JPS631534Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕₁ 本考案は、長尺物の送り出し装置、特にケーブ
ル布設作業等に使用するケーブル送り出し装置に
係る。

〔考案の技術的背景〕₂ 洞道内等にケーブルを布設する場合、洞道の内
壁面に設けた多段ラツクに第１図に示すような構
造のケーブル送り出し装置を設置し、ケーブルを
送り出すようにしている。

すなわち、従来のケーブル送り出し装置１は、
駆動輪２と従動輪３との間にキヤタピラ状の無端
ベルト４を張架した回転体５を有し、この回転体
５は、減速機構６を介して連結されたモータ（図
示せず）により駆動される。

回転体５に対向してタイトナ６が設けられ、こ
のタイトナ６は、回転輪７，８間に回転体５と同
様にキヤタピラ状の無端ベルト４が張架されてい
る。

タイトナ６は、支柱９に昇降可能に支持され、
支柱９の先端に設けたハンドル１０を回動させる
ことにより、昇降できる構造となつている。

上記の構成のケーブル送り出し装置１によりケ
ーブル１１を送り出す場合、回転体５とタイトナ
６との間にケーブル１１を挾み、ハンドル１０を
回わして、ケーブル１１に適当な押圧力を加えた
後、駆動用モータを回転させれば、所定速度でケ
ーブル１１が送り出される。

〔背景技術の問題点〕₃ しかるに、上記のケーブル送り出し装置で、多
段ラツク上にケーブルを布設する場合、一般に各
ラツク間の間隔が狭いために上記装置の支柱がつ
かえてしまい、そのままでは布設作業が困難であ
る。

そこで、上段のラツクの一部を取り外して布設
作業を行つているが、手数がかかり作業性が悪い
難点を有する。

〔考案の目的〕₄ 本考案は、上記の事情に基きなされたもので、
タイトナを支持する支柱および昇降機構並びにこ
の機構を駆動するハンドルを取り去り、全体の高
さを低くして各ラツクを取り外すことなくケーブ
ル布設作業を可能にしたケーブル送り出し装置を
提供することを目的とする。

〔考案の概要〕₅ すなわち、本考案は、ケーブルを送り出す回転
体とタイトナとを連結桿で連結し、タイトナの自
重により、送り出されるケーブルに自然に押圧力
が加わるようにし、押圧力を加えるための昇降機
構およびこの機構を駆動するハンドルを省いたこ
とを特徴とするケーブル送り出し装置である。

〔考案の実施例〕₆ 以下に、本考案の一実施例につき、図面を参照
して説明する。

第２図において、ケーブル送り出し装置２０の
回転体２１は、駆動輪２２と従動輪２３との間に
キヤタピラ状の無端ベルト２４が張架され、図示
を略した駆動モータ、減速機構を介して駆動され
る。

この回転体２１に対向してタイトナ２５が設け
られ、水平方向に対向配置の一対の回転輪２６，
２７間にキヤタピラ状の無端ベルト２８が張架さ
れている。

なお、回転輪２６，２７のいずれか一方または
双方には、図示を略したトルクリミツタ等の制動
装置を備えている。

回転体２１とタイトナ２５とは、それらのほぼ
中央部において連結桿２９により連結され、回転
体２１側に設けた支点３０を中心としてタイトナ
２５が左右に揺動できる構成となつている。

上記のケーブル送り出し装置２０により、ケー
ブルを送り出す場合には、回転体２１とタイトナ
２５との間にケーブル３１を挿通し、図示を略し
た駆動モータを駆動すれば、ケーブル３１は所定
の速度で一方向に送り出される。

この場合、回転体２１の上部に配置したタイト
ナ２５がケーブル３１の送り出し方向に追従して
揺動する。

すなわち、タイトナ２５の無端ベルト２８は、
ケーブル３１の外周に接触しているので、ケーブ
ル３１の進行にしたがつて回転させられるととも
に両者間の摩擦抵抗および制動装置の制動力によ
つてケーブル３１の送り出し方向に引張力が働く
結果、タイトナ２５の全体が支点３０を中心とし
て揺動することとなる。

これにより、ケーブル３１の移動に追従して適
当な握持力がケーブル３１に加わりスムーズな送
り出しが可能となる。

第３図は、本考案の他の実施例を示すもので、
回転体２１とタイトナ２５とを２本の連結桿２
９，２９で連結したものであり、いわゆる平行リ
ンク機構を構成し、この機構により前記同様に送
り出しケーブルに把持力を加えるようにしたもの
である。

なお、同図において、第２図の実施例と同一部
分には同一符号を付してその詳しい説明は省略す
る。

また、上記いずれの実施例においても、連結桿
２９を取り外し可能な機構とすることもでき、さ
らにタイトナ２５の無端ベルト２８は、回転体２
１の無端ベルト２４と同期させて強制的に回転さ
せるために、駆動輪２２が固定された駆動軸から
適当な歯車機構を介して動力を伝達するようにし
ても良い。

〔考案の効果〕₇ 以上のように本考案によれば、従来のようにタ
イトナの昇降機構を設けず、かつ昇降機構を駆動
するためのハンドル等の操作部を不要としたの
で、ケーブル送り出し装置の高さを低くすること
ができる。したがつて、ラツク各段の間隔が比較
的狭い場合にも、上段のラツクを取り外すことな
く、ケーブル布設作業を実施することができ、工
数の低減を図ることができる。

また、連結桿を着脱可能にした場合には、必要
に応じ回転体上のタイトナを取り外し、さらに高
さを減じて回転体のみでケーブル送り出し作業を
実施することができるとともにケーブル送り出し
途中におけるケーブルの持ち上げ作業等にも便利
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来のケーブル送り出し装置を示
し、同図Ａは、その側面図、同図Ｂは、その正面
図、第２図は、本考案に係るケーブル送り出し装
置の一実施例を示し、同図Ａは、その側面図、同
図Ｂは、その正面図、第３図は、本考案の他の実
施例を示し、同図Ａは、その側面図、同図Ｂは、
その正面図を示す。 ２０……ケーブル送り出し装置、２１……回転
体、２２……駆動輪、２３……従動輪、２４，２
８……無端ベルト、２５……タイトナ、２６，２
７……回転輪、３０……支点、３１……ケーブ
ル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 駆動輪と従動輪との間に無端ベルトを張架した
   回転体と、この回転体の上部に対向配置され、一
   対の回転輪間に無端ベルトを張架したタイトナ
   と、このタイトナを揺動可能に前記回転体に連結
   する連結桿とを有し、前記回転体によつて送り出
   されるケーブルの進行に追従して押圧力が加わる
   ようにしたことを特徴とするケーブル送り出し装
   置。