板表面とほ
ぼ平行に配向し、基板表面から離れるに従いその
分子軸の方向が徐々に変わつている状態を形成し
た複合状態と考えられている。このような分子配
向の結果として、S状態においては液晶は実質的
に透明である。 このS状態にある液晶に、電圧を印加し、それ
を上昇して行くと、液晶は第2図の実線に沿つて
矢印の方向に進み、あるしきい値電圧VLを越え
て、図のFで示すフオーカルコニツク状態に変化
する。このF状態では液晶は光を散乱して白濁し
ている。更に印加電圧を上げると液晶はしきい値
電圧VHを過ぎて、図のHで示すホメオトロピツ
ク状態に移る。このH状態では、液晶分子は加え
られた電界により強制的に電極基板に垂直に配向
され、その透明度は最大となる。ただし、肉眼で
はこのH状態の透明度とS状態のそれとは殆んど
区別がつかない程度である。 次いでH状態にある液晶について印加電圧を
徐々に低下して行くと、ヒステリシスを示し、し
きい値電圧VHを過ぎてもホメオトロピツク状態
が継続し(図のH′状態)、ある電圧値VH′を過ぎ
てF状態へと移行する。F状態から更に電圧を低
下すると、今度はVLを過ぎてもS状態には戻ら
ず、電圧0においてフオーカルコニツク状態のま
ま準安定化する。図にF′で示すこの準安定フオー
カルコニツク状態の液晶は、非常に長時間おけば
徐々にS状態へ移行するが、数日ないし数カ月の
程度では安定であると見なされる。 一方HまたはH′状態にある液晶に対し、印加
電圧を急激に0ボルト近傍まで低下し、ここで一
定の緩和時間THG以上保持すると、今度はF状態
にはならず、コレステリツク液晶固有のグランジ
エン状態に似たらせん構造を持つG′状態(本明
細書ではこれをグランジエン状態と称する)にな
る。このG′状態の液晶を緩和時間τGS以上印加電
圧0の状態に保持すると基底のS状態に戻るが、
ここでVH′<V<VHの条件にある電圧Vを印加し
て、緩和時間τGF以上保持すると液晶は、再びフ
オーカルコニツク状態になる。ここで各種の状態
変化に伴う緩和時間には、以下の関係が成立する
ことが実験的に確認されている。 τSF=200〜300mS τHG=1〜2mS τGF=5〜50mS τHF=τHG+τGF≒30mS≪τSF 第2図を用いて説明したp型コレステリツク液
晶の光透過率―電圧特性を利用して記憶表示が行
われる。すなわち、一旦全体の液晶をHまたは
H′状態まで移行したのち、表示部については電
圧を徐々に低下してF状態を経てOV近傍で光散
乱状態のF′状態とし、非表示部についてはHまた
はH′状態から電圧を急激に低下して透明なS状
態に移行させると、この両状態は比較的長時間そ
のまま安定表示を続ける。 記憶表示は別の方法により行うこともできる。
これは電圧VH′とVHの間でF状態とH′状態がと
もに安定し得ることならびにH′状態にある液晶
をある相転移に充分な時間すなわち緩和時間τHG
以上0Vに落し再びVH′とVHの間の電圧に戻すと
F状態で安定化するという事実を利用するもので
ある。すなわち、一旦全液晶要素をH′状態とし、
次いで表示部の要素のみを時間τHG以上0Vに落し
てからVH′とVHの間の電圧に戻すことにより、F
状態とH′状態で表示を行うことができる。この
F状態とH′状態は電圧を急激に低下すればそれ
ぞれF′およびS状態に移行する。この方法によれ
ば前記方法に比べて記憶表示が迅速化する利点が
ある。 さて、本発明に従う、マトリクス型液晶表示装
置の部分的書換え方法は、前述した各種状態変化
に伴う緩和時間の差異、特に τHF<τSF の関係を利用して行われる。以下、その方法の実
施例をX―Yマトリクス型液晶表示装置の一例に
ついて説明する。 X1〜X5の5つの帯状電極からなるX―電極列
と、Y1〜Y3の3つの帯状電極からなるY―電極
列が対向基板上に設けられ、各電極の交叉部に15
の表示部が形成された第3図に示すような平面マ
トリクス配置の液晶表示装置を用いるものとす
る。以下の説明では、たとえば、電極X4と電極
Y3との交叉部に形成される表示部をD43と表示す
る。 今、第4図aに示すような表示状態(斜線で示
した表示部が光散乱状態、その他の表示部は透明
状態)にある表示装置中のX3〜X5の電極を書換
電極と定めて書換操作を行い、最終的に第4図b
の表示状態にするものとする。第4図aの状態で
は、全ての電極列中の電位が同等(典型的には0
電位)で、各表示部の液晶にかかる電圧は0であ
る。 本発明に従い、まず各電極に第5図aのような
電位を与える。ここで欄外に示した値が各電極に
与えられる電位であり、各表示部に示した値はそ
の表示部の液晶に印加される電圧(Y電極の電位
―X電極の電位)である。ここで電圧Vは、フオ
ーカルコニツク状態の液晶とホメオトロピツク状
態の液晶がともに安定ないしは準安定に存在し得
る電圧(VH′<V<VH′)であり、2Vは準安定フ
オーカルコニツク状態の液晶をホメオトロピツク
状態に移行させるに充分な電圧(2V>VH)とな
る。この状態で時間τSH以上保持すると第5図b
の表示状態、すなわち書換電極X3〜X5の構成す
る表示部D31〜D53の消去が得られ、その時の各
表示部の液晶の状態は第5図cに示す通りであ
る。 次いで電極X3を走査電極と定め、電極Y3を書
込電極と定めて、各電極に第6図aに示す電位を
与え、時間t1(τHG<t1≪τSF)保持する。この結果、
第6図cに示すように表示部D33にはG′状態(グ
ランジエン状態)が形成されるが、表示部D11,
D12,D21,D22は電圧Vの印加時間t1がt1≪τSFと
短いためS状態に止まり、第6図bの表示状態
(表示部D33の点斜線はG′状態に相当して透明度
の幾分低下した状態を示す)が得られる。なお液
晶にかかる電圧はその絶対値のみが問題であり、
方向性は問題でない。したがつて、表示部D13等
にかかる−Vの電圧は電圧Vと全く同じ作用を
し、第6図aに示す各電極の電位の符号を全て逆
にしたときにも、全く同様に第6図b,cの表示
状態が得られる。 ここで第7図aに示すように走査電極Y3を0
電位に落し、時間t1′(>τGF)保持すると、第7図
b,cに示すように表示部D33はF状態に変化
し、書込が行われる。ここで操作時間t1,t1′はt1
+t1′<τSFの条件が満されるように設定する。 上記一連の操作は、本発明方法の最も基本的な
実施態様であり、第4図aから第7図bの表示状
態へと部分的な書換が行われたことを意味する。
そして、従来は、上記操作の過程で、第6図aな
らびに第7図aの状態で非書換表示部中のS状態
にあるD11等の光透過性表示部が電圧Vの印加に
より光散乱状態へと変化するため、このようなX
―Yマトリクス型液晶表示装置の部分的書換は不
可と考えられていたのに対し、本発明では、非書
換表示部への印加電圧VをτSFより短い時間だけ
保持することにより非書換表示部の変化を伴うこ
となく選択的な書換え(この場合、表示部D31〜
D53を消去して、表示部D33への書込)が行える
ようになつたのである。なお、このように部分的
に書換えの行われた画像の記憶画像への変換につ
いては後述する。 既に述べたように上記一連の操作により、本発
明法の実施は一応完結する。しかし、第4図bの
表示状態へと書換を行うためには更に以下の操作
を行う。すなわち、第6図の状態から、第7図の
状態を経ずに、今度は電極X4を走査電極と定め、
電極Y2を書込電極と定めて、各電極に第8図a
の電位を与え、時間t2(τHG<t2≪τSF)保持する。
これにより第8図b,cで表わす表示状態が得ら
れる。すなわち、電極X3は電位Oとなり表示部
D33についてG′状態からF状態への変化、すなわ
ち書込が行われ、一方、走査電極X4に対応して
表示部D42ではG′状態への変換、すなわち書込予
備操作が行われていることになる。 更に電極X5を走査電極と定め、電極Y1Y2を書
込電極と定めて、各電極に第9図aの電位を与え
時間t3(τHG<t3≪τSF)保持する。これにより第9
図b,cの表示状態が得られる。ここにおける変
化は第8図において説明したと実質的に同じであ
る。 次いで第10図aに示すように走査電極X5の
電位を0として時間t3′(>τGF)保持すれば、第7
図を用いて説明したように表示部D51およびD52
に書込が行われ第10図b,cの表示状態が得ら
れる。なお第8図、第9図において保持時間t2,
t3がτGFより大でないと表示部D33(第8図b,c)
や表示部D42(第9図b,c)はG′状態に止まり、
図示の状態変化が起つていない可能性がある。し
かし、いずれにしても、その後の操作でこれら表
示部には電圧Vが印加されるので時点の差はあ
れ、F状態への変化は確保される。 このようにして得られた書換画像を記憶画像と
して定着させるためには、X−電極列およびY―
電極列の表示に関与する電極間を第11図aに示
すように同電位(典型的には0電位)とすればよ
い。これにより第11図b,cのような表示状態
の記憶画像が得られる。なお第7図に図示の表示
状態を記憶画像として定着することも同様に行う
ことができる。 以上で第4図aから第4図b、すなわち第10
b、の表示状態への一連の書換操作が行われたこ
とになる。これら一連の操作において、第6図〜
第10図により説明した過程では、非書込電極に
接するD11の表示部にも絶えず電圧Vが印加され
ている。したがつて、一連の操作時間の合計t1+
t2+t3+t3′をτSFより短い時間としてこれら表示部
の変化を防止せねばならない。この際の走査の最
大数NはN×τHG+τGF<τSFよりτN<τSF−τGF/
τHGで与 えられる。このため、多列表示部を有する表示装
置については、一連の操作時間がτSFに近づいた
ら第10図(あるいは第7図)と第11図で説明
した定着操作を挿入し、その後、更に書換操作を
継続することが必要である。 上記においては、平行直線状の帯状X―,Y―
電極の組合せからなる直交マトリクス型液晶表示
装置について説明した。しかしながら、帯状電極
の形状は任意であり、斜交マトリクスはもちろん
曲線帯状X―,Y―電極の組合せからなる7セグ
メント・デイジタル表示マトリクス等についても
適用できることは容易に理解できよう。 なお、電極間に印加する電圧は、交流電圧でも
直流電圧でもよい。但し、VH,VH′等のしきい値
電圧ならびに緩和時間は多少交流と直流とで異り
得る。一般的に云つて、実際には直流では容量成
分の影響を受けて応答緩和速度が遅くなる傾向に
ある。上述した数値は30Hz〜10KHz程度の交流の
値である。 上述したように、本発明で用いるp型コレステ
リツク液晶はp型ネマチツク液晶と旋光性物質と
の混合液晶であり、ここで旋光性物質とはコレス
テリツク液晶に加えてネマチツク液晶の分子鎖に
不斉炭素を有するカイラル・ネマチツク物質を含
むものであり、ネマチツク液晶にらせんを誘導す
る効果を持つ他の光学活性物質も使用できる。 本発明で用いる混合液晶は、一般には旋光性物
質を5〜35重量%含み残部が実質的にp型ネマチ
ツク液晶であつて、らせんピツチが約1〜約5μm
のものが好ましく用いられる。らせんピツチが上
限を超えると、らせんピツチが大きすぎるため、
電極間隙が10μ程度の表示装置では充分なコント
ラストが得られず、また記憶時間も短くなり、実
用性に乏しい。電極間隙が15μを超える表示装置
ではピツチ5μ以上のものが用いうるが、応答速
度の低下、電圧の上昇が著しく実用性に乏しい。
また下限未満ではコントラストは高く、記憶時間
は長くなるが、HまたはH′状態からのS状態へ
の移行に時間がかかりすぎ実用性に乏しい。電極
間隙が3μより薄い表示装置はコントラストが低
くまた製作技術の点からも均一な厚みのコントロ
ールが困難で実用性に乏しい。 適当な混合液晶の一例として以下の組成(重量
比)を有するものが挙げられる。
【表】
本発明で用いる電極基板は、電極面においてこ
れと接する液晶分子を、少くとも表面近傍におい
て垂直に配向させるものである必要がある。電極
面にこのような性質を付与するためには直鎖アル
キル基を有するアミン類、または直鎖アルキル基
を有するシラン類、またポリジメチルシロキサン
あるいはそのメチル基の一部をフエニル基その他
に置換したシリコーン系垂直配向処理剤の塗布が
挙げられるが、これに限らず酸化硅素等の無機系
被膜等任意の垂直配向処理が可能である。 なお応用としてこのように形成された液晶表示
装置を一対の偏光板に挾むかあるいは位相差板を
間に併用し、または前面に偏光板を、裏面に位相
差板と反射板を併用することにより、散乱部と透
過部とで異なる複屈折状態を利用して色対比を行
うこともできる。 上述したように本発明によれば、表示に利用さ
れる各種液晶状態の印加電圧に対する応答特性の
差異、特に状態変化に伴う緩和時間の差異を利用
することにより、記憶X―Yマトリクス型液晶表
示装置の部分的書換を行うための一方法が提供さ
れる。
れと接する液晶分子を、少くとも表面近傍におい
て垂直に配向させるものである必要がある。電極
面にこのような性質を付与するためには直鎖アル
キル基を有するアミン類、または直鎖アルキル基
を有するシラン類、またポリジメチルシロキサン
あるいはそのメチル基の一部をフエニル基その他
に置換したシリコーン系垂直配向処理剤の塗布が
挙げられるが、これに限らず酸化硅素等の無機系
被膜等任意の垂直配向処理が可能である。 なお応用としてこのように形成された液晶表示
装置を一対の偏光板に挾むかあるいは位相差板を
間に併用し、または前面に偏光板を、裏面に位相
差板と反射板を併用することにより、散乱部と透
過部とで異なる複屈折状態を利用して色対比を行
うこともできる。 上述したように本発明によれば、表示に利用さ
れる各種液晶状態の印加電圧に対する応答特性の
差異、特に状態変化に伴う緩和時間の差異を利用
することにより、記憶X―Yマトリクス型液晶表
示装置の部分的書換を行うための一方法が提供さ
れる。
第1図は本発明法を適用する記憶マトリクス型
液晶表示装置の例を概念的に示す断面図、第2図
はp型コレステリツク液晶の光透過率―電圧曲
線、第3図〜第11図は表示装置の表示マトリク
スの一例の概念的平面図であり、第3図は電極お
よび単位表示部の配置図、第4図a,bはそれぞ
れ本発明法による部分的書換の前後の表示状態図
である。第5図a〜第11図aはいずれも、各電
極への電位分布ならびに各表示部への電圧分布を
示す図であり、第5図b〜第11図bは対応する
表示状態図、第5図c〜第11図cは対応する各
表示部での液晶の存在状態を示す図である。 1…電極基板、2…p型コレステリツク液晶、
1x,1y…それぞれX―電極列およびY―電極
列を形成する透明電極、3…電源、S…基底状
態、F…フオーカルコニツク状態、H…ホメオト
ロピツク状態、H′…準ホメオトロピツク状態、
F′…準フオーカルコニツク状態、G′…グランジエ
ン状態、VL…S→F状態変化のしきい値電圧、
VH′…H′→F状態変化のしきい値電圧、VH…F
→H状態変化のしきい値電圧、V…ホメオトロピ
ツク状態とフオーカルコニツク状態が共に安定な
いし準安定に存在し得る電圧又はこれに相当する
電位。
液晶表示装置の例を概念的に示す断面図、第2図
はp型コレステリツク液晶の光透過率―電圧曲
線、第3図〜第11図は表示装置の表示マトリク
スの一例の概念的平面図であり、第3図は電極お
よび単位表示部の配置図、第4図a,bはそれぞ
れ本発明法による部分的書換の前後の表示状態図
である。第5図a〜第11図aはいずれも、各電
極への電位分布ならびに各表示部への電圧分布を
示す図であり、第5図b〜第11図bは対応する
表示状態図、第5図c〜第11図cは対応する各
表示部での液晶の存在状態を示す図である。 1…電極基板、2…p型コレステリツク液晶、
1x,1y…それぞれX―電極列およびY―電極
列を形成する透明電極、3…電源、S…基底状
態、F…フオーカルコニツク状態、H…ホメオト
ロピツク状態、H′…準ホメオトロピツク状態、
F′…準フオーカルコニツク状態、G′…グランジエ
ン状態、VL…S→F状態変化のしきい値電圧、
VH′…H′→F状態変化のしきい値電圧、VH…F
→H状態変化のしきい値電圧、V…ホメオトロピ
ツク状態とフオーカルコニツク状態が共に安定な
いし準安定に存在し得る電圧又はこれに相当する
電位。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 複数の離間した帯状電極からなるX―電極列
とY―電極列とをそれぞれ表面に有する一対の垂
直配向処理した電極基板を、X―電極列とY―電
極列とが交叉するように対向させ、該一対の電極
基板間に正の誘電異方性を有するネマチツク液晶
と旋光性物質を含む混合液晶を挾持させてなり、
該X―およびY―電極列の電極交叉部を単位表示
部とする記憶X―Yマトリクス型液晶表示装置
を、まず基底状態の液晶からなる透明表示部とフ
オーカルコニツク状態の液晶からなる光散乱部と
で形成される低電圧表示状態におき、次いで下記
の段階を含む操作を行うことによりX―電極列に
含まれる帯状電極群の一部の帯状電極に対応する
表示を書き換えることを特徴とする、記憶型液晶
表示装置の部分的書換方法。 (イ) 前記フオーカルコニツク状態の液晶をホメオ
トロピツク状態に移行させるに充分な電圧をX
―電極列中の書換電極とY―電極列中の対向電
極との間に印加し、X―電極列中の非書換電極
には対向電極とほぼ同電位を印加して、前記書
換電極に接する表示部の液晶を選択的にホメオ
トロピツク状態にして消去する段階、 (ロ) 前記X―電極列中の書換電極の少くとも一部
を書込電極と定め、Y―電気列中の少くとも一
電極を走査電極と定めて、各電極間を以下の電
圧関係に保持する段階、 a X―電極列中の非書換電極に零電位を設定
する、 b 走査電極には、フオーカルコニツク状態の
液晶とホメオトロピツク状態の液晶とがとも
に安定ないしは準安定に存在し得る電圧Vに
相当する電位を設定する、 c Y―電極列中の書込電極には走査電極とほ
ぼ同電位を、非書込電極には走査電極と同じ
大きさの逆電位をそれぞれ設定する、 上記a,b,cの関係は、前記書込電極と走査
電極とで挟持される被書込表示部に液晶のグラン
ジエン状態が形成されるに充分な時間だけ行う。 (ハ) 前記走査電極を零電位とし、前記被書込表示
部の液晶に電圧Vを印加して液晶がフオーカル
コニツク状態へ転移するに充分な時間保持する
段階。 但し、前記段階(ロ),(ハ)の合計時間は、液晶が電
圧Vの印加により基底状態からフオーカルコニツ
ク状態に相転移するに要する時間内とする。 2 Y―電極列中の電極から前記書込電極と同一
又は異なる新たな書込電極を定め、且つX―電極
列中の前記走査電極と異なる電極を新たな走査電
極と定め、前記段階(ロ)を繰り返し、このようにX
―電極列を走査しつつX―電極列中の書換電極と
接触する液晶表示部に順次に書込操作を行う、特
許請求の範囲第1項に記載の記憶型液晶表示装置
の部分的書換方法。 3 前記(ハ)の段階の後にX―電極列とY―電極列
の電極間を同電位にして、記憶画像とする段階を
含む、特許請求の範囲第1項または第2項に記載
の記憶型液晶表示装置の部分的書換方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10800480A JPS5732492A (en) | 1980-08-06 | 1980-08-06 | Method of partly rewiting memory type liquid crystal display unit |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10800480A JPS5732492A (en) | 1980-08-06 | 1980-08-06 | Method of partly rewiting memory type liquid crystal display unit |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5732492A JPS5732492A (en) | 1982-02-22 |
JPS631592B2 true JPS631592B2 (ja) | 1988-01-13 |
Family
ID=14473537
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10800480A Granted JPS5732492A (en) | 1980-08-06 | 1980-08-06 | Method of partly rewiting memory type liquid crystal display unit |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5732492A (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04172318A (ja) * | 1990-11-05 | 1992-06-19 | Hamamatsu Photonics Kk | 空間光変調器 |
US6885357B2 (en) * | 2002-12-31 | 2005-04-26 | Eastman Kodak Company | Method for writing pixels in a cholesteric liquid crystal display |
JP2007219413A (ja) * | 2006-02-20 | 2007-08-30 | Fujifilm Corp | 液晶調光デバイスの駆動方法及び液晶調光デバイス |
-
1980
- 1980-08-06 JP JP10800480A patent/JPS5732492A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5732492A (en) | 1982-02-22 |
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