JPS63135238A

JPS63135238A - 振動減衰性複合金属板

Info

Publication number: JPS63135238A
Application number: JP28398386A
Authority: JP
Inventors: 喜多　雅己; 西出　健蔵
Original assignee: Daicel Huels Ltd
Current assignee: Daicel Evonik Ltd
Priority date: 1986-11-28
Filing date: 1986-11-28
Publication date: 1988-06-07

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は２枚の金属板の間にフィルム状あるいはシート
状のトランスポリオクテナマー樹脂を介在させてなる振
動減衰性複合金属板に関する。

（従来の技術）近年、住宅、自動車等の騒音規制強化に伴い、その対策
としているいろの方法が検討されているが、主として音
源、もしくはこれら音源の振動により発音する部品に制
振材を使用する傾向が高まっており、これまで種々の振
動減衰性複合金属板が提案されている。

例えば特公昭３９−１２４５１にはビニルアセテートと
マレイン酸ジエステル、ビニルクロリドとエチルへキシ
ルアクリレート等の共重合体を中間層とした振動減衰金
属板が開示されているが、これは粘弾性を有する樹脂を
利用して振動エネルギーを熱エネルギーとして吸収させ
るという公知の事実を利用したものである。この粘弾性
を有する樹脂は温度の変化に伴いその粘弾性が敏感に変
化するため、この粘弾性樹脂を利用した振動減衰性金属
板は、その性能が温度の変化により変化することが予想
される。

また、一般に振動吸収性能は損失係数なる物理量で表現
可能であり、その値が０．０５以上であれば撮動吸収材
としての効果があると言われている。

このような材料としては、ゴム系、共重合樹脂系、アス
ファルト系などの粘弾性物質が有効と考えられる。しか
し、これらは振動減衰性能は十分であっても金属との密
着性が悪かったり、２枚の金属板の間にはさみ込むため
の加工性が悪かったりして、現在に至るまで完全に満足
すべき材料は見当らない。

（問題点を解決するための手段）そこで本発明者らは、上記粘弾性物質の諸欠点を改良す
べく鋭意検討した結果、本発明に到達した。

即ち本発明は、低結晶性のトランスポリオクテブマー樹
脂を中間層として２枚の金属板の間に接着してなること
を特徴とする振動減衰性複合金属板である。

本発明で使用されるトランスポリオクテナマー樹脂は、
シクロオクテンを重合して成り、炭素原子８個当り１個
の二重結合を持ち、かつ分子量が１万以上であることが
必要で、更にはトランス含量が５０％以上、好ましくは
６０％以上、結晶化度が１０％以上の範囲にあることが
好ましａ）。このようなトランスポリオクテナマー樹脂
は、ガラス転移点が一７５°〜−３０″Ｃの範囲にある
ため、本発明の目的には最適である。

このトランスポリオクテナマー樹脂を構成する基材であ
るシクロオクテンの合成法としては種々の方法が採用で
きるが、例えばブタジェンを二最化した後、残った二重
結合２個のうち１個を水素添加することにより得られる
。このシクロオクテンを重合してトランスポリオクテナ
マー樹脂を得る方法としては種々の方法が採用できるが
、例えばメタセシス重合法により重合するとトランス旦
のコントロールが容易で好都合である。

本発明の撮動減衰性複合金属板用の中間層であるトラン
スポリオクテナマー樹脂には、軟化温度、成形性等を改
良するために必要に応じて可塑剤、無機充填剤などを配
合することができる。また、重合体樹脂材料に添加する
一般的添加剤である安定剤、帯電防止剤等は本発明の場
合も従来材料と同様に適宜添加することができる。

また、本発明のトランスポリオクテナマー樹脂は、必要
に応じて共役ジエン重合体組成物に対して用いられる通
常の加硫剤を添加し、架橋することにより振動減衰性を
改良することもできる。例えばイオウ系、チウラム系、
パーオキサイド系加硫剤と酸化亜鉛、ステアリン酸など
加硫助剤を単独または併用して添加することができる。

更に本発明のトランスボソオクテナマー樹脂は、従来公
知の丁−ダイフィルム製造装置またはインフレーション
フィルム製造装置を用いてフィルムやシートに成形した
後、２枚の金属板にはさまれて加熱圧着して接着される
。その際のフィルムやシートは１０μｍ〜１ｍ、特に２
０〜１５０ｕｍの厚さのものが好ましい。

本発明において使用される金属板としては、鉄、ニッケ
ル、チタン、アルミニウム、マグネシウム、銅、亜鉛、
錫などの金属板や、前記金属を主体とする各種の合金板
例えばステンレススチール板などが挙げられる。これら
の金属板の厚さは、得られる振動減衰性複合金属板の曲
げやしぼりなどの二次加工ができる範囲内であれば特に
限定されないが、一般的には０．０１〜５ｇＩＩＲの厚
さであればよい。これらの金属板は市販されているが、
それらには一般に油脂が付着しているので脱脂したもの
を用いるのが好ましく、その脱脂方法としては従来公知
のどんな方法でも良い。

本発明における振動減衰性複合金属板の製造方法として
は、同種または異種の金属板の間にトランスポリオクテ
ナマー樹脂のフィルムあるいはシートを介在させ、これ
を圧縮成形機やロールを使用して加熱圧縮するのが好ま
しい。その際金属板、トランスポリオクテナマー樹脂と
も、次の二次加工に便利な適当な大ぎさ形に切断してか
ら接着する方法、図１に示す連続的製造方法など種々の
方法を採用することができる。なお図１の連続的方法で
製造する際は、金属板を図２に示すような工程であらか
じめ脱脂すると、良好な接着性が得られるのでなお好ま
しい。

（発明の効果）本発明によって提供される振動減衰性複合金属板は、良
好な振動減衰性を示すだけでなく、中間層のトランスポ
リオクテナマー樹脂は、フィルムあるいはシート化が容
易なため複合化側□工が非常に簡単になり、しかも良好
な密着性を示すものである。

（実施例）本発明の詳細な説明するため、以下に実施例を示す。

実施例１〜５２枚の金属板として、１．０ｘ１５０ｘ３００履の一般
冷延鋼板を用い、トランスポリオクテナマー樹脂は、表
１に示すものを用いた。

表１に示すトランスポリオクテナマー樹脂（Ｍ１８社製
　ＶＥＳＴＥＮＡＨＥＲ８０１２）を、通常のＴ−ダイ
押出曙で厚さが８０μｌのフィルムを製造し、上記２枚
の鋼板の間にはさんで１５０℃、５ｋ（１／ｃｊ。

５分の条件で熱接着し、複合金属板を製作した。

これら複合金属板を用い、接着強度としてＴ−剥離試験
を、加工適性としてエリクセン試験を行なった。結果を
表１に示す。

また、上記複合鋼板の振動減衰性能を調べるため、機械
インピーダンス法により損失係数を測定した。結果を図
３に示す。

比較例１市販振動減衰性複合金属板、即ち厚さが１００μｍであ
る酢酸ビニル系樹脂で接着した複合金属板を用い、実施
例１〜５と全く同様にして接着強度、加工適性、減衰性
能を測定した。結果を表１、図３に記すが、実施例１〜
５に比較し全ての点で劣っていることがわかる。

比較例２一般冷延鋼板を用い、加工適性、減衰性能を比較した結
果を表１に示す。実施例１〜５で作製した複合金属板に
比較し、減衰性能が明らかに劣っているのがわかる。

【図面の簡単な説明】

図１は振動減衰性複合金属板の連続的製造方法を、図２
は金属板の連続的脱脂工程を、図３は実施例１〜５、比
較例１．２で使用した材料の損失率の温度依存性を示す
結果である。なお、図１において、１．１′は金属板、２．２′、３
．３′はロール、４．４′、８はレベラー、５．５′は
予熱工程、６．６′はロール、９は再加熱加圧工程、１
０は第一冷却工程、１１は第二冷却工程、１２．１３は
スリッター、７はトランスポリオクテナマー樹脂フィル
ム、１４は製品である振動減衰性複合金属板である。ま
た図２において、１５はロール、１６．１８は電解液槽
、１７は陽電極板、１９は陰電極板、２０は電源、２１
は水洗工程、２２は乾燥工程、２３は脱脂前の金属板、
２４は脱脂後の金属板を示す。

Claims

【特許請求の範囲】

トランスポリオクテナマー樹脂を中間層として２枚の金
属板の間に接着してなることを特徴とする振動減衰性複
合金属板。