JP5596373B2 - 中高層ビルにおける垂直幹線の延線工法及びこれに使用する装置 - Google Patents

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Description

この発明は、中高層ビル等の建物に設置される、各フロアへ電気を供給する垂直幹線の延線工法及びこれに使用する装置に関するものである。
近年、高層ビル現場や中層ビル現場においてはテナント用受電室(電気室)を上層階に設けることが多い。この様な時、図11で示すように、従来の幹線ケーブルの延線工事では、高層ビル(イ)の最上部構造が構築された後、最上階等に設置したウインチ(ロ)で垂直幹線(ハ)の上端を吊り上げていき、垂直幹線(ハ)の上端を最上階の天井スラブに吊り下げる、幹線の下からの引き上げ工事方法しかなかった。この様な高層ビルでの下から上への垂直幹線の延線工法は特許文献1にも記載されている。
この方法だと、垂直幹線(ハ)を下から上に引き上げるのに多大な動力を必要とする。また、各階で垂直幹線(ハ)を巻き付けたドラム(ニ)を設置する等、他のテナントエリアを使用することが多い。そこで、ドラム(ニ)の設置、機材の搬入ルートの確保、作業時間の調整等各テナントとの調整をしなければならず、これらに時間や手間がかかった。また、中高層ビルでは高層階の方が仕上げが早く、低層階の建築仕上げ工事が遅れることが多い。従って、当該垂直幹線の敷設工期が遅れてしまうことが多い。また、下から幹線ケーブルを引き上げる場合、各階に作業員をおいて、引き上げ用のロープを下方に引くための誘導や監視作業と、引き上げられる幹線ケーブルが他物に引っ掛からないよう誘導や監視する作業の2つの作業工程をしなければならない。従って、前記電気工事の下からの幹線引き上げ工事は、電力等の動力を大きく消費するとともに、多数の作業員を必要とし、大変な手間がかかるものであった。
この様な問題を解決するため、特許文献2で示すように、垂直幹線を3フロア程度分づつの分割幹線ケーブルに分割し、上下の分割幹線ケーブルの端部同士を接続コネクタで結合する工法が提案されている。ここでは、全体の分割幹線ケーブルが連結された後は、特許文献1の場合と同様に、結合後の幹線ケーブルの上端に装着したネット状のケーブルグリップを最上階のスラブに埋め込んだ係止金具に係止する。それぞれの接続コネクタは、その接続コネクタより下方の幹線ケーブル全体の重量を支持する構造を備えている。また、この工法では、建築物の3フロア分を建てていくごとに、3フロア分の分割幹線ケーブルを上のフロアから吊り下ろすことができる。これにより、最上階が形成される前に上層階を除く各フロアの幹線ケーブルを設置することができる。また、ウインチも不要である。そして接続コネクタで幹線ケーブル自体の重量を支持するので、連結後の幹線ケーブルはまっすぐに上下方向に延びている。
この特許文献2のものにおいても、分割岐幹線ケーブルの接続点となる3フロアごとに作業員を配置する必要があり、特に数十階の超高層ビルでは、多数の作業員が依然として必要である。また、接続コネクタはそのコネクタより下側の垂直幹線の重量を支持する必要があるので、高い強度が必要であり、その分重量が大きくなり、電動ウインチを使用したり、接続コネクタの接続作業に手間がかかる。
そこで、特許文献3の工法が開発された。これは、垂直幹線ケーブルを数階分乃至十数階分ごとのユニットに分割し、最上階のユニットの上端を最上階の天井スラブに吊り持ち支持させ、他のユニットの上端からいくらか下方の部位を対応する階の天井スラブに吊り持ち支持させる。そして上側のユニットの下端を、下側のユニットの上端とジョイントによってモールド接続する。この工法では高層ビルが数階分乃至十数階分づつ建て上がっていくごとに対応するユニットを設置することができる。また、各ユニットの重量は、そのユニットの上端近辺が対応する天井構造物に支持されるので、シャフト内に吊り込むとき、ユニット1個分の重量を吊るだけで足りる。そのため、小型のウインチでも巻上げあるいは巻き降ろしが可能であり、吊り込みや接続作業もそれほど過酷ではない。さらに、各ユニットの接続部には下部ユニットの重さが加わらないため、接続部の機械的強度を向上させるための強固なコネクタを用いる必要がなく、水平に配線される電線に用いるものと同様なモールド接合でよい。
特開2006−87176号公報 特開2005−39981号公報 特開2009−50108号公報
しかしながら、前記特許文献2及び3の工法では、分割幹線ケーブル或いはユニットを用いるため、多数の接続作業を余儀なくされ、また、一度に最上階から地上階まで延線できず、分割幹線ケーブルごと、或いはユニットごとに延線しなければならず、それだけ時間や手間のかかる工事となる。
また、このような高層ビル内に垂直幹線を敷設する場合、上から下まで一気に幹線を自重により下ろして延線すれば、延線の動力は少なくて済み、手間もかからず、省力化できる。しかしながら、高層ビルの高層階から幹線ケーブルを落とす場合、落下速度の制御が重要となる。この幹線ケーブルの落下速度の制御が難しいため、現在ではこの工法が使用されていないのが現状である。
そこで、この発明はこれらの従来技術に鑑み、中高層ビルにおいて一度で高層階から地上階乃至は地下まで、垂直幹線ケーブルを自重を利用して延線でき、また、大がかりな機械や動力を必要とせず延線できる、垂直幹線の延線工法及びこれに使用する装置を提供することを目的としたものである。
請求項1の発明は、中高層ビルの垂直幹線の延線工法において、高層階に幹線ケーブルを搬入し、当該個所から下方の階を貫いて設けられた配線シャフトに、前記幹線ケーブルを巻き付けたドラムから、送り出し装置を用いて当該幹線ケーブルを繰り出して自重により落下させ、当該配線シャフト内に当該配線シャフトに沿って間隔をあけて設けた複数の定速度落下制御装置に前記幹線ケーブルを通して当該幹線ケーブルの自重による落下速度を制御しながら前記配線シャフトの上から下方の各階に延線し、前記定速度落下制御装置は、無端ベルトから成るキャタピラを二つ相対向して設け、各キャタピラの支持軸の両端を夫々連結したフレームの相応するフレーム間を複数のリンク片で回転自在に接続し、前記リンク片を前記フレームに対して直角にすると前記二つのキャタピラの間隔は開き、前記リンク片を前記フレームに対して斜めにすると前記間隔は狭まって前記二つのキャタピラは密着する構成とし、前記各定速度落下制御装置の一方のキャタピラを前記配線シャフト内に支持し、前記幹線ケーブルを二つのキャタピラの間を通して落下させ、他方のキャタピラは自重により降下して二つのキャタピラの間隔が狭まって前記幹線ケーブルを挟持する構成とした垂直幹線の延線工法とした。
また、請求項2の発明は、前記各キャタピラの少なくとも一つのローラに定速度保持制御ブレーキを設け、前記幹線ケーブルを二つのキャタピラの間に挟んで落下させ、この幹線ケーブルの落下により前記無端ベルトを回転させ、当該無端ベルトの回転速度が前記定速度保持制御ブレーキにより一定速度以上上がらないように制御しながら幹線ケーブルを落下させる前記請求項1に記載の垂直幹線の延線工法とした。
また、請求項3の発明は、前記送り出し装置がブレーキ装置を有し、また、繰り出し前記各定速度落下制御装置が、前記定速度保持制御ブレーキとは別に、二つのキャタピラの無端ベルトを密着させて、二つの無端ベルトの間の幹線ケーブルを把持するブレーキ装置を有する、前記請求項に記載の垂直幹線の延線工法とした。
また、請求項4の発明は、前記定速度落下制御装置のキャタピラのフレームのうち、前記配線シャフトに支持されていない方のフレームの下部に、落下制御用の荷重体を取り付けた、請求項1〜3のいずれかに記載の垂直幹線の延線工法とした。
また、請求項5の発明は、前記荷重体は、中高層ビルの下層階の配線シャフトに支持される定速度落下制御装置のキャタピラのフレームに取り付ける荷重体ほど重くした、請求項4に記載の垂直幹線の延線工法とした。
また、請求項6の発明は、前記配線シャフトに支持される定速度落下制御装置が2台連結して設けられ、上方の定速度落下制御装置の、支持側のキャタピラのフレームの下端と下方の定速度落下制御装置の相応するキャタピラのフレームの上端とを相互に回転自在に接続した、請求項1ないし5のいずれかに記載の垂直幹線の延線工法とした。
また、請求項7の発明は、複数のローラの外周に巻き付けた無端ベルトから成るキャタピラを二つ相対向して設け、各キャタピラの各ローラの支軸の両端を夫々連結したフレームの相応するフレーム間を複数のリンク片で回転自在に接続して二つのキャタピラが密着、離反自在とし、前記各キャタピラの少なくとも1個のローラに定速度保持制御ブレーキを設け、前記無端ベルトの回転速度が前記定速度保持制御ブレーキにより一定速度以上上がらない構成とし、前記リンク片を前記フレームに対して直角にすると前記二つのキャタピラの間隔は開き、前記リンク片を前記フレームに対して斜めにすると前記間隔は狭まって前記二つのキャタピラは密着する構成とし、一方のキャタピラを構造物に支持し、幹線ケーブルを二つのキャタピラの間を通して落下させ、他方のキャタピラは自重により降下して二つのキャタピラの間隔が狭まって前記幹線ケーブルを挟持する構成としたことを特徴とする、垂直幹線の延線工法に使用する定速度落下制御装置した。
また、請求項8の発明では、前記定速度保持制御ブレーキとは別に、二つのキャタピラの無端ベルトを密着させて、二つの無端ベルトの間に入れた幹線ケーブルの把持力を制御し、かつ当該把持状態をロックするブレーキ兼ロック装置を設けた、請求項7に記載の垂直幹線の延線工法に使用する定速度落下制御装置とした。
また、請求項9の発明は、前記定速度落下制御装置の二つのキャタピラをつなぐ複数のリンク片が、一方のキャタピラのフレームに着脱自在に係止されている請求項7又は8に記載の垂直幹線の延線工法に使用する定速度落下制御装置とした。
請求項1の発明では、中高層ビルの垂直幹線の延線に当たって、幹線ケーブルを高層階から下層階へ落下させて延線するため、幹線ケーブルの自重を主な動力として使用するため、電気等のエネルギーの省力化となる。また、上から落下する幹線ケーブルは、間隔をあけて設けられた定速度落下制御装置夫々で落下速度を制御されるため安全である。また、落下する幹線ケーブルは必要階で横引きすればよく、その階に作業員がいて手作業又はウインチで横引きすることが出来、他の階には作業員は不要となり、従来の下から上への幹線ケーブルの延線工法より作業員を少なくすることが出来る。また、前記従来の延線工法では、下の階層から順に幹線ケーブルを延線していかなければならないが、この工法では、延線する階層の順番を任意にすることが出来る。従って、従来のような工期の遅れが生じにくい。また、請求項1及び7の各発明によれば、各定速度落下制御装置は二つのキャタピラの一方が、他方に吊り下げられているため、一方のキャラピラの自重で他方のキャタピラに密着する。また、幹線ケーブルは、二つのキャタピラの無端ベルトに挟持されて、無端ベルトの回転速度に従って落下するため、無端ベルトと幹線ケーブルとは面接触で接触し、かつ落下速度が無端ベルトの回転と同期するため、幹線ケーブルが摩擦せず、外周を痛めない。しかも、幹線ケーブルは三相の撚り線であることが多く、この三相の撚り線では断面形状が一定ではないので、前記無端ベルトでの面接触での挟持は三相の撚り線の場合、確実に挟持され、最適である。
また、請求項2及び7の各発明によれば、各キャタピラの無端ベルトは定速度保持制御ブレーキによりその回転が一定値の定速度で回転するよう制御されているため、電気や油圧等の動力を用いず、幹線ケーブルの落下速度を制御することが出来るため、省力化となる。
また、請求項3の発明によれば、前記送り出し装置がブレーキ装置を有し、また、各定速度落下制御装置には、無端ベルトの間の幹線ケーブルを把持するブレーキ装置を有するため、前記送り出し装置のブレーキをかける場合に、同時に各定速度落下制御装置のブレーキをかければ、前記送り出し装置のブレーキにかかる幹線ケーブルの荷重が各定速度落下制御装置に分散され、前記送り出し装置のブレーキ装置の容量を小さくすることができ、かつ、幹線ケーブルの停止を確実にすることができる。
また、請求項4の発明によれば、幹線ケーブルに対して定速度落下制御装置の二つのキャタピラの無端ベルトの密着力が弱いと、定速度落下制御装置の制御がきかないが、この様に荷重体を一方のキャタピラのフレームに取り付けるだけで、二つのキャタピラの無端ベルトの密着力が増し、当該定速度落下制御装置により確実に幹線ケーブルの落下速度を制御することができる。
また、請求項5の発明においては、中高層ビルの下層階に行くほど前記請求項4の荷重体を重くしているので、上からの幹線ケーブルの落下長の長さによって自重で落下速度が速くなるが、前記定速度落下制御装置において、二つのキャタピタの無端ベルトの密着力が増し、幹線ケーブルを確実に把持して落下速度の制御が行える。
また、請求項6の発明によれば、幹線ケーブルの外周が一定でなく、大径部を有するものであっても、この様に配線シャフト内に一定間隔ごとに設置する定速度落下制御装置を夫々二台の連結式にしているため、幹線ケーブルの落下速度を定速度に維持して延線できる。
また、請求項8の発明によれば、幹線ケーブルの下端が、目的の階層にきた場合、当該階に幹線ケーブルを引き込むが、その場合に、上方の定速度落下制御装置の二つのキャタピラを密着させてこの状態をブレーキ兼ロック装置によりロックしておけば、当該幹線ケーブルはそれ以上落下せず、幹線ケーブルの当該階への横引き作業が極めて容易となる。
また、請求項9の発明によれば、幹線ケーブルの下端が目的の階層にきた場合、当該階に幹線ケーブルを引き込むが、その場合に、上方の各定速度落下制御装置の二つのキャタピラの間から幹線ケーブルを取り出さなければならない。この場合、各リンク片の一端を一方のフレームに着脱自在に取り付けているため各リンク片を当該フレームから外し、容易に当該幹線ケーブルを取り出すことが出来る。
この発明は、中高層ビルの垂直幹線の延線工法において、高層階にドラムに巻き付けた幹線ケーブルを搬入し、当該個所から下方の階を貫いて設けられた配線シャフトに、前記ドラムから幹線ケーブルを、送り出し装置を用いて繰り出して落下させ、当該配線シャフト内に当該配線シャフトに沿って間隔をあけて複数設けた定速度落下制御装置に幹線ケーブルを通して当該幹線ケーブルの落下速度を制御しながら前記配線シャフトの上から下方の各階に延線する。
そして、前記定速度落下制御装置は、複数のローラの外周に巻き付けた無端ベルトから成るキャタピラを二つ相対向して設け、各キャタピラの各ローラの支持軸の両端を夫々連結したフレームの相応するフレーム間を複数のリンク片で回転自在に接続して二つのキャタピラが密着、離反自在とし、一方のキャタピラを前記配線シャフトに支持し、かつ、前記各キャタピラの少なくとも一つのローラに定速度保持制御ブレーキを設け、前記幹線ケーブルを二つのキャタピラの間に挟んで落下させ、この幹線ケーブルの落下により前記無端ベルトを回転させ、当該無端ベルトの回転速度が前記定速度保持制御ブレーキにより一定速度以上上がらないように制御しながら幹線ケーブルを落下させる、垂直幹線の延線工法とした
以下、この発明の実施例1を図に基づいて説明する。図1はこの発明の工法の概略構成図である。
高層ビル1には、各階を貫いて電線、通信等のケーブルを収納する配線シャフト2が設けられている。また、この高層ビルの最上階には電気室3が設けられている。そして、延線しようとする幹線ケーブル4を巻き付けたドラム5及びブレーキ付き送り出し装置6を、当該高層ビル1の外からクレーン等により吊り上げ、最上階に設置する。また、前記配線シャフト2に沿って、当該配線シャフト2内に約20mおきに、定速度落下制御装置7を設置する。具体的には、前記配線シャフト2に設けられたケーブルラック8(図3参照)に吊り下げる。
そして前記幹線ケーブル4の先端にパイロットケーブル(図示省略)の一端を接続し、このパイロットケーブルの他端を前記配線シャフト2に入れて前記各定速度落下制御装置7に通し、目的の階で前記パイロットケーブルの端を係止しておく。そして、前記ブレーキ付き送り出し装置6を作動させてドラム5から幹線ケーブル4を繰り出す。当該幹線ケーブル4は前記パイロットケーブルにガイドされて各定速度落下制御装置7を通り落下していき、幹線ケーブル4の自重が増すにつれて落下速度が速くなるが、各定速度落下制御装置7でその落下速度を制御され、一定の低速度を維持して落下していく。そして当該幹線ケーブル4を引き込む目的の階に幹線ケーブル4の下端が達すると、前記ブレーキ付き送り出し装置6のブレーキをかけ、幹線ケーブル4の繰り出しを一旦止める。そして目的の階で作業員が前記パイロットケーブルを配線シャフト2から引っ張り、又はローラを介してウインチで引っ張り、再び前記最上階にブレーキ付き送り出し装置6を作動させて幹線ケーブル4を繰り出し、当該階に幹線ケーブル4を横引きし、当該階の分電盤9に接続する。その後、各定速度落下制御装置7から幹線ケーブル4を取り出し、当該幹線ケーブル4をケーブルラック8に固定する。
このようにして、ドラム5から新たな幹線ケーブル4を取り出して延線作業を繰り返すことにより、複数の幹線ケーブル4を最上階から地上階又は地下階の各階に延線する。その際、延線し終わった幹線ケーブル4は配線シャフト2のケーブルラック8(図3参照)に結束するため、次の幹線ケーブル4の延線には邪魔にならない。各階には5〜6本の幹線ケーブルを引き込むため、これらを最上階から一括で延線、引き込んでもよく、1本ごとでもよい。
次に、前記定速度落下制御装置の構成を図2〜図7において説明する。図2は定速度落下制御装置7に幹線ケーブルを通した斜視図、図3は定速度落下制御装置7の実際の使用状態を示す側面図、図4は定速度落下制御装置7に幹線ケーブルを通した側面図、図5は定速度落下制御装置7のキャタピラのローラと無端ベルトの概略構成図、図6は定速度落下制御装置7のキャタピラの無端ベルトの好ましい例を示す説明図であり、(A)図は斜視図、(B)図は二つのキャタピラの無端ベルトで幹線ケーブルを挟持している断面図、図7は定速度落下制御装置7のキャタピラのフレームとリンク片の係合構成を示す概略構成図、図8は定速度落下制御装置7の二つのキャタピラのブレーキ兼ロック装置を示す側面図である。
この定速度落下制御装置7は、二つのキャタピラ7a及び7bからなり、各キャタピラ7a又は7bは、支軸10の外周に回転自在に設けたローラ11を多数並べ、各支軸10の両端をフレーム12で固定し、前記多数のローラ11の外周にウレタン系の素材から成る無端ベルト13を巻き付けている。そして、二つのキャタピラ7a及び7bの相応するフレーム12の間にリンク片14をわたし、各リンク片14の両端を各フレーム12に回転自在に取り付けている。
これらのリンク片14を各フレーム12に対して直角にすると二つのキャタピラ7aと7bの間隔は開き、各リンク片14を各フレーム12に対して斜めにすると前記間隔は狭まり、各キャタピラ7a及び7bの無端ベルト13は相互に接する構成となっている。従って、図3及び図4に示すように、一方のキャタピラ7aをケーブルラック8に吊り下げると、他方のキャタピラ7bはその自重で、これらを連結しているリンク片14を傾かせて下方に落ち、各キャタピラ7a又は7bは接近し、相対向する無端ベルト13は密着する。
また、各キャタピラ7a又は7bの各ローラ11には、遠心ブレーキ(図示省略)が設けられている。この遠心ブレーキは、ローラ11の回転が一定速度以上になると、ブレーキシュウが遠心力で広がってローラ11の内周に当たり、ローラ11の回転を一定の速度に抑える。この遠心ブレーキは、例えば、特開平8−200408号にも記載されている。このローラ11の回転制御は、図4及び図5に示すように、各ローラ11の外周に設けた多数の外周歯11aと前記無端ベルト13の内周に設けた多数の内周歯13aとが噛み合いっていることから、無端ベルト13に伝達され、無端ベルト13も回転が制御されることとなる。また、前記ローラ11の外周歯11aと無端ベルト13の内周歯13aは多段のギアを介して噛み合わせることもできる。この場合、無端ベルト13とローラ11の回転数を相互に異なるものにすることがでる。
なお、前記遠心ブレーキはすべての各ローラ11に設けても良いが、すべてのローラ11に設けなくともよい。各キャタピラ7a又は7bの少なくとも1個に乃至は上下のローラ11に設ければよい。
従って、各定速度落下制御装置7の二つのキャタピラ7aと7bとの間を通る幹線ケーブル4は、図4に示すように、一方のキャタピラ7bの自重により、二つのキャタピタ7aと7bとに挟持され、二つの相対向する無端ベルト13に密着してこれらの無端ベルト13を回転させながら落下していく。そして、幹線ケーブル4の落下が早くなろうとすると、前記キャタピラ7a及び7bのローラ11の遠心ブレーキが働き、ローラ11の回転が制御され、これがローラ11の外周歯11aと無端ベルト13の内周歯13aとの噛み合いにより無端ベルト13に伝わり、無端ベルト13の回転が制御され、幹線ケーブル4の落下速度が一定の低速度に維持される。
なお、他方のキャタピラ7bの自重が軽くて、幹線ケーブル4が当該キャタピラ7aと7bの間をすべっていく場合は、前記他方のキャタピラ7bに重りを付けて各無端ベルト13を密着させ、幹線ケーブル4の落下に合わせて各キャタピラ7a及び7bの各無端ベルト13が回転するように調整する。
この重りとしては、図3に示す、ケーブルラック8に吊り下げられていない方のキャタピラ7bのフレーム12の下端部に、鉄アレーのような荷重体を取り付けることにより行うことができる。また、幹線ケーブル4の落下長が大きくなるほど、幹線ケーブル4の自重が大きくなって、無端ベルト13で把持することが難しくなるので、建物の下層階における定速度落下制御装置7の前記フレーム12に取り付ける荷重体ほど、重くすることが好ましい。
また、前記無端ベルト13は、図6の(A)図に示すように、ウレタン系材質から成るサイコロ状のこま13bをベルトの外周上に並べ、サイコロ状の各こま13bの外面に、幹線ケーブル4が収まる断面略半円形状の溝13cが掘られているものが好ましい。これにより、同図の(B)に示すように、二つのキャタピラ7a、7bの各無端ベルト13に挟み込んだ幹線ケーブル4に一様にむらなく圧力がかかることになる。
このようにして最上階から繰り出されて落下した幹線ケーブル4は、配線シャフト2内に間隔をあけて設けた複数の定速度落下制御装置7夫々により一定の低速度を維持されながら下方に落下していく。また、前記各定速度落下制御装置7は電力や油圧等の動力源を要せず、幹線ケーブル4の落下速度を制御するものである。
そして、幹線ケーブル4の下端が目的の階に到達したとき、前記最上階のブレーキ付き送り出し装置6のブレーキを作動させて幹線ケーブル4の繰り出しを止めるが、その際、前記各定速度落下制御装置7に、二つのキャタピタ7aと7bとをより密着させて幹線ケーブル4の落下を止める、後述のブレーキ装置を設ければ、前記ブレーキ付き送り出し装置6のブレーキのみに負担がかからず、幹線ケーブル4の落下負荷を前記ブレーキ付き送り出し装置6及び各定速度落下制御装置7で分散して受けることができる。+
また、前記各リンク片14の一端は、前記フレーム12に着脱自在に取り付けられている。これは、前記各リンク片14の一端に設けたピン15を、前記フレーム12の孔に通して、回転自在に取り付けているが、図7に示すように、当該フレーム12の孔16が鉤型をなし、その短辺に大径孔部16aを設け、その大径孔部16aから前記ピン15の頭部が抜ける構成となっている。これにより二つのキャタピラ7の一方の側の各リンク片14の一端を、フレーム12から外すことができ、幹線ケーブル4を二つのキャタピラ7aと7bの横から取り出すことが出来る。なお、図7の(A)図及び(B)図は、フレーム12に設けた鉤型の孔16にリンク片14のピン15が挿通されている状態を示し、(C)図は鉤型の孔16の大径孔部16aの位置にピン15がきている状態を示す。この位置でピン15はその頭部とともに大径孔部16aから抜ける構成となっている。
従って、前記幹線ケーブル4を目的の階に引き込んだ際、前記各定速度落下制御装置7から幹線ケーブル4を取り出すが、その際、前記各リンク片14の一端を一方のフレーム12から外して容易に幹線ケーブル4を定速度落下制御装置7から取り出すことが出来る。
また、前記定速度落下制御装置7には、前記遠心ブレーキの他に、前記二つのキャタピラ7a及び7bを密着、離反自在で、間に挟んだ幹線ケーブル4を挟持し、この挟持した状態をロックするブレーキ兼ロック装置17を設けることも出来る。このブレーキ兼ロック装置17は、図8に示すように、各キャタピタ7aと7bの各フレーム12間に設けたもので、ターンバックル構造を有し、工具等で中央部のつまみを回転させるとディファレンシャルギヤを介して両側の短片17a、17bが伸びたり縮んだりするもので、両側の短片を縮ませると各キャタピタ7aと7bとが接近し、幹線ケーブル4の挟持力が増し、また当該挟持した状態をロックする。前記中央部のつまみの回転は、電動等の駆動源により回転させることもできる。
幹線ケーブル4の下端を目的の階に引き入れた後、当該幹線ケーブル4を各定速度落下制御装置7から外すが、この取り外し作業は各定速度落下制御装置7ごとに順に行うため、他の定速度落下制御装置7に幹線ケーブル4を確実に把持しておくことが必要である。この様にブレーキ兼ロック装置17を各定速度落下制御装置7に設けておくと、前記取り外し作業等を安定して行うことができる。
また、このブレーキ兼ロック装置17は、二つのキャタピラ7a、7bが、一方のフリーなキャタピラ7bの自重又は重りによっても、相互に密着しない場合、これを作動させて二つのキャタピラ7a、7bを強制的に密着させ、これらの間に挟んだ幹線ケーブル4と各無端ベルト13とを同期させることにも使用できる。
また、前記幹線ケーブル4が分岐ケーブル4´の場合は、図9に示すように、ケーブルの外周に大径の分岐部4´aを有するため、前記定速度落下制御装置7を二台夫々連結し、上方の定速度落下制御装置7のケーブルラック8に吊り下げているキャタピラ7aと、下方の定速度落下制御装置7のキャタピラ7aのフレーム12相互をピン20等で回転自在に連結する。なお、図9において、分岐ケーブル4´の下端にはケーブルグリップ21を介してパイロットケーブル22が接続されている。
これにより、図9の(A)に示すように、分岐ケーブル4´の大径の分岐部4´aが上方の定速度落下制御装置7の二つのキャタピラ7a、7bの間にきて、二つのキャタピラ7a及び7bの間が開いても、下方の定速度落下制御装置7の二つのキャタピラ7a、7bが分岐ケーブル4を挟持しているため、当該定速度落下制御装置7により分岐ケーブル4´の落下速度は定速度に制御維持される。そして、図9の(B)図に示すように、分岐部4´aが上下の定速度落下制御装置7の間に来ると、上下の各定速度落下制御装置7のキャタピラ7a、7bは分岐ケーブル4´を挟持する。そして、図9の(C)図のように、分岐部4´aが下方の定速度落下制御装置7に来ると、当該定速度落下制御装置7のキャタピラ7a、7bは間をあけているが、上方の定速度落下制御装置7の二つのキャタピラ7a、7bは分岐ケーブル4´を挟持しているので、上方の定速度落下制御装置7で分岐ケーブル4´の落下速度は制御維持される。
これは、分岐ケーブル4´でなくとも、幹線ケーブル4の外周が一定でなく、大径部を有するものであれば、この様に一定間隔ごとに設置する定速度落下制御装置7を夫々二台の連結式にすれば、幹線ケーブル4の落下速度を定速度に維持して延線できる。
なお、この実施例1では、定速度落下制御装置7にキャタピラ7a及び7bに遠心ブレーキを設けたが、これはこの発明で言うところの定速度保持制御ブレーキの一つである。この定速度保持制御ブレーキは、前記遠心ブレーキに限らず、回転速度が上がっても、回転速度を一定に保持する制御ブレーキは種々ある。例えば、図10に示すように、前記定速度落下制御装置7の各キャタピラ7a、7bのローラ11と一体に回転する羽根車24を、流体循環路25内に設け、当該流体循環路25に油等の動粘度の高い流体26を充満させ、当該流体26は前記羽根車24の回転により流体循環路25内を流れ、当該流体循環路25に設けたオリフィス27やバルブ(図示省略)等で前記流体26は流量調整され、当該流体26により前記羽根車24及び前記ローラ11の回転が、一定の回転速度に制御されるものでもよい。
また、図11に示すように、前記定速度落下制御装置7の各キャタピラ7a、7bのローラ11と一体に回転するモータ30を設け、当該モータ30の出力回路31に可変抵抗器32を設けて前記モータ30を発電機として作動させて出力回路31に回生電流を流し、前記可変抵抗器32により負荷調整して前記モータ30の回転抵抗を制動力としてモータ30及びローラ11の回転を一定の回転速度に制御する、回生ブレーキを利用するものでもよい。
図12は前記定速度落下制御装置7のブレーキ兼ロック装置の他の例を示す正面図、図13はこの他のブレーキ兼ロック装置の概略構成図を示し、(A)図は側面図、(B)図は要部断面図である。
この場合、ブレーキ兼ロック装置33は、一方のキャタピラ7aの両側のフレーム12に、他方のキャタピラ7bを内側に入れて、断面コの字型の外フレーム34の両側脚片34aの先端を固定し、当該外フレーム34の基部34bの中央にネジ孔34cを設け、当該ネジ孔34cに、一端にハンドル35を有するボルト36を螺着して貫通させている。また、この外フレーム34の内側で、前記外フレーム34より小幅で細長い断面コの字型の内フレーム37の両側脚片37aを他方のキャタピラ7bの両側のフレーム12に固定し、この内フレーム37の基部37bに、前記ボルト37の他端に回転自在に設けた当接座38を当接自在となっている。
従って、図12に示すように、一方のキャタピタ7aに対して他方のキャタピラ7bが自重により下方にぶら下がっても、内フレーム37は長いため、外フレーム34内のボルト36の当接座38は内フレーム37の基部37bを押圧し、二つのキャタピラ7a、7bの各無端ベルト13を密着度を制御できる。
この発明の実施例1の工法の概略構成図である。 この発明の実施例1に使用する定速度落下制御装置に幹線ケーブルを通した斜視図である。 この発明の実施例1に使用する定速度落下制御装置に幹線ケーブルを通した実際の使用状態を示す側面図である。 この発明の実施例1に使用する定速度落下制御装置に幹線ケーブルを通した側面図である。 この発明の実施例1に使用する定速度落下制御装置のキャタピラのローラと無端ベルトの噛み合いを示す概略構成図である。 この発明の実施例1に使用する定速度落下制御装置7のキャタピラの無端ベルトの好ましい例を示す説明図であり、(A)図は斜視図、(B)図は二つのキャタピラの無端ベルトで幹線ケーブルを挟持している断面図である。 この発明の実施例1に使用する定速度落下制御装置のフレームとリンク片との着脱自在な構成を示す図で、(A)図はフレームの正面図、(B)図はフレームの鉤型の孔にリンク片のピンが挿通された断面図、(C)図はフレームの鉤型の孔の大径孔部にリンク片のピンが位置した状態の断面図である。 この発明の実施例1に使用する定速度落下制御装置にブレーキ兼ロック装置を設けた斜視図である。 この発明の実施例1に使用する幹線ケーブルが分岐ケーブルの場合の低速度落下制御装置を2台連結して使用する例を示す構成図である。 この発明の実施例1に使用する定速度落下制御装置の定速度保持制御ブレーキの他の例を示す概略構成図である。 この発明の実施例1に使用する定速度落下制御装置の定速度保持制御ブレーキのさらに他の例を示す概略構成図である。 この発明の実施例1に使用する定速度落下制御装置のブレーキ兼ロック装置の他の例を示す正面図である。 この発明の実施例1に使用する定速度落下制御装置における、図12の他のブレーキ兼ロック装置の概略構成図を示し、(A)図は側面図、(B)図は要部断面図である。 従来の高層ビルにおける垂直幹線の延線工法を示す概略構成図である。
1 高層ビル 2 配線シャフト
3 電気室 4 幹線ケーブル
5 ドラム 6 ブレーキ付き送り出し装置
7 定速度落下制御装置 8 ケーブルラック
9 分電盤 10 支軸
11 ローラ 11b 外周歯
12 フレーム 13 無端ベルト
13a 内周歯 13b
13c 14 リンク片
15 ピン 16 鉤型の孔
16a 大径孔部 17 ブレーキ兼ロック装置
17a 短片 17b 短片
20 ピン 21 ケーブルグリップ
22 パイロットケーブル 24 羽根車
25 流体循環路 26 流体
27 オリフィス 30 モータ
31 出力回路 32 可変抵抗器
33 ブレーキ兼ロック装置 34 外フレーム
34a 両側脚片 34b 基部
34c ネジ孔 35 ハンドル
36 ボルト 37 内フレーム
37a 両側脚片 37b 基部
38 当接座

Claims (9)

  1. 中高層ビルの垂直幹線の延線工法において、高層階に幹線ケーブルを搬入し、当該個所から下方の階を貫いて設けられた配線シャフトに、前記幹線ケーブルを巻き付けたドラムから、送り出し装置を用いて当該幹線ケーブルを繰り出して自重により落下させ、当該配線シャフト内に当該配線シャフトに沿って間隔をあけて設けた複数の定速度落下制御装置に前記幹線ケーブルを通して当該幹線ケーブルの自重による落下速度を制御しながら前記配線シャフトの上から下方の各階に延線し、
    前記定速度落下制御装置は、無端ベルトから成るキャタピラを二つ相対向して設け、各キャタピラの支持軸の両端を夫々連結したフレームの相応するフレーム間を複数のリンク片で回転自在に接続し、前記リンク片を前記フレームに対して直角にすると前記二つのキャタピラの間隔は開き、前記リンク片を前記フレームに対して斜めにすると前記間隔は狭まって前記二つのキャタピラは密着する構成とし、
    前記各定速度落下制御装置の一方のキャタピラを前記配線シャフト内に支持し、前記幹線ケーブルを二つのキャタピラの間を通して落下させ、他方のキャタピラは自重により降下して二つのキャタピラの間隔が狭まって前記幹線ケーブルを挟持する構成としたことを特徴とする、垂直幹線の延線工法。
  2. 前記各キャタピラの少なくとも一つのローラに定速度保持制御ブレーキを設け、前記幹線ケーブルを二つのキャタピラの間に挟んで落下させ、この幹線ケーブルの落下により前記無端ベルトを回転させ、当該無端ベルトの回転速度が前記定速度保持制御ブレーキにより一定速度以上上がらないように制御しながら幹線ケーブルを落下させることを特徴とする、前記請求項1に記載の垂直幹線の延線工法。
  3. 前記送り出し装置がブレーキ装置を有し、また、前記各定速度落下制御装置が、前記定速度保持制御ブレーキとは別に、二つのキャタピラの無端ベルトを密着させて、二つの無端ベルトの間の幹線ケーブルを把持するブレーキ装置を有することを特徴とする、前記請求項に記載の垂直幹線の延線工法。
  4. 前記定速度落下制御装置のキャタピラのフレームのうち、前記配線シャフトに支持されていない方のフレームの下部に、落下制御用の荷重体を取り付けることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の垂直幹線の延線工法。
  5. 前記荷重体は、中高層ビルの下層階の配線シャフトに支持される定速度落下制御装置のキャタピラのフレームに取り付ける荷重体ほど重くすることを特徴とする、請求項4に記載の垂直幹線の延線工法。
  6. 前記配線シャフトに支持される定速度落下制御装置が2台連結して設けられ、上方の定速度落下制御装置の、支持側のキャタピラのフレームの下端と下方の定速度落下制御装置の相応するキャタピラのフレームの上端とを相互に回転自在に接続したことを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の垂直幹線の延線工法。
  7. 複数のローラの外周に巻き付けた無端ベルトから成るキャタピラを二つ相対向して設け、各キャタピラの各ローラの支軸の両端を夫々連結したフレームの相応するフレーム間を複数のリンク片で回転自在に接続して二つのキャタピラが密着、離反自在とし、
    前記各キャタピラの少なくとも1個のローラに定速度保持制御ブレーキを設け、前記無端ベルトの回転速度が前記定速度保持制御ブレーキにより一定速度以上上がらない構成とし、
    前記リンク片を前記フレームに対して直角にすると前記二つのキャタピラの間隔は開き、前記リンク片を前記フレームに対して斜めにすると前記間隔は狭まって前記二つのキャタピラは密着する構成とし、
    一方のキャタピラを構造物に支持し、幹線ケーブルを二つのキャタピラの間を通して落下させ、他方のキャタピラは自重により降下して二つのキャタピラの間隔が狭まって前記幹線ケーブルを挟持する構成としたことを特徴とする、垂直幹線の延線工法に使用する定速度落下制御装置。
  8. 前記定速度保持制御ブレーキとは別に、二つのキャタピラの無端ベルトを密着させて、二つの無端ベルトの間に入れた幹線ケーブルの把持力を制御し、かつ当該把持状態をロックするブレーキ兼ロック装置を設けたことを特徴とする、請求項7に記載の垂直幹線の延線工法に使用する定速度落下制御装置。
  9. 前記定速度落下制御装置の二つのキャタピラをつなぐ複数のリンク片が、一方のキャタピラのフレームに着脱自在に係止されていることを特徴とする、請求項7又は8に記載の垂直幹線の延線工法に使用する定速度落下制御装置。
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