JPS5849971Y2 - コ−ナ−パツト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は立方体或いは直方体の物品、例えばスピーカー
ボックス等を段ボール箱等の外装用包装箱に入れて輸送
及び保管するに際し、内容物たるスピーカーボックス等
の角部を保護するため、スピーカーボックス等の角部に
当てるコーナーバットの改良に関する。

従来コーナーバットとしてはポリエチレンや発泡合成樹
脂を予めスピーカーボックス等の角部に当てることがで
きる三面体に形成したものや、段ボール紙を数枚貼り合
わせて厚みのある三面体に形成したもの等が提供されて
いる。

しかし乍ら、これら従来品は予め三面体に形成されてい
るため嵩張り、輸送や保管に不便であるばかりでなく、
使用時外圧により一旦押し潰されると外圧が取り除かれ
たときの復元力が小さいため、厚さを厚くしなければな
らず包装が大きくなる等の欠点がある。

また、スピーカー等の下部角部を保護するために外装用
包装箱の底部に配置或いは固定する場合、その位置決め
を行い難く、固定も面倒であるという問題もある。

而して本考案は、上記欠点を解消し、保管時及び輸送時
にはコンパクトで、しかも使用時においては緩衝効果が
大きく、その上包装箱の中底板、中蓋板、段ボール箱の
インナーフラップ等への取付けや位置決めも簡単に出来
るコーナーバットの提供を目的とする。

以下、図示実施例に基づいて本考案を詳細に説明する。

図中Ａはコーナーバット本体で、折片１，２．３により
一字状に連結された４個の中空体ａ、ｌ）、ｃ。

ｄよりなり、合成樹脂のブロー成形により適度の弾性を
有して一体に成形されている。

中空体ａ、ｌ）、ｃ、ｄは夫々平面四角形の中空板状に
形成された第１ａ、第２ｂ、第３Ｃ１第４ｄ中空体であ
り、上記第１中空体ａと第２中空間すとが相互の一辺縁
を隣接せしめて折片１で連結され、第３中空体Ｃが、上
記、第１、第２中空体ａ、ｂの連結方向とは直角方向に
第２中空体すに折片２を介して連結され、更に第４中空
体ｄが第２、第３中空体す、Ｃの連結方向とは直角方向
であって第３中空体Ｃに対して第１中空体ａ側に折片３
を介して連結される。

そして、各中空体ａ、ｌ）、ｃ、ｄには側面部に内部空
間４と連通ずる小孔５が穿設される。

中空体ａ、ｌ）、ｃ、ｄのうち第１、第２、第４中空体
ａ、ｂ、ｄは同じ大きさに形成されているが、第３中空
体Ｃは、これら第１、第２、第４中空体ａ、ｂ、ｄより
若干小さく形成されている。

即ち、第３中空体Ｃは第４中空体ｄ連結方向の長さが第
２中空体すの第１中空体ａ連結方向の長さより、第１中
空体ａの厚さとこの第１中空体ａに形成される後述の補
強突条６の厚さの和に相当する分より若干短かく形成さ
れている。

従って、このコーナーバット本体Ａは折片１，２゜３部
分で折り曲げ第１中空体ａと第４中空体ｄとを第４中空
体ａを内方にして重ね合わせることにより各面が相互に
略直角となって、立方体或いは直方体の被保護物のコー
ナーに沿い得る三面体に組み立てることが出来る。

そして、このコーナーバット本体Ａは第１中空体ａに円
孔状の窓孔７が貫通開穿され、第４中空体ｄの第１中空
体ａと重なり合う両側に、上記窓孔７に対応して、これ
に嵌合する平面円形の膨突部８を有する。

上記窓孔７は第４中空体ｄと重なり合う両側の開孔縁部
をフランジ状に内方へ突出せしめた係止部９を膨突部８
は窓孔７に嵌合した状態で窓孔７の係止部９に係止する
爪片１０複数を周面に有する。

膨突部８基部から爪片１０までの高さは第１中空体ａの
補強突条６の高さと窓孔７の係止部９の厚さの和と同じ
程度かそれより若干高い。

従って、コーナーバット本体Ａは三面体に組み立てたと
き膨突部８が窓孔７に嵌まり込んで係止部９と爪片１０
が相互に係止し、第１、第４中空体ａ、ｄの重なり合っ
た状態、即ち三面体に組み立てられた状態が保持される
。

一方、第１中空体ａの、第４中空体ｄと重なり合う面に
は補強突条６が形成され、第２、第３の中空体す、Ｃに
は三面体に組み立てたとき、その三面体の外側となる面
に凹部１１が形成されている。

上記補強突条６は第１中空体ａが第４中空体ｄと重なり
合う面側において、第２中空体すとの隣接縁及び第４中
空体ｄとの隣接縁に沿ってこれら縁部に近接する平面り
型に膨出形成され、その高さは、段ボール箱等の外装用
包装箱Ｂのインナーフラップ１３或いは中底板１４中蓋
板の厚さに相当する高さを有する。

凹部１１は中空体周縁部との間に適当な間隔を有して１
つの中空体に複数個が形成され、周縁部との間、凹部１
１相互間に残した部分により補強骨部１２を形成する。

そして、第２中空体すの第１中空体ａ寄りの部分にはそ
れ以外の部分に比べて特に多数の凹部１１′が形成され
ており、この部分の凹部１１′は他の部分の凹部１１の
深さが中空体の厚さの大略半分程度であるのに対し、中
空体背面側近くに達する程度まで深く形成されている。

従って、第２中空体すは第１中空体ａ寄りの部分が他の
部分に比べて多数のしかも強度の大きな補強骨部１２′
により補強され、鉄部が破損するのを防止することがで
きる。

而して斯るコーナーバット本体Ａは、三面体に組み立て
てスピーカーボックス等立方体或いは直方体の被保護物
Ｃのコーナ一部に当てて使用されるのであるが、この際
コーナーバット本体Ａは、段ボール箱等の外装用包装箱
Ｂのインナーフラップ１３或いは、中底板１４、中蓋板
に取りつけて位置決めすることができる。

例えば、外装用包装箱Ｂのインナーフラップ１３に取り
つける場合には第７図に示すようにインナーフラップ１
３の所定の位置に、コーナーバット本体Ａの膨突部８と
補強突条６に対応する円孔１５とＬ型孔１６を予め切欠
形成しておき、インナーフラップ１３の内面側から上記
円孔１５に第４中空体ｄ１の膨突部８を貫通せしめると
共に、インナーフラップ１３の外面側から第１中空体ａ
の補強突条６をＬ型孔１６に嵌合せしめて、第１中空体
ａと第４中空体ｄをインナーフラップ１３を挾んで重ね
合わせて、コーナーバット本体Ａを三面体に組立て、膨
突部８の爪片１０を第１中空体ａの窓孔７の係止部９に
係止する。

また外装用包装箱Ｂの内底部に敷く、段ボールの中底板
１４に取りつける場合には第８図に示すように中底板１
４隅角部の所定の位置にはコーナーバット本体Ａの膨突
部８に対応する円孔１５のみを切欠形成しておき、この
円孔１５に膨突部８を貫通させることにより、中底板１
４を挾んで第１中空体ａと第４中空体ｄを重わ合せてコ
ーナーバット本体Ａを三面体に組立て、中底板１４コー
ナ一部の直角な二辺を補強突条６に押し当て沿わしめる
。

この考案は上記の構成であるから以下の利点を有する。

■ 合成樹脂のブロー底形により形成した平面四角形の
板状中空体４個が田字型に配置されると共に隣接する中
空体相互が１つの隣接縁を除いて折片により連結されて
おり、使用時にこれを立方体或いは直方体の被保護物の
コーナ一部に沿う三面体に組み立てるので、非使用時は
平板状となっており、予め三面体に成形しである従来の
コーナーバットに比べて嵩ばらず、輸送、保管に便利で
ある。

■ 被保護物のコーナ一部に沿う各面はブロー底形によ
り形成された適当の弾性を有する合成樹脂製板状中空体
であるので、その厚さがあまり厚くなくても外部からの
衝撃等の外圧を効果的に緩衝することが出来包装のコン
パクト化を計かることが出来る。

■ 各中空体は内部空間に連通ずる小孔を有しているの
で、エアーダンパーとして機能し、緩衝効果を一層大な
らしめると共に外圧が除去されれば、一旦排出された空
気が再び小孔を通って、内部空間内に充満し、中空体は
元の状態に復元するをもって、外圧が再三繰り返えし加
えられてもその都度確実に緩衝することが出来る。

しかも、図示実施例の様に各中空体に補強骨部を設けて
おけば強度も大きくなり、保護効果は更に大きくなる。

■ 三面体に組み立てたとき重なり合う２個の中空体は
互いに嵌合する窓孔と膨出部を有し、更にこの嵌合する
窓孔と膨突部が合成樹脂の弾性を利用して相互に係合し
て上記２個の中空体が重なり合った状態を保持する係止
片を有するので、段ボール箱のインナーフラップや、中
底板、中蓋板に開口を開けておくことにより、重なり合
う２個の中空体はその窓孔と膨突部によりこの開口を介
して嵌合し、この２個の中空体によりフラップで中底板
等を挾持することが出来るをもってフラップや中底板等
を簡単に取りつけることが出来、位置決めも容易である
。

■ 重なり合う２個の中空体の一方には、その重なり合
う面側に突出する補強突条を、この面に対して直角に隣
接し、かつ相互に直角な２つの面に沿うように平面り型
に膨突せしめたので、この補強突条を外装用包装箱のイ
ンナーフラップに予め切欠形成したＬ型孔に嵌め込むこ
とにより、或いは、中底板のコーナ一部を押し当て沿わ
せることにより、位置決めは一層確実になり、取付は後
回転して位置がずれることもない。

しかも補強突条を設けたことにより、強度は一層大とな
り緩衝効果は一層確実となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案コーナーバットの展開状態を示す平面図
、第２図は第１図のＩＩ −ＩＩ線断面図、第３図は第
１図のＩＩＩ −ＩＩＩ線断面図、第４図は組立状態を
示す正面図、第５図は第４図のｖ−■線に沿える使用状
態の断面図、第６図は使用状態を示す、一部切欠斜視図
で、被包装物の上部コーナ一部は、本考案コーナーバッ
トを外装用包装箱のインナーフラップに取りつけて、下
部コーナ一部は中底板に取りつけて保護する状態を示し
ている。 第７図は外装用包装箱のインナーフラップへの取付状態
を説明する斜視図、第８図は中底板への取付状態を説明
する斜視図である。 Ａ・・・・・・コーナーバット本体、ａ、ｂ、ｃ、ｄ・
・・・・・中空体、１，２．３・・・・・・折片、６・
・・・・・補強突条、７・・・・・・窓孔、８・・・・
・・膨突部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 平面直角四辺形の板状中空体４個が略田字型に配置され
   ると共にこれらが１つの隣接縁を除く他の３つの隣接縁
   部において夫々折片を介して順次コ字状に連結されたコ
   ーナーバット本体を合成樹脂のブロー成形により形成し
   、この本体を相互の隣接縁部が切り離されている２個の
   中空体を重ね合せるように各折片を折曲して各面相互が
   略直角な三面構成するように組立ててなり、上記型なり
   合う２個の中空体は相互に嵌合係止して前記組立状態を
   保持する膨出部と窓孔を有し、かつ一方の中空体の他の
   中空体と重なり合う面には、この面に対して直角に隣接
   する２つの直角な面に沿うように平面り型に膨出形成し
   た補強突条を有することを特徴とするコーナーバット。