JPS6313755Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、紐などが取付けられた商品を直接
係止して陳列する商品の陳列用台紙に関する。

一般に、紐などを取付けた小型の装飾品などに
おいては、多数の商品を一つの容器に入れて雑然
と陳列したのでは見映えが悪く客の購入意欲をそ
そらないため、紐を直接利用して金具に垂り下げ
たり、あるいは台紙に固定して陳列する方法がと
られている。この場合、後者は前者に比し商品の
高級感を与える上で有効な方法である。

従来前記のような商品を直接台紙に固定する陳
列用台紙は、表面に孔が明けられ、この孔内に商
品の紐を挿入し陳列用台紙の裏面においてホチキ
スなどにより係止するというものか、陳列用台紙
に折返し部を設け、この折返し部に商品の紐を介
在させてホチキスなどにより係止するというもの
などである。

しかしながら、上記のような陳列用台紙におい
ては、ホチキスなどにより紐を係止するために、
商品に傷がつく場合があり、また、商品の付け変
え作業が困難であるか、あるいは不可能であると
いう欠点を生じ、更に紐を孔内に挿入したり折返
し部に介在させるために商品の一部が隠れてしま
うという不都合を生じていた。

この考案は、上記の事情に鑑みてなされたもの
であつて、その目的とするところは、紐などを取
付けた商品を直接係止して陳列する際、商品に傷
をつけることなく係止し、付け変え作業が容易で
あり、更に、商品全体が見えるように陳列できる
陳列用台紙を提供することであり、その特徴とす
るところは、一枚の台紙を折曲重合して、基板と
この基板の一側表面に水平方向の複数の起立板と
を形成するとともに、各基板の裏面側を面一に形
成し、かつ起立板に差し込み用切欠きを形成して
開口部を設けるとともに、この差し込み用切欠き
に左右一対の係止部を形成して連絡する止着孔を
設けて成る点である。

以下、この考案の実施例を説明する。

第１図は、この考案による商品の陳列用台紙の
概略構成を示す図であり、第２図は第１図の線
視部分に紐を係止した状態を示す拡大図である。
第１図および第２図に示す符号１は、基板であ
り、この基板１には、上下方向に互いに間隔をお
いた水平方向の複数の起立板２，２が基板１の一
側表面から突出するように形成されている。な
お、基板１と起立板２は一枚のボール紙の台紙か
らなつており、起立板２，２は基板１を折曲重合
させることにより形成されており、基板１と起立
板２とは連続している。また前記各基板１は互い
にその裏面側を面一に形成されている。この起立
板２，２には、差込み用切欠き３が起立板２の先
端部において開口部３ａを有し、開口方向に未広
がり状に形成されており、更に前記差込み用切欠
き３に連絡して止着孔４が形成されている。ま
た、差込み用切欠き３の壁部３ｂ，３ｂと止着孔
４の壁部４ａの接続部は、係止部５，５を形成し
ている。この構成により、紐６は、差込み用切欠
き３の開口部３ａより係止部５，５の間を経て止
着孔４内に係止されるようになつている。この場
合、各部の寸法は、紐６の直径ｄに対して、差込
み用切欠き３の開口部３ａの幅ＷはＷ≧ｄ、係止
部５，５の間隔ｗはｗ＜ｄ、止着孔４の内径Ｄは
Ｄ≦ｄとなるように形成されている。

次に、上記の構成からなる商品の陳列用台紙に
紐６を係止する際の作用について説明する。

まず、紐６の長手方向を起立板２に対して直角
に向けて差込み用切欠き３の開口部３ａより起立
板２の基端部に向けて差込む。このとき、紐６の
断面形状は、差込み用切欠き３の壁部３ｂ，３ｂ
により変形し、また係止部５，５の間隔は、紐６
を差込むときの力により起立板２が撓むために広
がる。このことにより、紐５の最小幅と係止部
５，５の間隔は同等になり、紐６は止着孔４内に
着込まれる。その後、紐６は弾性により元の断面
形状に戻ろうとし、更に係止部５，５の間隔は起
立板２の弾性により元に戻ろうとする。ここで、
紐６の直径ｄは、止着孔４の内径Ｄに対してｄ≧
Ｄであり、係止部５，５の間隔ｗに対してｄ＞ｗ
であるために紐６および起立板２の弾性力により
止着孔４内に係止される。この場合、起立板２は
台紙を折曲重合して形成され二重に構成されてい
るため、止着孔４の壁部４ａや差し込み用切欠き
３の壁部３ｂ等の強度や弾性力が増するとともに
耐久性に富む。また、この紐６を止着孔４より取
り外す場合には、紐６に一定以上の力を差込み用
切欠き３の開口部３ａ方向へ加える。このことに
より、紐６は止着孔４内に差込まれる時と同様の
作用により取り外される。また、この商品の陳列
用台紙は一枚のボール紙を折曲重合して形成する
ようにしたので、折曲するだけで簡単に製造で
き、しかも起立板２を何段でも形成することがで
き、多くの商品を陳列することができる。また、
起立板２も一枚の台紙を折曲重合し、かつ二重構
造に形成しているため商品を係止しても強度的に
も強い。また、各基板１の裏面側は互いに面一に
形成し、かつ基板１の一側表面に起立板２を設け
るようにしたので、この陳列用台紙の裏面側を壁
面などに沿つて取り付けたり、貼着することがで
き、陳列空間の有効利用を図ることができる。

なお、この実施例においては、基板および起立
板をボール紙としたが、合成樹脂のようなもので
もよく、要はボール紙と同等またはそれ以上の弾
性および剛性を有するものであればよい。また、
止着孔の形状を円形としたが、楕円形，三角形あ
るいはそれ以外の多角形であつてもよい。

以上説明したようにこの考案によれば、基板に
設けられた起立板に開口方向に向つて未広がり状
に形成された差込み用切欠きと、この差込み用切
欠きに左右一対の係止部を形成して連絡された止
着孔が設けられて成るから、例えば紐などを係止
する場合には、紐を差込み用切欠きから差込むこ
とにより容易に係止することができ、更に取外す
場合には、係止されている紐をある一定以上の力
で引くことにより外すことができる。このことか
ら、紐などを取付けられた商品を直接係止して陳
列する際、商品に傷つけることなく、更に商品全
体が見えるように係止することができ、また商品
の付け変えの作業が容易に行なえる等の利点を有
する。また、この商品の陳列用台紙は一枚のボー
ル紙などの台紙を折曲重合して形成するようにし
たので、折曲するだけで簡単に製造できるととも
に、起立板を何段でも形成することができる。ま
た、上下方向に間隔をおいた水平方向に複数の起
立板を形成するようにしたので、多くの商品を陳
列することができる。また、起立板も一枚の台紙
を折曲重合し、かつ二重構造に形成しているた
め、止着孔の壁部などが強度的に強くなり、長年
にわたり商品を係止しても耐久性がある。また、
各基板の裏面側は互いに面一に形成し、かつ基板
の一側表面に起立板を設けたので、壁面などに沿
つて取り付けたり、貼着することができ陳列のた
めの空間の有効利用が図られるなどの効果が得ら
れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案による商品の陳列用台紙の
概略構成図、第２図は第１図における線視部分
に紐を係止した状態を示す拡大図である。 １……基板、２……起立板、３……差込み用切
欠き、４……止着孔、５……係止部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基板の一側表面に上下方向に互いに間隔をおい
   た水平方向の複数の突出した起立板が形成され、
   前記複数の起立板は一枚の台紙を折曲重合して形
   成されて前記基板と連続するとともに各基板の裏
   面側は互いに面一に形成され、前記起立板の先端
   には開口方向に向つて末広がり状の複数の差込み
   用切欠きを形成して開口部が設けられ、前記起立
   板の後方には前記差込み用切欠きに左右一対の係
   止部を形成して連絡された止着孔が設けられて成
   ることを特徴とする商品の陳列用台紙。