JPS6315175Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は薬用壜の蓋に関する。

従来の薬用壜の蓋には、例えば実開昭55−
108056号公報に開示されたものがある。

この蓋は、アルミニウム等の軟質の金属製の薄
板によつて倒皿状に形成し、更に頂面中央部に透
孔を形成した冠体と合成樹脂によつて頂板と周壁
を有する形状に形成し、更に頂板の中央部下面に
冠体の透孔に嵌合する係止突起を形成した外蓋と
を備え、外蓋の係止突起を冠体に透孔に嵌合させ
た後にその下端部を加熱加圧等の手段により拡開
することにより、外蓋を冠体に固定させた構造で
あり、冠体を壜口部に巻き締めすることにより、
薬用瓶に装着されるようになつている。

薬用瓶内の薬液を取り出す場合には、外蓋を取
り外すと、壜口部に嵌着されたゴム栓が冠体の透
孔を介して露出し、この露出したゴム栓に注射針
を刺して薬液を取り出すことになる。

ところで、従来のこのような蓋では、外蓋を取
り外すとき外蓋の周壁を指先で押し上げることと
なるが、外蓋の係止突起が冠体の透孔の周縁部に
比較的強く固定されているので、外蓋を押し上げ
にくく、ひいては外蓋を取り外しにくいという問
題があつた。

本考案はこのような事情に鑑みてなされたもの
で、外蓋の取り外しを容易に行うことのできる薬
用壜の蓋を提供することを目的とする。

以下、実施例につき本考案を詳細に説明する。

第１図〜第３図は本考案の一実施例における薬
用壜の蓋を表したものである。

この蓋は冠体１と外蓋２とからなつている。冠
体１はアルミニウム等の軟質の金属からなる薄板
によつて倒皿状に形成されている。冠体１の頂面
中央部には円形の透孔１１が形成されている。

外蓋２は合成樹脂によつて頂板２１と周壁２２
を有する形状に形成されている。外蓋２の頂板２
１の周縁部より適宜の間隔をおいた内側には平面
Ｃ字状のスリツト３が穿設され、このＣ字状のス
リツト３よりも外側の部分によつて剥離用の引手
４が形成されている。Ｃ字状のスリツト３の所定
の２箇所にはブリツジ３１が形成されている。外
蓋２の周壁２２の所定の箇所には、剥離用の引手
４の押し上げ容易とするための弧状の切欠部２３
が形成されている。

外蓋２の頂板２１の中央部下面には、冠体１の
透孔１１に嵌合する係止突起５が形成されてい
る。外蓋２は、係止突起５を冠体１の透孔１１に
嵌合された後にその下端部を加熱加圧等の手段に
より拡開されることにより、冠体１に固定されて
いる。

外蓋２の頂板２１のＣ字状のスリツト３の両端
部を結ぶ線に対応する下面及びその延長線上にあ
る周壁２２には、剥離用の引手４の押し上げ支点
となる溝２４が形成されている。

この蓋は、第４図イに示すように、冠体１を薬
用壜の口部に巻き締めされることにより、薬用瓶
ａに装着されることになる。

薬用瓶ａから外蓋２を取り外す場合には、剥離
用の引手４の弧状の切欠部２３に親指を当てて押
し上げると、まずＣ字状のスリツト３の所定の２
箇所に形成されたブリツジ３１が切断され、第４
図ロに示すように、剥離用の引手４が押し上げ支
点用の溝２４の部分で折り曲げられて押し上げら
れる。

この状態では、剥離用の引手４を挟持すること
ができるか剥離用の引手４に人差指等を挿入する
ことができることになる。そこで、剥離用の引手
４を挟持するか剥離用の引手４に人差指等を挿入
し、上方に引つ張ると、第４図ハに示すように、
外蓋２の係止突起５が冠体１の透孔１１の周縁部
から外れ、これにより外蓋２が取り外されること
になる。

このように、剥離用の引手４を挟持する剥離用
の引手４に人差指等を挿入して上方に引つ張るこ
とにより、外蓋２を取り外すことができるので、
外蓋２の係止突起５が冠体１の透孔１１の周縁部
に比較的強く固定されていても、外蓋２を容易に
取り外すことができる。

また、当初剥離用の引手４の弧状の切欠部２３
を押し上げてブリツジ３１を切断するとき、切欠
部２３の反対側に形成された溝２４の部分で折れ
曲がり、この折れ曲がつた部分が押し上げ支点と
なるので、剥離用の引手４を押し上げるのに比較
的小さな力で済むこととなり、外蓋２をより一層
容易に取り外すことができる。

以上説明したように本考案によれば、剥離用の
引手を挟持するか剥離用の引手に人差指等を挿入
して上方に引つ張ることにより、外蓋を取り外す
ことができるので、外蓋の係止突起が冠体の透孔
の周縁篇に比較的強く固定されていても、外蓋を
容易に取り外すことができる。

また、当初剥離用の引手を押し上げてブリツジ
を切断するとき、押し上げる部分の反対側に形成
された溝の部分が押し上げ支点となるので、剥離
用の引手を押し上げるのに比較的小さな力で済む
こととなり、外蓋をより一層容易に取り外すこと
ができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、このうち第１
図は蓋の斜視図、第２図は蓋の断面図、第３図は
蓋の分解斜視図、第４図イは蓋を薬用瓶に装着し
た状態を示す斜視図、同図ロは剥離用の引手を押
し上げた状態を示す斜視図、同図ハは外蓋を取り
外した状態を示す斜視図である。 １……冠体、１１……透孔、２……外蓋、２１
……頂板、２２……周壁、２３……切欠部、２４
……押し上げ支点用の溝、３……Ｃ字状のスリツ
ト、４……剥離用の引手、５……係止突起、ａ…
…薬用壜。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. アルミニウム等の軟質の金属製の薄板によつて
   倒皿状に形成し、更に頂面中央部に透孔を形成し
   た冠体と、合成樹脂によつて頂板と周壁を有する
   形状に形成し、更に頂板の周縁部より適宜の間隔
   をおいた内側にブリツジを備えた平面Ｃ字状のス
   リツトを穿設してこのＣ字状のスリツトよりも外
   側の部分によつて剥離用の引手を形成すると共に
   頂板の中央部下面に冠体の透孔に嵌合する係止突
   起を形成し、また頂板のＣ字状のスリツトの両端
   部を結ぶ線に対応する下面及びその延長線上にあ
   る周壁に剥離用の引手の押し上げ支点となる溝を
   形成した外蓋とを備え、外蓋の係止突起を冠体の
   透孔に嵌合させた後にその下端部を加熱加圧等の
   手段により拡開することにより、外蓋を冠体に固
   定させていることを特徴とする薬用壜の蓋。