JPS6315178Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、主として、立方体、直方体またはそ
れに近い形状の物品の包装梱包に用いる包装用緩
衝体に間するものである。

従来の技術 一般に、物品をダンボール箱等の外箱に梱包す
る場合には、収納物品と外箱との間に緩衝体を介
在させて、収納物品を外部の衝撃から保護してい
る。そして、特に立方体や直方体またはそれに近
い形状の物品を外箱に梱包する場合は、外箱の四
隅部と収納物品の角部との間に緩衝体を当てるこ
とによつて、収納物品の最も傷つきやすい角を保
護すると共に、その緩衝体のみで収納物品と外箱
の内面に空隙を保たせて、収納物品全体の保護を
はかつている。

考案が解決しようとする問題点 ところが、従来の上記緩衝体は、外箱内の四隅
部に置くか、あるいは収納物品の角に単に当てた
り嵌合して使用するものであるから、外箱に物品
を収納する際また梱包輸送の際に緩衝体が位置ず
れを起したり、物品から外れやすく、物品の収
納、保護に少からず支障をきたしているのが実情
である。

問題点を解決するための手段 本考案は、以上の問題点を解決するための技術
的手段を次のように構成した。

すなわち、本考案に係る包装用緩衝体は、平面
直角四辺形の偏平状の緩衝部材から構成され第１
の緩衝部材の一辺と第２の緩衝部材の一辺との間
にはヒンジを有しかつ第１と第２の緩衝部材の他
辺には第３の緩衝部材と第４の緩衝部材をそれぞ
れヒンジを介して一体に連結して４つの緩衝部材
を田の字状に配した包装用緩衝体において、４つ
の該緩衝部材が凸面状の単壁体とその周囲を囲む
外縁とから構成されかつ単壁体の凸面内部側には
単壁体から一体に突出形成されたリブを有し、第
４の緩衝部材の凸面内部側には外縁の高さよりも
突出する先端に係止環を有する突出部を有し、第
３の緩衝部材には係止環に対応した形状の嵌合孔
を形成することにより、第３の緩衝部材と第４の
緩衝部材とを重ねてその間に孔を有する板体を挟
んで第４の緩衝部材の突出部を板体の孔に挿通し
第３の緩衝部材の嵌合孔にて係止することにより
包装用緩衝体と板体とを固着することのできるよ
うにしたことを特徴とするものである。

作 用 本考案は、以上のように構成したので予め緩衝
体を固着する孔があけられた板体の孔に第４の緩
衝部材の突起を押込み、かつこの突起を第３の緩
衝部材の嵌合孔に嵌合させて、緩衝体を板体等に
固着しておき、外箱に物品を収納する際には、そ
の板体等を所定の箇所に配置するのみで、緩衝体
は位置ずれを起したり、脱落をまねくことなく収
納物品の角部と外箱内の四隅部に装填することが
でき、もつて、物品を外箱に梱包する作業を容易
にすると共に、凸面状の単壁体とその周囲を囲む
外縁を有する緩衝部材であること及び緩衝部材の
外箱に対応する面にリブを形成したことにより、
そのクツシヨン性を大いに向上させ、収納物品の
外部からの衝撃に対する保護をより完全ならしめ
た包装用緩衝体を提供しようとするものである。

実施例 以下、本考案の構成を図面に示した一実施例に
ついて説明する。図面において、１，２，３，４
はプラスチツクの一重壁構造からなる平面直角四
辺形の偏平状の緩衝部材で、凸面状に彎曲形成さ
れた単壁体１３とそのまわりには外縁部１４が一
体に形成されている。第一の緩衝部材１の一辺と
第二の緩衝部材２の一辺は屈曲自在のヒンジ５を
介して一体に連結されており、第一の緩衝部材１
および第二の緩衝部材２の他辺には、それらの屈
曲方向に対して直交する方向に、それぞれ第三の
緩衝部材３と第四の緩衝部材４が屈曲自在のヒン
ジ６，７を介して一体に連結されている。そし
て、第二の緩衝部材２に対して第四の緩衝部材４
を略直角に屈曲し、次いで第二の緩衝部材２を第
一の緩衝部材１に対して略直角に屈曲したうえ、
第二の緩衝部材２を第四の緩衝部材４に重合させ
るように略直角に屈曲すれば、４つの緩衝部材
１，２，３，４によつて、物品の角部に当接する
立体状の緩衝体８が形成されるようになつてい
る。上記第四の緩衝部材４には円筒形の突出部９
が一体に形成されており、この突出部９は先端に
係止環９ａが形成され、かつ割込み９ｂ，９ｂを
形成したものである。第三の緩衝部材３には、そ
れを第四の緩衝部材４に重合させた状態で突出部
９の係止環９ａを嵌合させる嵌合孔１０が形成さ
れている。この嵌合孔１０を形成した箇所は、突
起９の係止環９ａが第３の緩衝体３の外面より突
出しないように陥没状をなしている。

前記のように、４つの緩衝部材１，２，３，４
を立体状とし、円筒形突起９の貫通する孔を形成
したダンボール板等を板体Ｃを介し、第四の緩衝
部材４の円筒形突起９を第三の緩衝部材３の嵌合
孔１０に嵌合すれば、立体状の緩衝体８としてそ
の形態を保つて緩衝体８を板体Ｃに固着すること
ができる。第３の緩衝部材３の第四の緩衝部材４
に重合する面には、板体Ｃの隅部端面と当接し、
この板体Ｃと緩衝体８との関係位置を規制する鉤
形の突条１１が形成されている。さらに、４つの
緩衝部材１，２，３，４の単壁体１３の凸面状内
側には補強のためのリブ１２が放射状等任意の形
状に一体に形成されている。

なお、前記４つの緩衝部材１，２，３，４およ
びヒンジ５，６，７は、熱可塑性プラスチツクの
射出成形法によつて一体に成形され、ヒンジ５，
６，７は、その成形時に薄肉化して屈曲自在とし
たものである。その構成材の熱可塑性プラスチツ
クは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミ
ド、塩化ビニルなどである。

外形が直方体の物品Ａをダンボール箱等の外箱
Ｂに梱包するにあたつては、外箱Ｂの底面に置く
底板となる板体Ｃの四隅部に緩衝体８を前記の如
く固着し、同様に外箱Ｂの上面に載置する天板と
なる板体の四隅部にも緩衝体８を固着する（天板
については図示を省略した）。そして、外箱Ｂの
底面に底板となる板体Ｃを置き、外箱Ｂ内に物品
Ａを収納したうえ、天板をその上面に載置し、外
箱Ｂを閉じれば、物品Ａはその角部を緩衝体８に
当接支持されて不動状態に収納梱包される。な
お、底板や天板を用いないで外箱Ｂに物品Ａを梱
包する場合には、外箱Ｂの底面および上面を構成
する面部材を板体Ｃとしてもよく、面部材の四隅
部に挟み込み固着することもでき、板体Ｃの組合
せは何ら限定されるものではない。

このように外箱Ｂに収納された物品Ａは、緩衝
体８によつて支持されるが、緩衝体８の外箱Ｂに
当接する面にはリブ１２が形成されているので、
緩衝体８は収納物品Ａに対するクツシヨン性にす
ぐれるとともに緩衝体自体が大きく変形すること
がなく、収納物品Ａの外部からの衝撃に対する緩
衝効果がきわめて高い。したがつて、外部からの
強い衝撃に対して収納物品Ａを完全に保護するこ
とができる。

考案の効果 本考案は、以上のように構成したので、予め
緩衝体を固着する孔があけられた板体の孔に第４
の緩衝部材の突出部を押込み、かつこの突出部を
第３の緩衝部材の嵌合孔に嵌合させて、緩衝体を
板体等に固着しておき、外箱に物品を収納する際
には、その板体等を所定の箇所に配置するのみ
で、緩衝体の位置ずれを起したり、脱落をまねく
ことなく収納物品の角部と外箱内の四隅部に装填
することができ、もつて、物品を外箱に梱包する
作業を容易にすると共に、凸面状の単壁体と外
縁及びリブを有するのでクツシヨン性を大いに向
上させ、収納物品の外部からの衝撃に対する保護
をより完全ならしめることができ、さらに、緩
衝部材は、単壁体であるので膨出した係止環を有
する突出部及び上記突出部が挿入されて貫通して
係止する嵌合孔を容易に形成でき、包装用緩衝体
を強固に固着することができるという効果を有す
るのである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る包装用緩衝体の一実施例を
示すものであつて、第１図は全体の展開平面図、
第２図は使用状態の斜視図、第３図は使用状態を
示す第１図のＡ−Ａ断面図である。 １，２，３，４……緩衝部材、５，６，７……
ヒンジ、９……突出部、１０……嵌合孔、１２…
…リブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 平面直角四辺形の偏平状の４つの緩衝部材から
   構成され第１の緩衝部材の一辺と第２の緩衝部材
   の一辺との間にはヒンジを有しかつ第１と第２の
   緩衝部材の他辺には第３の緩衝部材と第４の緩衝
   部材をそれぞれヒンジを介して一体に連結して４
   つの緩衝部材を田の字状に配した包装用緩衝体に
   おいて、４つの該緩衝部材が凸面状の単壁体とそ
   の周囲を囲む外縁とから構成されかつ単壁体の凸
   面内部側には単壁体から一体に突出形成されたリ
   ブを有し、第４の緩衝部材の凸面内部側には外縁
   の高さよりも突出する先端に係止環を有する突出
   部を有し、第３の緩衝部材には係止環に対応した
   形状の嵌合孔を形成することにより、第３の緩衝
   部材と第４の緩衝部材とを重ねてその間に孔を有
   する板体を挟んで第４の緩衝部材の突出部を板体
   の孔に挿通し第３の緩衝部材の嵌合孔にて係止す
   ることにより包装用緩衝体と板体とを固着するこ
   とのできるようにしたことを特徴とする包装用緩
   衝体。