JPS6315261Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 この考案はエレベータ用巻上機の支持装置に関
するものである。

〔従来技術〕

第１図によつてエレベータの構成および従来の
巻上機の支持装置を説明する。

第１図中、１は昇降路、２は昇降路１の下端に
連続して形成されたピツト、３はピツト２上の一
側に形成されて昇降路１に開口する機械室、４は
機械室３内に設置された巻上機、５は昇降路１の
上端部に配設された返し車、６は昇降路１内を昇
降するかご、７は巻上機４の綱車４ａに巻付けら
れかつ返し車５に支持されてかご６を吊持するワ
イヤロープである。上述のように構成されたエレ
ベータでは、巻上機４の駆動による綱車４ａの正
逆回転により、ワイヤロープ７を巻上げ、繰出す
ことでかご６を昇降させている。

また、８は巻上機４の支持装置であり、この支
持装置８は、機械室３の床３ａに機械台９が締結
具１０で締結され、機械台９上に第１弾性体１１
を介して巻上機台１２が支持され、これらが締結
具１３，１４で締結されていると共に、巻上機台
１２の下部フランジ１２ａの昇降路１寄りの部分
上には締結具１４で第２弾性体１５が共締めさ
れ、さらに巻上機台１２上に巻上機４が支持され
て締結具１６で締結されている。

以上のように構成された従来のエレベータ用巻
上機の支持装置では、巻上機４の電動機や減速用
歯車が発生する振動が建物へ伝わることを防止す
るために弾性体によつて支持することが多く、と
くにワイヤロープ７によつて上向き力を受けるこ
とから第１弾性体１１のほかに第２弾性体１５を
設けており、これらの弾性体１１，１５が機械台
９に締結具１３，１４で締結され、また機械台９
は締結具１０で機械室３の床３ａに締結されてい
る。このため、機械室３の床３ａから巻上機４の
上端までの高さＨが高くなり、機械室３の高さも
高くする必要があり、したがつて、建物のスペー
スの有効な利用が図れないという欠点があつた。
また、機械台９はアンカボルトような締結具１０
で機械室３の床３ａに締結しているが、一般にこ
の床３ａなどを構成するコンクリーへの締結は引
抜き力に対する強度が小さく、機械台９の締結が
外れて、かご６が落下する恐れがあるという欠点
もあつた。

この考案は、上述した従来の装置の欠点を解消
しようとするもので、機械室の高さを低くするこ
とができ、また巻上機または巻上機台が外れる恐
れをなくし、安全性を向上させることができるエ
レベータ用巻上機を提供することを目的としてい
る。

〔考案の概要〕

この考案によるエレベータ用巻上機の支持装置
は、ピツトの側壁に締結した支持具に巻上機また
は巻上機台を支持させて締結するようにしたもの
である。

〔考案の実施例〕

以下、この考案の一実施例を第２図によつて説
明する。

第２図中、第１図と同一符号は同一または相当
部分を示し、１７は断面かぎ形の支持具であり、
支持具１７の垂直な長辺部１７ａが水平な締結具
１８でピツト２の側壁２ａに締結され、支持具１
７の水平な短辺部１７ｂが機械室３の床３ａより
若干高い位置に配置され、上記短辺部１７上に第
１弾性体１１を介して巻上機台１２が支持され、
巻上機台１２の下部フランジ１２ａ上に第２弾性
体１５を設け、締結具１４によつて支持具１７、
第１弾性体１１、巻上機台１２の下部フランジ１
２ａの昇降路１寄りの部分および第２弾性体１５
が締結されている。また、１９は機械室３の床３
ａ上に支持されて締結具１０で締結された支持板
であり、支持板１９上には第１弾性体１１を介し
て巻上機台１２の下部フランジ１２ａの昇降路１
と反対側部分が締結具１３によつて締結されてい
る。なお、第２図中ｈは機械室３の床３ａから巻
上機４の上端までの高さである。

この考案において、巻上機台は弾性体を介する
ことなく支持具に直接固定してもよく、また巻上
機台を用いることなく支持具に直接あるいは弾性
体を介して締結具で機械台を締結してもよく、こ
れらは上述した実施例のものより、機械室の床か
ら巻上機の上端までの高さを低くできる。

〔考案の効果〕

以上説明したとおり、この考案は、ピツト上の
一側に設けた機械室に巻上機を設置したエレベー
タにおいて、上記ピツトの側壁に締結具によつて
締結した支持具上に巻上機または巻上機台を配設
し、これらを直接あるいは弾性体を介して締結し
たので、機械室の床から巻上機上端までの高さを
従来のものに比べて低くすることができ、建物の
スペースの有効な利用を図ることができる。ま
た、この考案のものは、従来用いていた機械台が
不要となるので、安価な巻上機の支持装置を提供
することができ、さらに、かごを吊持するワイヤ
ロープによつて巻上機に作用する上向きの力がピ
ツトの側壁に支持具を締結するアンカボルトのよ
うな締結具に支えられ、これらに作用する引抜き
力が小さいため、支持具を締結が外れる恐れがな
く、したがつてこれに起因するかごの落下も防止
され、エレベータの安全性を向上させることがで
きるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はエレベータおよび従来の巻上機の支持
装置を示す一部を縦断した側面図、第２図はエレ
ベータおよびこの考案の一実施例による巻上機の
支持装置を示す第１図相当図である。 １……昇降路、２……ピツト、２ａ……側壁、
３……機械室、３ａ……床、４……巻上機、４ａ
……綱車、５……返し車、６……かご、７……ワ
イヤロープ、８……巻上機、１０，１３，１４，
１８……締結具、１１，１５……弾性体、１２…
…巻上機台、１７……支持具、１９……支持板。
なお、図中同一部分または相当部分は同一符号に
より示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 昇降路の下端に連続したピツト上の一側に機械
   室を設け、この機械室に巻上機を設置し、巻上機
   の綱車に巻付けたワイヤロープに昇降路の上端部
   に配設した返し車を介してかごを吊持したエレベ
   ータ用巻上機の支持装置において、上記ピツトの
   側壁に締結具によつて支持具を締結し、この支持
   具と支持具上に配設した巻上機または巻上機台と
   を直接あるいは弾性体を介し締結具で締結したこ
   とを特徴とするエレベータ用巻上機の支持装置。