JPH0520656Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、物品の販売等の際に包装箱内に収納
された物品を収納状態で陳列することができるデ
イスプレイ用組立包装箱に関する。

（従来の技術） 従来、デイスプレイ用包装箱は、該包装箱内に
物品を収納した状態で陳列するものが知られてい
る。該包装箱は、例えば、底板とその周縁に起立
する側板と該側板の上方から閉蓋する蓋板とで構
成されている。該蓋板には、箱内に収納された物
品の名称或いは紹介文等を記した表示部が備えら
れている。該表示部は、それを囲う破断線によつ
て前記蓋板から分離可能となつている。該包装箱
は、その中に物品を収納して閉蓋した状態で輸
送、保管を行う。そして、被収納物の陳列時に
は、前記蓋板を取り除き、該蓋板から破断線にそ
つて前記表示部を切り離す。続いて、該表示部を
前記蓋板を取り除いた箱の側板に沿つて立て掛け
て、箱内に物品を収納した状態で陳列する。

しかし、前記の構造によるデイスプレイ用包装
箱によると、被収納物の陳列の際に蓋板を取り除
くだけでなく、その一部を破断もしくは取り除い
てしまうため、内容物のデイスプレイを行つた後
に再び該蓋板を使用することが困難となり、箱を
閉蓋できなくなる不都合があつた。

（考案の解決すべき課題） かかる不都合を解消して、本考案は、被収納物
の陳列と閉蓋とを繰り返して行うことができる組
立て容易なデイスプレイ用組立包装箱を提供する
ことを目的とする。

（課題を解決する手段） かかる目的を達成するために、本考案は、方形
状の底板の左右側縁に連なる両側板を起立させて
該底板に垂直に設け、両側板の夫々の前側縁に連
なる第１側片を夫々内方に折り曲げて両側板に直
角に設け、前記底板の前側縁に連なる前側板を起
立させて両第１側片の外側に当接して該底板に垂
直に設け、起立した該前側板の上端縁に連なる内
側板を内方に折曲げて前記両第１側片を介して前
記前側板と重合して設け、前記両側板の夫々の後
端縁に連なる第２側片を夫々内方に折り曲げて両
側板に直角に設け、起立した両側板の夫々の上縁
に連なる耳片を内方に折曲げて両側板に重合して
設け、前記底板の後側縁に連設する後側板を起立
させて両第２側片の外側に当接して該底板に垂直
に設け、該後側板の上端縁の左右側の両端部分に
連なつて延びる固定片の先端に設けた爪片を、両
側板と夫々の前記耳片との境界に設ける差込み孔
に差込んで前記後側板を固定して設け、前記後側
板の両固定片の間において上縁に連設した蓋板
を、該後側板に直角に折曲げて該蓋板の先端縁に
連設する舌状片を前記前側板に係止して閉蓋自在
に設けると共に、該蓋板を、その略中央部に前記
後側板に平行に設ける折目線を介して折曲げて舌
状片を前記第２側片と前記後側板との間に差込ん
で開蓋して被収納物を陳列することを特徴とす
る。

また、前記第２側片の後端縁に前記側板と略同
形の仕切板を連設し、且つ該仕切板を内方に折り
曲げて該第２側片と直角に設けてもよい。

（作用） かかる手段によつて、本考案の包装箱は、前記
各側板及び各片を折曲げ、且つ前記各爪片を、前
記耳片と側板との境界に設けられた差込み孔に差
込むだけで組立てられる。

該箱は、前記蓋板に連設する舌状片を前記前側
板に係止することにより閉蓋する。更に、該蓋板
を、その略中央部に前記後側板に平行に設ける折
目線を介して折曲げて舌状片を前記第２側片と前
記後側板との間に差込むことにより、蓋板を二つ
折りにした状態で前記後側板に沿つて起立させる
ことを可能とし、それによつて該箱が開蓋して収
納した物品の陳列を可能とする。更に、陳列状態
から再び閉蓋する場合は、前記第２側片と前記後
側板との間に差込んだ舌状片を抜き取り、該舌状
片を再び前記前側板に係止するだけで閉蓋を可能
とする。これにより、陳列と閉蓋とを繰り返して
行うことを可能とする。

また、前記第２側片に仕切片を連設して箱内を
仕切ると共に、該仕切片によつて第２側片を前記
後側板の内面に固定し、第２側片と後側板との間
に前記舌状片を差し込んだ際に、該舌状片を確実
に保持する。

（実施例） 本考案の一実施例を図面に基づき説明する。

第１図は本実施例の包装箱の陳列状態の組立斜
視図、第２図は第１図の展開図、第３図乃至第５
図は組立状態を示す斜視図、第６図は該包装箱の
閉蓋状態の斜視図である。

本実施例のデイスプレイ用組立包装箱１は、第
６図示のように外形は直方体からなり、第２図示
のように、段ボール等の紙材を打ち抜いて板紙２
を形成したものである。

該板紙２は、第２図示のように、方形状の底板
３の左右側縁に折目線４，５を介して２枚の側板
６，７が連設されている。両側板６，７の夫々の
前側縁には折目線８，９を介して第１側片１０，
１１が連設されている。また、両側板６，７の
夫々の後側縁には折目線１２，１３を介して第２
側片１４，１５が連設されている。両第２側片１
４，１５の夫々の後側縁には折目線１６，１７を
介して仕切片１８，１９が連設されている。該仕
切片１８，１９は、前記側板６，７と略同形状に
形成され、その夫々の先端には、係止片１８ａ，
１９ａが形成されている。更に、側板６の左側縁
には折目線２０を介して耳片２１が、同様に側板
７の右側縁には折目線２２を介して耳片２３が
夫々連設されており、該折目線２０，２２に沿つ
て係止孔２１ｂ，２３ｂが形成されている。

また、第２図示のように、前記底板３の前側縁
に折目線２４を介して前側板２５が連設されてい
る。該折目線２４に沿つて係止孔２４ｃ，２４ｃ
が形成されている。該前側板２５の前側縁には折
目線２６を介して内側板２７が連設されている。
該折目線２６に沿つて係止孔２７ｄが形成されて
いる。更に、内側板２７には、前記係止片１８
ａ，１９ａに対応する係止孔２７ｅ，２７ｅが形
成されており、該内側板２７の前側縁には、前記
係止孔２４ｃ，２４ｃに対応する係止片２７ｆ，
２７ｆが形成されている。また、前記底板３の後
側縁に折目線２８を介して後側板２９が連設され
ている。該後側板２９の後側縁の左右側の両端部
分に折目線３０，３１を介して固定片３２，３３
が連設されている。両固定片３２，３３の夫々の
先端には、前記係止孔２１ｂ，２３ｂに対応する
爪片３４，３５が連設されている。

第２図で、前記後側板２９の後側縁の折目線３
０，３１の間には、折目線３６を介して蓋板３７
が連設されている。該蓋板３７は、その略中央部
に前記後側板２９に平行に設ける折目線３８，３
９を介して屈曲自在であり、後述するが、両折目
線３８，３９を結んで装飾的に蓋板３７を形成す
る破断線４０が設けられている。更に、該蓋板３
７の後側縁に折目線４１を介して前記係止孔２７
ｄに対応する舌状片４２が連設されている。

以上のように構成された本実施例の包装箱１の
組み立てを順を追つて説明する。

先ず、第３図示のように、側板６，７を折目線
４，５に沿つて底板３に対して垂直に起立させ
る。続いて、第１側片１０，１１を折目線８，９
に沿つて内方に夫々側板６，７に対して直角に折
曲げる。そして、内側板２７を折目線２６に沿つ
て折り曲げて第１側片１０，１１の内面に当接す
る。その後、係止片２７ｆ，２７ｆを係止孔２４
ｃ，２４ｃに係止する。

次に、第４図示するように、第２側片１４，１
５を折目線１２，１３に沿つて夫々側板６，７に
対して直角に折曲げる。同時に仕切片１８，１９
を折目線１６，１７に沿つて夫々第２側片１４，
１５に対して直角に内方に折曲げる。その後、係
止片１８ａ，１９ａを係止孔２７ｅ，２７ｅに係
止する。これにより、仕切片１８，１９によつて
箱１内部は区切られる。

次に、第５図示するように、耳片２１，２３を
折目線２０，２２に沿つて内方に折り返して側板
６，７に重合させる。そして、後側板２９を折目
線２８に沿つて折り曲げて底板３に対して垂直に
起立させる。同時に両固定片３２，３３を折目線
３０，３１に沿つて底板３に対して水平に折り曲
げ、爪片３４，３５を係止孔２１ｂ，２３ｂに係
止する。これにより、後側板２９は第２側片１
４，１５の外面に密着した状態で固定される。

そして、該包装箱１を閉蓋するときには、第６
図示したように、蓋板３７を折目線３６に沿つて
折り曲げ、舌状片４２を係止孔２７ｄに差し込ん
で前側板２７に係止する。

また、該包装箱１を開蓋して陳列状態のときに
は、第１図示したように、蓋板３７を、折目線３
８，３９に沿つて折曲げて舌状片４２を前記第２
側片１４，１５と前記後側板２９との間に差込ん
で固定する。なお、本実施例では、両折目線３
８，３９を結んで破断線４０が設けられ、該蓋板
３７を折曲げることによつて、その破断線４０に
沿つた形状が装飾的に蓋板３７を形成する。これ
により、該蓋板３７の表面に商品の名称等を表示
するのに好適となる。

該包装箱１を陳列状態から再び閉蓋状態にする
ときには、第１図示の舌状片４２を第２側片１
４，１５と前側板２９との間から抜き取つて、第
６図示のように係止孔２７ｄに該舌状片４２を差
込むだけでよい。

（考案の効果） 以上のことから明らかなように、本考案のデイ
スプレイ用組立包装箱は、折り曲げと差し込みの
作業だけで組み立てることができる。また、該包
装箱は、蓋板を折曲げるだけで陳列状態に開蓋す
ることができるので、再び閉蓋することが可能で
あり、被収納物の陳列と閉蓋とを繰り返して行う
ことができる。

また、前記仕切片を設けることにより、前記舌
状片を確実に固定できるだけでなく、被収納物を
箱内で区分できるので被収納物に最適な陳列状態
を確実に保つことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の包装箱の陳列状態
の組立斜視図、第２図は第１図の展開図、第３図
乃至第５図は組立状態を示す斜視図、第６図は該
包装箱の閉蓋状態の斜視図である。 １……デイスプレイ用組立包装箱、３……底
板、６，７……側板、１０，１１……第１側片、
１４，１５……第２側片、１８，１９……仕切
板、２１，２３……耳片、２５……前側板、２７
……内側板、２９……後側板、３２，３３……固
定片、３４，３５……爪片、３７……蓋板、４２
……舌状片、２１ｂ，２３ｂ……係止孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 方形状の底板の左右側縁に連なる両側板を起
   立させて該底板に垂直に設け、両側板の夫々の
   前側縁に連なる第１側片を夫々内方に折り曲げ
   て両側板に直角に設け、前記底板の前側縁に連
   なる前側板を起立させて両第１側片の外側に当
   接して該底板に垂直に設け、起立した該前側板
   の上端縁に連なる内側板を内方に折曲げて前記
   両第１側片を介して前記前側板と重合して設
   け、前記両側板の夫々の後端縁に連なる第２側
   片を夫々内方に折り曲げて両側板に直角に設
   け、起立した両側板の夫々の上縁に連なる耳片
   を内方に折曲げて両側板に重合して設け、前記
   底板の後側縁に連設する後側板を起立させて両
   第２側片の外側に当接して該底板に垂直に設
   け、該後側板の上端縁の左右側の両端部分に連
   なつて延びる固定片の先端に設けた爪片を、両
   側板と夫々の前記耳片との境界に設ける差込み
   孔に差込んで前記後側板を固定して設け、前記
   後側板の両固定片の間において上縁に連設した
   蓋板を、該後側板に直角に折曲げて該蓋板の先
   端縁に連設する舌状片を前記前側板に係止して
   閉蓋自在に設けると共に、該蓋板を、その略中
   央部に前記後側板に平行に設ける折目線を介し
   て折曲げて舌状片を前記第２側片と前記後側板
   との間に差込んで開蓋して被収納物を陳列する
   ことを特徴とするデイスプレイ用組立包装箱。 ２ 前記第２側片の後端縁に前記側板と略同形の
   仕切板を連設し、且つ該仕切板を内方に折り曲
   げて該第２側片と直角に設けたことを特徴とす
   る請求項１記載のデイスプレイ用組立包装箱。