JPS63134652A - 鋼帯の溶融金属めつき処理方法および装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、鋼帯に溶融金属めっきを施す技術に関するも
のであり、溶融金属めっきを鋼帯に施す際にめっき密着
性を改善し、部分的にめっきが付着しない現象を防止し
、溶融亜鉛めっき等に生じるやけ斑及びピンホールを防
止する技術に関するものである。

（従来の技術） 溶融亜鉛めっき鋼板、溶融亜鉛−アルミニウム系合金め
っき鋼板或いは溶融鉛めっき鋼板等の各種溶融金属めっ
き鋼板は、連続的に流れる鋼帯を焼鈍し、ガスクリーニ
ング法又はフラツクス性により鋼帯表面を清浄化する等
のめっき前処理を施した後、鋼帯を溶融金属めっき浴に
誘導し、鋼帯をめっきした後、過剰に付着した溶融金属
をガスワイピング法により目標付着量に調整することで
製造されている。

この製造工程では、溶融金属めっき浴に誘導される直前
の鋼帯表面には鋼板素材中の成分であるケイ素、マンガ
ン、チタン、ニオブ等の金属の酸化物が生成し、付着さ
れており、更に鋼板素材表面の結晶粒界にもケイ素、マ
ンガン、チタン、ニオブ等の金属の酸化物、炭化物或い
は窒素物等が析出し、濃化されている場合がある。上述
したように鋼板表面に金属の酸化物、炭化物あるいは窒
化物がある場合には、めっき層の密着性が不良になった
り、部分的にめっきが付着しない、謂ゆる不めっきの原
因となる。例えば、Ｓｔ−Ｍｎ系高張力鋼帯を無酸化炉
型ゼンジマー法の溶融亜鉛めっきラインにより溶融亜鉛
めっきをする場合に、前処理工程の無酸化炉と焼鈍炉に
おいて鋼板素材中のＳｉ、　Ｍｎが鋼板表面に濃化し、
酸化してＭｎＯ−５ｉＯ１等の複合酸化物被膜を形成し
て、亜鉛めっき層の密着性不良の原因となったり、部分
的にめっきが付着しない原因となる。また、＾ｌ　−Ｚ
ｎ系合金めっき鋼板を製造する場合にも、全く同じ原因
でめっき層の密着性不良や部分的にめっきが付着しない
現象が生じる。

また、前述したように鋼板素材表面の結晶粒界に金属の
炭化物、窒素物などが析出したり、鋼板素材表面に金属
酸化物が形成されると、ヤケムラの原因となる。例えば
、鋼板を溶融亜鉛めっきした後、加熱処理を施しＦｅ　
−Ｚｎ合金相を成長させた鋼板、謂ゆる合金化溶融亜鉛
めっき鋼板の場合、鋼板表面の結晶粒界に析出した金属
炭化物等や鋼板表面の金属酸化物により、化学式Ｆｅ２
Ａ　ｌ　ｓで示される健全なＡＩ富化層がめつき浴中で
鋼材表面に形成されない部分が生じて、Ｆｅ　−Ｚｎ合
金相が不均一となり、謂ゆるヤケムラの原因となること
は、良く知られていることである。

更に、鋼帯の溶融めっきの前処理工程中で、フラックス
による清浄工程を採用した場合にはフラックス中の異物
が鋼板表面に付着することが多く、またガスクリーニン
グ法による清浄工程ではハースロールに堆積していた金
属酸化物等の異物が鋼板表面に転写して付着したままで
あり、鋼板表面に付着している異物は、めっき後付着量
が調整された後の鋼板表面に残存することが多く、ピン
ホール、めっき層の密着性不良など、品質上の問題が発
生していた。

この様な問題を解決するために、溶融亜鉛めっきライン
の無酸化炉−焼鈍炉に至る前の工程において、鋼板表面
にＮｉ＋　Ｃｕ、　Ｆｅ等の金属を電気めっきし、予め
鋼板表面を清浄化すると共に鋼板表面での金属酸化物の
形成を抑制する方法が例えば、特開昭５７−１１４６５
０号公報等で開示されている。

（発明が解決しようとする問題点） しかし、上記公報等に記載されている方法では、ハース
ロールに堆積している異物が鋼板表面に転写し、付着す
ることを防止できず、またＮｊ＋　Ｃｕ等をめっきする
ための費用が比較的嵩むなどの欠点があった。

本発明の目的は、溶融金属めっき浴に至る前処理工程で
形成される鋼板表面や鋼板表面の結晶粒界の金属酸化物
、炭化物、窒素物やハースロール上に堆積した異物或い
はフラックス中からの異物除去し、めっき層の密着性を
改善し、鋼板表面にめっきされない部分が生じること、
ヤケムラやピンホールが発生することを極力防止するこ
とにある。

（問題点を解決するための手段） 本発明者等は、鋼板表面や鋼板表面の結晶粒界に形成さ
れる金属酸化物等やハースロールからの異物やフラック
スからの異物を鋼板表面より除去するためには、溶融金
属めっき浴に入った鋼帯に高速の溶融金属流を衝突させ
ることにより、金属酸化物等や異物を殆ど除去でき、め
っき層の密着性不良、部分的にめっきが付着しない現象
やヤケムラを防止でき、めっき鋼板の表面に異物が残ら
ず美麗なめっき鋼板が得られることを見い出した。

上記知見に基き、本発明は、熔融金属めっき浴中に導入
された鋼帯の全幅に亘り、熔融金属めっき浴中で、溶融
金属流を衝突させることを特徴とする鋼帯の溶融金属め
っき処理方法とすることで前述の問題点を解決した。更
に、本発明の装置は、溶融金属めっき槽と、溶融金属め
っき槽内に設けたシンクロールと、溶融金属めっき槽の
めっき浴上でめっき浴より鋼帯が導出される位置に設け
ためっき付着量制御手段とから構成される鋼帯の溶融金
属めっき処理装置において、溶融金属めっき浴中を通過
する鋼帯に近接して溶融金属流発生手段を設けたことを
特徴とする鋼帯の溶融めっき処理装置、としたことによ
り前述した問題点を解決した。

以下、本発明の一実施例について第１図に基き、説明す
る。

連続焼鈍工程を経た鋼帯１は、溶融金属めっき槽中の溶
融亜鉛めっき浴３中に導入され、浸漬する。更に、鋼帯
１は、シンクロール４及びサポートロール５を経て、ガ
スワイパ一式のめっき付着制御装置６により過剰に付着
した溶融亜鉛を調整して目標の付着量にするが、鋼帯１
が溶融亜鉛めっき浴３に浸入した直後より、溶融亜鉛め
っき浴中のサポートロール５に至る間、好ましくは鋼帯
１が溶融亜鉛めっき浴に浸入した直後よりシンクロール
４に至る間に、溶融金属めっき浴中を通過する鋼帯１に
近接して設けた溶融金属流発生手段７により、溶融金属
流を鋼帯１に対して略直角、乃至鋼帯１に対して若干傾
いた角度で鋼帯の全幅に亘り衝突させる。

鋼帯１に衝突させる溶融金属は、溶融めっき浴中の金属
と同一組成にする必要があるが、溶融金属中の必須添加
元素であり且つめっき鋼板の生産量の増加と伴に消費さ
れる元素、前述の溶融亜鉛めっきの場合にはめっき浴中
のへβ濃度を高めの濃度に調整した溶融亜鉛を衝突させ
ることもある。

また、溶融金属めっき浴中の溶融金属を鋼帯に衝突させ
る前に、めっき浴中の金属酸化物、合金等の有害異物を
濾過した後、溶融金属を綱帯に衝突させると、美麗なめ
っき銅板を製造するうえで好適である。

前記溶融金属流の流速は、めっき層の密着性の改善およ
び部分的にめっきが付着しないこと改善ために、３ｍ／
秒以上が望ましい。勿論、溶融金属流の流速は速い程、
その効果は顕著になる。

また、前記溶融金属流発生手段としては、第２図に示す
如く、鋼帯の全幅以上の広幅の羽根付回転ロールを鋼帯
近傍に設けてもよく、第３図に示す如く鋼帯の全幅以上
の広幅のスリット状ノズルから高圧の溶融金属を吐出さ
せてもよい。上記スリット状ノズルは、鋼帯の流れる方
向に複数個設置することもできる。

（作　用） 本発明の如く鋼板に溶融金属流を衝突させると、衝突時
の溶融金属の運動エネルギーが鋼帯表面に作用し、溶融
金属流の速度が高速になる程鋼帯表面に作用する溶融金
属の運動エネルギーは大きくなり、鋼板表面に形成され
た金属酸化物等の被膜を破壊したり、鋼帯表面に付着し
た異物に作用する力が大きくなる。この溶融金属流の衝
突により、金属酸化物等の被膜や付着した異物は鋼板表
面より除去され鋼板表面が活性となり、めっき層の密着
性が改善され、部分的にめっきが付着しない現象を抑制
することができる。

例えば、高速の溶融亜鉛流を鋼板表面に衝突させた場合
、鋼板表面の金属酸化物等や異物を除去し鋼板表面を活
性化すると共に、化学式Ｆｅ２Ａ　ｌ　５で表わせるＡ
ｌ冨化石の形成反応に不可欠なＡβを活性な綱板表面に
高速で多量に供給することになり、短時間に健全な形で
Ａｌ冨化層が形成されるので、金属酸化物被膜による亜
鉛のはじき現象は起らず、めっき層の密着性が改善され
る。本発明者等は、浴温４７０℃、浴中のへ１濃度０．
１６重量％、ラインスピード７０ｓ／分、片面当りのめ
っき付着量６０ｇ／ｍ”の条件で、めっき密着性の劣る
Ｓｉ　−Ｍｎ系高張力鋼板について、溶融亜鉛流を衝突
させた条件と溶融亜鉛流を衝突させない条件下で実験を
行った。各溶融亜鉛めっき鋼板について、めっき層中の
ＡＪ濃度について分析した結果、溶融亜鉛流を衝突させ
た場合の鋼板は、めっき中のＡＮ濃度が著しく高く、鋼
板素地とめっき層との界面に形成されるＡ１冨化層が鋼
板全面に健全な形で形成されているものと推定される。

この結果から、溶融亜鉛流の衝突により、ＭｎＯ−５ｉ
０２系の複合酸化物が破壊されて鋼板表面から除去され
、ｉ富化層の形成反応に不可欠な活性な鋼板表面が得ら
れたことが推察される。

次に、溶融亜鉛めっき鋼板のヤケムラに対して有効な理
由については、次のような理由が挙げられる。即ち、ヤ
ケムラは、ｏ、　ｗ４板表面の結晶粒界に金属炭化物、
窒素物が析出することによって、生ずる場合と、＠、鋼
板表面に酸化物の被膜が形成されることによって生じる
場合と、Ｏ３めっき浴に浸入する直前の鋼板温度が幅方
向に不均一になることにより生じる場合があるが、■、
及びＯｌについては、溶融金属流が金属酸化物、窒素物
、炭化物を鋼板表面より除去する作用が働いたものと思
われる。また、Ｏｏについては、鋼板表面の全面に亘り
均一で、健全なＡＩ冨化層を形成する反応を促進する作
用が働いた結果であると推定される。

（実施例１） 無酸化炉型ゼンジマ一式溶融亜鉛めっきラインで、浴温
４７０℃、＾ｔｉ　？１度０．１６重量％の溶融亜鉛め
っき浴中に、第２図に示す羽根付回転ロール対が２段と
なるように設け、鋼帯に衝突直前の流速が４ｍ／秒とな
るように回転速度を調整し、ラインスピード７０ｍ／分
、めっき付着１．６０ｇ／ｍ”となる条件で５１−Ｍｎ
系高張力冷延鋼帯に溶融亜鉛めっきをした。また、比較
のため羽根付ロールを取り外した以外は同一の条件下で
、Ｓｔ　−Ｍｎ系高張力冷延綱帯に溶融亜鉛めっきを施
した。

各溶融亜鉛めっき鋼板について、めっきが付着していな
い、謂ゆる「不めっき」の個所の個数、めっき密着性及
びめっき表面上の異物について調査して結果を第１表に
示す。

尚、めっき密着性の評価は、溶融亜鉛めっき鋼板を折り
曲げて、互いに密着させ、引張り力が作用している側の
曲げ部にセロテープを貼り付けた後、セロテープを剥離
して評価した。

第　　１　　表 同表からも判るように、鋼帯に溶融亜鉛を衝突させるこ
とにより、不めっきは減少すると共にめっき密着性も向
上していることが判る。

（実施例２） 無酸化炉型ゼンジマ一式溶融亜鉛めっきラインで、浴温
３９０℃、Ａ１濃度が４，９重量％のめっき浴中に、第
３図に示すように一対のスリット状ノズルを設け、鋼帯
に衝突する直前の流速が４ｍ／秒となるように調整し、
ラインスピード６０ｍ／分、めっき付着量が１３０ｇ／
ｍ”となる条件下で、低炭アルミキルド冷延鋼帯にＡＪ
−Ｚｎ合金溶融めっきを施した。また、比較のためにス
リット状ノズルを取り外し、同じ条件下で低炭アルミキ
ルド冷延鋼帯にＡＪ２−Ｚｎ合金溶融めっきを施した。

両羽帯について、ピンホールの発生数を調査した結果を
第２表に示す。

第２表 同表からも判るように、鋼帯に溶融金属を衝突させるこ
とにより、ピンホールが皆無となった。

以上述べた例は、溶融亜鉛めっき、ＡＩ　−Ｚｎ合金溶
融めっきの場合であるが、この他には溶融鉛めっきにつ
いても適用可能である。

（発明の効果） 以上説明したように本発明によれば、溶融金属めっきの
前処理段階で鋼帯表面に生成した金属酸化物、炭化物、
窒素物、ハースロールから転写し付着する異物、或いは
フラックス中の異物を鋼帯表面から除去できるので、め
っき密着性、部分的にめっきが付着しない現象を改善で
き、ヤケムラやピンホールを防止できると共に異物が付
着しない美麗なめっき鋼板が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の溶融金属めっき処理装置を示す図で
あり、 第２図は、溶融金属流発生手段として羽根付ロールを設
けた例を示す図であり、 第３図は、溶融金属流発生手段としてスリット状ノズル
を設けた例を示す図である。 １・・・綱帯　　　　　　　３・・・めっき浴４・・・
シンクロール　　　５・・・サポートロール６・・・ガ
スワイパ一式付着量制御装置７・・・溶融金属発生手段
　８・・・羽根付ロール９・・・スリット状ノズル 特許出願人　　川崎製鉄株式会社 第１図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、溶融金属めっき浴中に導入された鋼帯の全幅に亘り
   、溶融金属めっき浴中で溶融金属流を衝突させることを
   特徴とする鋼帯の溶融金属めっき処理方法。 ２、溶融金属めっき槽と、溶融金属めっき槽内に設けた
   シンクロールと、溶融金属めっき槽のめっき浴上でめっ
   き浴より鋼帯が導出される位置に設けためっき付着量制
   御手段とから構成される鋼帯の溶融金属めっき処理装置
   において、溶融金属めっき浴中を通過する鋼帯に近接し
   て溶融金属流発生手段を設けたことを特徴とする鋼帯の
   溶融めっき処理装置。